別作品
ハリー「頭が割れる…先生、これは…」ダンブルドア「群発頭痛じゃ」
ロン「僕とハーマイオニーが落っこちそうだとするよ?」ハリー「…うん?」 
ハリー「イメチェンしたいんだ」ロン「…うん?」ハーマイオニー「え?」 
ハーマイオニー「ハリーが女の子になってしまったわ」ロン「」 
ハリー「もてたいんだ」ロン「……その喧嘩、1シックルで足りるかい?」 
ハーマイオニー「すき……よ、ハリー」ハリー「あぁ、僕も……」ロン「」
ハリー「安価でホグワーツの女の子と付き合おう」
ハリー「宿題で潰れる休日」ロン「全く、ホグワーツってステキだよな」
ハーマイオニー「ハリーと喧嘩?」ロン「キャノンズ優勝まで顔も見たくないね」
シリウス「ハリーとの将来のためにマグル社会の勉強をしよう」 
シリウス「ハリーのために、私達ができることはなんだ?」
ドラコ「『ポッターにチョコを渡してこマらせルフォイ大作戦』だ!」



関連作品

第一巻『ハリー・ポッターと賢者の石』相当
ハニー・ポッター「私が、魔法使い?」 
ハニー・ポッター「賢者の石、ですって?」
ハニー・ポッター「賢者の石は、どうなったのかしら」

第二巻
ハリー・ポッターと秘密の部屋』相当
ハニー・ポッター「秘密の部屋?なぁに、それ」 
ハニー・ポッター「スリザリンの継承者?なんなの、それ」

第三巻『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』相当
ハニー・ポッター「脱獄囚の、シリウス・ブラック?」
ハニー・ポッター「『エクスペクト・パトローナム!』」
ハニー・ポッター「『守護霊よ、来たれ!』」

第四巻『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』相当
ハニー・ポッター「勝つのは私、そうでしょ?」
ハニー・ポッター「何がこようと、受けて立つわ」 
ハニー・ポッター「いつか必ず、来るものは来るのよ」 
ハニー・ポッター「来るものは来る、来た時に受けてたてばいいのよ。勝つのは、私よ」 

第五巻ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』相当
ハニー・ポッター「騎士団、いいえ。私の豚団ね、そうでしょ?」  【前編】【後編
ハニー・ポッター「『私は、嘘をついてはいけない』……?」  【前編】【後編
ハニー・ポッター「誰一人だって、欠けさせないわ」  【前編】【後編
ハニー・ポッター「進まなきゃ、前に。そうでしょ?」  【前編】【後編

第六巻『ハリー・ポッターと謎のプリンス』相当
ハニー・ポッター「プリンス、だなんて。なんなのかしら」
ハニー・ポッター「暴いてみせるわ、マルフォイの企み」
ハニー・ポッター「どうして、スネイプなんかを……」 【前編】【後編

ハニー・ポッター「アルバス・ダンブルドアと、わたし」


第七巻『ハリー・ポッターと死の秘宝』相当
ハニー・ポッター「分霊箱を、探す旅」 【前編】【後編
ハニー・ポッター「死の、秘宝……?」
ハニー・ポッター「最後(いやはて)の、敵なる死だって……越えてみせる!」【完結】















489: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/10(金) 21:16:42.08 ID:mDeukyMe0


翌日

ドタバタドタバタ
 バタバタバタバタ

モリー「急いで、急いでみんな!あぁジニー、スカーフをつけていきなさいな。外は冷えますよ!」

ジニー「ありがとう、ママ!平気よ!視界に、ハニー!がいるし!」

モリー「それもそうねぇ……お前はいつの間にかハニーを名前で呼べるようになって。母さん、期待してますからね……?」

フレッド「おーっとママ、百合の蕾に胸躍らせてるとこ悪いんだけどさ、そこどいてくれるかい?」

ジョージ「何せ僕たちいまから、絶望ひしめく胸糞悪い蛙の待つ城に戻らなくちゃいけないからね」

モリー「あぁ、はいはい――お前たち。来た時に送られてきた荷物よりも随分と多いみたいですけど?」

フレッド「あーっと、そりゃあれだ、かあさんや」

ジョージ「少し痩せた?だからそう見えるだけさ」

モリー「痩せたのは本当ですけど母さんの目を誤魔化せると思ったら大間違いですからね!お前たちはまた!WWWの新商品でも詰め込んでいるんでしょう!開けなさい!さもないと――」

リーマス「モリー、モリー。悪いが時間がない、息子達をしかりつけるのはまた後日手紙にしてくれるかい?」

モリー「……えぇ、そうしましょう。いいですね、お前たち!」

フレッド「はーいはい。さんきゅー、ムーニー!」

ジョージ「さっすが我らが大先輩様の仕掛け人!」

リーマス「あぁ、大いに笑わせてほしいね――おや、噂をすれば。随分と久しぶりじゃないか。久しぶりに鳥以外と喋る気になったのか?」

シリウス「……見送りはしなければ。それに、いつまでも避けているわけにいかない。普通には、接さねば」

リーマス「あぁ、ついでにそろそろ君の方も限界だったのだろうしね――あぁ、ハニー。準備は出来たかい」

ハニー「えぇ……シリウス!」

シリウス「やぁ、ハニー。寝坊してすまなかったね――バックビークから伝言だ。元気で、と」

ロン「いや、『お前いつまでここいんだよヘタレさっさとハニーんとこイケヤボケ』っつってただろ、ヒンヒンって」

ハーマイオニー「茶化さないの、事実でも。事実であってほしくないけど」








引用元: ハニー・ポッター「誰一人だって、欠けさせないわ」

490: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/10(金) 21:25:21.64 ID:mDeukyMe0


シリウス「だからそのヒンヒンって……あー」

ハニー「……」

シリウス「……ハニー。あのプレゼントのことは、忘れないでほしい。私は――いつだって、君のもとに駆けつける」

ハニー「……えぇ、覚えておいては、あげる。だから――」

シリウス「あぁ、私の方も忘れない。何せ、うん。これがあるからな」

ジャラッ

ハニー「……そ、そう、ね!うん!そ、それであの――それを渡した、後の事だけれど!あの、あれのことは、忘れ――」

シリウス「……ハニー」

ギュッ

ハニー「っ!?」

シリウス「元気でな。さぁ、行きなさい」

パッ

ハニー「~~~っ、あっ、~~~っ!」

リーマス「……トンクス、みんなと先に出てくれるか。私がしんがりになろう」

トンクス「えっ、あ、うん! そんじゃみんな、進んで進んでー!はーいはい、ハニー!しっかり前みてね!うん!ロナルドとハーマイオニーの袖掴んで歩いて!そう!」

ギィィィィィッ……

リーマス「……君は卑怯者だ」

シリウス「……」

リーマス「誤魔化すために期待を持たせる。その気もないくせに。受けれる覚悟がないのなら――そんなそぶりは見せるべきじゃない。相手を傷つけるだけだ」

シリウス「おやおや、それは――僕でなく、自分に言っているのじゃないのか?え?」

リーマス「――うるさいよ」



トンクス「…………」

ソーッ……パタンッ




494: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/10(金) 21:40:41.47 ID:mDeukyMe0


広場

トンクス「ばんごー!」

ロン「ヒン!」

ジニー「ヒンヒン!」

ハーマイオニー「目立つ行動はやめて!」

トンクス「あっはは、ごめんごめん。こんだけそろうとつい……あっ、リーマス。問題ない?オーケー?」

リーマス「……あぁ。アーサーから、ハニーに。『私のために、蛇を見張っておいてくれ』と」

ハニー「……あっ、え、えぇ!ふふっ、そうしてあげるわ!」

ロン「テンション高いハニーマジ天使、いつもだけど。違った女神だった」

ハニー「えぇ、そうね。さながら今は雪の使い、というところかしら」

ロン「トンクス、リーマス、ちょっと待っててくれる?スプーンとってくるから」

ハーマイオニー「積もった雪を食べようとしないでお腹壊すわよ」

ジニー「本望だわ」

ハーマイオニー「『夜の騎士バス』は今すぐ呼べるのかしら!

リーマス「あぁ、早く乗るにこしたことはないね――」

サッ

バーーーーーン!!

フレッド「! ヒューッ!リーマスが通りに右腕を掲げたら!ド派手に登場してくれるじゃないか!」

ジョージ「! どこからともなく、なんだってんだこりゃ!紫色で三階だてのど派手なバスだって?」

ガチャガチャッ、バタンッ

「ようこそ、我が――」

トンクス「はいはいはい、分かってるよごくろーさん。八人ホグワーツ行き、ココアはいるけど歯ブラシはいらないよ」

ハニー「ハァイ、スタン。元気でいい子にしていたかしら」

スタン「! おぉ、アニー!おめぇさんか! おんや、今日はスカートん中は拝ませてくんねぇのか、ってな!」

ハニー「忘れなさいと言ったはずよねこの豚!!!!」

ジニー「どういうこと!!どういうことよ!!!!!」

ロン「ヒンヒン(怒)!!!!」




495: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/10(金) 21:56:14.83 ID:mDeukyMe0


ガタガタガタガタッ

スタン「ヒンヒン!無礼なこと言ってすいませんでアニー!一番豚!そんでハーミー姐さん!ジニーお嬢!」

ロン「分かればいいのさ、あとハニー以外が豚って呼ぶなよ」

ハーマイオニー「姐さんはやめて」

ジニー「ハニーの前ではみんな平等な豚だからそういうのはいいわ、ヒンヒン」

ハニー「アーニーは元気かしら?今日も安全運転でお願いしたいわ」

スタン「おぉともアニー!おい、アーン!アニーがよろしくってよぉ!」

アーニー「――おぉ」

ロン「アーだのなんだの紛らわしいなまったく、マーリンの髭!ヒンヒンで伝えろよ!」

ハーマイオニー「一部にしか伝わらないからやめて……私、グリモールド・プレイスに来る時にもこれに乗ったけど、ハニーが乗るだけでこんなに運転に差が出るのね」

ハニー「私はいつでもどこでも特別扱いを受けるべき存在、そうでしょ? それに私も、今回は前より乗り心地がいいわ。いいクッションがあるから。ねぇ、ロン?」

ロン「ヒンヒン!もちのロンでどんな揺れでもなんのその、ってね!」

スタン「これが一番豚――!俺も、野良豚でいられねぇ!」

ハーマイオニー「その俗称公式なの、あなたたちの間で」




496: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/10(金) 22:08:48.40 ID:mDeukyMe0


バーーン!

スタン「えぇーっと、今はバーミンガムのちょいと先でぇ、アニー」

ハニー「待たされるのは嫌いだけれど、これだけ先客が多ければ仕方ないわね……急がなくていいわ、って、アーニーに伝えて」

スタン「いんや、それがよ。あの、さっきおめぇさんと一緒に乗った、前に座ってる態度のでけぇ姉さんが――」

 トンクス「トンクスさんがなんだって!?」

スタン「――トンクスさんが、チップをくれてよぉ。ちょいと気分の悪いマダム・マーシを下ろしたら、おめぇさんたちから先に降ろすことになったんだ」

ハーマイオニー「……商売としてどうなのかしら、それって」

ロン「さっきもハニーが言ったろ?ハニーが特別待遇なのは世の常だよ、もちの僕で」

ハニー「えぇ、そうね――でも、あんまり悪いから……全員に首輪でも、あげようかしら」

ジニー「跪いて喜ぶと思うわ!ヒンヒン!」

ハーマイオニー「……ハニー、忘れているなら、あー、教えるけど。今の魔法界であなたは、あんまり――」

ハニー「……」

ジロジロ
 ヒソヒソ

ハーマイオニー「も、もちろん、私たちはそうじゃないわよ!?あなたのことを信じているし、それに――きゃぁ!?」

ハニー「えぇ、そうね。誰にも信じてもらえてなくったって――あなたが慰めてくれるんですものね、ハーマイオニー?」

ハーマイオニー「ちょ、っと、ハニー。そんな、こんな、揺れるところで……あぁ、それは、いつも結局揺れてるでしょうけど、こんな中でなんて、されたら……、夜の騎士バス』は止められるわけ、ないわ……」

ロン「つづけて!」

ジニー「どうぞ!」

スタン「奥に案内してよかった!ヒンヒン!」




500: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/10(金) 22:22:32.51 ID:mDeukyMe0


ハーマイオニー「ふーっ、ふーっ、な、何が夜の、よ!朝よ、今は!!!」

ロン「さすがのツッコミだね、ああ」

ハニー「あなたは出来る豚ね、スタン。そうね……車掌豚だわ」

スタン「! 光栄だアニー!ヒンヒン!」

ハーマイオニー「また増えたわ……とにかく、もう。前のように誰かれかまわず、というわけにはいきそうにないってこと、思い出して頂戴ね」

スタン「あー、それだがよぉ。アニー、おめぇさんの名前は夏からさんざん新聞で読んだぜ?」

ロン「あと、君の頭の中で繰り返し沸き起こるハニーの笑顔と名前とかな」

スタン「俺の場合笑顔っちゅうかスカート抑えて赤らめる顔だけんどよぉ」

ハニー「首をアーニーの運転席にぶら下げられたいのかしら」

スタン「ヒンヒン! そんでよぉ、『予言者』にはおめぇさんについて、なぁにひとつ良い事は書いてやしなかった」

ハニー「……そうでしょうね」

スタン「おれはアーンに言ってやったね。あぁ、こう言ってやった。『おい、アーン?俺達のアニーにこんなことを言ってやがるぜ?魔法省に突っ込んでって、呪いでもかけてやろうか?』ってよぉ」

ハニー「……あなたは、本当に出来る豚のようね。たまーに一言多いけれど」フーッ

スタン「! ヒンヒン!」

ハーマイオニー「……それ、魔法省に聞かれていないと、いいんだけど」




501: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/10(金) 22:35:52.23 ID:mDeukyMe0


ホグワーツ校門前

スタン「ホッグワーツ、ホッグワーツでぇ」

ハニー「……帰ってきたのね。スタン、それに、アーニー。ありがとう、助かったわ」

スタン「どぉってことねぇ、アニー。まーたな!」

アーニー「――ヒン!」

ハニー「ええ、ふふっ。またね」

トンクス「さっ、みんな降りた降りた。ちょーっとちょっと、見せ物じゃないよ。どいたどいた」

ドタドタドタドタ

リーマス「日が落ちるまでに到着してよかった――さぁ、みんな。お別れだ」

トンクス「校門の中に入っちゃえば、もう安全だよ。ダンブルドアの腕の中も同然だからね!ジニー、元気で!クィディッチ頑張ってよ。ハーマイオニー――」

リーマス「……ハニー、ちょっとこっちへ」

ハニー「……なぁに?トンクスに悪いから、手短に済ませてほしいわ」

リーマス「何がかは聞かないが……いいかい。君がスネイプの事を嫌っているのはよーく知ってる。だが、彼は優秀な『閉心術士』だ――素直に、彼の教えを受けてほしい」

ハニー「……せめてあなただったら、よかったのに」

リーマス「私? ははっ、ハニー。それはとても無理だ……一世一代の秘密を、たかだが十一歳の少年に容易く看破されたことのある私だよ?」

ハニー「……ふふっ。それは、相手が悪かったのだわ」

リーマス「あぁ――そして、君の相手はヴォルデモートだ。どちらがたちが悪いかは、言うまでもないね」

ハニー「……」

リーマス「……どっこいどっこいかな」

ハニー「言うと思ったわ」




504: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/10(金) 22:51:40.26 ID:mDeukyMe0


リーマス「私たち全員が、君が身を守る術を学んで欲しいと思ってる」

ハニー「……えぇ」

リーマス「相手があのスネイプだ、というのはそれは、それはもう、シリウス筆頭にみんなが反発したが」

ハニー「……」

リーマス「特にマッド-アイとマクゴナガルなんて――いや、うん。なんでもないよ」

ハニー「いい寮監をもってありがたいわ」

リーマス「本当にね。そう、シリウス含めて、君に身につけてほしいんだ。多少……あー、かなりイヤでも、頑張るんだ。いいね?」

ハニー「……えぇ、そうしてあげる。あなたも元気で……随分と、皺が増えたようだわ。リーマス」

リーマス「ははは……私も歳だね」

ハニー「そんなこと――」

トンクス「そんなことないよ、うん!リーマスはまだまだ若いって、ねっ!」

リーマス「いたっ! トンクス、背中を叩くのはやめてくれるかい……」

トンクス「あなたたちの話が長いから!ほら、みんな待ってるよ……ハニー!いい新学期を!」

ハニー「えぇ、トンクス……ありがとう。あなたたちは、この後……?」

リーマス「あぁ、すぐに本部へ……」

トンクス「の、前にさ!せーっかくホグズミートの近くなんだし、一杯飲んでからにしようよ!ねっ!あたしたちの任務はとりあえずここまでなんだから!」

リーマス「……トンクス、まずは報告をだね」

トンクス「おっと!それじゃ一番近い手紙をだせる場所はどこだっけ……ホグズミートの郵便局だ!そうでしょ?」

リーマス「……分かった、分かったよ。今日君はよく動いてくれたし、一杯おごろう。一杯だけだ、いいね?」

ハニー「……ふふっ。トンクス、仲良くね」

トンクス「うん……ハニー、さっ!握手! お互い、がんばろ。食肉目のバカな意地に、負けてたまるかってね」

ハニー「?」

トンクス「なーんでも。じゃあね!」




506: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/10(金) 23:06:34.93 ID:mDeukyMe0


校庭

ザクッザクッザクッザクッ

フレッド「あーぁ、われらの城に戻るのがこんなにも憂鬱だったことはないな?え?」

ジョージ「あのババァ蛙が僕らのいない間に幾つ新しい『なんとか令』を出したか、賭けるてみるか」

ジニー「『高等尋問官の許可なしに例外的に生徒の城からの外出を認めない』なんて、どうかしら……あーぁ」


ハーマイオニー「……これまで以上に、放課後に寮からでさえ出るのさえ難しくなるかもしれないわ」

ロン「そんときゃハニーを拝もう!心が豊かになるね、うん! それに、クィディッチも……あー」

ハニー「……クィディッチもなし。おまけに、スネイプの個人授業。この私に、なんて待遇なのかしら」

ハーマイオニー「……ある意味では特別だわ」

ロン「安心してよ、ハニー!僕たち豚が精一杯、君が快適なように務めるよ!ヒンヒン!」

ハニー「えぇ、そうして頂戴……それに。あなたたちもいるし、悪いことずくめ、ってわけでも……」

ハーマイオニー「……」

ロン「……」

ハニー「……ニヤニヤするなら寒空の湖に叩き落すのだから覚悟しなさい! それに、えぇ。DAだって……DA」

ハーマイオニー「? どうしたの、ハニー。えぇ、リーマスからもらった本で、DAの計画も進められそうね」

ハニー「……チョウのこと……すっかり、忘れてたわ……あー……帰りたい、グリモールド……でも、シリウス……あー、もう!ロン!!」

ロン「ヒンヒン!なんだいハニー!」

ハニー「ちょっとイカ豚のところに行って――!」

ハーマイオニー「八つ当たりはやめましょう、ハニ……ロン、ロン!?言うが早いか飛び込む体勢になるのはやめて!ロ――」

バシャーーーン!!! 
 ヒンヒーーーーーン!




508: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/10(金) 23:21:34.25 ID:mDeukyMe0


翌日

大広間

ガヤガヤガヤガヤ
 ザワザワザワヒソヒソヒソ

ザガリアス「せっかく新学期なのに、今夜は集まらないって言うのかい?」

ハニー「悪いけれど、日程が決まったらいつもの方法で知らせるわ」

ロン「そのくらい言われなくっても分かれよ、ザガリー」

ザガリアス「その呼び方やめろよ!」

ハーマイオニー「あなたで何人目かしら……そういうことだから、金貨は常にポケットへお願いね」

ザガリアス「でも、変じゃないか。みんな張り切ってるし、それに、今日は絶対クィディッチの練習だってどこのチームもやってない。絶好の集合日和だろ?」

ロン「個人的事情ってやつが存在することも考えられないなら部屋の隅っこで一人で生きてろよスミスだけに」

ザガリアス「……」

ハニー「いいすぎよ、ロン」

ロン「へいザガリー!悪かったね!」

ザガリアス「だったらまずその呼び方をよせって言ってるだろ!」

ハニー「私の事情なのよ。この私の、それで文句はないでしょう? 放課後は、あー……『魔法薬』の補習を受けなければいけないの」

ザガリアス「『魔法薬』の補習? おっどろいた、君って相当酷いんだね、成績。だってあの人が補習なんて、聞いたことも――」

フレッド「そんじゃ今聞いたな、分かったらとっとと失せろよザガリー。昼飯がまずくなっちまうぜ」

ジョージ「それとも聞こえなかったか?オーケー、耳の穴だせよザガリー。またかっぽじってやろう」

ザガリアス「ヒッ!そ、それじゃ!早く知らせてくれよな!」

ハニー「ありがとう二人とも、やりすぎだけれどね」

フレッド「あぁいうのは痛い目合わせないとわかんないのさ、お優しい女王様」

ジョージ「まぁあんだけやってるのに学習しないあいつも大概だがね、全くさ」




511: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/10(金) 23:34:56.35 ID:mDeukyMe0


ロン「ほんとだよ、ザガリーの野郎。こっからならまだ呪いはとどくかな。ナメクジ食らわそう」

ハーマイオニー「また逆噴射しても知らないわよ、やめなさい。ねぇハニー、あんまり気にすること――あー」

ハニー「? なぁに?」

ハーマイオニー「ロン、私たちはえーっと、図書館に行きましょうか」

ロン「君も随分と我慢ができるようになったらしいね。あぁハニー、ごめんよハニー!ヒンヒン!僕、うっかり課題の残りがあるのを思い出してさ!悪いけど、あぁ本当に悪いけどしばらくこの硬い椅子に腰掛けてくれるかいごめんよ!」

ハニー「どうしたって言うのよ……そう、それは、あなたたちが二人きりになりたい、って言うなら……あっ」

ハーマイオニー「えっ?」

ロン「うん?」

ハニー「えぇ!うん!いいわ!我慢してあげる!さっ、行って!行きなさい!」

ハーマイオニー「……あ、あなたのニコニコ顔は貴重だし眼福だけど、何か大きな勘違いをしていない!?ねぇ!?」

ロン「マーリンの髭!」

ハニー「さぁね、どうかしら――行ったわね。ふふっ、ハーマイオニーったら突然どうしたのかしら。今夜じっくり――」

チョウ「ハァイ、ハニー!」

ハニー「!? ちょ、チョウ!? は、ハァイ」

チョウ「話しかけるタイミングを見ていたのだけど、あなたが珍しく一人になってくれて良かったわ……ね?ゆっくり、話したいもの」

ハニー「あっ、えぇっと……ありがとう。あの二人、そういう……えぇっと、チョウ。手、冷たいわね」

チョウ「そう?じゃぁ、あなたの手でこのまま暖めさせてもらおうかなっ」

ハニー「私はカイロではないのだけれどね、もう」




514: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/10(金) 23:50:42.25 ID:mDeukyMe0


チョウ「いいクリスマスだった?」

ハニー「あー……そうね。賑やかでは、あったわ」

チョウ「そう。私の方は静かだったわ……あの、ね?」

ハニー「えぇ、なぁに?」

チョウ「掲示板は見た? 次のホグズミート休暇のことが、貼りだされていたの」

ハニー「あー、まだだわ。城に帰ってから、一度も掲示板は見ていないの。ろくでもない、教育令がチラリと見えたもの――」

チョウ「バレンタインデーなの、ホグズミートに行けるのは」

ハニー「あっ……そう、なの」

チョウ「……あのね!」

ハニー「! え、えぇ!」

チョウ「休暇前、最後の日。いきなりあんなことをしてごめんなさい。次の日、あなたに会ってちゃんと話そうと思ったんだけど……いなくなってしまったし」

ハニー「あー……あの、いいのよ。気に――」

チョウ「気にするわ!当たり前よ……それとも、考えてたのは私、だけ?」

ハニー「……そんなこと、ないわ」

チョウ「……時間が空いてしまったせいで、少し考えすぎてしまったの。だから、ハニー。あのね」

チョウ「バレンタインの日、デートをしましょう? そこでハッキリ、させてくれないかな」

ハニー「……」

チョウ「……」

ハニー「……(私は、今のチョウがどんな気持ちで切り出したのかを知ってる――はぐらかされたらどう思うのか、も。だから――)」

ハニー「えぇ、いいわ。一緒に行きましょう?」

チョウ「! ほんと? ありがとう、ハニー!」

ギュッ!

