1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 10:13:11 ID:1nEHuaZM0


  第1節 乙女の恥じらい


ある休日の午後、みおの部屋

ゆっこ「...」ペラ

ゆっこ「...」ペラリペラリ

ゆっこ「...ぷっ」ペラ

ゆっこ「ぷふっ、ふふふ」

ベッドに寝そべり、みおの漫画を読むゆっこ


ゆっこ「...ふう」パタン

みお「...」



3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 10:17:02 ID:1nEHuaZM0


スクッ スタスタ

立ち上がり本棚に近づく

ゆっこ「うーん」ゴソゴソ

ゆっこ「おっ」ヒョイ

お目当ての漫画が見つかったようだ

ゆっこ「んー」チラッ

本を手に取ったまま、みおを横目で見る
ゆっこの位置からではみおの表情をうかがうことはできない
何か考え事でもしているのだろうか
みおは机に向かい、首だけを窓の方に向けたままじっと外を眺めている
ピクリとも動かない


スタスタ ゴロン

ゆっこ「ふーい」

漫画を読むため、再びベッドに横になるゆっこ

ゆっこ「...」ペラ

みお「...」




4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 10:28:11 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「...」ペラリペラリ

ゆっこ「...」ペラ

ゆっこ「くっ、んふふ」

ゆっこ「ひひっ、んははは」

ゆっこ「...あーあ」ゴロン

ゆっこ「んー」ペラ

ゆっこ「...」

ゆっこ「...ふむ」ペラリ

みお「...」




5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 10:38:35 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「...」ペラ

ゆっこ「ぶふっ!」

ゆっこ「ふひっ、ふひひっ」ケラケラ

ゆっこ「んくくく、ひひっ、うえっ、おえっ」ゴロゴロ

ゆっこ「おえっ、うえっ、ぅううおええぇっ」ケタケタ

みお「...」




6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 10:52:02 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「ふぅーい」ペラ

ゆっこ「...」ペラリ

ゆっこ「ふっ」

ゆっこ「ふふっ」

ゆっこ「ふ... あ、いや、このシーンやっぱそんな面白くないや」ペラリ

みお「...」




7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 11:00:53 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「んー」ペラリ

ゴソゴソ ポリポリ

漫画を読みながら、服の中に手を入れ自分の背中を掻くゆっこ

ゆっこ「...」ペラ

ゴソゴソ ポリポリ ポリポリポリポリ

相当かゆいらしい

ゆっこ「よっと」ヒョイッ

持参した500mlコーラを手にする

ゆっこ「んくんく...」

チュポン

ゆっこ「ぷはー」

ゆっこ「んー」ゴロン

読書再開である

みお「...」




9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 11:13:09 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「...」ペラ

ゆっこ「...」ペラリ

ゆっこ「ふふん」ペラペラ

ゆっこ「ふふ」

ゆっこ「んー」


ゆっこ「げふっ!!」

ゆっこ「んん!? んんんんん///」キョロキョロ

思わずゲップをしたのがちょっと恥ずかしいらしい


ゆっこ「んへ、へへへ///」ペラリペラリ

みお「...」


                 第1節 乙女の恥じらい - end -




10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 11:25:46 ID:1nEHuaZM0


  第2節 乙女の慣れ


引き続き読書中

ゆっこ「...」ペラペラ

ゆっこ「むむむ...」ペラリ

ゆっこ「ういっ... くしゅん!!」ズビー

ゆっこ「ういー」グスッ

ゆっこ「んぐぐ」キョロキョロ

ティッシュを探しているようだ




12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 11:41:23 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「あ!」ピコーン

ティッシュを見つけた様子
なるほど、机の上に置いてある

ゆっこ「うーん」ムムム

ベッドを下りて取りに行くのが億劫らしい

ゆっこ「ういー」ゴロン

ゆっこ「んぐぐ」グスグス

大して鼻水も出ていない
ティッシュを使うのはあきらめたようだ

ゆっこ「...」

ゆっこ「ふむ...」ペラリ

みお「...」




13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 11:52:46 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「...」ペラ

ゆっこ「んははははは」ゲラゲラ

ゆっこ「なはっ、はははは」ワラワラ

ゆっこ「ほひっ、ほひひひひ」ケラケラ

ゆっこ「ひひっ、ひひぃ―――ぃっっっっくしゅん!!!」ズビズババーン

ゆっこ「うひぃー!!」グスグスッ

飛び出る鼻水
先ほど鼻をかむのを一度怠っているため、その量は半端ではない

みお「...」




14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 12:04:30 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「ういー」グスッ グスグスッ

フラフラ トコトコ

流石に今回はティッシュを取りに行くようだ

シュシュッ チーン

2枚


ゆっこ「あうー」グスッ

シュッシュッ シュシュッ チーーン

4枚


ゆっこ「んー」ゴシゴシ




15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 12:16:15 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「...」クルクル

ゆっこ「ほっ」シュッ

カサッ

使ったティッシュを丸め、ゴミ箱へ向かって投げる
ホールインワンだ

ゆっこ「イエスッ!」グッ

ゆっこ「イエス! イエス! イエッス!」グッグッグッ

ゆっこ「イエース」チラッ

思わずガッツポーズをきめるゆっこ
今の華麗なるショットを見たか、と言わんばかりのドヤ顔でみおのほうを見る

ゆっこ「...」

しかし残念、友人は彼女の勇姿を見てはいなかった
依然じっとして動かず、ひたすら窓の外に目をやっている
一体何をそんなに考え込んでいるというのか

ゆっこ「ふう...」スタスタスタ ポスン

みお「...」




16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 12:26:15 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「...よし」コトッ

ベッドに腰を下ろし、枕元にティッシュ箱を置く
これでまたいつくしゃみが出ても問題ない

ゆっこ「んふー」ヒョイッ

ベッドの側に置いてあるコーラを手に取る
先ほど失った大量の水分を補給しなくてはならない

ゆっこ「んく... んくんくんく...」

チュッポン

ゆっこ「ぷはー」




18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 12:40:38 ID:1nEHuaZM0


まだだ、まだ体は水分を欲している

ゆっこ「んくんく... んくんくんく...」

チュッ ―ポン

ゆっこ「ぷひー」

ゆっこ「げぇふっ」

ゆっこ「ん、んんん///」パタン

中々の重低音だった
軽く顔を赤らめつつベッドに倒れこむ

みお「...」




19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 12:49:20 ID:nnF0UtUsi


ゆるい




20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 12:52:01 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「...」ペラリ

ゆっこ「んー」ペラペラ

ゴソゴソ ポリポリ

ゆっこ「...」ペラリ

ゴソゴソ ポリポリ ポリポリ

また背中がかゆくなってきたようだ




21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 13:01:20 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「んーん?」

グイッ グイッ ポリポリポリポリ

ゆっこ「んん? あン?」

グイッ グイッ

どうやらかゆいところに手が届かないらしい

パタン

ゆっこ「ちょ、ふんんんん」

グイッ グイッ

漫画を読むのを一時中断する
背中を掻くことに専念し始めたようだ




22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 13:14:04 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「ふんっ、ふぅぅんんんん」

グイッ ポリポリ ポリポリ

ゆっこ「ああン!? ああああン!?」

グイッ グイッ ポリポリ

ゴロゴロ

手が届かないもどかしさに、背中を掻きながらベッドの上を転がり始める

ゴロゴロ ゴロゴロ

ゆっこ「ふっ! うっ! はン!? はああああン!?」

グイッ ポリポリ ポリポリ

ゴロゴロ ゴロリン

ゆっこ「はぁン!? はぁぁぁああぁぁあああああああン!!??」

ポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリ

ゴロリン ゴロゴロ ゴロゴロリン

ゴロリン ゴロリン ゴロゴロリン

みお「...」




23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 13:28:59 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「ふうっ、ンはっ、はぁン、はあ、ンふっ...」ゼエゼエ