ハニー「! あー、あの、分かったわ、分かったから――抱きつくのは……もう」




ロン「えーっと、『占い学』の課題……『今日は男子トイレが異様に込み合うだろう』っと」

ハーマイオニー「なに、その予言」

ロン「おっと、これは予言じゃないぜ。現在進行形の事実さ、もちのロンでね」




516: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/11(土) 00:05:49.30 ID:qPsMN/8Y0


ハニー「……行ってしまったわ。バレンタイン、ね……」

ハニー「チョウが本当のところ、どういうつもりなのか……聞けるの、かしら」

ハニー「……嘘では、ない、けれど……ホントでもない」

ハニー「……わかんないわよ、わたしには。自分が――ハーマイオニーやロンに感じてるのも違う――そんな想いがあるってことに、ついこの間気づいたっていうのに」

ハニー「……わたしが、どうしたら」


ルーナ「? 何か悩んでるなら、『庭小人』、正式には『ゲルヌンブリ・ガーデンジ』に噛まれてみるといいよ。ヒラメキが身につくかもしれないもン!」

ハニー「きゃっ!? る、ルーナ!?いつから!?」

ルーナ「うーん、さっきから。ねぇ、今夜はあの集まりはするの?」

ハニー「答えになってないわよ……いいえ。私の都合で、できないの。悪いわね、あー……『魔法薬』の補習なの」

ルーナ「そうなんだ――セブルス・スネイプ?」

ハニー「えぇ、それよ」

ルーナ「――気をつけて!パパが、あの人は普通の魔法使いじゃない、って!」

ハニー「!? る、ルーナ……それは、どういう……?」

ルーナ「うん。パパはスネイプが――」

ハニー「えぇ……!」

ルーナ「吸血鬼に違いない、って!」

ハニー「!なんですって!?――――えっ? な、なんですって、ルーナ?」

ルーナ「吸血鬼、だよ。ヴァンパイア」

ハニー「……」




523: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/11(土) 00:26:33.16 ID:qPsMN/8Y0


ルーナ「あの血の気のない顔とか、滑るみたいな歩き方とか」

ハニー「……」

ルーナ「ベタベタな髪とか、地下に部屋があるところとか」

ハニー「……」

ルーナ「あたし、観察してたんだけど。あんまりあの人が物を食べるとこって見たことないんだ。ワインは飲むけどね。『赤い』!ワインは!」

ハニー「……」

ルーナ「それに、あんたは知ってるのかな? 四年前までいた、クィレルって先生はスネイプを怖がってて、それで、いっつもターバンからにんにくの臭いがした、って!」

ハニー「……っふふ、そうね。それに、初めて会った時にクィリナスは、『吸血鬼』に関する本をダイアゴンで探していたそうだわ」

ルーナ「! ほんと!やっぱりそうなんだ――気をつけたほうがいいよ。わかる?あんた、二人きりになったら血を吸われちゃうかもしれない」

ハニー「えぇ、そうね。とっても怖いわ、っ、気をつけないと、ね」

ネビル「! あぁ、ハニー!あのさ!僕、僕君のためならいつだって罰則覚悟であんにゃろうぶっ飛ばすよ!ヒンヒン!」

ハニー「あら、ハァイネビル……」

ネビル「……ほんとだよ!僕、あんな奴にだって負けない、うん! 頑張る、って。決めたんだ!」

ハニー「……そう。偉いわ、ネビル」

ルーナ「にんにくは、気休めにしかならないって聞いたけど。持ってて損はないって。ハイ、あんたにあげる。それから、あんたにも」

ハニー「あら、用意がいいのね」

ネビル「あっ、えっと、ありがとう。ほら貝に入れておいてくれる?」

ルーナ「どういたしまして。DAでも、教えたほうがいいかもね。吸血鬼の対処法」

ハニー「……えぇ。あぁもう、ほんと……あなたたち見てると、悩んでたことがバカみたいに思えてくるわ……ありがとう、ルーナ。ネビル」

ハニー「スネイプの奴に何かされそうになったら、こいつを口に放り込んでやることにするわ。ふふっ」




545: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/13(月) 15:39:23.21 ID:Rq/m5/q/0


放課後

スネイプの研究室

コンコンッ

スネイプ「入りたまえ」

ガチャッ

ハニー「……失礼するわ」

スネイプ「ここはあの愚犬の家ではない。言葉遣いには細心の注意を払わないと容赦なく減点しますぞ、ポッター」

ハニー「……失礼しますわ、スネイプ、先生」

ハニー「……アンブリッジの部屋に入るのとどちらが嫌か、いい勝負ね」

スネイプ「余計なことは喋らず、入りたまえと言っている。不用意に他の者に見られて勘ぐられても困る。扉を早く閉めたまえ」

ハニー「はいはい、そうしてあげる――自分で牢に閉じ込めた気分ね、あぁ、もう」

バタンッ

スネイプ「結構。こちらを見たまえ」

ハニー「……」

スネイプ「我輩を見るな。こちらを見ろと言ったまでだ」

ハニー「なんなのよあなた」

スネイプ「そうだ、我輩の鼻あたりでも見ていたまえ。間違ってもその眼を我輩に向けるな。それとも、このアイマスクをつけるつもりがあるのならば話は別だが――」

ハニー「注視してあげているあなたの鼻をへし折ってやりたくなる衝動を行動に移されたくなかったら早く初めていただけないかしら」

スネイプ「教授に対する宣戦布告ともとれる言動に五点減点」

ハニー「喧嘩売ってるのは確実にそっちのようにおもうのだけれどね」




549: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/13(月) 15:57:28.90 ID:Rq/m5/q/0


スネイプ「さて。ポッター、ここにいる理由は分かっているな?」

ハニー「えぇ。あなたが『閉心術』を教えてくれる、そうでしょ?」

スネイプ「先ほども言ったように、いくら普段の授業と違うとは言え、我輩が君の教師であることに変わりはない。であるからして、発言には『先生』とつけるように」

ハニー「えぇ……はい、『先生』。これでよろしいかしら、『先生』」

スネイプ「……声まで……あとは本当に眼をどうにか、いや、これはリリーではないまかり間違ってもリリーではないむしろリリーとは程遠いそうだろうみろあの眼をいや見るな抑えろ杖をとる出ないスニベルス……!」

ハニー「……何かブツブツ言ってるわ」

スネイプ「……五点減点」

ハニー「……理不尽とかそういうのでは収まらないわよね……今に始まった話ではないけれど。『先生』」

スネイプ「さて、『閉心術』だ。君の大事な後見人様様の前でも説明したように、この分野の術は外部からの魔法による侵入や影響に対して心を封じる術である」

ハニー「そう。それで、前は聞きそびれてしまったのだけれど……どうして、ダンブルドアは私にそれを学ばせようとしているのかしら。『先生』」

スネイプ「気づいていないのか?思考も発想も何もかもが足りんな、ポッター。君の目は節穴かね、取り替えて貰えば良いのでは。緑とか。そう、緑とかに」

ハニー「この私の容姿にとやかく言われる部分など存在しないわ、『先生』。どういうことかしら、教えていただける?」

スネイプ「『闇の帝王』は『開心術』に長けている。人の心から感情や記憶を引き出す能力だ」

ハニー「……人の、心が読める、ですって?」

スネイプ「繊細さの欠片もないな、ポッター。微妙な違いを分かろうともしない。そう、そこが君の大きな違いであり――そうだそれだこの目の前の赤い塊はリリーではない間違ってもリリーはこんながさつな神経はしていないそれはカエルの卵とかポケットにつっこんではいたがそれはうんスニベルス」

ハニー「……またブツブツが始まったわ。なんなのかしら、本当に」




550: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/13(月) 15:59:45.83 ID:hPMUm1cSO


ルーピン「彼は優秀な『閉心術士』だ」



駄々漏れなんですが




551: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/13(月) 16:24:15.77 ID:Rq/m5/q/0


スネイプ「『読心術』はマグルの言い草だ。ポッター、君はいつからマグルとして生きることにしたのかね。もっとも、我輩の授業の成績の悲惨さを見ればその決心も分からなくもありませんがな」

ハニー「あなたが理不尽に零点にした時以外はそれなり以上のものを仕上げているつもりよ、『先生』」

スネイプ「人の心は書物ではない。『心を読む』などとはふざけた言い方だ。心は、思考とは、好きな時に開いたり調べたりできるものではないのだ。侵入者が誰彼なく一読できるよう頭蓋骨の内側に書き込まれているような代物ではない」

スネイプ「心とは、ポッター。重層的で複雑なものだ――もっとも君のように、自分のことしか考えない傲慢な性根の人間に限ってはどうか分かりかねますがな」

ハニー「先生、嫌味を聞かされる授業ではなかったと思うのですけれど?」

スネイプ「予備知識だ口を挟むな五点減点。さて、しかしながら『開心術』を会得した者が、一定条件下において獲物の心を穿ち、そこに見たものを解釈できる、というのは本当だ。『闇の帝王』ともなれば、誰かが嘘をつけばほとんど必ずそれを見破る」

ハニー「……」

スネイプ「『閉心術』に長けた者だけが、口とは裏腹な感情も記憶も閉じ込めておくことができ、帝王の前で見破られることがない」

ハニー「でも、それじゃ……どこで誰が何を考えているか、あいつには……ヴォルデモートには筒抜けということ?」

スネイプ「っ……そうではない。『開心術』は繊細でありかつ複雑なものであるからして、通常の原則では『目を合わせる』という前提が重要となる」

ハニー「……通常の原則」

スネイプ「そうだ、ポッター。どうやら君の場合はこの『原則』には当てはまらない。他の人間は『闇の帝王』と隔てられている距離、そしてホグワーツの古からの守護により、全ての身の安全、精神の安全が保障されている」

スネイプ「しかし、君と『闇の帝王』の間に作り出された絆はそれらを越えて、干渉してしまうようだ。精神が弛緩し、無防備な状況下において――例えば眠っているときなどだが」

ハニー「……感情や、思考の共有……アンブリッジの罰則で参ってしまった時……クィディッチの練習で疲れていた時……それに、眠っていた時の夢……」

スネイプ「校長はこの状態が長く続くのは芳しくないとお考えだ。そのため、我輩にこの役目を押し付けやがっ――ゴホン。我輩に一任されたのだ」




552: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/13(月) 16:46:10.06 ID:Rq/m5/q/0


ハニー「でも、おかしいわ。私だってあんな奴との繋がりなんて考えたくもないけれど……これまでは、役に立つことが多かった。傷の痛みに警戒したり、それに、この前の蛇……」

ハニー「そうよ、あの時私は『蛇』からお父様を見ていたわ!あそこに、ヴォルデモートはいなかった!」

スネイプ「っ、口を挟むなと言っている」

ハニー「私がヴォルデモートと記憶を共有しているのなら、どうして『蛇』の中から――」

スネイプ「『闇の帝王』の名を言うな!!!!」

ハニー「……」

スネイプ「……」

ハニー「ダンブルドアは、名前で呼ぶわ」

スネイプ「……ダンブルドアは極めて強い魔法使いだ。であるからして――」

ハニー「それに、私の知っている勇敢な人たちだってみんな。名前なんかに恐れてない」

スネイプ「勇敢さと無謀さを履き違える愚か者ばかりだということだ。ダンブルドアは……それだけの力があるだろう。しかし、その他の者は……」

サッ

ハニー「……『闇の印』」

スネイプ「……」

ハニー「……私は、ただ。知りたかっただけよ……あー、知りたかっただけ、です」

スネイプ「何故、夢の中で蛇に入り込んだか。そう、それはその時『闇の帝王』が蛇の中にいたからだ。『帝王』は体を失って以来、他者に取り憑く術を研鑽し続けたらしい。体を取り戻しても、蛇の中に自己を移しおおせた」

ハニー「ナギニね……」

スネイプ「同時に、『帝王』はこれまで知る由もなかった君と自身の絆の可能性に気づいた。あの晩襲撃したアーサー・ウィーズリーが助け出されるには、それしか説明がつかない」

ハニー「……私があいつの感情を読んだように。繋がりがあると知ったあいつが、今度は――私の思考や感情を読み取ろうとうすかもしれない、そういうこと?」

スネイプ「そう。そして、そのための『閉心術』だ。それと、ポッター。『先生』」

ハニー「あら、あなたの先生になった覚えはないわ、『先生』」




553: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/13(月) 17:05:25.50 ID:Rq/m5/q/0


スネイプ「すぐに生意気は言えなくなるだろう。実演に入る、杖を持ちたまえ――あぁ、少し待て。準備がいる」

ハニー「……それ、『憂いの篩』?ダンブルドアの部屋にある……」

スネイプ「黙っていたまえ。……」

スゥゥゥゥッ

ハニー「……スネイプのこめかみから、銀色の……糸のようなものが。あれが確か、『記憶』なのよね」

サァァァッ

スゥゥゥゥッ

サァァァッ

スゥゥゥゥッ

サァァァッ

ハニー「……『憂いの篩』の中に、スネイプの記憶が……そんなにも見られたくないものがあるのかしら」

ハニー「……まぁ、私にだって一つや、ふたつ……あるけれど」

スネイプ「……さぁ、これでいい。杖を構えたまえ、ポッター」

ハニー「……はい、『先生』。私は、何をすればいいのかしら」

スネイプ「杖を使って、いいか、『杖 を 使 っ て』我輩を武装解除するもよし。そのほか、思いつく限りの呪文で、いいか、『呪 文』で防衛したまえ」

ハニー「……ビンタはなしと言いたいわけね、『先生』。えぇ、分かったわ。それで――それで、あなたも杖をかまえているようだけれど――何を?」

スネイプ「我輩は、君の心に押し入ろうとする、当然だ」

ハニー「っ!?」

スネイプ「君がどの程度抵抗できるのかを見てみよう。『服従の呪い』に抵抗せしめたことは聞いている……今回もその類の力が必要だとわかるだろう。構えるのだ、いくぞ」

ハニー「ちょ、っと!待――」

スネイプ「『開心! レジリメンス!』」

――――

―――

――

― 




558: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/13(月) 17:31:14.94 ID:Rq/m5/q/0


――早く、早くお料理を作らなきゃ――自分の分も、食べさせてもらえない――

ダドリー『おい親なし! さっさと料理を出せよ、この豚!』

――豚は、あなたじゃないの――それに、どうして――この子ばっかり――


ハニー「……やめ、て」





ダドリー『真っ赤な自転車だ! パパ、ぼく、青いのがいいって言ったのにっ!!!!』

――いいな――自転車があれば――この人たちから逃げられるかも――ううん、そんなことなしに――

――羨ましい――祝ってくれる家族――誕生日の、プレゼント――


ハニー「やめて……」





ダドリー『知らないよ!こいつが勝手に乗ったんだ!僕の自転車!こいつが滅茶苦茶にしたんだ!!』

――違う、違う!私じゃない!ダドリーの、取り巻きたちが!強引に、乗させて!それで、坂から――!

――あぁ、でも、なんて説明すればいいって言うの!自転車は潰れてひしゃげて、わたしだけ――何にも怪我せずに、ダドリーたちに何かできるはずなんて、ないのに――

――何も、言えないわ――なんにも――


ハニー「やめ……て」





マージの犬『バウワウッ!!バウワゥッ!!!!』

バーノン『ダドリー、みてみろ!あの娘がリッパーに追いかけられて木に登ったぞ!ガッハッハッハッハッハッハ!』

ダドリー『ざまぁみろ!うぇーっ、汚いから足閉じろよなこの豚!』

――怖い!怖い!!怖い!!!――ひどい、ひどいわ――

――わたしなんにも、してないのに――こんなのって――


ハニー「っ!やめ……!」





魔女『まぁ……まぁまぁ、まぁ!!!あなた、ハニー・ポッター!?』

バーノン『!? ご、ご婦人、何の用ですかな!?私どもは急いどるんで、っちょ、おい、小娘を掴んで何を……小娘!この人はお前の知り合いなのか!?え!?こんな妙ちきりんな格好をしとるのは!』

魔女『いーぃえぇ、この子はなーんにも知らんでしょうとも!でもねぇ、あぁ、ハニー!なーんて素晴らしい子。あなたは――お母さんに似て、とっても美人さんねぇ!とっても可愛いわ!』

――わたしが――美人――可愛い――?





ハニー『高貴で、そして可憐なわたし――私は、あなたみたいな醜い豚でも愛してあげるわ』

ハニー『跪きなさい、ダドリー?』

ダドリー『……』

ダドリー『ブヒィーーー!ブヒィーーーーーー!!!ヒンヒン!ヒンヒーーーーン!!!』


スネイプ「(……過程が分からないがなんというクズ化――これがポッターの血か)」




564: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/13(月) 17:51:51.34 ID:Rq/m5/q/0


ギュッ

ハーマイオニー『えっ、えっ!?な、なにを!?』

ハニー『また、きっと会いましょう?ハーマイオニー』フーッ

ハーマイオニー『あ、あ、あぁ……え、えぇ!きっと、絶対、絶対だわ!///』

――少し前歯が気になるけれど、この子は磨くととてつもなく光るわね。しっかりつばをつけておかないと――

ハニー「あぁ、昔のハーマイオニーも――ちが、もう、やめ」





ハニー『……私の靴に、チョコがついたわ』

ロン『えっ……あー、どっちかと言うと、君が踏んだように思うんだけれど。なんのつもりだい、君……君、は……』

――ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!――

スネイプ「ごめんなさい……?いいや、聞き間違いか」

ハニー『ごちゃごちゃ言わずに、舐めとりなさい。ロニー坊や』

ロン『……』

ロン『もちのロンさっ!!!!!』

ハニー「思えばロンってこの時には……っ、こんなの、やめ」





ニャーマイオニー『~~~~~~~、~~~~~~!~~~~!』

――可愛い可愛い可愛い可愛い何言っているか頭に入らないわ可愛い!!――

スネイプ「オエッ」




  吸魂鬼 吸魂鬼
吸魂鬼   吸魂鬼 吸魂鬼

ハニー『エクスペクト・パトローナム!』」

守護霊『跪k』

スネイプ「次っ!!!!!!!!」





チョウ『あなたが好きよ、ハ――』

ハニー「!!!ダメ!!絶対、ダメ!!これは、っ!!」





シリウ――

ハニー「ダメ!!!!!!もっとダメ!!!!!っ、離し、離れ、なさいよ、この、童貞教師!!!!!!」

バチッ

スネイプ「!」

ハニー「っ、はぁ、っはぁ、はぁ……あぁ……研究室。術が、解けたのね」




566: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/13(月) 18:04:25.81 ID:Rq/m5/q/0


スネイプ「……『針刺しの呪い』をかけようとしたのかね」

ハニー「……さぁ。わた、私、無我夢中で」

スネイプ「……そうだろうな。君は我輩を深く入りこませすぎた。制御力を失っていただろう」

ハニー「……でも結果は、あなたが押し出されたわ」

スネイプ「結果は、そうだ。だが、十分に君の記憶の断片を手に入れたぞ。これが『闇の帝王』だったならば――」

ハニー「っ……全部、見たの?私が見させられていたのと、同じものを」

スネイプ「断片だった、と言っている……随分と素敵なご親戚のようですな?」

ハニー「……っ」

スネイプ「……最後の記憶だが」

ハニー「生徒のプライベートに必要以上に首を突っ込むのはどうかと思うわ、『先生』」

スネイプ「……君が最後に我輩に向かって口走った暴言と何か関係があるのかね。その場合、我輩は即座にブラックについてダンブルドアへ報告せねばならんが」

ハニー「知らないわ、と言ってるでしょう」

スネイプ「そうかね、よろしい。続きは――もう一度やればよい」

ハニー「そうね、それじゃこれで――えっ」

スネイプ「初めてにしては、悪くなかった。喚いて時間を無駄に浪費したが、最終的にはなんとか我輩を阻止したのだ。気持ちを集中しろ、頭で我輩を跳ね除けろ。そうすれば、杖に頼る必要さえなくなる」

ハニー「ま、待って……まだ、続けるというの……?」

スネイプ「当然……夜は長いぞ、ポッター? 全てをさらけ出したくなければ、集中することですな――『レジリメンス!』」











570: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/13(月) 18:27:05.90 ID:Rq/m5/q/0


一時間後

ハニー『セドリック……セドリ――』

ハニー「いやあああっっ!!!やめて、やめ、て!!!!!」

スネイプ「心を空にしろと言っている!!ポッター!全ての感情を捨てるのだ!」

ハニー「っ、わたっ、っっ、私、やっているわ……!」

スネイプ「出来ていないからこうなっているのだ!立て、ポッター!努力をしていない!我輩の侵入を許している!我輩に武器を差し出しているぞ!」

ハニー「っ、~~っ、努力は、してる、わ!」

スネイプ「その目でこちらを見るなと言っている!!感情を捨てろ、とも!教授に向かって怒りの目とは何事だ、ポッター!」

ハニー「っ、怒りも、するわ!ほとんど何も、教えないくせに、こんな――」

スネイプ「そうなれば、君はやすやすと『闇の帝王』の餌食になることだろう!」

ハニー「っ……」

スネイプ「鼻先に誇らしげに『心』をひけらかすバカども。感情を制御できず、悲しい思い出に浸り、やすやすと挑発される愚かな犬のような者ども――言うなれば弱虫どもよ――そやつらは帝王の力の前に何もできぬ!ポッター、帝王はやすやすとお前の心に侵入するぞ!」

ハニー「っ、私、私は、弱虫――弱虫だ、って、あいつの力なんかには、負けたりしないわ、絶対にっ!!!」

スネイプ「なれば証明してみろ!己を支配するのだ!怒りを制し、心を克せ!かまえろ!『レジリメンス!』」

――――

―――

――

バーノン『小娘に手紙?そんなものあるわけ――』





リー『マクゴニャガルせんせーーー!』

にゃんこー!





『神秘部でございます』

アーサー『ボード、また今度!さぁ、ハニー。こっちだ。十号法廷……あんな、何年も使われていないところなんて!」』

ハニー『ここで、尋問が……?上の階の廊下と違って、ずいぶんと……壁も廊下もむき出しで、これじゃまるで……』

――ここの向こうで、裁判があるのかしら……怖い、なて思っていないけれど――

アーサー『いや、いや。ここじゃない。もっと下だ。あんなところまではエレベーターも通っていない……さぁ、こっちの階段を――』

――もっと下、なのね。この廊下は、どこだと言っていたかしら――もう、来ることもないでしょうけれど――

――たしか――『神秘――



ハニー「そうか、そうよ!!!分かった、分かったわ!!!」

スネイプ「っ、なん、だ!?」

バチッ!

ハニー「っ、分かった、ようやく分かったわ、あの、夢に出ていた……狭い廊下、黒い扉!どこかで見覚えがあると思っていたのよ……それに、アーサーお父様が襲われた場所も……!!」

スネイプ「……急激な感情の変化がみてとれたので、切り上げた。ポッター――何があったのだ」

ハニー「――『神秘部』には、何があるのかしら」

スネイプ「……今、なんと……言った?」

ハニー「あら、あなたがうろたえるなんて珍しいからすぐ分かるわ、『先生』」




585: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/13(月) 21:29:31.45 ID:Rq/m5/q/0


数十分後

談話室

ハニー「私が夢で見ていた暗い廊下……『神秘部』だったのよ!うなされた夜は毎回、その廊下が登場していたわ」

ハーマイオニー「それに……アーサーおじさまが襲われたのもその場所だった、って言うのね?」

ハニー「えぇ。蛇の中で私、つまり、ヴォルデモートは……中にある何かを欲しがっていた。つまり」

ロン「魔法省に『武器』があるってことかい?マーリンの髭……!いや、ハニーの推理を反対するつもりなんて髭ほどもないんだけどさ!ヒンヒン!」

ハニー「えぇ、そうね。全ての真実ですもの!」

ハーマイオニー「……フーッ。飛躍しすぎよ、と、言いたいとこだけど……今回は本当に、辻褄があう……そうなんだわ」

ロン「何がそうなんだ、なのさ。よろしけりゃその思慮深いご推察を僕らにお教えくださいませんか、だ」

ハーマイオニー「言われなくても、よ。覚えてる?スタージス・ポドモアは『魔法省の重大機密の部屋に押し入ろうとしていた』って」

ハニー「あの部屋の護衛をしていたところを見つかったのね……それとも、あいつに操られてしまったのかも」

ハーマイオニー「考えられるのはそんなところかしら……偶然で片付けるには出来すぎているもの。ねぇ、『神秘部』には何があるの?アーサーおじさまは何か……?」

ロン「うーん、そこの連中を『無言者』って呼んでることは知ってるよ。でもそれ以外はなーんにも。パパが世間知らず、ってわけじゃないぜ? 誰も本当のところは知らないってんだから。マーリンの髭」

ハーマイオニー「……重大機密、魔法省の人間でさえそこで何が研究されているのかは知られていない」

ハニー「『武器』を隠すには、もってこい……ふふっ、ふふふっ」

ロン「あぁ、ハニー!ここんとこ山ほどある悩みが一つ解消されて嬉しそう――ハニー?立ち上がって、どうしたっていうんだい?うん?僕の座り心地悪かったかな」

ハーマイオニー「えぇ、でもそれこそ山ほどの宿題がなくったって私達には関係――ど、どうしたの?笑ってる、のに、額を……傷、傷が痛むの、ハニー!?」

ハニー「誰が悩み、悩みですって、ロン――痛む、ふふっ、ふふっ、あははははははっ!そんなのとは、程遠いわ――――!ハハ、ハハハハハッアハハハハハハハハハハ!!!」

ロン「声上げて笑うハニーも女神だなぁ」

ハーマイオニー「たまにはブレなさい! ハニー、ハニー!?

ハニー「――ついに戻った――!我らの家族が――さぁ、お辞儀をさせて――っ!!!」

ロン「あぁそりゃもうハニー君の命令ならいつだって跪くけどね、そんな心にもない言葉じゃなければいつでも――うぉおっと!!!ハニーが倒れこむ時は僕ぁ全力で下敷きになってぐへぇ!」

ハーマイオニー「よくやったわ、ロン!ハニー、ハニー!?大丈夫!?」

ハニー「――っ、あっ……今、笑っていたの……私、わたし、なの?  いいえ、違う、わね」

ハニー「何か……何か起きたんだわ。あいつが、ヴォルデモートが心から喜ぶような……」

ロン「……君の笑顔を見た、とか?」

ハニー「それはもう、涙して喜ぶところでしょうけれどね、えぇ。今の、っ、あなたみたいに」




586: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/13(月) 21:55:33.60 ID:Rq/m5/q/0


翌日

大広間

ガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤ
 ヒソヒソヒソヒソ ザワザワザワザワザワ

ロン「何だか大広間、妙に騒がしいな。ハニーを一目見てざわめきたって色めきたってどよめきたつのは当たり前だけどさ」

ハニー「えぇ、そうね。いつだって渦中の人だもの……城でも、何かが?」

ハーマイオニー「……そうじゃないみたい。いいえ、そう、昨日のことと関係はあるのだけど……第一面、そのものズバリ、だわ」

ロン「なんだい?『例のあの人』がキャノンズのキャンプに訪れて激励でもしてったってのかい?どうせならトルネードーズのとこに行ってくれないかな」

ハーマイオニー「黙ってこれを見て――黙らざるをえないでしょうけど」

バサバサッ

ハニー「……一面に、魔法使いと魔女の写真……アズカバン監獄の収容者、っ、これ……『ベラトリックス・レストレンジ フランク並びにアリス・ロングボトム夫妻を――』……この人をあざけるような口元の笑い。あそこでやせこけてても、変わらないのね」

ロン「…………『アントニン・ドロホフ ギデオン並びにフェビアン・プルウェットを殺害――』あぁ、顔も根性も捻じ曲がったクソったれだ。こいつらが、なんだっていうんだ……獄中パーティのご報告?そのまま――おい、おい!おい!!!嘘だろ!?!?」

ハーマイオニー「……『アズカバンからの集団脱獄 魔法省の危惧――かつての死喰い人、ブラックを旗頭に結集! か?』見出しには、こうあるわね」

ハニー「っ!また、またこうやってシリウ、スナッフルを……!!!」

ハーマイオニー「ハニー、落ち着いて。今彼の名前を出すのはあんまりにも危ないわ……『魔法省は昨夜遅く、アズカバン監獄より集団脱獄があった、と発表した』」

ロン「『これら十人の魔法使い、魔女は極めて危険であり、魔法大臣コーネリウス・ファッジは既にマグルの首相にも危険勧告を通達したと語った』あぁ、そりゃ危険だろうさ。極悪だね」

ハニー「……『歴史上、唯一件の牢獄から脱獄せしめたシリウス・ブラックが外より何らかの手段をもって手引きした、と魔法省は推測しており――』あぁ、あぁ!!あなたたちの考えが正しかったことなんて、一度も……一度も!!!!!」

ハーマイオニー「落ち着いて、ハニー! 『ベラトリックス・レストレンジが彼の従姉であることからみても、ブラックを指導者として彼らは集結したと見るのが――』えぇ、そう見るしかないのでしょうね。ダンブルドアが前々から吸魂鬼がヴォルデモート側に通じている可能性を警告していた、なんて、いえるはずないもの」

ロン「『あの人』が昨日滅茶苦茶喜んだ、ってのはこれか……マーリンの……うん?」

ハニー「っ、なによ、ロン!回りくどいのは嫌いだって――」

ロン「ヒンヒン!ごめんよハニー! たださぁ……最後のこれ、こりゃなんだい?」

ロン「……『尚、アズカバン監獄最下層に収監されているある囚人二人について、これら凶悪犯罪者の手引きを配膳ボウルをぶん投げて追い払った、という根も葉もない噂は、省側はこれを否定している――』なんだそりゃ」

ハーマイオニー「死喰い人に脱獄を誘われたのに……?意味が分からないわ」

ハニー「どうだっていいわ!本当、本当に、魔法省って……!もう!!!!」




592: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/13(月) 22:03:46.56 ID:WEApfTeDO


うむ、豚の鑑だな




593: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/13(月) 22:06:20.76 ID:PeswmBSL0


ジュニアは豚じゃないだろ
同じ心を持つ漢ではあるが




594: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/13(月) 22:21:45.04 ID:P4q9x0WDO


同じ女神を称える異教祖




595: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/13(月) 22:24:17.89 ID:aindSCcu0


 カトリックとプロテスタントみたいなもんだな




596: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/13(月) 22:25:45.77 ID:Rq/m5/q/0


ロン「こいつらが暴れたせいで、十人っきりしか脱獄できなかった、とかなのかなぁ」

ハニー「さぁ。それにしても全く呆れるわ……ここまで、来ても!『ヴォルデモートが復活した』ことについては少しも……!全部、シリウ、スナッフルのせいって論調じゃない!」

ハーマイオニー「六ヶ月以上みんなにむかってあなたやダンブルドアのことを嘘つき呼ばわりしていたのだもの……このくらいのごまかしは平気でするのよ、きっと。待って、他の面に何か書いていないか探すから……」

ロン「マーリンの髭、髭、髭さ――こんなことがあったんじゃ、そりゃみんな騒ぎもするよな」

ガヤガヤガヤガヤ

ハニー「……それでも割と、普段通りの空気に戻ってはいるけれどね。信じられないわ……あいつの陣営の、最悪の集団が今、自由になったのよ?」

ロン「さすがの僕も君の存在に感謝するくらいしか明るいことは考えられないな……それだけあれば十分すぎるくらい僕の心は照らされてるけどね」

ハニー「えぇ、そうね。精神的お日様ですもの……職員テーブルは、割と神妙だわ」


  ダンブルドア「――、――――」

  マクゴナガル「――、――――――!」


    アンブリッジ「…………」ズズズズズックッチャクッチャクッチャ

ロン「……オエッ、アンブリッジの捕食シーンを見ちまった。マーリンの髭……ダンブルドアとマクゴナガルが深刻に話し込んでるのを、ひどい面、違った、毒々しい面で見てるよ」

ハニー「……何か思うところがあるのかしら。スプラウト先生も――泣いて、るわ。どうして?もしかして、先生の身内に連中の被害にあった人、とか……」

ハーマイオニー「……それは、きっとここを読んでいるから、だわ。『魔法省役人、非業の死 プロデリック・ボード(49)が、昨夜、鉢植え植物に首を締め付けられ死亡しているのを、入院中の聖マンゴ病院の癒師が発見した』」

ロン「……待ってくれ、ボードって……聞き覚えがあるな」

ハーマイオニー「……ロックハートの反対側のベッドに寝ていた人よ。それに、鉢植え……私達、クリスマスに行った時にそれを……」

ハニー「……サイドテーブルに置かれたところを、見てるわ……『ストラウト癒師は、鉢植えが「ひらひら花」でなく「悪魔の罠」であることに気がつかなかった、と――』悪魔の罠……あぁ……こんなの、私、わたしたち、一年生のときに実物を見ているのに……!!!!」

ロン「ハニー、君のせいじゃない。よりによって『悪魔の罠』が鉢植えになりすましてるなんて、誰に予想できるってのさ」

ハーマイオニー「誰にも、おそらく誰にも……だから、誰かがこれを送ったんだわ。匿名で――ボードさんを、殺害するために。そんなにも魔法省で重大な役職だったのかしら……あら?珍しい、所属が書かれてない……」

ハニー「……この人は、『神秘部』の人間だわ。裁判の日、一緒に地下へのエレベーターに乗ってる!」

ロン「……思い出した。こいつ、パパが言ってた『無言者』の一人だよ、うん!もちのロンで!」

ハーマイオニー「……」

ガタンッ!!