ゆっこ「ふう... ふう...」ゼーハー

ゆっこ「ん...」


ゆっこ「...」

ゆっこ「んふっ」ゴロン

読書再開である

みお「...」




24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 13:45:34 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「んーふふー」ヒョイ

ゆっこ「ごく... ごくごくごく...」

チュッ ―ポン

ゆっこ「ぷっはー」

一仕事終えた後のコーラはうまい
満足げな彼女の表情がそう物語っている




25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 13:46:59 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「げぇぇぇぇっふ」

いいのだ

もう、いいのだ


ゆっこ「ごきゅ... ごきゅごきゅごきゅ...」

チュッ ―――ポン

ゆっこ「ぷっふぁー」

ゆっこ「げふっ、げぇぇぇぇぇっふ」

もう

慣れたのだ

何も

恥らうことなどないのだ


ゆっこ「うっ、げふっ」

みお「...」


                 第2節 乙女の慣れ - end -




27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 13:59:58 ID:1nEHuaZM0


  第3節 乙女の投擲


まだまだ読書中

ゆっこ「...」ペラリペラリ

ゆっこ「ふわぁ」

少し眠そうだ

ゆっこ「うーん」ペラ

ゆっこ「...」

ゆっこ「へ、へくちっ」ズビッ




29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 14:14:56 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「あー」グズッ

シュシュッシュッ チーン

寒さのピークは過ぎたとはいえ、春になるにはまだ早い

風邪のひき始めだろうか、などと考えているのだろう
鼻をかみながら、どこか思案げな表情を浮かべるゆっこ

ゆっこ「へ、えへへ」

クルクル クルクル

さっきまでの雰囲気とは打って変わって、どことなく得意気な表情でゆっこは鼻をかんだティッシュを丸めている
あらかじめ枕元に用意しておいたティッシュが役に立ったのがそんなに嬉しいのだろうか

ゆっこ「む...」ピクッ

ティッシュを丸める手の動きが止まる
彼女は気づいたのだ
ティッシュ箱はベッドまで運んできたが――

ゆっこ「ああん」ポフポフ

ゴミ箱は持ってきていない

ゆっこ「うーん」ブーブー




30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 14:21:53 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「むむ...」ジー

再びベッドを下りるのが嫌なようだ
鋭い目で目標を見つめ、狙いを付ける

ゆっこ「ほいっ」シュッ 

カサッ ポトリ

ゆっこ「...」

おしい
ゆっこの投げたティッシュはゴミ箱の淵にはじかれ、中に入ることはなかった




31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 14:36:47 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「...」ジトー

ゴミ箱のすぐ右隣、床の上にころんと転がったティッシュ玉に対し恨めしそうな目を向ける
あと3センチ、あと3センチ左にそれていればめでたくホールインワンだったのに
そう言いたげな、じっとりとした視線である

ゆっこ「...」ジトー

ゆっこ「...」ジトー

ゆっこ「......」


ゆっこ「ふぅ」ゴロン

さあ、読書再開である

みお「...」




32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 14:40:00 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「...」ペラ

ゴソゴソ ポリポリ ポリポリ

ゆっこ「...ぷっ」

ゆっこ「ふふふ」ペラッ

ゆっこ「くしゅん!」




34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 14:51:09 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「...」タラーン

ゆっこ「ああ、もう!」パタン

ギシッ

グスッ

シュシュッ

チーン

ポイッ

ポトッ

ギシッ

ゴロン

ゆっこ「...ふぅ」ペラリ

流れるような動きで鼻をかみ、再び漫画を開く
適当に放り投げたティッシュ玉には一瞥もくれない
ベッドのすぐ側に転がったティッシュ玉が寂しげな視線をゆっこ送る

ゆっこ「ふふっ」ペラ

みお「...」




35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 15:03:49 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「んー」ペラペラ