ハニー「きゃぁ!?」

ロン「うわっ!?な、なんだよ!いきなり立ち上がるなよ!新聞放り投げて!かぼちゃジュースがぶっとんでネビルに頭からかかっちまってるじゃないか!!」

ネビル「――気にしないでよ、ロン!僕、強い男になるんだ!って、きめたんだ!!!」ポタポタポタポタ

ハニー「……物理的な意味合いだとは思っていなかったわ、ネビル」




597: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/13(月) 22:46:49.48 ID:Rq/m5/q/0


ハーマイオニー「ご、ごめんなさネビル……私、手紙を出してくる!」

ロン「どこにさ?『悪魔の罠を撲滅させ不幸な事件をこれ以上起こさせない協会』とかなら協力しないこともないよ」

ネビル「だ、ダメだよ!あれは悪用したら大変だけど、貴重なものなんだよ!?」

ハーマイオニー「そういうのじゃないの……うーん、うまくいくかは分からないわ。でも、やってみる価値はあると思う。それに、私にしか出来ないこと」

ハニー「……回りくどい言葉は嫌いだけれど。あなたがやることなら、信じるわ。ハーマイオニー」

ハーマイオニー「ありがとう。いずれ、あなたにも協力してもらうことになるけど……それじゃ、またあとで!」

ロン「……まーたこれだ。一体何をやろうとしてるのか、僕らに一度くら教えてくれたっていいじゃないか。あんなに出し惜しみしなくたってさ。マーリンの髭」

ハニー「ハーマイオニーは、確証がないことや根拠のない提案をしたがらないのよ。待ちましょう、きっと正しいことだもの」

ロン「そんなものかな、うん、君が言うならそうなんだろうけどさ。授業行こうか。ネビル、一緒するかい?」

ネビル「寮に一旦戻って、着替えてからにするよ……カボチャになった気分だもの。あぁハニー!またすぐにね!ヒンヒン!」

ハニー「えぇ、ネビル……すっかり元気になって、よかったわ。無理をしているようにも見えないし」

ロン「やっぱり漢だよなぁ、ネビルのやつ。腰につけたほら貝が様になってるよ、うん」

ハニー「えぇ、そうね。私の豚なれば当然でしょうけれど」

ギィィッ

玄関ホール

ハニー「あら、豚の噂をすれば。ハァイ、ハグリッド!」

ハグリッド「おーいてて……ハニー!ヒンヒン!よぉ、よぉ!元気か……いててっ」

ロン「少なくとも君よりはね。ハニーは常にだけど……おいおいハグリッド、まーた傷が増えてるんじゃないか?」

ハニー「……ハグリッド。本当に、大丈夫なのよね?」

ハグリッド「で、でぇじょうぶだ!うん!これぁあれだ、その、火トカゲの世話に戸惑ってよぉ!」

ロン「へぇ。そんで、君にそんな怪我を負わせる火トカゲって体長何メートルだってのさ。それってもはやドラゴンって呼んでいいんじゃないかな。マーリンの……」

ハグリッド「た、体長?あー、6メートルくれぇか……?」

ハニー「……」

ロン「……おいハグリッド。まさかマジでまたドラゴンを」

ハグリッド「ち、ちげぇ!ちげぇちげぇ!ドラゴンじゃねぇ!ドラゴンじゃ、うん!!ほんとだ!ハニーに誓う!ヒンヒン!」




598: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/13(月) 23:02:05.64 ID:Rq/m5/q/0


ロン「そんならいいけどさ……ハニーへの誓いは豚にとって何よりの宣言だし。ハニーは女神だし」

ハグリッド「あぁ、反するくらいならポークチョップにされる方を選ぶなぁ。ハニーは女神だなぁ」

ハニー「改めて言われなくても分かっているわ。変わりない、って。信じるわよ、ハグリッド?」

ハグリッド「あぁ、そうしちょくれ。ちょーっと今は忙しくってな。授業のことやら、なんやら。さっき言った火トカゲの鱗が腐っちまって。あとそれに、あぁ。あー――停職になった」

ロン「そっか、そりゃ大変――はぁあ!?て、てい、停職だって!?」

ハニー「っ、ハグリッド!どうして、そんな――!」

ハグリッド「あぁ、あのなぁ、ほんと言うとこんなことになるんじゃねぇかって思ってたんだ。お前さんたちには分からなかったかもしんねぇが、あの査察は上手くいってなくってよ……うーん、新種ってのは中々心を開かねぇもんなんだ、うん」

ロン「開かれたくもないけどさあのババアカエルには……」

ハニー「……落ち込んでない、なんて言い訳いらないわよ、ハグリッド。あなた、だって……この授業が」

ハグリッド「あぁ、ありがとうよハニー。うん、俺ぁこの教科教えるのが好きだからよぉ。停職くれぇで凹んでられねぇんだ、うん……まぁ、先生でなくなっても。森番は、俺にしか勤まらなかろうが?え?」

ロン「そりゃぁね。そうでなきゃだーれが奇妙奇天烈なあの森の奴らとオトモダチになれるってのさ。マーリンの髭」

ハニー「バカ言わないで。先生だってあなたでないと認めないわよ、ハグリッド。私の出来る豚でしょ、あなたは。いい?」

ハグリッド「ヒンヒン! そんじゃ、停職明けても残ってられるようしっかり授業の準備をしねぇとな……じゃあな。またお茶に来てくれよ!あぁハニー!俺がお前さんとこに駆けつけるべきなのに悪い!ヒンヒン!」

ズンッ、ズンッ、ズンッ

ロン「……でっかい背中に、哀愁が漂ってるなぁ」

ハニー「……一体どれだけ悪いニュースが入ってくればいいのかしら。次はなぁに?」

ロン「なんだろうね……あれだけ無い金を積んでキャノンズが獲得したドラゴミール・グルゴビッチがリーグで使い物にならなかった、とか? ハッハ、それこそ悪夢なマー髭だけど」




603: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/13(月) 23:24:38.19 ID:Rq/m5/q/0


数日後

温室

ヒソヒソヒソ

スプラウト「作業に集中なさい!さっ、植え替えを!しっかり、丁寧に!平気ですよ、『キーキースナップ』は、っ、危険な植物じゃありませんからね!!!!」


スーザン「私、いとこの一家があの十人の中の一人に殺されてるの……みんなに指差されたりヒソヒソされる気持ち、やっと分かったわ。あぁ、とっても嫌!よく耐えられたわね、あなた!」

ハニー「いつものことだもの、時期に過ぎてしまうわ。それに――私に向けられる方の視線は、なんだか変わっているようだものね」

ヒソヒソヒソヒソ コソコソコソコソ

シェーマス「……」

ハーマイオニー「敵意というより、好奇心に変わった、そんなところ?」

ハニー「えぇ。嫌な感じ、ではないわね」

ハーマイオニー「まぁ、予想できたことだわ。魔法省の主張が段々無理があることに、みんな気づいているのよ」

アーニー「シリウス・ブラックが恐ろしい人だというのは知っている、だけど彼個人の力だけでアズカバン監獄から十人も脱獄の手引きをするんて、どうやったって無理がある、そういうことだね?」

ハーマイオニー「そう。『予言者』の話では満足できない。そして、ダンブルドアとハニーが夏から訴えてきたことを、ここに来て見直そうとするの」

ロン「現金な奴らだよな。僕ら豚ときたらいつだってハニーの味方だったってのに。もちの僕なことだけど」

ジャスティン「当然さ。あと、先生たちの様子の変化もみんなが『何かあるんだ』って判断する材料にはなってると、僕は思う」

ハニー「廊下で二、三人で集まって、深刻な顔で話していれば。否応無く目立つというものだわ」

ハーマイオニー「職員室では気軽に喋れないんでしょ、あの女カエルがいるんだもの」

ロン「かと言って、僕らになーんにも教えてくれるわけじゃなさそうなのが困りものだよな。ほら、あれのせいで。なんだっけ?第何条になったんだったかな」

ハーマイオニー「『教育令第二十六号 教師は自分が給与を受けている科目に厳密に関係すること以外は、生徒に対し、一切の情報を与えることを禁ずる』ね」

アーニー「こんな文言は馬鹿げているよ!だってこれじゃ、先生方は僕らに指導一つできないじゃないか!」

ロン「あぁ、そう言って僕らの寮のリー・ジョーダンがあのババァカエルに食って掛かったんだってさ」

スーザン「どうなったの?」

ロン「お婿にいけない、って」

ハーマイオニー「冗談にならない冗談やめなさい。手の甲をひどく出血してたから、マートラップの回復薬を教えてあげたわ」

ハニー「私は太ももで、男の子には手の甲……汚い人だわ、ほんと」




605: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/13(月) 23:50:04.86 ID:Rq/m5/q/0


アーニー「横暴だよ、本当に!あんな女が教師としてここにいる、なんて!」

ハンナ「そうよ、そうよ!あんなことがあったのだから、少しは恥じ入って大人しくなればいいのに!」

ハーマイオニー「むしろ逆、なのでしょうね。愛しのファッジの鼻先のアズカバンであんなことをされた以上、ホグワーツの方はなんとしてでも省の統制下に置いてやる、って」

ロン「張り切って膨らんで破裂しちまえばいいのにな……ハグリッドとトレローニーの授業じゃ毎回あのババァカエルがいやがるしね」

シェーマス「どちらを先に首切るか、品定めしてるのかな」

ハニー「そんなことさせないわ」

ロン「そうだぞシェーマス!ハグリッドは同胞だろ!ヒンヒン!」

シェーマス「!ごめんなさいハニー!ヒンヒン!」

ハニー「私はいいわ……でも、本当にあの女……私からクィディッチ、それに、シリウ、スナッフルとの手紙、今度は……大事な豚まで取り上げようというんだから、我慢ならないわ」

ハーマイオニー「ハグリッドの職の方は、私と一緒に立てた計画通りの授業を上手く進めてくれれば……上手く、えぇ、いけば」

ロン「……ちょーっと難しいかもな。ハグリッドの奴、最近、アンブリッジに対して傍から見ればバカにしてるとしか思えない『ゲコゲコ!ウキーッ!ゲコゲコ!』って謎の言葉で喋りかけてるもんな」

ハーマイオニー「……大真面目なのよ、本人は」

ハニー「……私があの女にできる最大の反抗は、DAね」

アーニー「今日もあるんですよね、ハニー!ヒンヒン!」

スーザン「私、今まで以上に頑張るわ! おばさんたちの、ためにも!」

ハニー「えぇ、ふふっ。そうして頂戴」




607: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/14(火) 00:05:06.45 ID:1BIL4VO70


放課後

必要の部屋

ハニー「……みんな、本当に上達してきたわね」

ハーマイオニー「ええ、それに、アーニーやスーザンだけじゃない。死喰い人の事件で、DA全体に活が入ったみたい」

ロン「あのザガリーでさえ文句言わずこなしてんだもんな。こりゃザガリアスって呼んでやる日も近いよ、うん」


ザガリアス「うるっさいな!!普通に呼べよ!っ、『ステューピ――うわぁ!?」

ネビル「『プロテゴ!』……やった!」

ジニー「! 凄いわ、ネビル!『盾の呪文』、成功じゃない!」

マイケル「今の、よく退かなかったなぁ……呪いが直撃するところだったんだぜ?いっくら練習とはいえ、凄いね」

ネビル「あ、あはは。負けるもんか、って……えっと、ざ、ザガリー、大丈夫かい?」

フレッド「おぉっとネビル、僕に任せなっ!『エネルベーコン』……おぉっとしまったぁ、間違えたー」

ジョージ「うわぁ、ザガリーの口から山ほどのベーコンがーっ。悪いな、相棒もわざとじゃないんだぜ」

ザガリー「モガモガモガモガ……」


ロン「ネビルの上達っぷりったらないね。まだ誰も『盾』作るのは成功してないってのに。ハーマイオニー以外」

ハーマイオニー「集中の仕方が他の人とは段違いだわ、ネビル……そこの双子も見習いなさい!!!『盾』そのものぶつけてやるわよ!?」

ハニー「……私も、『閉心術』の方でネビルの進歩具合を見習いたいところ、だわ」




611: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/14(火) 00:19:25.67 ID:1BIL4VO70


深夜

談話室

ロン「お帰りハニー!僕のハニー!ヒンヒ、おっと!あぁ、疲れたんだね!そりゃあのベタベタクソ野郎スネイプと二人だもんな!うん!もっと深く腰掛けなよ!何せ僕ぁ君のクッションだし!」

ハニー「えぇ、そうしてあげるわ……本当に、疲れて……傷も痛むし。もう!」

ハーマイオニー「ここの所、よく痛むみたいね……あー、きっと、病気の場合とおんなじなのよ。病気はいったん悪くなってから、良くなるの。きっと、それと……」

ハニー「スネイプとの練習のせいよ。そうに、違いないわ……前は傷むのは時々、それも夜だけだったのに。それに、ついなんだかイライラしたり……っ!」

ロン「痛い!ありがとう!ヒンヒン! あぁ、大丈夫だよハニー。心からの謝罪は君の心から読み取ってるからね。『開心術』?なんだいそりゃ。豚として当然のことだよ、だって僕って君の一番の豚だからね」

ハニー「……ありがとう。それに……つい楽しくなって……ハーマイオニーを物陰につれていきたくなるんだもの」

ハーマイオニー「それって結構日常だったわよね……いいえ、その、嫌と言ってるわけじゃ。むしろ嬉し、いいえ、あの」

ロン「どうぞ」

ハーマイオニー「そういう話をしてるのではないの! ハニー、きっと正しく『閉心術』を身につければそういう揺らぎもなくなっていくのよ。あなた、もう少し一生懸命にならなくっちゃ」

ハニー「あら、誰に物を言ってるのかしら? 私はいつだって、全力だわ」

ハーマイオニー「どうかしら。あなたきっと、夢の中の『神秘部の扉』を開いてしまいたい、そう思っていたりするんじゃない?ちがう?」

ハニー「……」

ロン「おい、何を根拠にハニーにそんなこと言ってんのさ。マーリンの髭」

ハーマイオニー「あなたもさっき言ったでしょ。『開心術』なんて大層なもの知らなくても、分かるものは分かるわ……だ、大事な人の事ならいつだ、って、きゃぁ!?」

ハニー「えぇ、そうね。私の、わたしの大事な人。ハーマイオニー?そう言ってくれるなら、話は早いわ……?」

ハーマイオニー「あっ、だか、だから今そんな話をしてるんじゃ、あっ、えぇ、それはもう……私にとってのあなた、は、『神秘部』の中の物くらい、大事ではある、けど……」

ロン「つづけて! どうぞ!」




614: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/14(火) 00:29:13.97 ID:1BIL4VO70


ハーマイオニー「ふーっ、ふーっ、は、話を、大事な、そう、本当に大事な方に、戻してもらうわよ!」

ハニー「えぇ、どうぞ。私は十分元気を取り戻させてもらったもの」

ロン「僕も僕も」

ハーマイオニー「うるさいわ、全力で。ダンブルドアは、ハニー。あなたに『扉』の夢なんて見て欲しくないのよ。だからスネイプに授業を頼んでいるのに……あなたが真面目に受けないなんて」

ハニー「……それは、豚のお願いは聞いてあげるのが私の主義、だけれど。でも、あなただってやってみればいいわ!スネイプが、私の頭の中に入ろうとしてくるのよ!?私、わたしやあなたたちとの思い出を勝手に覗き見ようとするのよ!?」

ロン「屠殺してやりたいなぁ」

ハーマイオニー「少なくとも再起不能にはしたいわね」

ハニー「……そこまで真剣に考えなくてもいいけれど。あの訓練が楽しくてしょうがない、とは思えない。そうでしょ?」

ハーマイオニー「……それでも、ダンブルドアが――」

ロン「うーん、でもさ。ハーマイオニー。もしかしたら」

ハーマイオニー「もしかしたら、なんだと言うの? 回りくどい言い方はハニーに嫌われても知らないわ!」

ロン「喰ってかかるなよ言うよ!マーリンの髭! ハニーが心を閉じられないのは、ハニーのせいじゃないかもしれないじゃないか。スネイプが、ハニーの心をわざと弱らせてるとしたら?」

ハーマイオニー「……また、いつものお決まりの?」

ロン「あぁ、スネイプ黒幕説!さ!もちのロンで」




620: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/14(火) 00:46:21.92 ID:1BIL4VO70


ハーマイオニー「あのねぇ……一体全体何十回、スネイプに疑いをかければ気がすむの?」

ロン「だって、今回は本当に好都合じゃないか。ハニーの心を閉じさせる役目を逆手にとって、『例のあの人』を受け入れやすくするためにわざと――」

ハーマイオニー「そう疑って一度でも正しかったことがあるの?スネイプは騎士団、あー、豚団のために働いてるじゃない」

ロン「どうだかね。あいつ、死喰い人だったんだぜ?」

ハニー「……っふふ、ふっ、っ」

ハーマイオニー「ハニー、突然笑い出さないで。えぇ、きっとヴォルデモートのせいなんでしょうけど、今のはタイミング的にもややこしいわ」

ロン「ほらみろ! それに、スネイプが完全にこっちの味方だなんて証拠はどこにもないぜ?」

ハーマイオニー「ダンブルドアが信用してるわ。それに、私達にとってダンブルドアが信じられないなら、あとはハニーの言うこと以外何も信じられないじゃない。違う?」

ロン「……マーリンの髭」

ハーマイオニー「反論の余地無し、と受け取るわ。ねぇハニー、あなたも納得してくれた?」

ハニー「……最近の、腹黒豚は気に食わないことばかりだけれど……えぇ、そうね。そうしてあげるわ」

ハーマイオニー「ありがとう。さっ、一月はあっという間よ。宿題もこなさなくっちゃいけないし、DAの今後、それにロンは――」

ロン「クィディッチのヘボさをなんとかしろってんだろ、言われなくってもわかってるさ。フレッジョに脅されてるからな」

ハーマイオニー「そういうことじゃ……あー、あの。二月の中頃にはホグズミート休暇もあるじゃない?ハニーは用事が入ったようだし、あなたが暇なら、あー」

ロン「お生憎、その頃はクィディッチシーズンだから休暇返上で練習で……おい、おい!なんだよ!なんで怒るんだよ、おい!その分厚い本をおろせよ、ちが、僕の頭の上って意味じゃ――!!!」


ハニー「……二月、ホグズミート……あぁ、考える事がたくさんあるって、いうのに。そうだったわ」

ハニー「……チョウ」




636: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/15(水) 19:32:24.93 ID:svVnGwdM0


二月十四日

大広間

ハニー「……」

ロン「あぁハニー!今日も君は登った朝日レベルで変わらないステキ具合だね!ヒンヒン!」

ハニー「えぇ、そうね。悠久と言えると思うけれど……」

ロン「あー、でもちょっと今日はすこーしだけ違ってるかもな、うん。なんせなんだかソワソワして、スプーンに写った自分の髪何度もおさえつk痛い!ありがとう!」

ハニー「バカを言わないで、この私が身だしなみを整えないうちに豚の前に現れると思っているの?これは、そうよ。あー、スプーンの汚れが気になっただけ」

ハーマイオニー「奴隷労働されている屋敷しもべ妖精が卒倒するからやめて。そうね、気になるのでしょうとも……チョウと出かけるんでしょう?」

ロン「おいおいハーマイオニー、不機嫌になるのはなしだぜ。なんだよ君はここんとこいつにも増してカリカリと……おっ?」

ケェーーケェーー
 バタバタバタバタッ
キュイーーーッ、キュッキュキューーーイッ ホーホーフォーイ

ハニー「ふくろう便ね。白豚……は、いない、わね」

ハーマイオニー「? 手紙でも出していたの、ハニー?」

ハニー「……いいえ。期待したわけではなかったけれど……あら?あなたに、みたいよ。ハーマイオニー」

モリフクロウ「ホーォゥ」

ハーマイオニー「! やっときたのね! もしも今日来なかったら殺虫剤を送りつけてやるところで……はいはい、ありがとう。ベーコンをどうぞ」

ロン「……ハッハーン、そうか。こんな日だもんな、愛しのビッキーから贈り物かい?え?」

ハーマイオニー「そ、そんなんじゃないわ……あなた今日が何の日か知って……」

ロン「ハニー記念日だろ?年中無休だけど」

ハーマイオニー「……」

ハニー「ロン」

ロン「ヒンヒン!なんだいハニー!」

ハニー「あそこ。マイケルがジニーから、何か受け取っているわね……?」




638: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/15(水) 19:45:47.96 ID:svVnGwdM0


ロン「ペッッペッッ!!ペッ!!!マーリンのひペッ!!うぇー、顔中蝙蝠のクソだらけだ!」

ハーマイオニー「まごうことなく自業自得よ……ふんふん、ふん」

ハニー「手紙、随分と短いみたいね……それだけじゃ、挨拶も書ききらないんじゃない?違う?」

ロン「あぁハニー、そりゃ君がハーマイオニーやスナッフルに送るのと一緒にしちゃ、いや、うん、君こそが全てにおいてワールドワイドにスタンダードなんだけどね。もちのロンで」

ハニー「えぇ、そうね。あらゆる基準は私に合わせるべきだわ」

ロン「君が起きたら朝ってことにしよう、豚時間だ」

ハーマイオニー「またそうやってあるんだか無いんだか分からないものを……うんうん、いいわ。観念したみたいね」

ハニー「満足そうな顔ね、ハーマイオニー。なぁに?誰からなの?」

ハーマイオニー「あー、あなたもすぐに分かるわ。ねぇハニー。今日お昼頃、『三本の箒』で会えないかしら……あっ」

ハニー「……」

ロン「……おいハーマイオニー、話が違うぜ。優しいハニーが君からおお願いを無下に出来るわけないだろ」

ハーマイオニー「ち、ちがっ、私別にハニーとその、チョウを邪魔しようとしたわけじゃないの!ほんとよ!あー、打診した日程にあちらが返事を、だから、その……」

ハニー「あー、ハーマイオニー。流石に先約だったから、断るわけにはいかないわ……その代わり、今夜たっぷり……ね?」

ハーマイオニー「あっ、えぇ、チョコを用意し――そうじゃなくって!!!!お昼からでいいの!それに、チョウも連れて来てかまわないわ!私も一人ではないもの!」

ロン「手紙の相手でも来るのかい?  おいおい、ビッキーのやろ、リーグ中だってのに何してんのさ」

ハーマイオニー「彼じゃないったら! それじゃ、私お先に。急いで返事を出さないと――は、ハニー。楽しんできてね」

ハニー「……そうなったらいいのだけれど」

ハーマイオニー「なるに決まってるわ、えぇ、それはもう――それはもう!」

ロン「ハーマイオニー、ハーマイオニー。握った拳それ以上絞めない方がいいよ。ネビルがとばっちりが飛んでこないかビクビクしてるからさ」




639: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/15(水) 19:46:34.93 ID:svVnGwdM0


ロン「ペッッペッッ!!ペッ!!!マーリンのひペッ!!うぇー、顔中蝙蝠のクソだらけだ!」

ハーマイオニー「まごうことなく自業自得よ……ふんふん、ふん」

ハニー「手紙、随分と短いみたいね……それだけじゃ、挨拶も書ききらないんじゃない?違う?」

ロン「あぁハニー、そりゃ君がハーマイオニーやスナッフルに送るのと一緒にしちゃ、いや、うん、君こそが全てにおいてワールドワイドにスタンダードなんだけどね。もちのロンで」

ハニー「えぇ、そうね。あらゆる基準は私に合わせるべきだわ」

ロン「君が起きたら朝ってことにしよう、豚時間だ」

ハーマイオニー「またそうやってあるんだか無いんだか分からないものを……うんうん、いいわ。観念したみたいね」

ハニー「満足そうな顔ね、ハーマイオニー。なぁに?誰からなの?」

ハーマイオニー「あー、あなたもすぐに分かるわ。ねぇハニー。今日お昼頃、『三本の箒』で会えないかしら……あっ」

ハニー「……」

ロン「……おいハーマイオニー、話が違うぜ。優しいハニーが君からおお願いを無下に出来るわけないだろ」

ハーマイオニー「ち、ちがっ、私別にハニーとその、チョウを邪魔しようとしたわけじゃないの!ほんとよ!あー、打診した日程にあちらが返事を、だから、その……」

ハニー「あー、ハーマイオニー。流石に先約だったから、断るわけにはいかないわ……その代わり、今夜たっぷり……ね?」

ハーマイオニー「あっ、えぇ、チョコを用意し――そうじゃなくって!!!!お昼からでいいの!それに、チョウも連れて来てかまわないわ!私も一人ではないもの!」

ロン「手紙の相手でも来るのかい?  おいおい、ビッキーのやろ、リーグ中だってのに何してんのさ」

ハーマイオニー「彼じゃないったら! それじゃ、私お先に。急いで返事を出さないと――は、ハニー。楽しんできてね」

ハニー「……そうなったらいいのだけれど」

ハーマイオニー「なるに決まってるわ、えぇ、それはもう――それはもう!」

ロン「ハーマイオニー、ハーマイオニー。握った拳それ以上絞めない方がいいよ。ネビルがとばっちりが飛んでこないかビクビクしてるからさ」




640: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/15(水) 20:02:28.19 ID:svVnGwdM0


ロン「行っちまった。なんなんだか、マーリンの髭」

ハニー「……この私に教えないなんて、もう。誰からなのかしら、あの手紙」

ロン「本命、ビッキー。次点で、授業計画を練り直したいハグリッド。それとも、そうだな。君に会わせるためにご両親、これかな」

ハニー「それは、そうね。いつかゆっくり話さないと、とは思うのだけれど」

ロン「僕はあんまりそうしたくないなぁ。パパがマシンガントークで話電(フェリトン)について聞きまくる姿が見えるよ」

ハニー「電話(テレフォン)よ、ロン。それに、あなたはいずれ絶対にそうなると思うわ。そうさせてあげるもの、この私が」

ロン「よくわかんないけど君が言うなら真理だね!ヒンヒン!」

ハニー「えぇ、大宇宙のね……あなたは今から、クィディッチの?」

ロン「うん、一日中練習だ。それでどうなるとは思えないけど……フレッジョの代わりのスローパーとカークったらないよ。ブラッジャーより自分達の頭を叩いてる方が多いかもしれない」

ハニー「それなら尚の事練習をしっかりしないといけない、そうでしょ?」

ロン「ヒンヒン!そうだねハニー! あー 僕も、人の事をとやかく言えないヘボっぷりだしね……」

ハニー「ロン。私の豚が、今、私の豚になんて勝手な評価をしたのかしら?」

ロン「ヒンヒン!君の豚としてしっかり励んでくるよハニー! それじゃ、ここでごめんよ。チョウによろしく」

ハニー「……えぇ。ヨロシクしてくるわ」

ロン「あぁ、うん。並んで歩く姿を拝みたかったなぁ……コリンに後で焼き増したのまなきゃ。マーリンの髭」




642: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/15(水) 20:21:23.94 ID:svVnGwdM0


玄関ホール

ガヤガヤガヤガヤ
 ザワザワザワザワ

ハニー「……新学期最初のホグズミート休暇だから、凄い人の群れね……豚の群れ、でないのが残念だけれど」

ハニー「さて、チョウは……あっ」

チョウ「……! ハニー!」

ハニー「……飛び跳ねて、手を振ってるわ……ただでさえ目立ってるのに、もう」

ハニー「ハァイ、チョウ。遅くなってごめんなさい」

チョウ「いいえ、私も今来たの。髪が中々決まらなくって。あなたは?」

ハニー「私? 私は、いつだって決まりきっているわ」

チョウ「ふふっ、そうよね。それじゃ――行こっか!」

ハニー「っ。えぇ」

ザワザワザワ……ザワザワザワザワザワザワ!!!

ディーン「!? は、ハニーとチョウが!連れ立ってる!?!?」

ネビル「!? れ、歴史的瞬間だ!すごい!獅子と鷲の……みんなに報せなきゃ! スーーーーッ」

ブォオオオオオオオオオオオオッ!!!ブォオオオオオオオオヒーーーーーン
  ヒンヒン!?ヒーーーーーン!?
ドタバタドタバタドタドタ

チョウ「? なんだか、一層騒がしくなっちゃったわね。さっ、ハニー」

ハニー「あー、そうね。私の豚が……手?」

チョウ「繋いでほしいな……ダメ?」

ハニー「……そうしてあげる、って、言わせているようなものじゃない?」

チョウ「……えぇ、あなたは優しいものねっ!」


ザワザワザワザワザワザワガヤガヤガヤヒンヒンヒーーン




644: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/15(水) 20:31:30.57 ID:svVnGwdM0


校庭

チョウ「あら、クィディッチ競技場。今日はグリフィンが使ってるのね……ハニー?飛べなくて寂しい?」

ハニー「……物足りない、とは思うわ。一年生からずっと、飛んでいたんだもの」

チョウ「あぁ、そっか。最年少シーカーさんだったんだものね……私達が最初に対戦したときのこと、覚えてる?」

ハニー「私は三年生だったわ……あなた、私の後ろにピッタリついていたもの。忘れようがないわね」

チョウ「ふふっ、中々だったでしょう? 今は、あなたの真横に」

ギュッ

チョウ「ピッタリつかせて、もらっているけど。ふふっ」

ハニー「……追いかけるスニッチは、なんなのかしらね」

チョウ「さぁ、きっとホグズミートで見つかるわ。ねぇ、クィディッチと言えばワールドカップでも――」

ハニー「あぁ、あの変態紳士がまだ良い選手だと思っていた頃、ね」

チョウ「?」

ハニー「こっちの話」




645: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/15(水) 20:46:22.54 ID:svVnGwdM0


ホグズミート

チョウ「――ウロンスキー・フェイント、あなたみたいな優秀すぎるシーカーがいる中じゃ、活用しづらいでしょうけど、凄かったわね!」

ハニー「私がいればフェイントをかける局面にはならなものね、えぇ――」

ハニー「(思っていたよりも、ずっとずっと普通に喋れるわ……)」

ハニー「(クリスマスの、あの時のように……泣き出したりするんじゃ、って。不安に思って損して……)」

ハニー「誰が不安よ、誰が」

チョウ「?」

ハニー「……なんでも。あー、不安と言えば、そうね。私達のチームの――」


  パンジー「うわぁー、あれ見て。ポッターと、チョウだわ」

 ヒソヒソヒソヒソ

ハニー「……」

チョウ「……」


  パンジー「あーんなにハンサムなセドリックと付き合ってたのに、チョウってそういう趣味があったのねー」

  スリザリン女生徒1「やだー」

  スリザリン女生徒2「きしょくわるーい」

  スリザリン女生徒3「わくわくs――ありえなーい」


ハニー「……ちょっと待っていてくれるかしら。いいえ、杖なんて使わないわ。あの童貞教師以外にもたまには」

チョウ「ま、待って。いいのよ、いいの。 せっかく、あなたとの楽しい時間なんだもの。ねっ?」

ハニー「……チョウが、それでいいなら」

チョウ「うん。手は離さないで……そのまま」

ハニー「……」

チョウ「……」

ハニー「……あー、そうね。えっと……一昨年までキャプだった、ウッドなんだけれど。今――」

ハニー「(クィディッチの話題しか出てこないの!?わたし!!!)」

チョウ「あの、ハニー。ゆっくりお話したいから――マダム・パディフットのお店に、行かない?」




646: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/15(水) 21:00:28.47 ID:svVnGwdM0


マダム・パディフットのお店

『♥ ♥ ♥ カップル限定♥ ♥ ♥  バレンタイン♥デーおめでとう♥ ♥ ♥ 』

ハニー「……流石、バレンタインね。いつもピンクの外装で目だっているけれど……ハートの紙ふぶきが舞ってるわ。いつかのあの似非イケメンがやったみたいに」

チョウ「えぇ、でもばら撒いてるのが金色のキューピッドだし、とっても――ムードがあるわ。ね?」

ハニー「……そうね。あー……何度か、来たことが?」

チョウ「えぇ、チームの人とか。ここ、一人じゃ入れないでしょう?雰囲気が気に入ってるし、一緒してもらうの」

ハニー「……その後、またその人とは?」

チョウ「? いいえ、何度も誘うのは悪いでしょう? 付き合ってるのでも、ないんだし」

ハニー「罪深いわね、天然って。正直なのはいいけれど」

チョウ「? あなたの方は……?」

ハニー「入るのは、初めてだわ。結局ね」

チョウ「……そう、来たい相手、いたのね」

ハニー「あー……まぁ、えぇ」

チョウ「……」

ハニー「えぇっと、あなたは何を?コーヒーでいいかしら」

チョウ「……えぇっ!あっ、お勧めはね……!」

ハニー「……あぁ、でも。そうだったわ……お昼は『三本の箒』に行きたいの。だから、軽いものがいいのだけれど」

チョウ「えっ、あー、分かったわ。でも……『三本の箒』?」

ハニー「そうなの。あなたも、一緒に来てくれる? ハーマイオニーと、そこで待ち合わせているの……あっ」

チョウ「……ふーーーーーん?」

ハニー「……あー」




650: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/15(水) 21:12:21.94 ID:svVnGwdM0


チョウ「……私とのデート、って約束をしていたのに……その後、ハーマイオニー・グレンジャーと?」

ハニー「そういうことじゃないの。そう、あの子がどうしてもって……あなたも一緒でもいいから、って、あー」

チョウ「そう、それはご親切に……っ、それなら私も、あそこで女の子とナニかしてるロジャー・デイビースのお誘いを受けておけばよかった、かな」


 ロジャー「んっ……んんっ!?ぷはっ!?ちょ、ちょっとチョ――あいたっ!!!!!」
 ブロンド女生徒「さいっっってーーーーーー!!!」


ハニー「っ、私のは、私のはそういうことじゃ、ないわ!ハーマイオニーが、何か真剣にお願いしていたから――」

チョウ「えぇ、あなたと日頃とっても仲が良い、あの子……そういうことじゃない?そういうこと、でしょ? 私も――前なら、喜んで一緒したかもしれないわ。だけど」

ハニー「それ、どういう――」

チョウ「……セドリックとここに来たことがあるわ」

ハニー「っ」

チョウ「……あなたで二回目よ。ここで――他の人の名前をだされたの」

ハニー「……どういう」


チョウ「セドリックは私と、ここで――あなたの話ばかりしていたのよ。ハニー」

ハニー「……あっ」




656: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/15(水) 21:33:42.36 ID:svVnGwdM0


チョウ「……ねぇ、セドリックは」

ハニー「……」

チョウ「セドリックは、あなたと……あなたと一緒にいた時、何か一言でも、私の話をした?私に、言葉を残してくれた?」

ハニー「……それは……そんな、彼が死んだかのように言わないで。だって……」

チョウ「それでも、覚悟していたはずでしょう?……やっぱり、やっぱり、私のことなんて一度も。意識してくれなかったのね」

ハニー「……」

チョウ「知ってたわ。知ってた……彼の気持ちが私に少しも、って。分かってたつもりだわ、えぇ」

ハニー「……ねぇ、やめましょう。せっかくの、って。さっきあなたが言ったばかりじゃない……セドリックの、話は」

チョウ「でもね――あなたから、何か――私にセドリックのことを話してくれてもいいのに、あなたは――あなたは、誰にも、なにも!!」

ハニー「あの夜のことは、私、わたし、もう話したわ。ロンや、ハーマイオニーに――」

チョウ「えぇ、あなたも!あなただって――少しも、私のこと、なんて」

ハニー「……違うの、チョウ。ちがう……」

チョウ「私……あなたが、憎いわ。ハニー」




660: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/15(水) 21:40:42.50 ID:svVnGwdM0


ハニー「っ! …………っ、そう、よね」

チョウ「……」

ハニー「……当然だわ。あなたにとって」

チョウ「憎いわ……憎んで、いたかった。……」

チョウ「でも……できない」

ハニー「……え?」

チョウ「セドリックのことを、忘れたわけじゃない……それでも――あなたを――あぁ、私……わたし、きめたのに」

ハニー「……」

チョウ「あなたを、憎んでるわ、って!!言い放ってセドリックのこと、問い詰めたかった……でも」

チョウ「あなたのことなんてもう、って、冬中考えぬいたのに」

チョウ「ここで、期待をもたせて……あなたにセドリックのことを思い出させてやろうって、そう、思ってた、のに……」

チョウ「あなたがあの子の名前を出したとたん、私……あなたのことなんて、って、思ってた、はずなのに」

ハニー「……」

チョウ「嫌いに……なれない……どうして……」

ハニー「……チョ――」

チョウ「触らないで!!!」

ハニー「っ」

チョウ「優しく、しないで――出て行って、行ってよ! あなたが、行かないなら……私が、私が出て行くわ」

ガタンッ

カランカランカランッ……

ハニー「……」

シーン……

マダム・パディフット「……ブランデーは入れる?お嬢さん」

ハニー「……目一杯お願いするわ、マダム」




664: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/15(水) 21:58:27.65 ID:svVnGwdM0


ハニー「……」

ハニー「(みんな、いつか気づく)」

ハニー「(時がくれば、目が覚めれば)」

ハニー「(……なんて)」

ハニー「(リーマスたちでも、間違う事があるんだわ。いつか、じゃ遅いの)」

ハニー「(何も知らない人たちが――何も知らないまま悩んでる)」

ハニー「(私の事を――好きだ、って。泣きながら、言ってくれた人が)」

ハニー「(自分を殺して、自分を痛めつけて、悩んでる)」

ハニー「(なのに……全部知ってる私が。自分が辛いからって、話したくないから、って。黙ってる、なんて)」

ハニー「そんなの……わたしらしくない」

ハニー「わたしは、わたしのしたいようにしてる――わたしは、みんなみんな、全部全部、救いたい」

ハニー「わたしだけが辛いことから逃げて……待ってるなんて、やよ」


ハニー「……だから」






『三本の箒』

ハニー「全部話すわ、あの夜のこと」

リータ「素敵ざんす、素敵ざーーーーんす!さぁハニー!すーべて話しておくんなまし!わたくしがセーーンセーショナルなすんばらしぃー記事にしてあげるざーーーーーーんす!!!」

ハーマイオニー「少しでも脚色したらその口に殺虫剤を『出現』させるわよ、リータ・スキーター!」

ルーナ「うん。パパの雑誌、嘘はいけないもン!」




666: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 22:01:16.45 ID:WaPreV3Ao


あんなにうざくて殺したくて仕方なかったババァがある意味頼もしく見える




667: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/15(水) 22:16:00.86 ID:svVnGwdM0


ハニー「まさかハーマイオニーが、私が今日思いつくことと全く同じことを考えていたなんて……ふふっ。ねぇ、ハーマイオニー。私、ちょっと色々あって水分が足りないのだけれど。あなたの、飲ませてくれる……?」

ハーマイオニー「偶然だけど光栄だわ……ちょ、っと、そんなハニー、ここ、『三本の箒』にどれだけ人目があると、あ――」

リータ「シャーラップガァァルズ!!さっさとインタビューに移らせてほしいざんす!」

ハーマイオニー「……このコガネ――」

ハニー「後にしましょう、後に。でも、意外ね。あなたこういうの、鼻息荒くメモをとると思ってたのに」

リータ「ハニー、あーなたのプライバシーに触れる事は一切書くな、と言われてるのよ。そこのミス・優等生にね。それに、前回のことでよーくわかったざんす。『週間魔女』の定期購読者は9割以上女性、女性が食いつくのは百合よりもむs」

ハーマイオニー「あなたの汚れた仕事については一切聞きたくないわ。それに、今回記事を下ろすのは『ザ・クィブラー』よ」

ハニー「……いいの、ルーナ?あなたのお父様が出版してる雑誌……今の世の中じゃ、私の記事なんて載せたら」

ルーナ「言ったと思うんだけどな。パパも、あたしも。あんたのこと支持してるって。パパは喜んで載せるってさ」

ハニー「……」

ルーナ「でも、いつになるか約束はできない、って。次の号は『しわしわ角スノーカック』のとっても有力な目撃情報総特集だから、その次の号までまでもちこしかも。だってそれって、とっても大事なことだもン!」

ハニー「……えぇ、ふふっ。そうね」

リータ「見出しはこう!『ハニー・ポッターついに語る!』小見出しで『「名前を呼んではいけないあの人」の真相――私がその人の復活をみた夜』なーんて、どうざんしょ!」

ハーマイオニー「えぇ、とびきり派手にやってちょうだい。あなたの得意分野でしょう?」




668: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 22:17:17.91 ID:IQLFWmFro


やべえ、頼もしい




669: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 22:18:39.95 ID:E54TvlkN0


行ける気がしてくるな




671: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/15(水) 22:31:31.14 ID:svVnGwdM0


ハニー「……取材って言うことは、この人に払うギャラはどうなるのかしら」

ルーナ「? パパは寄稿者にお金なんてあげてないよ。みんな、名誉だと思って情報をくれるから」

ハーマイオニー「あぁ、そのことについては心配いらないわ。私たちから何か請求しようとしたって、この人に待ってるのは、ちょっとお茶目な姿に関する魔法省からの追求書、ですものねぇ?」

リータ「ふんっ、言われなくともよーくわかってるざんす。この小娘……それに、この仕事ならあたしゃ自分から金を出したって引き受けるざんすよ?」

ハニー「……どういうことかしら?」

リータ「あーら、ハニー。だってあたくし、一年以上も断筆させられていたざんすよ?そこのミス・優等生のせいで」

ハーマイオニー「社会的にはおかげで、ね」

リータ「そーう。今のあたしに記事を依頼してくれるとこなんてどこにもないんざーんす……そこに!舞い込んだ『ハニー・ポッターの告発文』なーんてお仕事!!よござんしょ!このリータ・スキーターの華々しい凱旋にはもってこいざんす!!」

ハニー「……」

ハーマイオニー「……」

ルーナ「ウィ~ズリ~は 我が王者~♪」

リータ「さぁ、さぁ、さぁ!腑抜けた頭で同じ文句しか並べられない!!省の飼い犬『予言者』の編集部ども!」

リータ「みせてやるざんす!大衆を味方につけるとはどういうことか!!世論を煽るとはどういうことか!!」

リータ「筆一本で紙切れ一枚で社会を動かす!!!それがあたしたちジャーナリストの『魔法』なんざんすから!」

リータ「フッフフ、ハッハハハハハアッハハハゲラゲラゲラゲラ!!そこのファンキーなお嬢ちゃん!お父上に重版する用意を今からさせたほうがようござんすよ!!!」


ハニー「……これを世に解き放っていいのかしら」

ハーマイオニー「……いざとなったら本当にしかるべきところへたれこむわ」




673: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/15(水) 22:45:49.18 ID:svVnGwdM0


数時間後

大広間

ハニー「……話疲れたわ」

ハーマイオニー「リータの聞き出しかたったらなかったものね……お疲れ様、ハニー」

ハニー「いいのよ。私も出来るだけ、みんなに真実を話したかったんだから……」

ネビル「君の金言はいつだって真実だけど……いいことをしたね、ハニー。辛かったろうに……あぁ、君は本当に女神だよ。ヒンヒン……」

ハニー「ネビル……えぇ。ヴォルデモートが何をやってのけるのか、みんなが知らないといけないの。そうでしょう?」

ネビル「うんっ、怖くっても、そうするべきだ……死喰い人のことも、みんなもっともっと知るべきなんだ」

ハニー「……あなたは本当に、出来る豚ね。ネビル。座り心地も、そうね。悪くないもの」

ネビル「ヒンヒン!クィディッチでまだ帰らないロンの代わりにしてもらえて光栄だよハニー!ヒンヒン!」

ディーン「ちっくしょうネビル爆散しろ……ハニーの話が記事になったらアンブリッジ蛙がどんな反応をするか、楽しみだね!ヒンヒン!」

  シェーマス「……」

ハーマイオニー「……ハニー、シェーマスが聞き耳たててるわ」

ハニー「えぇ、そうでしょうとも……またきっと、ヒンヒン鳴いてくれると思いたいわ」

ハーマイオニー「その望みもどうなのかしら。あぁ、そういえば。チョウは一緒じゃなかったけど、どうしたの?」

ハニー「……あー」

ハーマイオニー「……」

ハニー「あの、ね……実は」

ハーマイオニー「……皆まで言わなくていいわ、ハニー。ちょっと待っててね、レイブンクローテーブルで何か轟音がしても気にしないで頂戴」

ハニー「落ち着いて」




679: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/15(水) 22:59:50.41 ID:svVnGwdM0


ハニー「――ってことが、あったの」

ハーマイオニー「……」

ハニー「……あ、呆れ顔はやめなさいよ。やめ、やめてよ。分かってるわ」

ハーマイオニー「あなたらしくなかったわね、ハニー。いつもは相手の気持ちを、考えすぎるくらいなのに」

ハニー「えぇ、それに今までヴォルデモートのことを黙っていたことも、わたしらしく……分かってるったら」

ハーマイオニー「……そこは、そうよ。『本当は行きたくもないけれど、あの子がどうしてもって、脅してくるから仕方なく』とでも言えばよかったんだわ。それに、あー。私のことをとってもブスだ、ときゃぁ!?」

ハニー「分かってる、ってば……でも、あなたはわかってないみたいね、ハーマイオニー?私はあなたのこと、間違ってもブスだなんて思わないし言わないわ……だってこんなに……ねぇ……?」

ハーマイオニー「あっ、そん、そんな、あぁ、そんなつもりじゃなくって、たとえで、あぁ、ハニー、それは、チョウとそんなことがあっても、っ、私があなたのものであることは、『ホグワーツ』の長い歴史よりも明らか、だけど……」

ネビル「つづけて!」

ディーン「どうぞ!」

ロン「ヒンヒン!」

ジニー「ヒン!!」

ネビル「あっ、お帰りロン、ジニー。さすがだね」

ロン「僕らがどうぞるタイミングを逃すわけないさ、もちのロンでね。それで、そこ代われよネビル」

ネビル「……や、やだねっっ!!!

ロン「……マーリンの髭!!!」




681: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/15(水) 23:11:30.58 ID:svVnGwdM0


ハニー「今日の練習はどうだったの、ロン?」

ロン「あぁ、悪夢だったよ。君を見ればその残像も払拭されるけどね……ヒンヒン」

ハーマイオニー「フーッ、フーッ……ゴホン。まぁ、ロン。そんな悪夢だなんて、まさかそれほど」

ジニー「それほど、だったのよ。アンジェリーナなんて、しまいには泣きそうだったわ……ヒンヒンじゃなくて」

ハニー「そう……そのアンジェリーナは?」

ジニー「シャワー室で、ケイティとアリシアに『慰め』られてると思うわ。邪魔しちゃ悪いし、って思って先に夕食を。あと、おね、ハニー成分の摂取に」

ロン「あぁ、そろそろ欠乏症になるとこだった」

ハニー「えぇ、そうね。でも、クラクラするのは一緒だと思うのだけれど?」

ジニー「あぁ、そうよ、はぁ……ハニー素敵」

ディーン「あぁ……ハニー天使だなぁ」

ロン「なに言ってんのさ……女神だよ、あぁ」

ネビル「ヒン、ヒィン……」

ハーマイオニー「ノリノリなのは分かったわ、まったく」

ロン「いや君のハニーに押し倒された時の待ってました顔よかマシだよ、もちのぼくで」




684: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/15(水) 23:29:19.09 ID:svVnGwdM0


談話室

フレッド「へーい女王様に才女様。宿題で忙しいところちょーっといいかい」

ジョージ「ロンとジニーはいないな?まったくあいつらときたら死刑もんだ」

ハーマイオニー「開口一番なによ、二人とも……って、聞くまでもないのがいやね」

ハニー「二人は今日も、チームの練習を見学しにいったの?」

フレッド「見学と言うか、観客席からかるーい野次をね。でも、ありゃダメだ。僕らがいなけりゃまるでクズだぜ」

ジョージ「おいおい、そこまで言うことないだろ。ジニーに至っちゃあそこまで上手くなったことがビックリだぜ」

ハーマイオニー「ジニーはね、六歳の頃から庭の箒置き場に忍び込んで、みんなの目を盗んで」

ハニー「あなたたち二人の箒に変わりばんこに乗って、練習していたそうよ?」

フレッド「へぇ……そりゃいいや。特に、僕らから隠れてってところが気に入った」

ジョージ「なーるへそ。ジニー嬢はいつのまにやらたくましくなっていたのだなぁ」

ハーマイオニー「ロンの方は、未だにゴールを守れていないの?」

フレッド「あー、まぁね。奴さん、誰も見ていないと思うとそこそこブロックできるんだけどさ。どうにもこうにもあがっちまうね」

ジョージ「だから僕らが試合でできることと言やぁ、みんなお願いだからそっぽ向いてお喋りしててくれ、って頼むことくらいだな」

ハーマイオニー「……こ、今度の観客席には、ハニーがいるわ!」

ハニー「えぇ、そうね。私の視線があれば、ロンなら」

フレッド「そりゃもう百人力、いや、百匹力だろうけどさ。女王様」

ジョージ「そいつぁ果たしてあのはなったれのためになるのかねぇ」

ハニー「……」

フレッド「君が今後、ピッチに足を運べないことがあったら?」

ジョージ「その度にあいつはまた使い物にならなくなるのか?」

フレッド「いーや、ハニー。これはあの坊やの問題だ、見守ってやれ」

ジョージ「君が選手でない以上、あんまり肩入れするべきじゃないぜ」

ハニー「……なんだかズルいわ、あなたたちって」




685: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 23:33:49.02 ID:n5g2HQZ70


この再現度で文字揃えは凄い




686: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 23:35:50.05 ID:MGfXjjaX0


ふと思い出しては数えちゃうレベル




688: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/15(水) 23:45:45.25 ID:svVnGwdM0


フレッド「あーぁ、実を言えば、俺達さ。学校に留まった最大の理由って」

ジョージ「クィディッチ優勝杯を最後にもう一度、って思ったからなんだ」

ハニー「……そうね。市場調査なんて、あなたたちならそんなことしなくっても自信満々でしょうもの」

ハーマイオニー「だ、か、ら!今年は二人とも大事な『NEWT試験』があるじゃない!」

フレッド「だーかーらー、僕らはそいつにすこーしも興味がないんだってば。前に言ったろ?おやおやお忘れかい才女様」

ジョージ「『スナックボックス』最後の課題だった厄介な吹き出物も、リーから聞いたマートラップの薬で片付いたしな」

ハーマイオニー「……教えるんじゃなかったわ」

ハニー「親切心じゃない、そんなこと言わないの。そう、それじゃ二人とも……やめてしまうの?」

フレッド「おぉー、泣いてくださるな愛しい君! なに、今すぐって訳じゃぁない。心配するな」

ジョージ「あぁ、鳴くのは君の豚どもだけでいいさ! でもできれば今度の試合は見たかないな」

ハニー「……ザガリアスがチェイサーの、ハッフルパフチームとの対戦ね」

ハーマイオニー「……クィディッチってこれだから。団結していたみんなが無駄にピリピリしてしまうわ」

フレッド「ザガリーが僕らのことをピリピリさせてくれんのは、なにも今に始まったことじゃないだろ?」

ジョージ「まっ、ロンの奴がバリバリ活躍して光明を見せてくれたら、僕らが留まるのも長くなるかもな」

ハニー「辞めるときは、一言頂戴。いいわね?あなたたちは……わたしの豚、ではないけれど」

フレッド「はーいはい、お優しい女王様。最っ高の置き土産を準備しとくぜ」

ジョージ「笑い転げて仕方が無い、耳を塞いでもまだうるさい、大騒音をな」

ハーマイオニー「……おばさまに連絡してでも縛り付けておきたくなるわ、もう」




697: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/16(木) 00:04:15.37 ID:f5PkM5Nq0


土曜日 試合後

校庭

スリザリン生徒<ウィーズリーは 我が王者~♪

スリザリン生徒<ゲラゲラゲラゲラゲラ!!!