ゆっこ「よっと」ヒョイッ

ゆっこ「んくんく...」

チュポン

ゆっこ「...げふっ」

ゆっこ「よし」ゴロン

ゆっこ「...」ペラペラリ

ゆっこ「んふふ」

ゆっこ「...」ペラッ

ゆっこ「げふっ、げぇぇっふ」

ゆっこ「んー」ペラリ

ゆっこ「ふっ、ふふふ、げふっ、ふふふ」

みお「...」




37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 15:08:26 ID:q5sb+pWv0


何だこのなんとも言えない感覚は




38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 15:18:35 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「んふふ」

ゆっこ「...」ペラッ

ムズムズ

ゆっこ「むむ...」スンスン

ゆっこ「...」ペラ

ムズムズ

ゆっこ「むー」スンスン

時々鼻をすするゆっこ
風邪というより鼻炎かもしれない
鼻がむず痒いようだ




39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 15:31:58 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「ん?」スンスン

ゆっこ「ふ、ふぁ、はっ――」

くしゃみの予感

ゆっこ「はっ、はっ――!」

大げさに体をのけぞらせる


ゆっこ「...」

ゆっこ「......」

ゆっこ「ふぅ」ペラ


出なかったようだ

みお「...」




40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 15:45:05 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「ふんふーん」ペラッ

ゆっこ「ふふんふーん」ペラペラッ


ゆっこ「ふふふーん」ヒョイッ

ゆっこ「んく...」

ゆっこ「んく...」

ゆっこ「んくんく...」


ゆっこ「っぶしょーーーい!!!」ブハー

飛び散る鼻水&コーク

空気中にまぶされた琥珀色の飛沫は窓から差し込む日の光を浴び
不可抗力の名の下、みおのベッドと漫画の上にキラキラと降りかかる

くしゃみが出たようだ




41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 15:59:25 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「まぁあああ!!」ポタポタポタ


シュシュシュッ シュシュッ

5枚


ゆっこ「マーーー!!」

ゴシゴシゴシゴシゴシゴシ


シュシュシュッ シュシュシュッ

6枚


ゆっこ「まぁぁああぁああああああ!!」

ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ

ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ




43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 16:10:23 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「はあっ、はぁ...」ゼエゼエ

ゆっこ「はぁ、っんふぅ...」ゼーハー

呆然とするゆっこ
彼女の左手に握られた漫画はふやけ、ベッドには両手でも隠せないほどのシミが出来ている
そのシミの上にはコーラ色に染まった2つのティッシュ玉が転がり、空しさに体を縮めている

ゆっこ「ふう... ふう...」ハーハー

みお「...」




44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 16:19:06 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「ああっ、もう! もう!」ガシガシ

己の失態にイライラしているのだろう
グシャグシャと髪の毛を掻き乱すゆっこ

ゆっこ「ふんっ」ポイッ

ティッシュ玉を一つ掴み、投げる

カサッ ポトリ

玉はゴミ箱の淵にはじかれ、床に転がった

ゆっこ「ふんっ」ポイッ

もう一つのティッシュ玉を投げる

ポンッ ポトリ

これも入らない
玉はゴミ箱の横にそれ、壁に当たり、床に転がった




46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 16:29:17 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「んもう!」ガシッ

シュシュッ クルクル

シュシュッ クルクル

シュシュッ クルクル

新しいティッシュ玉を3つつくる

ゆっこ「ぃよーし」グッ

両手を使い、3つのティッシュ玉をまとめて持つ




47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 16:38:04 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「ほいっ」シュッ