グリフィンドール談話室
  
シーーーーーーン

ハニー「……この私が部屋にいるというのに、随分と静かね?」

ネビル「! ヒ、ヒンヒン、ごめんよハニー!ヒンヒーン!」

ディーン「あー、あのさ!あの!ま、負けたっていっても、たった十点差じゃないか!ひ、ヒンヒン!頑張ったよ、みんな!」

ロン「……僕以外はな」

ハーマイオニー「あー、あのね、ロン。それは、あなたも十四回ゴールされたけど、あー、十回もペナルティ・ゴールをとられたスローパーとカークも……いいえ、彼らのことは責めないであげましょう。今頃双子に猛特訓させられているでしょうから」

ハニー「ジニー、いいスニッチキャッチだったわ。あなたが取らなければ、三百十点差で負けたんだもの」

ジニー「あ、ありがとう、ハニー。えぇ、優勝の可能性ごと消えずにすんだ、けど……あなたなら絶対、もっと早くに取ってたわ。違う?」

ハニー「……それは」

リー「僕さ、ハニーがいっつもすぐにスニッチとるから忘れてたけど、クィディッチってこのくらい点取るもんなんだよな。どっちも二百点越えなんて久しぶりに読んだぜ」

<ウィーズリーは 我が王者~♪

ネビル「まだ校庭で、スリザリンが浮かれてるみたいだ……ふぉ、フォイならぼく、戦うぞ!」

ロン「やめとけよ……今じゃあいつら、最有力優勝候補だもんな。ハニーの前じゃそんな称号かすんで仕方ないけど……ヒンヒン」




703: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/16(木) 00:23:47.31 ID:f5PkM5Nq0


寝室

ハーマイオニー「……実際、あなたが選手だったらどのくらいで終わっていたの?」

ハニー「……ロンが十回目に抜かれたとき、カークの足元にスニッチを見つけたわ」

ハーマイオニー「……あなたがチームに戻ればきっと」

ハニー「忘れちゃダメよ、私は一生涯クィディッチ禁止なの。そうでしょ?」

ジニー「アンブリッジがいる間、でしょう?終身じゃないわ。ほら、学期末にはあの人、いなくなってるかもしれないじゃない?」

ハーマイオニー「とっても前向きなのはいいけど、どうしてジニーがこっちに?」

ハニー「スニッチキャッチのご褒美で、ラベンダーとパーバティにジニーのとこへ移ってもらったのよ」

ジニー「ヒンヒン!光栄だわ! あっ、心配しないで。私はこっちの離れたベッドだから。ハニーと同じ空間で、あと夜な夜な妙声聞ければそれでいいから、どうぞ」

ハーマイオニー「配慮なんだかなんなんだか……アンブリッジ。観客席で、意地悪な顔、いいえ、面をしていたわね」

ハニー「私とハーマイオニーの二、三列前に座って……何度か振り返ってニタニタしてきたわ」

ジニー「ほんっと、嫌なカエル!!じゃぁ、おやすみなさい。ハニー!夢であいましょう!」

ハニー「えぇ、そうね。お茶とノンシュガーのお菓子と跪く用意をしていなさい?」

ハーマイオニー「接待される気満々ね……ねぇ、ハニー。ちょっと」

ハニー「なぁに?あら……ジニーの期待にこたえてあげるの?」

ハーマイオニー「ち、ちが、今日はいいわ、今日は! オホン! 忘れちゃだめよ、スネイプに言いつけられたこと」

ハニー「あぁ……寝る前に感情を無にしろ、というあれね……今日に限ってはとっても難しいわ。クィディッチに、あのアンブリッジへのこととか」

ハーマイオニー「それでもやらなくっちゃ。スネイプが……きゃぁ!?」

ハニー「えぇ、そうね。それじゃ、何も考えられなくなるくらい、疲れてから眠ればいいのかしら。手伝って、くれる?ハーマイオニー……?」

ハーマイオニー「ちょ、っと、そんな、ハニー。疲れるなんて、本末転倒で、あぁ、大体、あぁ、『グリンゴッツ』のトロッコに乗った後くらい疲れさせられるのは、私の方で……」

ジニー「ご褒美万歳!つづけて!」



男子寮

ロン「……どうぞ!!!! ムニャムニャ」

ネビル「うわぁ!? へ、変な寝言だなぁ」




708: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/16(木) 00:44:58.86 ID:f5PkM5Nq0


月曜日

大広間

ハニー「……傷が痛むわ」

ロン「ヒンヒン!いっくらハニーの一部とは言えハニーを悩ませるならこのハニーの一番の豚こと僕が黙ってないぞこんちくしょう!ヒンヒン!」

ハーマイオニー「傍から見たらあなたがハニーに怒鳴ってる図にしか見えないからやめて。ハニー、またあの夢をみたの?」

ハニー「今日は、あと少しで扉を開けられたのよ……ほんのあと数十センチだったのに。そこで、ハーマイオニーに起こされて……もう」

ハーマイオニー「だ、だからあんなに不機嫌で、朝からあんなことを!?と、とばっちりだわ!」

ロン「そのとばっちり、豚のみんなが是非とも一度は受けたいな、そう思ってるよ」

ネビル「そうだよそうだよ……僕なんて日頃碌なとばっちり受けてないのに。あっ!でもいいんだ!僕、強くなるってきめたからね!ヒンヒン!」

ハニー「ネビル……そうね。私の豚らしくつとめなさい?」

ネビル「うん、ハニー!ヒンヒン!だから……」

コノハズク「ゲェーーーッ」シューーーッ、ドカッ!

ネビル「どこかの荷物が僕の頭にぶちあたっても気にしないんdうわあああああん!!」

ロン「やっぱり漢だねネビル!君は漢だ! あれ?」

ホォオオオ!ホーーーホーーーホーーーー
 ピーーーピピィ、ピピィー! ギーギーッ!
ギュアッギュァッ! ホーーーォ、ホーーォ
バタバタバタバタバタ ピーーーチチチピピーッ

ハニー「……それは、ふくろう便の時間は今でしょうけれど。なぁに?ふくろうの、つぶて……私の魅力に引き寄せられるのは当然だけれどね」

ロン「ネビル、ネビルーーー!君いつの間に、ハニーのポストになっちまったんだい、ネビルーーーーー!」

ブォ、ォォッ

ロン「……うん、埋もれてるけど、元気みたいだね。もちのロンで」




713: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/16(木) 00:55:01.47 ID:f5PkM5Nq0


ハーマイオニー「これって……あっ!ハニー、ハニー!これ!最初のコノハズクが持ってきた包み、これから開けて頂戴!」

ハニー「な、なぁに? あなたのお願いなら、そうしてあげるけれど……」

ビリッ、ビリビリッ

ハニー「……あぁ」

ルーナ「ん、届いたね。パパに一部、あんたに届けるようお願いしといたんだ。こっちの手紙は、早売りを読んだ人からの感想とかじゃないかな」

ハニー「ルーナ!これ……『ザ・クィブラー』の」

ロン「っひゅー!ハニーが表紙だなんてそれだけでこの号は売り切れ必死だぜ、もちのロンで!」

ハーマイオニー「リータ、書き上げたものを意地でも最速でださせたのね。頼りになるわ、なりすぎて困るけど」

ハニー「……表紙の見出しは、これね。『生き残った女の子、ハニー・ポッターついに語る! 「名前を呼んではいけないあの人」の真相――私がその人の復活をみた夜』」

ロン「小見出しはここだ。『緊急告発! ハニー・ポッターがすっぱ抜く、あなたの隣にいる死喰い人!』」

ハーマイオニー「『恐ろしい計画の首謀者、ルシ××・○フォイとは!?』……ほとんど言ってしまってるわ」

ルーナ「パパは大忙しだって。しばらく次の号が出せないくらいの大反響でビックリだ、ってさ。『スノーカック』読みたかったな、あたし」

ハニー「っふふ。ごめんなさいね、ルーナ」

ルーナ「いいよ。これはこれで、面白いから……勇猛果敢な騎士道で、他とは違うグリフィンド~ル♪」




725: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/16(木) 01:18:36.53 ID:f5PkM5Nq0


ビリビリッ、ビリッ

ハニー「たっくさん、たくさんだわ。手紙……あっ」

ロン「ぼくも開けていいかいハニー!うん?どうしたのさ……やってくれるぜ、スナッフル」

ハーマイオニー「……肉球のスタンプが押された羊皮紙一枚……えぇ、伝わるわよね。ハニー」

ハニー「……うんっ。さぁ、開けてみましょう。みんなも、好きにやってしまって?」

ロン「もちのロンさ……うわ、こんにゃろ、君がいかれてるってさ。マーリンの髭」

フレッド「こいつぁどっちつかずだな。嘘を書いてるようには思えない、だけど私は信じたくはない、だとさ」

ジョージ「なんともはや、羊皮紙の無駄だな。おっ、こっちのご婦人は、君がショックを受けてるだけだとさ」

ネビル「ケホッ、ケホッ。えっと、この魔女は……この魔女!君の言うことを信じる、って!ハニー!ヒンヒン!」

ジニー「まぁ、この魔法使い!あなたが真の英雄だ、って、そこまではいいけど――自分のプロマイドを入れてるわ!!呪い返してやろうかしら!ヒンヒン!」

ルーナ「この魔法使いは、あんたの口しか証言のないものをどう信じろというんだ、だって。ふぅん……変なの。それじゃ、ブリバリング・ハムディンガーもいないことになるじゃない?」

ハーマイオニー「ハニー、ハニー!素晴らしいわ、この魔女!聞いて!『あなたの側の主張を読んで、「予言者」ひいては魔法省があなたのことを不当に扱ったという結論に達しないわけにはいきません。「例のあの人」復活は確かに衝撃的ですが、私たちはそれを受け入れなければ――』」



アンブリッジ「なんの騒ぎですの?」

ネビル「ひっ、でたっ!」

ハニー「! おはようございます、アンブリッジ、『先生』」


ザワザワザワザワザワザワ
 オエッ、ウェェェェ

アンブリッジ「どうしてこんなにたくさん手紙が来たのですか、ミス・ポッター?」

フレッド「おーいおいおい、冗談じゃないぜ。今度はこれが罰になるってのか?」

ジョージ「手紙を受け取ることが?冗談は体型と顔と存在だけにしてくれよなぁ」

アンブリッジ「ウィーズリーズ、言葉に気をつけないとお友達のようになりますよ?それで、ミス・ポッター?」

ハニー「えぇ、アンブリッジ先生。私が……スーッ」

アンブリッジ「?この、雑誌がなにか……?」

ハニー「この、『ザ・クィブラー』に!六月に私の身に起きたことについてのインタビューが載ったのよ!!!」

ザワザワザワザワザワザワザワ!!!!!
ヒソヒソヒソヒソヒソ

アンブリッジ「!?っ、っ!?」 パラパラパラッ

ハニー「中々いい表紙だもの。先生、それ、差し上げるわ。あなたの趣味の悪い部屋にでも飾れば、どうかしら」

アンブリッジ「っ、~~~~っ、こんな、もの、こんなことを、ミス・ポッター!!ポッターー!あなたには、金輪際ホグズミート休暇は訪れないとお思いなさい!~~~っ、一週間の罰則!さらに五十点減点!!」

ハニー「上等よ、先生。安いものだわ、そのくらい」

ロン「ヒンヒン!さっすがハニーだぜ!ヒンヒーーーーン!」

ザワザワザワザワ
 ヒソヒソヒソ  ヒン、ヒン……




751: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/17(金) 13:58:17.93 ID:fz9gCiiJ0


『薬草学』

ヒソヒソヒソヒソ
 ザワザワザワザワ

ロン「朝のあの騒動からこっち、そこかしこでヒソヒソ言ってるよな。まずはヒンヒンだろまったく。あぁハニー!君はどんなどきだってみんなの関心をあつめてやまないね!」

ハニー「それはそうでしょうね。私がアンブリッジにあんなことを言い放った後、ということもあるけれど。美貌がなせる事態だわ」

ハーマイオニー「いい演出だったわ、ハニー……あちらもすぐに動いてくれたもの。アンブリッジ様様は」

『教育令第二十七号  「ザ・クィブラー」を所持しているのが発覚した生徒は、退学処分とする 高等尋問官ドローレス――』

ロン「まだ昼にもなってないって言うのに、掲示板だけじゃなくてこの廊下やら温室にまで張り出されてるもんな。胸糞悪い文字見せるんじゃないよ、反吐っちまうぜ」

ネビル「動いて、くれた、って言うのは?えっと、僕にはハーマイオニーがどうしてほくそ笑んでるのか、よく……」

ハーマイオニー「あら、分からない?そう、魔法省ができる対処はあの本を禁止することだけ。この、ホグワーツで!絶対秘密のお話!なんてものが守られたこと、今まであったかしら?」

ハニー「むしろあの女に禁止と言われたことで俄然手に入れようと、躍起になるでしょうね。問題は、どうやって手に入れるかでしょうけれど……アンブリッジは抜き打ちで生徒のかばんを調べているようだもの」

ロン「そこんとこは大丈夫。フレッジョがルーナのパパに話しつけて、大量にあれを仕入れて『隠蔽』したものを出回らせるってさ。たくましいよ、まったく」

スプラウト「みなさん、作業はしっかりやりましょう。あぁ、ミス・ポッター?そちらのジョウロをとってくださいな」

ハニー「? えぇ、スプラウト先生。そうしてさしあげるわ。どうぞ」

スプラウト「まぁ、ありがとう。グリフィンドールに二十点、差し上げましょう」

ハニー「……ふふっ。先生?」

スプラウト「このところ腰が痛くて、地面のものを取るのは大変だったんですよ。本当にありがとう、えぇ」

ロン「その杖はなんのためにあるんですか、ってね。野暮なこたぁ言わないよ、もちのロンで」




753: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/17(金) 14:08:45.05 ID:fz9gCiiJ0


『呪文学』

フリットウィック「今日は初心に返って『浮遊呪文』です!さぁ、教室の天井近くに色々なものを浮かせてみましょう!」

ザワザワザワザワ

フリットウィック「うーむ!どうしたことか!今日は私の杖さばきがうまくいきません!」

ロン「白々しいぜ、フリットウィック先生。流石同胞」

ハニー「演技の素質はないけれど、できる豚ね。ふふっ」

フリットウィック「うーむ!これは、私は生徒のみなさんの動きに目を配れませんね!何を読ん、何をしていてもこれでは注意できそうにありません!困った!」

ザワザワザワザワザワ
 ペラッ、ペラッッ

ハーマイオニー「みんな、『ザ・クィブラー』を夢中になってめくっているわ……仕事が速いわねあの二人」

ジリリリリリリリリリッ

フリットウィック「おやっ!もうこんな時間ですか!みなさん、かえってよろしい!あぁ――ミス・ポッター!私がそちらに飛ばしてしまった羽ペンを、拾っていただけますかな?」

ハニー「あら、いつから私にお願いできる立場になったのかしら。でも、いいわ。そうしてあげる。はい、先生」

フリットウィック「どうも、どうも……これを」

ハニー「これ……『チューチュー鳴くネズミ菓子』?」

フリットウィック「シーッ!内緒ですよ、ミス・ポッター!何せこれは――『呪文学』とは関係のない事柄でしょうからね!」

ハニー「……ふふっ。えぇ、ありがと。せんせ」フーッ

フリットウィック「! ヒンヒン!こちらこそ!ヒンヒーン!」




754: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/17(金) 14:19:02.90 ID:fz9gCiiJ0


『変身術』の教室前

ハニー「どうやら今日はたっくさんの貢物が来る日のようだわ」

ロン「君に目いっぱいの愛情が返ってくるのは当然だけど、そうだね。手紙に点に、お菓子に、あとはそうだな。祈りか」

ハーマイオニー「奉らないで……あっ」

チョウ「――ハニー!ハニー!!!」

ハニー「! ハァイ、ちょ、きゃぁ!?」

チョウ「あなたって、あなたって!本当に、勇敢で――なんて、あぁ……!」

ハーマイオニー「……こんなに人通りの多い場所で抱きつくなんてちょっと非常識だわ」

ロン「いつもはそれ+押し倒されるのは甘んじて受け入れてる人が何か言ってら」

チョウ「ごめんなさい、あんなことを言ってしまって……あなたも、あなたもつらかったのに」

ハニー「……いいえ。チョウがずっと悩んでいたことに比べたら……私……わたし、あなたを」

チョウ「えぇ、ハニー。とっても救われたわ……ふふっ。私、待ってる。もうへこたれないわ……セドリックは生きてる、そう信じられる」

ハニー「……そう」

チョウ「あっ!それから!」

フッ

ハニー「っ!?」

チョウ「あなたのことも、ね!知ってた?私、凄腕シーカーなんだから! 今日は、ほっぺで逃がしてあげる!じゃあね!」

タッタッタッタッタッタ……

ハニー「……また調子が狂う人になってしまったわね、もう。ふふっ」

ハーマイオニー「ロン。私、今度こそ本気で飛行を習いたいわ」

ロン「そりゃいいや。ちょうど窓が開いてるよ」




755: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/17(金) 14:36:55.42 ID:fz9gCiiJ0


『変身術』

マクゴナガル「さぁみなさん、お静かに。私の授業では、どんな理由があろうとも。科目に関する事柄以外は一切読むのも話すのも許しません。分かっていますね?」

ザワザワザワ……シーン

マクゴナガル「よろしい。さて、本日より『消失』から進んだ『部分消失』に入ります。これはとても複雑です。気を抜かないように」

ロン「マクゴナガルはブレないなぁ、遊び心ってもんがないぜ、まったく」

ハーマイオニー「あるべき大人よ、あれが。少し融通がないけど、正しいわ。ほら、集中しなきゃ」

マクゴナガル「まずは理論をノートにおとりなさい……おや?」

ハニー「……? いつもならば杖の一振りで動いていくはずのチョークが……」

マクゴナガル「本日はどうにも、調子がよくないようです。こうなれば、私は数十年ぶりに自らの手で黒板に書かなくてはいけません。そうですね、みなさん?」

「「「「「はい、マクゴナガルせんせー!」」」」」

マクゴナガル「先ほど申し上げたとおり、この呪文の理論はとても複雑です!きっと授業中、私は振り返る余裕がないでしょう。ですが、学徒たる皆さんはそのような状況でも慢心せず私の書く魔法理論を真剣に写しおおせる、そう信じていますよ?」

「「「「「はい、マクゴナガルせんせー!」」」」」

マクゴナガル「よろしい。何度も言いますがこれは複雑な理論です。己が手で書く以上、間違えてはなりません。集中のために、耳栓をしていても?」

「「「「「問題ありません、せんせー!」」」」」

マクゴナガル「結構」

ガリガリガリガリガリガリ
 ザワザワザワザアワザワザワ ヒソヒソヒソヒソヒソ
 ペラッ、ペラッ

ハーマイオニー「……」

ロン「なーるほど、確かに模範的な大人の態度だよな?」

ハニー「先生らしいわ、優しいのに回りくどくて……あら?」

シェーマス「……」

ハニー「……どうしたのかしら、授業中に。あなたはここのところ、私からはずいぶんと離れた席に座っていたと思うのだけれど?」

シェーマス「き、君に言いたいことが、あって……僕、あれを。あの雑誌、読んだんだ……ううん、読む前から、本当は謝りたくて……でも、君は戦ってるのに、僕はなにを、って……あぁ、ハニー!僕らのハニー!!!」

ハニー「……えぇ、シェーマス」

シェーマス「許してくれなんて言えないです!けど、僕は君を信じます!だから、また、ひ……ヒンヒン、って」

ハニー「ロン」

ロン「なんだいハニー?」

ハニー「シェーマスが何を言っているか、あなた、分かる?」

ロン「さーぁ?さっぱりだね」

シェーマス「!」




756: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/17(金) 14:48:48.17 ID:fz9gCiiJ0


 そ、そうだよ、ね……僕、なんて」

ロン「同胞としては、やっぱりヒンヒンで語ってくれないと分からないよな。だって、そうだろ?僕たちいつだってハニーの豚なんだから」

シェーマス「!」

ハニー「えぇ、そうよね……シェーマス?私は一度だって、あなたが私のかわいい豚であることをやめた、なんて。思っていないわ。そうでしょ?」

シェーマス「あ……あ……」

ハニー「さぁ……シェーマス」

パチンッ!

ハニー「跪いて、ヒンヒン鳴きなさい?いつものとおり、今までどおりに。ねっ?」

シェーマス「ヒンヒン……ヒンヒーーーーーン!ハニーーーーーーーィ!」

……ヒンヒンヒーーーーーーーーーーンン
 ハニー!ハニーーーー!ヒンヒーーーーーン!!

ネビル「!豚囃しの復活だ!!!ヒンヒン!!」

ディーン「まったく!みんな遅すぎるぞ!!ヒンヒン!」

ハーマイオニー「……もう、感動なんだか間が抜けるんだか。締まらないわ、ほんと。ふふっ」






ジリリリリリリリリッ!

マクゴナガル「おや、終業のようです。みなさん、板書は済みましたね?」

……

マクゴナガル「尚、本日私が黒板に書いたものは図書館にある『部分消失術~~憎いアイツにデカイ風穴あけるべき?』の大一章に記載しているものと重複していますので、復習にお使いなさい」

ロン「流石だぜマクゴナガルせんせー!」

にゃんこー!

マクゴナガル「お黙りなさい!さぁ、次の授業へ! ミス・ポッター?」

ハニー「えぇ、先生」

マクゴナガル「今日も多く学びましたね?」

ハニー「……とっても」

マクゴナガル「それならよろしい。あなたは大いに学び、そして会得したことでしょう。それを今後も、忘れないように。いいですね?」

ハニー「はい、先生。……ありがと!」

ヒンヒーン!
 にゃんこーヒーーーーン!

マクゴナガル「おやおや、そうですか。どうしても本物の豚にされたい生徒が多いようですね?お並びなさい、立派な尻尾をこさえてあげましょう」




759: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/17(金) 15:07:43.03 ID:fz9gCiiJ0


『占い学』

ロン「まったく傑作だったよな、マクゴナガルの授業は」

ネビル「僕、先生があんなに優しい顔してるの初めてみたよ」

ディーン「ハニーの前じゃ笑みがこぼれちまうのはもはや反射に等しいけどね」

シェーマス「ヒンヒン!」

ハニー「えぇ、そうね。全人類の細胞に刻みついた記憶で……あら?」

トレローニー「……」

アンブリッジ「……」

ロン「うぉっと、オエッ、そういやこの授業はアンブリッジの奴が授業監視してんだっけ」

ハニー「あー……ハァイ、トレローニー先生。また、ここ最近のいつも通りにずいぶんとくたびれた様子で」

トレローニー「オォ……おぉおおお、オーーーーーォォウ!!」

ハニー「!?」

ガシッ

トレローニー「見えます、見えますわ!!わたくし、あなたの未来が見えますわーーーーぁ!!」

ザワザワザワザワザワザワ

ハニー「み、未来!?ちょ、っと、先生、足にすがり付かないで、ちょっと」

トレローニー「見えます、見えます!不幸なことにここには未来の波長をことごとく阻害する醜いまるで蛙のような体たらくの置物以下なゴミが存在していますが!わたくしの未来を見通す内なる眼の前には、現世<うつしよ>の要素など超越していくのですわ、オォ、オーーーォオオぉおお!」

ハニー「あー……?」

トレローニー「あなたは早死にしませんわ! それどころかとてもとても長生きします、しますとも!!グスッ、それに魔法大臣になって、グスッ、グスッ、幸せな家庭でずーーーっと暮らせるに違いありませんわ、えぇ!!!」

ハニー「! そ、それは、白い屋根の、おうちなの!?」

トレローニー「もちろんですとも!!!大きな犬小屋も見えますわ!!えぇ!!!子供は二人くらいかしら!!!えぇ!!!!十二人かもしれませんわ!!えぇ!!」

ハニー「じゅ、じゅうに。そんな、わた、わたし、それは、望むなら、望むところだけれど!ちが……っ!」

ロン「痛い!ありがとう!ヒンヒン!!!」




761: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/17(金) 15:26:14.31 ID:fz9gCiiJ0


放課後

図書館

ロン「ってわけで、『占い学』も大傑作だったよ。あのときのアンブリッジの顔ったら、吐き気がしたなぁ」

ハーマイオニー「いつもでしょ、それ。よかったわね、ハニー」

ハニー「よ、よくないわ。十二人、十二人ですって……」

ロン「……」

ハーマイオニー「……」

ハニー「ニヤニヤしない! さぁ、早くマクゴナガル先生が言っていた本を探さないと……あら」


マルフォイ「くっそ、ポッターのいかれポンチめ……っ」

クラッブ「! ゴアーッ!」

ゴイル「! ウッホウッホ!」

マルフォイ「おい、よせ。相手にする価値もない。うん、そうだ。今が怒るべきっていうのは合ってたぞ。えらいな」

ノット「……通してくれるかい」


ハニー「えぇ、そうしてあげるわ。どうぞ」

ロン「できれば僕たちも、君らと鼻面合わせるのは勘弁願いたいからね」

マルフォイ「……ふんっ。いつか落ちるところまで落ちるぞ、ポッター!」

ゾロゾロゾロゾロ……

ハーマイオニー「小物らしい台詞ね。それに、一番いいことは。あの人たちがいくら親が死喰い人だって名指しされて怒っていたとしても、あの雑誌を読んだなんて認められないから反論できない、ってところよ。今みたいに」

ロン「あーぁ、何せアンブリッジ様様の教育令だもんな。もちのロンで」

ハニー「今学年で初めて感謝してあげたいわね、ほんの一瞬だけれど」

ハーマイオニー「散々楽しんだところで。宿題と復習をしましょうか。えーっと……あ、あそこね……高いわ。えっと、『ウィンガー――」

ロン「よ、っと。これだろ? 君、いつまでたっても背が伸びないなあ。マーリンの髭」

ハーマイオニー「っ、あなたが伸びすぎなのよ!元からそうだけど、ここのところ……クィディッチをしてから、もっと……は、はやくよこして!ちょっと、ちょ、届かな、ロン!」

ハニー「……ふふっ。トレローニーに、ついでに二人も見てもらえばよかったかしら」




764: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/17(金) 15:41:38.79 ID:fz9gCiiJ0


寝室

ハニー「談話室の盛り上がりも、すごかったわね……」

ハーマイオニー「双子があの雑誌を大きくして、それを崇めるあなたの豚たちの大合唱だものね」

ハニー「私が崇拝の対象になるのは当たり前のことだけれど……騒ぎすぎて、疲れたわ」

ハーマイオニー「どこから持ってきたかは考えたくないけど、ご馳走やらバタービールまで夕飯後なのに詰め込まされたもの。当然だわ」

ハニー「……体重計が怖いわね」

ハーマイオニー「それには素直ね、あなた。だけ、というわけでもないけど」

ハニー「何が言いたいのかしら……あぁ、私、寝るわ……ねぇ、ハーマイオニー?」

ハーマイオニー「なぁに?」

ハニー「本当に、ありがと……あなたが話をつけてくれたおかげよ?」

ハーマイオニー「そんな。あなたが決断したら、あとはあなたでもどうとでもなっていたと思うわ。きっとね」

ハニー「ううん……いつだって、わたし。あなたや、ロンに助けられて……」

スッ

ハーマイオニー「! あ、あの……えぇ、疲れたでしょうから、あー……少しだけ……あら?」

ハニー「スーッ……スーッ」

ハーマイオニー「……手を握った、だけね。えぇ、ハニー……おやすみなさい」




ラベンダー「ハーマイオニー、さっきの手を握られた瞬間の期待顔、もう一回お願いできる?」

パーバティ「資料にしたいの。次の夏に出す新刊のために」

ハーマイオニー「黙らないと黙らせ…………ほんっとうに聞きたくないから黙って。黙って……あぁ、そういえば」

ハーマイオニー「……ハニー、今日は寝る前に『閉心術』のあの訓練……してなかったわね。大丈夫、かしら……」




765: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/17(金) 16:03:51.77 ID:fz9gCiiJ0









ハニー「(……暗い、部屋だわ)」

ハニー「(スネイプの研究室みたいに暗い……地下じゃなくって、厚いカーテンで締め切っているだけ、のようだけれど)」

ハニー「(せっかく……今日は、楽しいことばかりだったのに……どうして、こんな夢をみるのかしら)」

ハニー「(この、手……これ、私の手?それは、この私の手だもの。白くて美しいのは、当然だけれど)」

ハニー「(ここまで……何十年も日に当たってないような病的な白さじゃ、ないわ。どういう……)」

???『我が君、我が君……ご主人様、どうかお許しを!!!』

ハニー「(? あら……暗すぎて分からなかったけれど……誰かが、床に跪いているわ)」

?『お前を責めるまい、ルックウッド どうやら俺様は 間違った情報を得ていたようだ そうだな ?』

ハニー「(……今の声、どこから……)」

?『お前の言うことは 確かなのだろうな?」

ルックウッド『はい、はい!ご主人様、それはもう! 私めはなにしろ、かつて、かつてあの部で働いていましたので!』

?『エイブリーは、同じように 貴様と同じ部署で働いていたボードならば あすこからそれを取り出せるだろう そう言ったのだけれどなぁ』

ルックウッド『お言葉ですが、あぁ、ご主人様。ボードにはそれができなかったでしょう!間違いなく、ボードはそれ出来ないと知っていて……ですから、だからこそマルフォイの『服従』に激しく抗ったに違いありません』

?『立つがいい、ルックウッド』

ルックウッド『ひ、ひぃいいっ!!お助けを、お助けを……!』

?『お辞儀は今は必要ない 何を言っている、ルックウッドよ 俺様はお前に礼こそ言えど、罰したりはしない それに値するのは   エイブリーよ』

ルックウッド『はい……我が君……えぇ、そうに、そうに違いあり、ません』ガタガタガタガタガタ

?『貴様の知らせは大儀であった ルックウッド、これからも俺様のために尽くせ 貴様の握る情報がすべて必要だ 今からまた始めるのだ  下がってよい エイブリーを呼んでこい』

ルックウッド『はいっ、はいっ、ご主人様!し、失礼いたします!!』

ガタッ、ガタガタッ、ガタッ、バタンッ

?『……』

ツカッツカッツカッツカッ

ハニー「(……ルックウッド……エイブリー……それに……)」

ハニー「(今私の頭に流れてる……どんなお辞儀をさせてやろう、なんて……馬鹿みたいな、考え)」

ハニー「(あの、声……私の口、から……!)」

ハニー「(いやっ、いやっ……!鏡なん、て……見たく、な――)」


ヴォルデモート『招かれざる客には、まずは――おz――』




ハニー「いやあああああああああああああああああああああっっ!!!!!」

ハーマイオニー「ハニー!!ハニーーーーーー!!」

ガシャァァァァァン!

ロン「呼んだかい!?」

ハーマイオニー「頼もしいことだけど額に刺さりまくったガラス抜いて談話室で待ってなさいこの豚!」

ロン「ハニー以外が豚って呼ぶなよ!ヒンヒン!」




768: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/17(金) 16:25:59.53 ID:fz9gCiiJ0


談話室

ハニー「……」

ロン「あぁハニー!二月って言ってもまだ寒いよね!存分に抱きしめてくれちゃっていいよ!無駄に広いからね僕の背中はね!ヒンヒン!」

ハーマイオニー「……ボードは、ルシウス・マルフォイに操られてた。そうして『神秘部』の中のどこだかに押し入ろうとして……そこにあった守りか呪いでしゃべられなくなって聖マンゴに入院した。そういうことね?」

ハニー「えぇ……『武器』のある部屋だわ、きっと……あいつがそうまでして欲してるのは、それしか考えられないもの」

ロン「まーたマルフォイの奴かよ、ほんと、大活躍してくれるよな……あいつが魔法省に入り浸ってたって理由がちょっと分かったよ。きっと、様子見したかったんだ」

ハニー「『悪魔の罠』を送りつけたのも、きっと……」

ハーマイオニー「……スタージス・ポドモア!そうだわ、彼も同じような目にあったのよ! 捕まる前のころから、様子がおかしいとムーディが言っていたもの!『服従』させられて、同じように『武器』を取り出すために『神秘部』に……捕まってしまったけど。いいえ、捕まってよかったのかしら、この場合」

ハニー「そうね……ボードの例や、ルックウッドの言っていたことからすると……誰にでも取り出せる、ということじゃないみたい」

ロン「でも、きっと今頃ルックウッドがそいつを持ち運ぶ方法を『あの人』に教えてるんだろうな……マー髭だよ」

ハニー「……いいえ。今は、あいつは……エイブリーを、罰してるわ。傷が焼けるように、痛いもの……」

ロン「……このこと、ダンブルドアに」

ハニー「話せないわ。だめよ……みんな、私がこういうものを見ないように、って望んでいるんだもの」

ハーマイオニー「……ねぇ、ハニー。確かにその通りよ。今後はスネイプの訓練にもっと身を入れないと」

ハニー「……」

ハーマイオニー「……えぇ、今言うことじゃなかったわ……ごめんなさい」

ロン「まったく君って配慮がなってて心優しい理解者だよな」

ハニー「……ロン」

ロン「ヒンヒン!なんだいハニー!」

ハニー「ハーマイオニーに、お辞――土下座なさい。アクロバティックに」




769: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/17(金) 16:40:11.93 ID:fz9gCiiJ0


二週間後

スネイプの研究室

スネイプ「――立つのだ、ポッター。休んでいる暇はない」

ハニー「っ、はぁ。はぁ、っ、は、ぁ」

スネイプ「我輩はまだまだ満足しておらんぞ。さぁ、立ちたまえ」

ハニー「ちょ、っと……っ、いいわ。そうして、あげる。『先生』」

スネイプ「威勢だけはいい。だけは、な。さきほどの記憶はなんだね?」

ハニー「……分からない、分かりませんわ。どこ記憶のこと、かしら……っ、いとこが、私を……トイレの中に閉じ込めたところ?」

スネイプ「そうではない――あの暗い部屋と、そして跪いた男の光景だ」

ハニー「……」

スネイプ「君が他人に対して高圧的でそのような姿を取らせる反吐が出そうな趣味があるのは知っている。だが、あの男は――我輩の記憶が確かならば、オーガスタス・ルックウッドのように見受けたが?」

ハニー「あれは……あれは、なんでも」

スネイプ「……まったくもって腹立たしい提案だが、ポッター。こちらを見たまえ。さぁ」

ハニー「っ……」

スネイプ「……少し待て」

ツカツカツカツカ、バタンッ  オェーーーーーーッ! ガチャッ ツカツカツカツカッ

スネイプ「時間をとらせるな。さぁ。っ。目をこちらに向けて、もう一度聞こう。あの光景はなんだね?」

ハニー「あれは……っ、分かった、分かったわよ。ただの『夢』……それだけよ」

スネイプ「……夢、だと?ポッター」

ハニー「……えぇ」

スネイプ「君はここで何をしているのか自覚があるのかね。我輩がなぜこのような仕事のために夜の時間を割いているのか分かっているのか」

ハニー「……『閉心術』を学ぶため」

スネイプ「そうだ。しかし、いやはや。『継続は力なり』という言葉にこれほど信憑性がなくなる事例は初めて見ますな、ポッター。君は最初の訓練の時から、何一つ進歩していない」

ハニー「っ、わた、私、先生の言うとおりにやっていますわ。『先生』」




773: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/17(金) 16:55:01.15 ID:fz9gCiiJ0


スネイプ「二ヶ月も特訓して何一つ、だ。君がどんなに鈍くとも少しは身についているものかと思ったのだが」

ハニー「……」

スネイプ「闇の帝王の夢をあと何回見たのかね」

ハニー「この一度っきりだわ」

スネイプ「おそらく君は、こういった幻覚や夢を見ることを楽しんでいるのだろう?いみじくも最初の日におっしゃっていましたな?『このつながりはこれまでは、役に立つことが多かった』」

ハニー「……」

スネイプ「自分が重要人物だと思われることを楽しんでいるのだろう? 自分が、特別に違いないと」

ハニー「……そんなものがなくったって、私は」

スネイプ「いいや、ポッター。貴様は特別でも重要でもない。黙っていたまえ。心を閉じたまえ。闇の帝王が死喰い人たちに何を話すのかを調べるのは、君の役目ではない」

ハニー「……えぇ、そうね。それは先生の仕事のはずだわ。それで、私以上の成果をあげられているのかしら?」

スネイプ「……」

ハニー「……」

スネイプ「その目でこちらを見るなと言っている。五点減点。つづける、用意しろ」

ハニー「えぇ、いつだって。っ、かかってきなさいよ、この……」

スネイプ「一――二――三――『レジリメンス!』」

ハニー「っ……!」





吸魂鬼 吸……
 吸魂… 吸魂鬼

――吸魂――こんなに――

スネイプ「―――!」

ハニー「(三年生のときの、吸魂鬼たちの記憶……でも、いままでみたいにハッキリと、じゃない)」

ハニー「(杖を私に向けてる、スネイプの姿も見える……体が、動くわ)」

ハニー「(仕返して……やるわ……よくも、っ!)」

ハニー「『プロテゴ! 防げ!』」

スネイプ「!?」

ハニー「――――っ……?」


――――

―――

――

― 





774: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/17(金) 16:56:50.19 ID:VRN+8KJSO


スネイプ暗黒歴史劇場、開幕




775: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/17(金) 17:07:58.80 ID:fz9gCiiJ0


『お前が!!!お前のせいで――!!!!』

『やめて!あなた!!この子が見て、あぁ――!!!』

――もうやめてくれ――やめてくれ――お母さんに酷いこと――

ハニー「(あれ……あれって……鉤鼻の男の子が……泣いてる)」





ブーーン バチンッ
 ブーンブーンッ  ブチャッ!

――つぶれろ、つぶれろ――いつかあいつも――いいや――

ブチブチッ、グチャッ

――みんな、みんな――この力で――

ハニー「(さっきの子だわ……飛んでるハエを……つぶしてる)」





『みてよ、僕は――こんな、ことだって!飛ぶことも――うわっ!?』

ハニー「(??? さっきの子……嘘みたいに明るい顔、だわ)」

『ふふっ、セブ――それって飛んでるって言うより、きっと振り回されてるって言うのよ』

ハニー「(下で見ているのは……誰?この子の影になって――顔が)」

『あーぁ、あぁ!ほら、危ないけど、離さなきゃだめよ!あなた、そのまましがみついてたらパンツまで見えそう――』



スネイプ「もうたくさんだ!!!!!!」

バチンッ!!

ハニー「っ!?……あっ」

スネイプ「ふーーーっ、ふーーーーっ、ふーーーっ……」

ハニー「あ……もとの、部屋に……じゃぁ、今もしかして、私……」

スネイプ「ふーっ、ふーっ……」

ハニー「……スネイプの、記憶に」

スネイプ「……ふーーーっ。さて、ポッター……今のは確実に、進歩と言えよう」

ハニー「……と、当然、だわ。あー……せん」

スネイプ「質問は一切受け付けん。少し待て」

憂いの篩

スネイプ「……これもある、これも。これも入れた……我輩としたことが……っ」

ハニー「……憂いの篩に入れた記憶を確かめてるわ……やっぱり、あれって」

スネイプ「……さて、ポッター。君に大いなる進歩が見られたところで――もう一度だ」

ハニー「っ!?まさか、この人……本気で、本気で、怒って……散々人のを覗いていた、くせに!」

スネイプ「少々本気を出してもいいでしょうな? 進歩を見せてもらえたのですから」




777: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/17(金) 17:23:52.07 ID:fz9gCiiJ0


ハニー「ま、待って頂戴!少し整理を、させ――」

スネイプ「問答無用。整理など必要ない、さきほどの記憶は我輩が今からかき消して進ぜよう……いーち、『レジリメンス!』」

ハニー「三までじゃ――あっ――」


――――

―――

――

― 

ザァァァァァァァァァァァァッ

――もうすぐだ――もうすぐ先にある――

ハニー「(ここって……また、あの廊下……?)」

ハニー「(すごい速さで動いて……まるで、飛んでるみたいに)」

――さぁ――ここだ――この扉――

ハニー「(いつもの、黒い大きな扉だわ……いつも、ここで……)」

バーーーーーンッッ!!

ハニー「(!?)」

――開いた――開いたぞ――次は――

ハニー「(うそっ――閉じたままだった、扉が)」

――さぁ、この部屋は――どの扉だったか――中は、光で――


スネイプ「ポッターーーー!!」

ハニー「っ、っはぁ、っ、ここ、ここは……お、お城、よね……ここ」

スネイプ「説明しろ……説明しろ!!どうなっている!!!」

ハニー「いたっ……肩、肩を離し、て!私、わたしだって、何が起こったのか分からないわ!あんなこと、今まで!あの扉の先になんて、これまで一度も――」

スネイプ「お前は十分な努力をしておらん!ポッター!怠け者でだらしなく、力も何もないのに思い上がる!!!」

ハニー「っ、そん――」

スネイプ「そんなことだから当然、闇の帝王が――」

ハニー「っ!ヴォルデモートをそう呼ぶ死喰い人もどきなあなたになにも――」



キャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!


スネイプ「!?」

ハニー「きゃぁ!?……な、なぁに、今の……悲鳴?」

スネイプ「……玄関ホールだ。ポッター、今日はこれまで。しかと復習し反省したまえ。一部記憶については即刻捨て去るように、いいか。我輩は、玄関ホールに向かう」

ツカッツカツカッ、ガチャッ、バタンッ!

ハニー「……何よ、あの、態度……それにしても、何が……私も、私も行かないと!」

ハニー「……並んで歩くのはごめんだから、もう少し待つけれど」




778: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/17(金) 17:43:59.52 ID:fz9gCiiJ0


玄関ホール

ガヤガヤガヤガヤガヤ

ハニー「すごい人だかり……あそこ、階段で……アンブリッジともみ合っているのは……トレローニー?」


トレローニー「こんなこと認められませんわ!!!こんな、あぁ、あぁあああああ――!!」

バタバタバタバタンッ、ドサッ!
 キャーーーッ!


ラベンダー「あぁ、先生!ひどい格好に……あぁ、なんて」

パチル「先生……!」


アンブリッジ「あーら、ごめんあそばせ。足が引っかかってしまったようですわ。何せわたくし、足が長いものでして」

チッ チッ
 オエッ

アンブリッジ「ですがあなたがさっさと階段をお降りにならないのが悪いのよ。さっ、あなたの――荷物の一切です」

ポイッ ドサッ、ドサッ

ザワザワザワザワ

マクゴナガル「……」

トレローニー「いやよ!いやです!こんなこと、こんなことが、起こるはずが――!」

アンブリッジ「あら、あら、あら。あなた様の内なる眼は、こんなにも簡単に見通せるべき未来も見えなかったんですのね。まぁ、さもありなんというところでしょう。明日の天気さえろくすっぽ予測できない、無能力な似非予言者なのですから」

トレローニー「それは、それは!!あなたが――わたくしのような超越した神託者を邪推し、未来の波動を汚し――」

アンブリッジ「結構、わたくしは未来からの波長ではなくあなたの授業ぶり、進歩のなさを判断しましたの。その上で解雇は避けられない、これは当然至極のことですわ?」

トレローニー「あなたに、そんなこと、で、できないわ――おぉ、おぉぉぉぉ!わたくしを、クビ、クビになんて!ここはもう十六年も、わたくしの――家です!」

アンブリッジ「家“だった”のよ。あーら、あら。泣きじゃくる様は普通の人間のようですわねぇ?地に落ち、お香も焚かなければ、あなたもこんな顔をする方なのかしら?それとも、最初から?」

トレローニー「あぁ、あーああああぁあああ、おーいおいおいおいおい……」

アンブリッジ「トランクからお退きなさい。つい一時間前に魔法大臣が『解雇辞令』に署名なさった瞬間から、あなたはここの教師ではありませんの。即刻ホールから出ていってちょうだい、恥さらしですわ」

ザワザワザワザワザワ


ハニー「……っ、こんなこと、こんな真似……あんまりだわ。あの……!」

マクゴナガル「ポッター。とどまりなさい」

ハニー「! 先生、でも!!!」

マクゴナガル「これを。いいですか、私に近づけないように」

ハニー「は? えっと、これは……先生の杖、よね?」

マクゴナガル「そうでもしないと、私はあの蛙を本物のイボガエルに変えてしまいたくて仕方ありません。頼みますよ」

ツカッツカッツカッツカッ

ザワザワザワザワ
  マクゴナガルだ……! ザワザワザワザワ

アンブリッジ「……ふふーん?」

マクゴナガル「さぁ、さぁ。シビル……落ち着いて。これで鼻をおかみなさい」

トレローニー「グスッ、グスッ……み、ミネ、ルバ……?」

マクゴナガル「あなたが考えているほど、ひどいことではありません。ホグワーツを出ることにはなりませんよ?」

アンブリッジ「エヘンッ、エヘンッ! そうお思いですの? マクゴナガル先生?」




781: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/17(金) 17:55:09.61 ID:fz9gCiiJ0


マクゴナガル「えぇ、当然です。そうですね、ドローレス。あなたは『教育令二十三号』にのっとって、教育水準に満たないと判断したシビルを解雇した、ここまではよろしい」

アンブリッジ「そうでしょう?なにせこれは、公的拘束力のある権利なのですから。ですから――」

マクゴナガル「それは教職を剥奪する権利、に限られています。ドローレス、あなたにシビルを職から退かせることはできても、『ホグワーツから』退かせることはできません」

ザワザワザワザワ

アンブリッジ「ふ、ふーーん?詭弁ですわ、詭弁!第一、その方は教師でもないのにどうしてこの城に置いておく道理があるというのです!?」

マクゴナガル「それは、決まっています。シビルは――あー」

シビル「グスッ、グスッ」

マクゴナガル「――私の友人です。私が、ホグワーツに彼女を残すべきだと判断します」

トレローニー「! みね、ミネルバぁ……」

ザワザワザワザワザワザワ!

ロン「うっわ、マジかよ!マクゴナガルが、あのトレローニーをかばったぜ!?やぁハニー!あの蛙豚みんなでつぶしていいかな」

ハーマイオニー「歴史的瞬間だわ……は、ハニー?すごいことになってるわね」

ハニー「えぇ……先生、がんばって」


アンブリッジ「ほほ、オホホホ、オーーーーーッホホホホホホホ!!!マクゴナガル先生!?あなたはもうすこーし論理的に話を進められる方だと思っていましたわ!あなたがそう宣言なさる権利が、いったい、どこに――」

ギィィィィィッ

「そうじゃのう、ミネルバ。大変、とてもとても、そりゃもうめちゃんこ感動的であり胸をうつ言葉だったのじゃが。残念ながらその権限は君にはないじゃろ――その権限を持っているのは、あぁ、ドローレス、君でもない」

ザワザワザワザワ

アンブリッジ「っ、まさか――」

ダンブルドア「わしじゃよっ」


ザワザワザワザワザワ!!

 ダンブルドアだ!!  うぜぇ! ザワザワザワザワ!
校庭で何やってたんだあの人!!

ダンブルドア「……諸君、わしもたまには傷つくんじゃよ?」





783: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/17(金) 18:14:16.63 ID:fz9gCiiJ0


アンブリッジ「~~っ、ダンブルドア。では、あなたまで。あー、この無能な教師を?」

ダンブルドア「おーぉう、アンブリッジ先生。無能というのはいささか乱暴に過ぎる表現じゃ。シビルの能力は繊細で、かつ特異なものじゃて。のう、ミネルバ?」

マクゴナガル「……『占い学』の私個人的な重要性に関する評価は置いておくとして。その能力者の素質は天体や季節により大きく左右されるよ聞き及びます。見極めるのは半年では到底難しいでしょう、えぇ」

アンブリッジ「わたくしの査察に不備がある、と!?」

ダンブルドア「いーやいや、そうは言うとらん。別に。そんなことは言っておらんよ。単にこれは一般論じゃ。のうミネルバ?」

マクゴナガル「えぇ、至極当然な判断と言えましょう」

ダンブルドア「そういうわけで、城から職員を追い出す権限を有してるわしは。トレローニー先生に今後ともこの城に残っていただきたいと思っておる。『占い』の極意は一日、半年にしてならず。その可能性を、ここで研究していただきたい」

アンブリッジ「~~~っ!」

ダンブルドア「ご友人であり、副校長のミネルバの後押しもあることじゃしのう。さて、これがわしの最終決定じゃ。アンブリッジ先生、何か御託は?」

アンブリッジ「……っ、ありま、せんわ」

ダンブルドア「よろし。ミネルバよ、シビルに付き添って上までつれていってくれるかの。その足では歩くのは困難じゃろうて。大丈夫じゃシビル、労災は魔法省からがっぽりとっておくからの」

シビル「っ、ぇぅっ、ダンブルドア、ぜんぜぇ、わたくし、うっぅ、ミネルバぁ……!」

マクゴナガル「はいはい、分かりましたから。行きますよ、お立ちなさい」

フリットウィック「私もお供いたしましょう。『ロコモーター・トランク』」

トランク フワフワフワフワ

ダンブルドア「頼みましたぞ、先生方。さて、アンブリッジ先生?あなたが集めなすったこの大観衆は夕食もまだなのじゃ。そろそろ大広間に行きませんかのう?エスコートいたしますぞ、っぷ」

アンブリッジ「……ひとつだけ。わたくしが新しい『占い学』の教師を任命し、あの方の今使っている住処を使う必要が出れば!もちろんあの方は立ち退くと……」

ダンブルドア「おぉ、ご心配には及ばんよ。わし、もう新しい教師は見つけておるからのう。彼の事情からみて、一階に住むのが望ましいじゃろ。地より足を離すのは懸命ではない、そう言っておった」


ザワザワザワザワ

ロン「新任教師……?マジかよ、もしかしてそれの迎えにいってたってのか?」

ハーマイオニー「まさか……だって、ファッジが解雇したのは一時間前と言っていたわよ?そんな短時間で」

ハニー「……どうしてあの腹黒のローブ、裾に枝がついているのかしら」


アンブリッジ「み、みつけた!?きょ、教育令二十二号によれば――」

ダンブルドア「それは、『校長が適任者を見つけられなかった場合』の権利じゃろ。惜しかったの、書状をもうちーっとよくばればよかったのじゃ」

アンブリッジ「~~~っ!誰、誰ですの、いったい!どこの、馬の骨で!!!」

ダンブルドア「おぉーう、いみじくも半分正解じゃ。ドローレス、あなたに任せてもよかったかのう……どれ、こちらへ」


ガチャッ

パカッパカッパカラッ

ザワザワザワザワザワザワザワ

キャーーー!キャーーーー! カッコイーーーーー!

アンブリッジ「」

ハニー「」

フィレンツェ「賃金はいりません。この空間は私にとっての真理、そして……ふぅ。こんにちは、みなさん。二つの意味で下半身が馬並み、ケンタウルスのフィレンツェです」




ハニー「ダンブルドア!!!!ちょっとこっち……!!にげ、逃げるんじゃないわよこの、この豚ぁああああああああああああああああああああ!!!」

フィレンツェ「! もっと!もっとです!ハニー・ポ……ふぅ。あぁ、あなたが一番豚ですか。おうわさはかねがね。そしてお隣の……えぇ、期待していまふぅ」

ハーマイオニー「」

ロン「オーケー、この野郎。マーリンの髭から教え込んでやろうじゃないか、もちのロンでね」




794: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/17(金) 22:29:50.96 ID:jWCV90SC0


二日後

大広間

ガヤガヤガヤガヤ

ラベンダー「ねぇハーマイオニー、あなた、『占い学』を辞めた事後悔してるでしょ?」

ハーマイオニー「まさか」

パーバティ「うそ。だって彼って、あぁ!とーってもハンサムじゃない?」

ハーマイオニー「見解の相違ね。足が四本あるようなボーイフレンドなんてまっぴらよ」

ハニー「前足はいいと思うわ」

ハーマイオニー「ハニー、そういう話ではなくって」

ロン「ったく、ほーんと女の子ってミーハーックハートとだよな」

ハーマイオニー「ロン、最後の造語は一体どういうおつもりなおかお聞かせ願えるかしら……第一ねぇ、ラベンダー、パーバティ」

ラベンダー「ラベパティでいいわよ」

パーバティ「言いづらいでしょ?」

ハーマイオニー「何その妥協……ラベパティ、あなたたちってトレローニーを慕っていたように思うけど。もう鞍替え?」

ロン「馬だけにね」

ハーマイオニー「上手かないわよ」

ラベンダー「もちろん、トレローニー先生だって心配よ!」

パーバティ「私たち昨日、ラッパ水仙をもってお見舞いに行ったの!」

ハニー「どんな様子だったのかしら」

ラベンダー「酷く落ちこんでたわ……当然よ、あんなことをされたんですもの」

パーバティ「で、も!それはそれ、これはこれよ!ああラベンダー、私のまつげ、ちゃんとカールされてる?」

キャイキャイキャイ

ハニー「……話してみるまでの、淡い希望を抱いているといいわ。えぇ」

ハーマイオニー「あのときは黄色い歓声でほとんどに聞こえてなかったのよね」

ロン「豚どもには一級配備をさせてるけどね。ありゃ同胞は同胞でもありえないよ、うん。ヒンヒン」





797: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/17(金) 22:43:30.71 ID:jWCV90SC0


ネビル「おはようハニー!ヒンヒン!ハーマイオニー、ロン、ラベパティも」

シェーマス「ヒンヒン!遅くなってごめんよ、今日の君も女神だね、知ってたけど」

ディーン「今日の一時間目はあの下のネタ馬だろ?豚みんなでフォーメーションを確認してたんだ」

ハニー「ハァイ、豚さんたち。ご苦労様、頼もしい子達ばかりで心強いわ。しっかりね?」

ヒンヒーーーン!