そのまま3つの玉をいっぺんに投げた

コロン

コロン

両手で投げるのは片手の場合と勝手が違うのだろう
3つの玉うち2つはゴミ箱に届きもしなかった

残りの一つは十分な勢いがあったのだが、あさっての方向へ飛び――

ポコッ

みおの頭に命中した


                 第3節 乙女の投擲 - end -




49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 16:46:47 ID:1nEHuaZM0


  第4節 乙女の沈黙


ヒューン ポコッ

ティッシュ玉がみおの頭頂部付近に命中する

ゆっこ「ンマーーー!!」カサカサカサッ

瞬間、ゆっこが素早い動きをみせた
漫画とシーツをコーラまみれにしたことをみおに知られたくないのだろう
ふやけた漫画とベッドのシミを自分の体で覆い隠す

ゆっこ「...」ドキドキ ドキドキ

その体勢のまま、ゆっこはみおが振り向くのを今か今かとじっと見つめる

ゆっこ「...?」ドキドキ

しかしみおは静止したままで、一向にこちらを振り向こうとしない
ティッシュ玉が当たったことに気づいていないのだろうか

ゆっこ「ほっ...」フイー

とりあえず胸をなでおろす

みお「...」




52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 16:57:57 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「...」セッセ セッセ

シュシュッ クルクル

体を起こし、続けてさらにもう1つティッシュ玉を作るゆっこ
どうしてもごみ箱に投げ入れたいようだ

ゆっこ「よしっ」キリッ

玉完成が完成した

ゆっこ「...」スッ

玉を手にしたまま、ゆっこはゴミ箱に対し背を向ける

もう一度ホールインワンを決めたい

そんな強い意志を瞳に宿し、一呼吸おいた後、
ごみ箱を背にしたまま瞑想を始める




53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 17:01:50 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「ふぅ...」

精神統一
おそらく映画のワンシーンでも思い浮かべているのだろう

考えるのではない

感じるのだ

心の目で

ゴミ箱をみるのだ




55: まってくれwww 2012/03/18 17:11:39 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「そこっ!」バッ

振り向くと同時にティッシュを投げる

シュンッ

振り向きながら投げたことで、想像以上の勢いをもってティッシュ玉が飛んでいく

空を貫くようにして進む玉
まるで目標に向かって飛んでいく矢のようだ

迷いなく

ひたすらに真っ直ぐ


パシンッ

その矢はみおの後頭部、ど真ん中を射抜いた




56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 17:20:56 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「いっ――!?」

みおに叩きつけられたティッシュ玉は、そのまま彼女の後頭部にめり込むようにして一瞬その場所に留まり、

ポロッ


ゆっこ「ぃぃいぃいぃ――??」

しらばくののち、バウンドすることなくポロリとそこから離れ落ちて、


ストン

そしてそのまま、みおが着ているパーカのフード内に収まった


ゆっこ「ぃいぃいぃ ――イエスッッッ!!!」グッ

ホールインワンである




59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 17:31:06 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「イエス! イエス! イエッス!」グッグッグッ

ここぞとばかりに渾身のガッツポーズをきめるゆっこ

ゆっこ「イエース」チラッ

流石に今のは気づいたんじゃないか
そろそろ怒られるんじゃないか

ガッツポーズをとりながらも、そんな期待と不安が混ざった視線でみおのほうをちらっと見る

ゆっこ「あ、あえ?」

しかし友人は彼女のほうを振り向かない
怒りもしない
窓の外に目をやったまま、ひたすらじっとしている
気づいていないはずはないのだが

みお「...」




61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 17:38:05 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「...」ゴソゴソ

スタスタスタ

ヒョイッ ヒョイッ ヒョイッ

ポイッ

ゆっこはベッドを下り、床に散らばったティッシュ玉を片付ける

ゆっこ「...ふう」スタスタスタ

ゴミ箱の周辺は綺麗になった

最後に

ゆっこ「...」ソー

恐る恐る、みおのフードの中に手を入れるゆっこ

ヒョイッ

ティッシュ玉を取り出すことができたようだ
これもゴミ箱に捨てる

ゆっこ「...」ポイッ

みお「...」




62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 17:43:56 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「...」ヒョイッ スタスタ

ゴミ箱をベッドのほうへ持っていくゆっこ

チラッ

途中、足を止めみおのほうを振り返る
やはりみおはじっとしたまま動かない

ゆっこ「...ふむ」スタスタスタ

みおに背を向け、ベッドのほうへ歩いていく




65: まってくれwwwストックが追いつかんwww 2012/03/18 17:52:24 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「うわっち!」

余所見をしていたせいか、急に足をもつれさせ前に倒れこむゆっこ

ドバッ

その勢いでゴミ箱の中身が飛び出る

ザザザッ


ゆっこ「...」

ゆっこ「...」コトッ

軽くなったゴミ箱を床に置く
彼女自身はなんとか体勢を立て直し、転ぶことはなかったのだが
ベッドの上にゴミ箱の中身をすべてぶちまけてしまった




67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 17:57:27 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「Oh...」

呆然とした表情を浮かべる


ゆっこ「ジーザス...」チラッ

後ろを振り返る
大丈夫だ
みおはこっちを見ていない

みお「...」




68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 18:04:12 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「くっ...」バッ

大量のゴミでデコレートされたベッドに慌ててに駆け寄るゆっこ

ゆっこ「あわわ」シュババ

ただでさえコーラで漫画とシーツを汚してしまったというのに、流石にこれはまずい
という焦りがあるのだろう
ものすごいスピードでゴミを片付けにかかる




69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 18:11:57 ID:1nEHuaZM0


早くしないとみおに気づかれてしまう
ゆっこはベッドの上に散乱しているゴミ達を次々とゴミ箱に戻していく

ゆっこ「はわわ」アセアセ

ポイポイポイッ

ベッドの上にばら撒かれたティッシュ玉
くしゃっと丸められたメモ用紙
スナック菓子が入っていた袋


ゆっこ「あうあう」アセリアセリ

ポイッ

枕元に置いてあるネズミを模した小さなデジタルの目覚まし時計




70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 18:20:00 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「えっと、えっと」アセアセ

ポイポイポイッ

ベッドの足元、畳まれた毛布の上にまで飛んでいったチョコレートの空き箱
破れたルーズリーフ
小さく丸められたチラシの類


ゆっこ「よいしょ、よいしょ」アワアワ

ポイポイポイポイッ

枕元の電灯の側に置いてある赤いヘアゴムとヘアピン
ポケットサイズのメモ帳
以前にお気に入りだとみおが言っていたシャーペン
先々週、一発で取れた、とUFOキャッチャーを前に喜びながら見せてくれたNEZUMIのキーホルダー
無造作に置かれた手のひら大の封筒と手紙


ゆっこ「ふぅ...」クイッ

ベッドの上とその周りにあった物はあらかたゴミ箱に押し込むことができた
これで問題ないだろう、というような表情でゆっこは汗をぬぐう

みお「...」




71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 18:25:49 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「ふぃー」ゴロン

安堵の表情を浮かべつつベッドに横になるゆっこ

ゆっこ「よっと」ヒョイッ ペラッ

読書再開である

みお「...」




75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 18:33:27 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「...」ペラ

ゆっこ「...」ペラリペラリ

ゆっこ「...」

ゆっこ「ぷふっ、ふふふ」

ゆっこ「...」ペラッ

手にしている漫画は多少ふやけているが、読んでいる本人は気にしていないようだ

みお「...」




77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 18:39:19 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「むー」ペラ

ゆっこ「...」ペラリ

ゆっこ「よし」ヒョイッ

ゆっこ「んくんく...」

チュポン

ゆっこ「ぷはー」

ゆっこ「げふぅ」ゴロン

みお「...」




78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 18:40:10 ID:ee0QK7iz0


ゆっこに狂気を感じる




79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 18:42:50 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「ひひっ、ひひひ」ペラ

ゆっこ「...」

ゆっこ「むふふふ」ペラリ


みお「...sさ」ボソッ


ゆっこ「なはははっ」ペラペラ


みお「...もし ...さ」ボソボソッ




83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 18:50:56 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「へ?」ペラリ