ハーマイオニー「あなたは参加しなくてよかったの?」

ロン「そりゃ、僕ぁハニーの下で指揮官だからね」

ハーマイオニー「下なんだか上なんだか……まぁ、いいわ。ハニー、間違っても何かされたら教えてね」

ハニー「平気よ、しつけてやるまでだもの」

ハーマイオニー「それでも、よ。今夜の晩餐が馬のたたきになるでしょうけどね……あぁ、たたきといえば。叩きのめされた気分でしょうアンブリッジの様子は、どうかしら」

ロン「朝から不快な単語を耳に入れさせるなよな……相変わらず気持ち悪い、もとい意地悪い顔してら。うっぷ」

ハニー「フィレンツェが就任した時の驚愕顔といったらなかったわね。私もだけれど」

ハーマイオニー「よりにもよって、アンブリッジが嫌う半人間だもの……あー、もしも悪化したらどうしましょう」

ロン「悪化、って。これ以上悪化したらどうするってんだい?え?ホグワーツは石の壁が砂になって朽ち果てっちまうよ、もちのロンで」

ハーマイオニー「顔の話じゃなくて。あのひ、蛙、今頃必死になってダンブルドアへの反撃を探してるわよ」

ハニー「……掴まるハエが、いないといいけれど」


アンブリッジ「……っ」




800: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/17(金) 22:58:41.37 ID:jWCV90SC0


11号教室

ラベンダー「掲示板に書いてあったわ。今度からここが『占い学』の教室だ、って」

パーバティ「それはそうよね。彼があの蹄ではしごを登れるわけがないもの……それを補う顔があるけどっ!」

ロン「けっ、何が顔だよ。そんなもんハニーのご尊顔の前じゃみーんなトロールに等しいってのにさ」

ハニー「否定はしないけれど、ハーマイオニーは除きなさい。私とあなたのために。さっ、入りましょう?」

ガチャッ

サーーーーァッ

ハニー「……これって……なぁに?どういうこと?」

ネビル「わぁ……城の中なのに、森になってる!」

ロン「奴さんの住処に合わせたのかな……おっと、もういるぜ。こっちきた。全員緊張を解くなよ?ヒンヒン!」

ヒンヒン!

フィレンツェ「君たちで最後のようです。ハニー・ポッター……またお会いできて光栄です」

ザワザワザワザワ

ラベンダー「! またハニーばっかり!でも、美男美女!いいわ!」

パーバティ「ハッ!四足動物におk」

ロン「パーバティ、それ以上喋ったらどこかで誰かのハーマイが取れるぜ」

ハニー「あら……ハァイ、馬豚。どうやら今朝は少しマシのようね。ええ、握手を――」

フィレンツェ「ハッハ、それはもう。何せ朝から五回戦ですk――」

ロン「ハニーの手に触るなこの野郎!!!マーリンの髭!!!」

フィレンツェ「ハッハッハ、戦と言っても相手はいませんから、いわゆるソロp――」

ロン「喋るなって言ってんだよ!!マーリンの髭!髭!!授業始めろよ!!」

ハニー「? 何を怒っているのかしら、ロン……?」

ロン「いや、いや。なんでもないよハニー……この馬野郎疲れるね本当に」

ハニー「それには同意するわ」




802: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/17(金) 23:14:24.90 ID:jWCV90SC0


フィレンツェ「改めて……やぁ、グリフィンドール生のみなさん」

キャーキャー!

ラベンダー「おはようございます!先生!」

パーバティ「先生!先生!」

フィレンツェ「……ふーっ。 ダンブルドアのご好意で、この教室が準備されました。光栄に思います」

ハニー「……なんとか耐えているみたいね」

ロン「今すぐそっちの話題にふりたくてたまらないって顔してるぜ、うん、僕らは分かるぜあの目線あの馬野郎」

フィレンツェ「この森の風景は、私が住んでいた『禁じられた森』に似せられています。つい先日まで私もそこで暮らしていました。豊かに、開放的に。野外で行う……なんでもありません。火星が綺麗ですね」

ハニー「朝よ今は」

シェーマス「先生、ぼく達あの森にはハグリッドと一緒に入ったことがあります!怖くはありません!ハニーがついてmすし!」

フィレンツェ「いえ、何も君たちの臆病を心配したのではありませんよ……私が、あの森に戻ることが叶わないのです。群れから追放されたので」

ザワザワザワ

ラベンダー「群れ……?あっ、分かった!先生のお仲間が、もっとたくさん……?」

パーバティ「男女比が!男女比が知りたいです!男が多いですか!上半身裸の雄がっっっ!!!」

ディーン「へぇ、あの森に……あっ!ハグリッドが繁殖させたんですか?セストラルみたいに…………あっ」

フィレンツェ「――――」

ディーン「あ……あの、気に触る言い方をしたなら、その」

フィレンツェ「私たちケンタウルスはヒトの召使いでも、ペットでもありません――ハニー・ポッター、あなたのようなおにゃのこになら喜んで踏まれまs――」

ハニー「脱線するわ黙りなさい」

フィレンツェ「――オホン。とにかく、我々は特に人の世話により維持されているわけではありません。……あっ、ですが夜のお供にはよくつかわせてもr」

ロン「もう君抑える気ないだろそろそろ」

パーバティ「あの、ちなみに……ど、どうして先生は追放されたのでしょうか……」 

フィレンツェ「それは……ケンタウルス族はヒトのために働くことをよしとしません。仲間は、これが我々種族を裏切ることだと見ているのです」

…………

フィレンツェ「……酷い罵声、いえ、馬声を浴びせられました……それはもう……お前ばかりズルイぞ、間近でおにゃのこの臭いをかげるだと、少し顔がいいからって、爆発してしまえ、もげろ、と……それは、それはもう」

ハニー「……判断基準のブレなさに関心しるわ、そこまでくると」





805: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/17(金) 23:20:13.63 ID:oEqGOLSDO


これが賢者…




806: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/17(金) 23:23:08.68 ID:jWCV90SC0


フィレンツェ「さて……それではそろそろ授業に入りましょう」

ハニー「長いわよ……」

フィレンツェ「ナニがですか?長いですよ?」

ロン「ディフィンどってもいいんだぜ」

フィンレンツェ「これはこわい。さて、おにゃの、オホン。女の子達。準備をしましょう……」

ラベンダー「えー、何を教えてくれるんですか、せんせー!」

パーバティ「知りたい知りたいー!おしえてー!」

キャイキャイキャイキャイ

フィンレンツェ「……それでは、まずは…………そうですね。みなさんのおツンパを見せていただいて占うケンタウルスの秘儀を……ふぅ。……あっ」

ラベンダー「……」

パーバティ「……」

フィレンツェ「……」

ラベンダー「きゃーっ、せんせーったらー!」

パーバティ「下ネタなんてさいてーっ!」

でもせんせーなら許しちゃうー!
 イケメンは正義ーーー!

キャイキャイ、キャイキャイ

フィレンツェ「あぁ――ここが――――われらが目指した――境地でしたか――――っっっ!!!!」

ロン「うわぁ本気でぶっ飛ばしたい……もうハニーの護衛関係なしにぶっ飛ばしたいなんだあいつイケメンってなんだちくしょうマー髭!!!!!マー髭!!!!!!」

ハニー「安心なさい、ロン。そろそろころあいね。少し大人しくしてもらいましょう、あの駄馬には」




809: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/17(金) 23:48:30.30 ID:jWCV90SC0


馬豚「ヒト族に言う『占星術』とはバカげた考えです。些細な怪我や事故など、星が示すはずはありません」

馬豚「そうしたものは広大な宇宙にとって、忙しく這い回る蟻程度の意味しかないからです。それは、間違っても惑星の動きに影響されるようなものではありません」

馬豚「ヒトの限界により束縛された視野や、発想。それらを捨て、ケンタウロスの叡智をみなさんには学んでもらいます」

馬豚「自己満足の戯言でなく、個人的なものや偏見から離れ。星々に記された邪悪なものや『変化の潮流』を見極めるのです」

馬豚「えぇ――我々が今見ているものが何事か読み解くのに、何十年という歳月がかかることさえあります」

馬豚「あの、我々の真上にある赤い星」

馬豚「この十年間ほど、魔法界が二つの戦争の合間の静けさを生きていると、あの星は記しています。一つはみなさんも知る戦い――そして、それが再び巻き起こる予兆」

馬豚「ケンタウルスはそれがどれくらい差し迫っているか、を。薬草や木の葉を燃やし、その炎、そして煙で読み取ります。さぁ、火を。占いましょう」





馬豚「えぇ、ヒトよ。何も読み取れなくてもかまいません。ヒトがこれを得意だったためしは私もほとんど見たことがありませんし、ケンタウルスでさえ読み違えることがあるのです……」

馬豚「どちらにせよ、こんなことを信用しすぎるのは愚かだ、そうでしょう?全ての真理は……あなたがたのスカートの中にあ、ふぅ……おや、終業のようですね」

ジリリリリリリリリリリリリリッ

ガヤガヤガヤガヤ

ロン「……ギャップが凄かったけどさ、あと一歩だったねありゃ」

ハニー「はなからあまり期待していないわ……トレローニーの占星術を否定されて、ラベパティは始業の時ほどフィレンツェにぞっこんではなくなったみたい」

ロン「そりゃいいや、もちのロンで」

馬豚「ハニー・ポッター。少しいいですか?」

ハニー「……えぇ、なぁに?大人しいなら少しだけ聞いてあげる」

馬豚「あなたはハグリッドの友人だと覚えています。なんと羨ましい。踏まれ放題で……ふぅ。いいえ、あなたの前には等しく豚でしたね」

ハニー「分かってるなら大人しくしなさい」

馬豚「ハグリッドに伝言を。彼のやろうとしていることは、上手くいきません。放棄するほうがいい、と」

ハニー「……ハグリッドの、やろうとしていること?」

馬豚「えぇ……彼はとても優しい。彼の魔法生物にかける愛情は、あなたのものと並ぶほど尊敬に値します。私の口から、彼の行動をあなたにお伝えすることはできません。彼と私の友情にかけて。ですが、誰かが目を覚ましてやらなくてはいけません」

ハニー「そこで私、というわけね」

ロン「君、目は確かみたいじゃないか。同胞」

馬豚「えぇ、それはもう。おにゃのこなら千里先からだって」

ハニー「締まらないわね、もう」




813: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/18(土) 00:03:09.38 ID:CAiW3KBy0


四月

『魔法動物飼育学』

ザァァァァァァァァァァッ

ハニー「大雨でさすがにアンブリッジは城から出てこないわね」

ハグリッド「変だなぁ、むしろ喜ぶんじゃねぇかと思って、俺ぁ色々準備しとったんだが」

ロン「もう完全に蛙か何かとみなしてるよな、君。正しいけどさ、正解じゃないんだよな」

ハーマイオニー「ハグリッド、聞いて頂戴。フィレンツェからの伝言」

ハニー「あなたのやろうとしていることは上手くいかない、って。放棄したほうが懸命だ、って言っていたわ」

ハグリッド「! そ、そうか……あぁ、フィレンツェはいい奴だ……同胞だし……ちょっと感情きまますぎるところがあるが」

ロン「ちょっと?」

ハグリッド「言わんでやってくれや。あぁ、けどよぉ。これに関してはあいつはなんにもわかってねえ。俺は、あのことはうまくやっとる。うん」

ハーマイオニー「ねぇ、ハグリッド!いい加減に教えてくれてもいいじゃない、何をしているの?」

ハニー「……」

ハーマイオニー「気をつけないといけないわ。アンブリッジは、トレローニーをクビにしたことで勢いづいてるわ。ハグリッドが何か、何か――不利になるようなことをしていたら、きっとそれを」

ハグリッド「世の中にはな。職を守るよりも大切なことがある。そうだろうが?」

ハーマイオニー「……それは」

ハニー「……私、とか」

ロン「すべてだなぁ」

ハグリッド「あぁ、ハニーだな。ヒンヒン……あとは、そうさな。家族……うん。なんちゅうても、血ってもんは大事だ……」

ハニー「……戻りましょう、二人とも」

ロン「ヒンヒン。君がそういうならね」

ハーマイオニー「っ、ハニー、でも……」

ハニー「ハグリッド、これだけは忘れないで。あなたは、私、わたしの大切な 家族も同然なんだから。どうしようもなくなったら、頼ること。いいわね?」

ハグリッド「っ、ハニー、あぁ……山も動かしたくなるくれぇ困ったら、そうすらぁ!ヒンヒン!女神!おめぇさんは女神だ!ヒンヒーーーン!」




815: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/18(土) 00:17:36.78 ID:CAiW3KBy0


談話室

ロン「あのババア蛙のこと、ハグリッドのこと。これだけでも心配山盛りなのに、クィディッチのこと、宿題……それにー、あーあ!マーリンの髭!先生たちは『OWL!OWL!』って!頭が燃えっちまうよ!」

ハーマイオニー「その色の通りにね……仕方ないじゃない。試験まであと……たった……やめましょう。考えたくないわ」

ロン「き、君がそんなに思い悩んじまったら僕なんて寝込まないといけなくなるじゃないか!やめろよ!ハニーの永久クッションは僕だぞ!」

ハニー「わざわざ宣言しなくってもそのつもりよ……五年生や七年生はもう参ってしまってるみたいね」


フレッド「さーぁさぁお集まりのみなみなさま!最後に僕のこのすってきな顔をよーく覚えておいてくれよ? ハイッ!」

ジョージ「あら不思議、帽子を被ると首がなくなる『首なし帽子』!ニックが嫉妬間違いなしの代物!一個2ガリオン!」

ガヤガヤガヤガヤ!


ハニー「……あの二人以外は」

ハーマイオニー「……『透明呪文』には間違いないわね……その効果範囲を帽子から延長させてるわね。効き目は長持ちしないでしょうけど、かなり賢いやりかただわ」

ロン「あーぁ、試験に興味ないって二人がそんなんなんだものな……マーリンの髭だよ」

ハーマイオニー「宝の持ち腐れ、と変換させてもらうわ……受ける気がない、って。あれ、本気だと思う?」

ハニー「さぁ、どうかしら。きっと二人とも……タイミングを待っているように思うわね。何かの」

ロン「何か、ってなんだい?あぁハニー、推理する君の冴えきった顔もすばらしいね、ヒンヒン」

ハニー「何かしでかすのに一番いいタイミング、ってこと……タイミング、といえば。DAの方も、そろそろあれに移っていいころだと思うわ……みんな、とっても上達したことだもの」

ハーマイオニー「あれ、って……あっ!本当なの、ハニー!?それじゃ、明日の集会から……?」

ハニー「えぇ……『守護霊の呪文』を、始めるわ」




817: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/18(土) 00:31:24.57 ID:CAiW3KBy0


翌日放課後

必要の部屋

ハニー「……ここにいるみんななら、全員が『闇の魔術に対する防衛術』のOWLで『O・優』の評価でもおかしくないわ!えぇ、みんな、とっても上手!」

ガヤガヤガヤガヤガヤガヤ
 ザワザワザワザワ
パタパタパタパタ ケーケーッ ピチピチピチ

ロン「守護霊の大合唱だなぁ……なんだか部屋の中が眩しいよ」

ハーマイオニー「みんな、は言いすぎだけど。何人かは、上手く出せるようになってるわね」

ハニー「上出来よ、上出来。私の最初の頃なんて――完璧だったけれど。『吸魂鬼』に変身した『まね妖怪』のせいで酷い目にあったわ」

ラベンダー「そ、そんな怖い手段勘弁してほしいわ!私、こんな、煙みたいなのしか、出ないのに!」

ハニー「幸せな思い出よ、ラベンダー」

ラベンダー「うーん、考えてるのよ?今度の新刊のこととか――『エクスペクト・パトローナム!』あぁ、やっぱり――枯れた薔薇みたいなものしか落ちてこないわ」

ハーマイオニー「まずあなたは幸せの定義から考え直しましょうか……ネビルも、苦労してるわね」

ネビル「うーーん、うーーーん。考えてるんあ、けどなぁ」

ハニー「ネビル……頑張って」フーッ

ネビル「! ヒンヒン!ありがとうハニー!『エクスペクト・パトr――』」

ブォオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

ネビル「うわぁ!?な、なんでホラ貝……う、うわぁ!?光るホラ貝だ……あれ!?!?生き物じゃ、あれぇ!?!?!?!?」




819: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/18(土) 00:45:05.36 ID:CAiW3KBy0


ハニー「ルーナ。あなたも成功したみたいね」

ルーナ「うん、ウサギだって。『スノーカック』かなって思ってたんだけど、これも可愛いからいいかな」

ハニー「なんとなーく、あなたならすぐ出来そうだと思ってたわ」

ルーナ「ん、あたしも。ここにいれば大体幸せだもン、あたし」

ハニー「……? 楽しくは、あるでしょうけれど。それって……きゃっ!?」

チョウ「ハニー、ハニー!見て、私も成功したわ!」

ハニー「ちょ、チョウ。もう、いきなり後ろから飛びついてくるは……白鳥?」

チョウ「うん、そうなの。とっても可愛いでしょう?」

ハニー「あー、そうね。でも、一応言っておくわよ?それはあなたたちを守るものなんだから……可愛くってもあまり」

チョウ「あら、可愛かったら他の誰かが守ってくれるんじゃない?違う?」

ハニー「……あなたねぇ、もう」

チョウ「ふふっ、冗談よ。この子も強い鳥になったらいいな……マリエッタも今日こそ来るべきだったのに。もったいない」

ハニー「……そういえば、今日はお休みね?」

チョウ「ええ。少し体調が悪いんですって。後で介抱してあげなくっちゃ……あら、ふふっ。あの子は友達よ?」

ハニー「そうでしょうね、えぇ。ルーナと二人で守護霊を観察していてくれる?  人の姿になったりするかもしれないから」

チョウ「そう、それじゃ……えっ???ひ、人????」

ルーナ「やっぱり、変わってるなぁ」




821: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/18(土) 01:02:42.37 ID:CAiW3KBy0


ハニー「……ねぇ、ハーマイオニー、ロン」

ハーマイオニー「あぁ、おかえりなさい。ねぇ、みて……ほんとに、ちょっと素敵じゃない?」

パタパタパタ クーッ

ロン「カワウソの守護霊かぁ。君にしちゃ随分可愛らしいよな」

ハニー「ハーマイオニーだから、でしょう? ねぇ、聞いて頂戴。チョウのお友達の――あら?」

ギィィィィッ、バタンッ

ハニー「? 誰かが入ってきた音が、したと思ったのだけれど……」

ハーマイオニー「? 本当……待って、おかしいわ。この部屋は……内側から、閂をかけてあるのに!」

ロン「っ、シーンとしてら。おい、みんなどうしたってんだ!?ヒンヒン!」




「ヒン、ヒンにございます……」

ハニー「きゃぁ!? あ、足元から、急に……ドビー!?」

ドビー「ハニー・ポッター、ハニー・ポッター様!ドビー、ドビーめは、ご注進に参りましてございます……」

ハニー「あら、そうなの。どうしたというの?お願いなら聞いて……聞いて、あげるけれど。ドビー……そんなに震えて、一体、何を……?」

ドビー「ドビーめは、ドビーめはたまたまお聞きしたのでございます――ですがドビーは今、このお城に使える屋敷しもべ妖精ですので――あの方に喋ってはいけないと、戒められているのです、ですが、あぁ、あぁぁぁ!ドビーは、ドビーは……!!!」

ハニー「っ、やめて!!!!ロン、ドビーの腕を押さえて!!!」

ロン「合点さハニー!おい同胞、落ち着けよ!!」

キャァア!?
 ザワザワザワ

ハニー「ドビー、どうしたの。何があったの」

ドビー「あっ、あぁ、ハニー・ポッター。あの人が、あの女、が……!恐ろしい女かえrドビーは悪い子!!!!」

ロン「いってぇ!!マー髭!!!」

ハニー「あの人っていうのは、誰なの!?ドビー、あの女って!言いかけたのは……まさか……アンブリ、ッジ?」

ドビー「っ!ドビー、ドビーは……!」

ハニー「だって、そんなはずないわ。ここのことは――DAのことはバレる、はずが――ドビー」

ドビー「ぅっ、ぅぅっ、ドビー、は……!」

ハニー「……ドビー。アンブリッジが……ここを突き止めて。今すぐここに、乗り込んでこようと……しているのね?」

ドビー「っ、そうです!ハニー・ポッター、そうです!!!」

ハニー「……」

ロン「……」

ハーマイオニー「……」

…………

ハニー「……何をグズグズしてるの!!みんな、逃げて!!!!早く、逃げて!!!!」

キャァアアアアアアア!!
  ドタバタドタバタドタドタ、バターーーンッ!バタバタバタ ブォオオオオオオッ!!




823: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/18(土) 01:20:17.17 ID:CAiW3KBy0


ハニー「行って!!ロン、ハーマイオニー!!先に行って!!」

ロン「っ、そんなこと出来るか!ハニー、僕がなんのために君の一番の豚をしてると――」

ハニー「いいから行きなさい!バラバラに逃げたほうが、固まって動くよりも安全よ! いって!!!ハーマイオニーと、二人で!」

ロン「……ハーマイオニー、乗れ!特別だぜ、君だからね!」

ハーマイオニー「っ、ハニー、絶対に、絶対に、談話室で!」

ハニー「えぇ、今日は寝れないものと思いなさい!」

バタバタバタバタ ドタドタドタ……

ハニー「……私は、こっちをどうしても。ほうっておけないわ。おけるわけが、ない」

ハニー「ドビー、ドビー!!私を見なさい!!自分を殴ろうとするのはやめて!たとえあなた自身であろうとも、私の豚を傷つけるのは許さないわよ!?」

ドビー「うぅ、ハニー・ポッター……ヒン、ヒンヒン!」

ハニー「よく知らせてくれたわ。あなたのお城に対する恩義まで裏切って。あなたは出来る豚ね。自慢の豚よ」

ドビー「っ、滅相もございません、ハニー・ポッター……!ドビーめは、あなたさまのためならば……!」

ハニー「それなら、お願いしてあげるわ。今すぐ厨房に戻りなさい。他の妖精の仲間と一緒にいて、もしも、誰からでも私に警告したのかと聴かれても『ノー!』といいなさい。これは私の命令よ。いい?この、私の!」

ドビー「っ、ありがとう、ありがとう、ハニー・ポッター!ヒンヒン!」

バチンッ!

ハニー「行ったわね……さぁ、私も急がないと」

バタンッ

ハニー「……夜なんて怖くないわ。当たり前じゃないの。退屈とは程遠いわね、えぇ!」

バッ!

ハニー「マートルの、女子トイレに! そこにいれば、彼女が――あぁああああっ!?」

グイッ、バターーーーーン!

ハニー「っ、足が、急に……縫い合わされたみたい、に……」


「フォッフォッフォーーーイ! ゴホン はっはっはー!ざまぁみろ、ポッター!」

ハニー「この、声……っ、どこまでも、うるさいわよ!マルフォイ!」

マルフォイ「吼えていろ、精々ね。先生、アンブリッジ先生!一人捕まえました、ポッター、ポッターです!士気が高マルフォイ!」

ハニー「うるさいって言ってるの!!!この、この……!」

アンブリッジ「まぁ、まぁまぁ!本丸フォイじゃない、ドラコ!よくやりました!五十点あげましょう! さぁさぁささぁ。ポッター? 年貢の納め時、ですわねぇぇ??」




831: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/18(土) 10:45:30.22 ID:snqTMYKn0


フォイフォイってネタキャラとか小物キャラなだけに見られがちだけど、能力的には結構優秀なんだよな




839: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/18(土) 21:25:42.36 ID:CAiW3KBy0


校長室前

ガーゴイル「なんだなんだ、今日はお客さんで一杯だな。茶でも一杯淹れるか?おっと、口から出る水だけど勘弁しろよ、何せ今の俺はガーゴイルだからな」

アンブリッジ「お黙りなさい。『フィフィフィズビ~』」

ガーゴイル「はいはい、どうも」

ピョンッ

ハニー「……校長室の入り口ね」

アンブリッジ「さぁ、階段をお進みなさいミス・ポッター。さながら断頭台に登る囚人のようですわねぇ?」

ハニー「……えぇ、そうね。最期だというのに動く階段だなんて、さすが私への待遇といったところかしら」

アンブリッジ「口が減らないこと。その御足に刻まれた言葉を思い出して一生反省なさいな」

クルクルクルクル……

ハニー「……(みんなは逃げ切れたかしら)」

ハニー「(もしも退学になんてなったら……モリーお母様は、ロンを許してくれるかしら)」

ハニー「(ハーマイオニーは……OWLを受けられないとなったら、どうなってしまうの)」

ハニー「(ネビルはあんなに……せっかく上達していたのに……杖が折られてしまうなんて)」

ハニー「……」

アンブリッジ「よろしい、随分と大人しくなったようですわね? けど、今から存分に吐いて、おっと、証言していただきますのよ?証人として……さぁ、着きましたわ」

ガチャッ

ダンブルドア「ドーリッシュ、君に会うのは久しぶりじゃのう。よもやファッジの護衛になっておるとは、宝の持ち腐れとはこのこと……」

ドーリッシュ「……客のようですが」

ダンブルドア「ほうそうかね気づかんかったわい……おや、こんばんは、アンブリッジ先生。さっきぶりじゃの」

アンブリッジ「えーぇ、ダンブルドア。宣言通り、当事者たちを捕まえてきましたわ!」

ハニー「……」

ダンブルドア「……ふむ?」

ファッジ「でかした!でかしたぞドローレス!」

アンブリッジ「いいえ大臣当然のことですわあぁ大臣!!!」

ファッジ「ウェーザビー!記録の準備はいいな!!」

パーシー「はい大臣!!もちろんですともあぁ大臣!!!」

ハニー「……パーシー。それに」

ファッジ「いいか、キングズリー!ポッターとダンブルドアが不信な動きをしないかあたm、ごほん、目を光らせているのだぞ!ドーリッシュも!」

キングズリー「えぇ、大臣。耳も存分に澄ませていますので、あとで給与についてお話があります」

ハニー「……」




841: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/18(土) 21:49:36.12 ID:CAiW3KBy0


マクゴナガル「……アンブリッジ先生。ポッターは無様に逃げるような真似はしません。肩を離しておやりなさい」

ハニー「……先生まで」

ファッジ「さーて、さてさて。歴代校長もどうやらお目覚めのようだ。ここで世紀の大裁きといこう」

エバラード『……』

ディリス『……』

フィニアス『……なんだというのだ、人がせっかく寝ているというのに……おや、愚かな娘がまた自分勝手を起こしでもしたのかね』

アンブリッジ「そうですとも。大臣、この子はグリフィンドール塔に戻る途中でしたわ!マルフォイ君がこの子を追い詰めたのです!」

ファッジ「なんと、そうか!ほーう、さすがはルシウスの息子!花丸フォイだ! さて、ポッター。どうしてここに連れて来られたか、わかっているだろうね?」

ハニー「……それは、当然――」

フォークス「フィ~♪」

ダンブルドア「何じゃねフォークス、急に歌いだすとは。燃焼日が近いのかの?え?違う?そうじゃない?ほう、となれば痴呆かね。ほっほ、わしより先にボケるとは難儀じゃのう」

ハニー「……」

ファッジ「少し黙っていろそこのボケ老人!!!おっほん!!とうぜん、なんだね!?え!?」

ハニー「……当然、何がなんだか分からないわ」

ファッジ「……はぁ!?」

フォークス「フィ~フィ、フィヒィ~ン♪」

ハニー「っ、えぇ。この私に、いきなりこんなまねをして。どういうつもりなのかしら」

ファッジ「な、なにを、まったく分からないと?え?笑わせてくれる。校則を破った覚えはないというのかね?」

ハニー「校則?なんのことかしら」

ファッジ「な、魔法省令はどうだ?」

ハニー「私の友人はありがたいことに全部記憶しているけれど、それにそむくようなことはなんにも?」

ファッジ「……では、これも初耳だというのかね?うん? 学内に、違法な学生組織があると発覚したのだが?」

ハニー「えぇ、なぁにそれ。聞いたこともないわ。私の豚たちのことを言っているのならば……」

ファッジ「そんなものではない!いや、似たようなものか……そうか、シラを切るつもりなのだな?そのつもりなら……」

アンブリッジ「大臣、通報者を連れてきましょう!それなら話も早いはずです。ポッターも意地をはれなくなるでしょう!」

ファッジ「あぁ、うむ。そうしてくれ」

ボテッボテッボテッ、ガチャッ、バタンッ!