みおの声にゆっこが反応する


みお「もし... もしも... さ...」ボソリ

ゆっこ「うん」ペラリペラリ

漫画を読みながらもみおの声に耳を傾けるゆっこ


みお「もし...生まれ変われるとしても、さ」

ゆっこ「...」ペラペラ

ゆっこ「...」パタン


みお「私...」

ゆっこ「うん」チラッ

漫画を読むのをやめ、ゆっこはみおのほうをみる
みおは相変わらず机に向かったまま
首だけくいと曲げたお決まりの姿勢でじっと窓の外を眺めており
ゆっこの位置からではその表情をうかがうことはできない




86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 18:55:18 ID:1nEHuaZM0


みお「もし生まれ変われるとしても私...」

ゆっこ「...」


みお「綿飴かビニール袋でいいや」

ゆっこ「...」


ゆっこ「...」


ゆっこ「...」


ゆっこ「...」


ゆっこ「...」




89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 18:56:57 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「......」


ゆっこ「......」


ゆっこ「......」


ゆっこ「......」


ゆっこ「......」


ゆっこ「......」


ゆっこ「......」


みお「...」




90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 19:02:09 ID:1nEHuaZM0


ゆっこ「......」


ゆっこ「......」


ゆっこ「......」


ゆっこ「......」


ゆっこ「......うん」


長い沈黙を経て発せられたゆっこの一言を、みおはどう受け止めたのか
彼女は未だ例のポーズを崩すことなくじっとしているため、その表情を確認することはできない


ひたすら窓の外を眺め続けるみお
みおを習ってゆっこも窓の方に目を向けてみる

窓の外、薄いガラスを隔てた外の世界では
綿菓子のように白い雲がふわりふわりと、青く透き通った風の中を泳いでいた


                 第4節 乙女の沈黙 - end -

< みお「天まで届けこの想い」 - fin - >




92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 19:04:15 ID:1nEHuaZM0


こんなオチでごめんなさい
読んでくれてありがとう
なんか最初考えてたのと違った感じで終わってしまった
シリアスな雰囲気にするつもりはなかったんだが

一応説明を

笹原への恋心に悩むみお
ラブレター書く(ベッドに置いてたやつ、ゴミと間違ってゆっこが捨てた)
渡す勇気がない
窓の外を眺める

ゆっこが遊びに来るが恋の病でそれどころではない

こんなに苦しい思いをするんだったら、来世はあの雲みたいに
なにも考えず自由にふわふわしていたい
いや自分には雲でさえおこがましい
綿飴で十分だ
いやいやもういっそビニール袋でいいんじゃね
ふわふわしてるし

ねえゆっこ...
end

って感じです

当初考えていたのはもっと淡々としたオチです
一応そっちのほうも書いておきたいので投下させてもらいます




94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 19:05:03 ID:HCkibeso0



青春やでぇ・・・




96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 19:09:10 ID:1nEHuaZM0


>>89のつづき)

ゆっこ「......」


ゆっこ「......」


ゆっこ「......」


ゆっこ「......」


とても、とても長い沈黙ののち、部屋の中に充満した静寂がそろりとほどかれる


ゆっこ「......うん」

鼻から吐息が抜けていくような一声
それはゆっこの喉の奥から搾り出されるようにゆっくりとまろび出た
肯定の一言であった


                 第4節 乙女の沈黙 ‐end‐

< みお「天まで届けこの想い」 ‐fin‐ >




97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 19:14:19 ID:1nEHuaZM0


こっちはシリアス要素皆無のつもりです

みおんちに来るゆっこ
物思いにふけるみお
ゆっこの失敗等をすべてスルー(枕元にはラブレター無し)
みおがやっとしゃべる
来世は~
ゆっこ「そんなのどうでもいいことで悩んでたの!?
end

って感じです
来世は~、ただのちゃんみお'sボケです

個人的には鈍いゆっこうざかわええ
って思いながら書いてたんですが
後で読み返すとちょっとくどかったかもしれません
基本ギャグ路線のつもりで書いたんで多めに見てください

不快に思ったらごめんね
読んでくれてサンクス




98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 19:18:05 ID:LI8gnyCe0


おつ




2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18 10:16:29 ID:oBFKPQYS0


no title







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