ファッジ「……なんと言ってもちゃんとした目撃者が一番だ、そうだろダンブルドア?」

ダンブルドア「そんで、どうじゃねドーリッシュ。そちらではどのくらい貰っておるのじゃ?来年あたりの『闇の魔術に対する防衛』なんちゃらの授業とか受け持つ気ないかの?二倍までなら勉強するぞ?」

ドーリッシュ「……」

ファッジ「聞けよボケ老人!!!!」

ダンブルドア「うん、なんじゃねコーネリウス。ドローレスがいないと空気が美味しいとか、そういうことじゃったかの」

ファッジ「ちがっ!ち、違うが、まぁ、否定は……そういう話ではない!!!ウェーザビー!今のところは食べておけ!!」

パーシー「はい大臣もちろんですともえぇ大臣モシャモシャ!!!」




845: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/18(土) 22:08:58.96 ID:CAiW3KBy0


数分後

ガチャッ

マリエッタ「うぅっ、ぅっ、うっ、うぅ……グスッ、グスッ」

アンブリッジ「さ、さぁさ。お進みなさい、怖がることはないのですよ?」

ハニー「……チョウの友達の……随分泣いて、顔が見えないわ」

マクゴナガル「! ドローレス!よもや、そのこを脅して無理やり聞き出したのではないでしょうね!?!?」

アンブリッジ「そんなことはありませんわ、黙っていらして! この子は、正義感をもってわたくしに教えてくれたのですわ!大臣、この子のお母様は煙突飛行ネットワーク室のエッジコム夫人です――わたくしが煙突を見張るのにも協力してくれた、あの夫人ですわ」

ファッジ「結構、結構!なんと賢明で正しい母子だろう!さぁ、顔をあげて泣き止みなさい! 大丈夫、ポッターが何かしようとしても私が味方して……な、なんと!?」

マリエッタ「うぅ、うっ、こんな、こんな顔、に、なっちゃう、なんて、う、うわぁああーーぁあああん!」

ハニー「……顔中、紫色のできもので……『密告者』……えげつないことするわ、あの子ったら」

アンブリッジ「さ、さぁさぁ!そんなできものなんて気にしないで、大臣へわたくしに教えてくれたことをお話しして……」

マリエッタ「いや、いやああああああ!!もう酷く、うぅっ、これ以上酷くなるのはいやぁあああああ!!ああああああん!!」

アンブリッジ「っ、なんてバカな子!!よろしいですわ、わたくしからお話しします。ウェーザビー、記録を!」

パーシー「はい高等尋問か、うっぷ、仕事はできる高等尋問官!」

アンブリッジ「このミス・エッジコムは、夕食の後にわたくしの部屋にやってきたのです。曰く、八階の『必要の部屋』と呼ばれる秘密の部屋に行けば。わたくしにとって何か都合のよいものが見つかるだろう、と」

ファッジ「ほーぉう?『必要の部屋』!ダンブルドア、私はあなたからそのような部屋の存在は聞いた覚えがありませんがね!」

ダンブルドア「だってわしじゃって知らんもの」

ファッジ「嘘をつけ!!! 続けてくれ」

アンブリッジ「えぇ大臣! もう少しといつめ、オホン、聞き出したところ。そこで今夜何かしらの会合が行われるのだ、と……あー、そのあたりで」

マリエッタ「ぅぅっ、ぅっうっうっ、うぅ……」

アンブリッジ「この、あー、ちょっとしたできものが顔に。鏡を見たこの子はそれ以上喋らなくなってしまいましたの」

ファッジ「あー、ミス・エッジコム。君はたいへん勇敢だった!うん! さぁ、話してごらん。一体なにが――」

マリエッタ「いやぁああああ!!いや!!いや!!!うわあああああああん!!!!」

ファッジ「あー……」

フィニアス『……これだから子供は』

ハニー「あなたも紫色のインクで『無能校長』と書かれれば分かるのじゃない?」




846: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/18(土) 22:16:11.67 ID:dKm7HkAt0


無能というか、フィニアスはたぶんそもそも教師に向いてない希ガス




848: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/18(土) 22:29:03.11 ID:snqTMYKn0


けど言ってることが正論なんだよなぁ……嫌味キャラだけど、だから嫌いになれない。性格はさておき能力も高そうだし




849: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/18(土) 22:33:48.59 ID:CAiW3KBy0


ファッジ「あー、逆呪いはないのかね?この子が自由に喋られるように」

アンブリッジ「……まだ、どうにもみつかっていませんの。申し訳ありません、ああ大臣、申し訳ありませんわ!!」

ハニー「……ロンに、杖をもってなくってもハーマイオニーはハーマイがとれたら恐ろしいわよ、と言っておかないと」

アンブリッジ「この子が喋らなくとも、これまでのわたくしの調査で聞き及んだことでお話しできますわ。大臣、お聞きくださいますかしら?」

ファッジ「うむ、説明してもらおうか」

アンブリッジ「昨年十月に送った報告書をご記憶とは存じますわ。なにせ、コーネリウスですもの……きゃっ、失礼大臣!名前で呼んでしまいましたわ、つ、い♪」

ファッジ「やめて」

ドーリッシュ「……」

キングズリー「……」

ダンブルドア「お二人、吐き気がするならレモン・キャンデーはどうかね?うん?」

ハニー「……ファッジに同情したくなるわ」

アンブリッジ「十月に、ポッターが複数の生徒と共にホッグズ・ヘッドで会合をした、と!」

マクゴナガル「何か証拠は?」

アンブリッジ「不信に思ったウィリー・ウィダージンが店の外で様子を見ていたそうですわ、えぇ。それに会話まで一言一句聞き逃さず」

マクゴナガル「あぁ……どうりであの男が『逆流トイレ』の件でお咎めなしになったのか、よーく分かりました!わが国の司法制度のおもしろい内幕ですね、えぇ!」

肖像画『わしの時代はこんなことなどなかった!小悪党と省が取引するなんぞ!昔はよかったなぁ!!』

ダンブルドア「合いの手をどうもじゃ、フォーテスキュー」

アンブリッジ「エヘンッ、エヘンッ! ポッターの会合の目的は!違法な組織に生徒を加盟させ、魔法省が不適切とした呪文や呪いを学ぶことであると――」

ダンブルドア「じゃからドローレス、そのあたりはそちらさんの思い違いじゃとお気づきになるはずじゃがのう?」

アンブリッジ「あなたは黙ってらして!!」

ダンブルドア「了解じゃ。じゃからのう、ドーリッシュ。待遇のことじゃが、朝食に君だけレモン・キャンデーをつけtも……」

ファッジ「話題から外れろとは言っていない!!!!」

ハニー「……全開ねあの豚」




852: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/18(土) 22:51:54.23 ID:CAiW3KBy0


ダンブルドア「しかしのう、何度も言っておるのに堂々巡りをしておるからわし飽いてもうたんじゃ……その会合が違法?はてのう」

ハニー「……」

ファッジ「ハッハ、ハッ!なんだね、ダンブルドア!お得意の詭弁か!?またポッターを贔屓するために新しいホラ話でも用意したのかね?」

ダンブルドア「わしは嘘など生まれて一度も言うておらんよ、コーネリウス。ほんとほんと、ホントジャヨー」

ファッジ「嘘付け嘘まみれのくせに!さぁどうぞ、ダンブルドア!披露してみたまえ、改心の嘘を!ウィダージンの見間違えだとでも!?ポッターが実は双子だったとでも!?」

ハニー「英国中、いいえ、世界中が混乱するわね。太陽が二つあるようなものだもの」

ファッジ「黙りたまえ! あるいは、時間でも逆転させたのかね!え!?死んだ男が生き返ったのか!?いもしない『吸魂鬼』が二体いたという埒も無い言い逃れか!?」

パーシー「あぁ大臣!凄い迫力です流石ですあぁ大臣ったらあぁ大臣!!」

ハニー「……ひっぱたきたいわ」

ダンブルドア「ほっほ、コーネリウス。己が発言に自信をもてるようになったのう。よいことじゃ、行き過ぎはあれじゃが。よいかね、コーネリウス?わしはなにも、否定をしておるわけじゃない」

ファッジ「ハッハハハハハハ!そりゃ傑作――は?」

ダンブルドア「その子――オホン、ハニー・ポッターとその友人、信望者たちがホッグズ・ヘッドに集まったというのは本当じゃろう。内容もその通りじゃろうて。そこはよいのじゃ、うむ」

アンブリッジ「あーら、でしたら――」

ダンブルドア「わしが思い違いじゃ、と指摘しておるのは、じゃ。ご記憶じゃろうが学生の組織を禁じた教育令の発行はその日から二日後。つまり、彼女らはホッグズ・ヘッドで会合したことについて、なんら咎められるいわれはないはずじゃ、と言っておる」

ファッジ「は、ハッハッハハ!そんな――あ」

アンブリッジ「……」

ダンブルドア「……御託はあるかの?」

アンブリッジ「……ハッ! お、オッホホホ!ダンブルドア、それはよろしいですわ。大変結構、見事な切り反し。ですがね、教育令第二十四号の発行から六ヶ月が経過していますの。最初の会合が違法でなかったにしろ――」

ダンブルドア「その後は違法じゃのう。しかしじゃ、ドローレス。続いておれば、じゃろ?」

アンブリッジ「……は、はぁ?」




854: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/18(土) 23:15:13.38 ID:CAiW3KBy0


ダンブルドア「わしには、ミス・エッジコムは今夜の会合のことのみ報告したように聞こえたのじゃが。今日までに会合が件の部屋で開かれておった、という証拠がおありかね?」

アンブリッジ「あ……っ」

ダンブルドア「ミスター・マルフォイがミス・ポッターを見かけたのは『グリフィンドール寮に向かう途中』ということじゃったのう? 誰かが、その『必要の部屋』とやらにいる決定的瞬間を見ているのかね?」

アンブリッジ「っ、ぐぅ、捕まえられたのは――ポッターのみで」

マクゴナガル「ポッター、あなたはあんな時間にあそこで何をしていたのです?

ハニー「私は、あー……少し、星を見たくなって」

ダンブルドア「そうじゃのう、今夜は火星が明るいとフィレンツェも言っておった、うむ。つい抜け出したくなる気持ちも……」

ファッジ「いいや、いいや!!違う!!その子は嘘をついている!!!」

アンブリッジ「ミス・エッジコム!いい子だから!えぇ、話たくないのなら首をふるだけでいいですわ!お聞きなさい!」

マリエッタ「……」

アンブリッジ「会合はどのくらいの頻度で行われていたの!?え!?この六ヶ月、定期的に開かれていたのでしょう!?」

マリエッタ「……」

ダンブルドア「んで、じゃ。ドーリッシュ、福利厚生の話じゃがな。昔の話じゃがケトルバーン氏など手足一本半でもここで教えられるくらいサポートも充実しておってのう」

ドーリッシュ「……今は局面でしょうあちらに集中してはどうですか」

キングズリー「――」

ハニー「……」

アンブリッジ「首を縦か横に振るだけでいいんですのよ!さぁ、お答えなさいな!会合は開かれていたのよね、何度も!!」

マリエッタ「……」

ブンブン

アンブリッジ「……はっ?な、えっ!?!?」

マクゴナガル「横に振る、と。つまりは一般的に、否定を意思表示するものと思われますが?そうですね、ミス・エッジコム?」

マリエッタ「……」コクリ

アンブリッジ「な、なぜ、何故いま頷きますの!あぁ、質問の意味が伝わっていなかったんですのね!もう一度!!六ヶ月間、ポッターたちの会合にあなたは参加していたのでしょう――どうして首を横に振るの!!!」

ガシッ!!!

ダンブルドア「ドローレス」

アンブリッジ「なんで――ひぃぃっっ!?!?!?」

ファッジ「」

ドーリッシュ「……っ!」

キングズリー「ダンブルドア、杖を納めてください。彼女はあの子の肩をつかんだまでだ」

ダンブルドア「わしの生徒たちに手荒な真似をすることは許さぬ、そう伝えたかったまでじゃよ。ドローレス、お互いに落ち着こうかのう?それ、ひっひ、ふーじゃ」

アンブリッジ「あ、あぁ、えぇ。わたくし、少し取り乱しまして……ひ、ひぃっ、ひっ、ふーーーーーっ……」

ハニー「……怒ってる顔、初めて……っ、見たわ……あの子は」

マリエッタ「……」

ハニー「……アンブリッジに掴みかかられても、あの豚のあんな顔みても、涼しいまま……いつの間にか泣き止んでいるし……気が強いのね……私には負けるけれど」




860: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/18(土) 23:38:41.24 ID:CAiW3KBy0


ダンブルドア「そういうわけで、このパジャマパーティの主旨グッダグダになったわけじゃが……」

ファッジ「……」

アンブリッジ「……」

ダンブルドア「どうするね?暴露タイムとでもいこうかの?そうじゃな、わし、実は蛇語喋れるんじゃ。マジでマジで。しゅーしゅろろっ」

ハニー「……(『ようやったハゲ!』って何よ、デタラメね)」

ファッジ「ま、まだだっ!! ドローレス、今日の会合!今日の会合が確かに行われたという証拠!それは、あるのだろう!?え!?」

アンブリッジ「え……えぇ、えぇ!!そうですわ!!わたくしどもが、あー、わたくしとわたくしを慕う優秀な生徒達!親衛隊とでも名付けましょう!」

ハニー「趣味悪いわね」

ダンブルドア「……」

ハニー「……言いたいことある目をしてるくせにこちらを見ないのがまたムカツクわ」

アンブリッジ「どこで知ったのやら、わたくしが来るという警告が伝わっていたようで『部屋』はもぬけの殻でした……ですが!これが!!さぁ大臣、こちらを!」

ファッジ「おぉ、おぉ!でかした! これは、これは!」

ダンブルドア「なんじゃね? この城の精巧な地図でもあったのかのう?欲しいものじゃ」

ハニー「やらないわ」

ファッジ「なんの話だ! これを見ろ、ダンブルドア!集まりに参加したとされる生徒の名前だ!この子がグループを何と命名したと思うね?泣かせてくれるな!  『ダンブルドア軍団』だ!」

ダンブルドア「…………」

マクゴナガル「……」

キングズリー「……」

ハニー「……あ」

ダンブルドア「……ほっほっほ、万事休すじゃのう」

ハニー「っ……」

ファッジ「はっは、はっはっは!そうだ!これで、ポッターは――」

ダンブルドア「それで、コーネリウス?わしはどうすればいいかね、告発書でも書こうかの?それとも今ここで、厳正なる書記のミスター・ウィーズリーに発言を記してもらえばよいのかね?」

ファッジ「……は?え? こ、告発書?それに、ウィーズリー……?」

パーシー「……」

ファッジ「あぁ、なるほど君か、って、それはいい、どうでも。何を、言っている?告発?発言?いったい……」

マクゴナガル「……アルバス」

キングズリー「っ、っ!!!」ブンブンブン!

ダンブルドア「よーく見てみたまえ、『ダンブルドア軍団』じゃよ、コーネリウス。この証拠を掴んでもまだ分からんかの。『ポッターの豚団』ではない。『ダンブルドア軍団』じゃ」

ハニー「……!!」




866: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/18(土) 23:59:05.21 ID:CAiW3KBy0


ファッジ「それは、つまり―――ハッ!!!」

ダンブルドア「そうじゃ、いいひらめきじゃよコーネリウス。それじゃそれじゃ」

ファッジ「あなたが?」

ダンブルドア「ソウジャ」

ファッジ「あなたがこれを組織した?」

ダンブルドア「ソウジャヨー」

ファッジ「生徒を集めて――あなたの、軍団を?」

ダンブルドア「イカニモジャー。見込みのありそうな生徒をリストアップしてのう。わしの独断と偏見故、生徒には軍団の主旨も伝えておらなんだ……今夜はミス・エッジコムと面談の予定だったのじゃが、もうちーっと説明しておけばよかったかのう……失敗失敗」

マリエッタ「……」コクコク

ファッジ「う、頷いている……そ、その生徒たちを指揮して……私を、私を陥れようとしたのだな!?自らの軍隊を作って!!」

ダンブルドア「その通りじゃこのヤロー、魔法省はわしのもんじゃー、うはははははー」

ハニー「ダメ……ダメよ!!!そんなのダメ!!!ぶ、校長先生!ダメよ!!!」

ダンブルドア「静かにするのじゃ小娘ー。むぅ、君さえいなければ我が野望もうんぬんかんぬん。静かに出来ないのならば、わしの部屋から出て行ってもらうが?」

ファッジ「そうだ、黙っていろポッター!ハッハ、ハハハハハツ!今日は君を退学させにきたつもりだったが……なんたる幸運、海老で鯛どころかラモラを釣ったようなもの!代わりに……」

ダンブルドア「わしを逮捕することになるのう。明日の朝刊は大賑わいじゃ。久しぶりじゃのう、あの紙面にわしに関する正しい情報が載るのは」

ファッジ「ウェーザビー!全て書き取っているだろうな!」

パーシー「はい大臣!もちろんですともええ大臣!!!」

ファッジ「ダンブルドアの告白、とくに魔法省に対抗する軍を作っていたという件!それに私を失脚させようとしていたという件は!」

パーシー「余すことなくあぁ大臣!!」

ファッジ「よしっ!いけ!今すぐメモを複写して『予言者』に送るのだ!いけ!お前はスニジェットだ!」

パーシー「はい大臣!ぼくは――大臣のためなら――飛べるっっ!!!」

ガシャァアアアアアン!

ハニー「ぱ、パーーーシーーーーぃぃ!?!?」

マクゴナガル「……肉体派になったようですねぇ、ウィーズリーは」

ダンブルドア「盲目じゃなぁ」




867: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 00:04:25.57 ID:gu9qRJeMo


間違いなくロンの兄貴




873: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/19(日) 00:24:31.60 ID:bRL2BuRW0


マクゴナガル「安心なさい、ポッター。私が下にクッションを『出現』させました……それより」

ハニー「え、えぇ、ありがとう……校長、何を、この……」

ファッジ「ダンブルドア!お前をこれから、魔法省に連行する!」

ダンブルドア「?」

ファッジ「そこで正式に起訴され、アズカバンに送られるのだ!」

ダンブルドア「ふーむ……?」

ファッジ「そこで裁判を待つことになるだろう! ハッハ、どうした!あまりのことに実感がわかないか、え!?かつての賢人が見る影もないな!!」

ダンブルドア「あぁ……なるほど。コーネリウス、なんじゃね。君はわしが、あれじゃ。神妙にお縄につく、といった空想のもと、話をすすめておるのじゃな」

ファッジ「く、空想だと!?」

ダンブルドア「だって、そうじゃろ。のう、ファッジよ。わしはアズカバンに送られる気はないのじゃ」

ファッジ「っ!?」

ダンブルドア「脱獄は余裕綽々じゃろうけどな今のあすこなら。じゃがのう、正直言ってわしは脱獄犯の称号より、いっぺんお尋ね者ってのになってみたかったんじゃ。ワクワクするのう」

ファッジ「あ、あなた、いや、お、おまえは……抵抗する、と。言うのか?」

ダンブルドア「いいや、いや。まさか。そんなつもりはない。今は、のう。堂々とその扉から出て行く気満々じゃよ……のう、ドーリッシュ。無駄なことはよしたらどうじゃね」

ドーリッシュ「……っ」

ダンブルドア「君が『NEWT試験』で全教科『O・優』を取ったのは覚えておるよ。じゃが、そんなものはわしが一世紀ほど前に越えた壁じゃ。なーんの障害にもならん。杖をとるのはよすのじゃ。君を傷つけるのは、本意じゃない」

ドーリッシュ「……どうします、ファッジ」

ファッジ「っ、この、この、腑抜けおって!なんだね、ダンブルドア!君は、君は、私、ドローレス、シャックルボルト、ドーリッシュを相手にする心算だというのか!?」

ダンブルドア「コーネリウス。言うておくが、わしを本気で止めたいのなら……アラスターを一ダースは連れてこんといかんのう。全盛期の」

ファッジ「っ!?な、なにを言っている、この老害め!たった一人で、なにが!」

マクゴナガル「一人ではありませんっ!!ダンブルドアは、一人では――」

ダンブルドア「いいや、ミネルバ。わしは独りじゃ、下がっていなさい。ホグワーツは君を必要としておる」

マクゴナガル「っ、でしたら、でしたら……あなたこそ!」

ファッジ「なにをゴタゴタと――かかれぇえええええ!!」



ハニー「ダンブルドア――ダンブル、ドア……!」



ダンブルドア「――じゃあの!」


バーーーーーーンッ!!!!バチバチバチバチ ――バーーーーーーンッッッ!!




879: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/19(日) 00:47:34.77 ID:bRL2BuRW0


モクモクモクモク

 ドサッ、バタッ

ハニー「ゲホッ、ゲホッ! ひどい、煙……あぁ、こんな」

マクゴナガル「伏せていなさい、ポッター!」

ハニー「っ、せん、せい……先生が私の襟首を掴んで、床に引き倒してくれたのね……あぁ」

???「聞こえますか――聞こえますか、ハニー・ポッター」

ハニー「……」

???「わし、ゴホン……私はあなたの心に直接話しかけています――煙の向こうから」

ハニー「……それは、もの凄く濃いもの……姿は見えないけれど、この――」

マクゴナガル「ポッター、とりあえず聞き出すことが先決です。姿ないお方、一体このミス・エッジコムはどうして首を……」

???「キングズリーは素晴らしい気転が利く男でのう……わしがドーリッシュをひきつけている意味を察して、その子の記憶を修正してくれたのじゃ。ようやったハゲ、と伝えておいてくれるかのう。あと、呪いをかけて悪かったと」

ハニー「……もう隠す気もないじゃない」

???「なんのことかの――よぉくお聞き。アルバス・ダンブルドアから伝言じゃ、で、伝言じゃん」

ハニー「変な語尾にしないで。……なぁに?」

???「一心不乱に『閉心術』を学ぶのじゃ、と。何故そうなのかは――まもなく分かる」

ハニー「……っ」

???「よいか、約束じゃぞ……ハニー」

ハニー「!! っ、ぅ、っ!?」

ハニー「(名前、を……っ、今、なんで……傷、っ!!!)」

???「……声だけにして正解だったかの。  ミネルバ、時間がまったく経っていない風に振舞うよう、頼みましたぞ」

マクゴナガル「えぇ、えぇ――あなたは、いえ、アルバスは、どちらに」

???「さぁてのう、あっちへちょこちょこ、こっちへちょこちょこ、じゃ。フォークス!」

フォークス「フィピィ~♪」

???「さて、今度こそ、じゃ。じゃあの」

バタバタッ……ブワッ!!!

ハニー「! 煙が……っ、フォークスの炎……」

マクゴナガル「……行ってしまった」




885: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/19(日) 01:02:06.62 ID:bRL2BuRW0



ファッジ「ぅ、くっ、なに、くそ……や、やや!?だ、ダンブルドアはどこへ行った!?」

キングズリー「うぐっ、わ、分かりません!やられた!!くそっ!!誰がハゲだ!!!!」

アンブリッジ「な、何に切れていますの!? この城の中では、『姿くらまし』できないはずですわ……!」

ドーリッシュ「階段だ!!あっちだ!!」

アンブリッジ「! 続きなさいシャックルボルト、ドーリッシュ!あぁ大臣、こちらでお待ちくださいまし!すぐに、すぐにひっとらえてきますわ!」

ドタバタドタバタドタドタドタドタ……

ハニー「……」

マクゴナガル「……」

ファッジ「……ふんっ。さてミネルバ。あなたのご友人のダンブルドアも、どうやらこれまでだな」

マクゴナガル「……そうでしょうかしら?」

ファッジ「そうとも。 あぁ、歴代校長の方々。間もなくここに、魔法省が認めた新たな校長が来ましょうぞ」

ディペット『そんなものを我々が認めるはずありますか!』

エバラード『カーッ、ペッ!』

ディリス『黒斑病になればいいのに』

フォーテスキュー『お前は歴代最悪の大臣だな!昔は良かった!!』

ファッジ「黙れ! ゴホン……あー、あなたはどうですかな?フィニアス・ナイジェラス・ブラック?」

フィニアス『……』

ファッジ「どうやら、その子。ポッターにあまり良い印象はないようで。あなたなら、我々に賛成なのでは?ダンブルドアの手から、ここが移されるのは」

ハニー「……」

フィニアス『……いやぁ、大臣。そうだな、確かに私は色々な点で彼とは意見が合わない……しかし、ダンブルドアは、とにかく粋な男だと言えるだろう。えぇ――無粋な貴殿はお引取り願おうか。高貴な私は、ようやく静かになったここで眠りにつきたいのだ』

ファッジ「……ふんっ、今に分かりますぞ!」

ドタドタドタ、バタンッ

ハニー「……先生」

マクゴナガル「……さあ、ポッター。寮に向かいましょう。平気ですよ、私が送ります――」

ハニー「私の……わたしの、せいだわ」

マクゴナガル「……いいえ。あなたはよくやりました。アルバスも――オホン」

ハニー「わたし、わたし……みんなみんな、助ける、って。思ってた、のに」


ハニー「……誰一人だって、欠けさせないって。思ってた、のに」



ハニー「あなたがいなくなっちゃ……ダメ、じゃない。ダンブルドアの……ばかぁ」



つづく




889: ◆GPcj7MxBSM 2013/05/19(日) 01:06:22.09 ID:bRL2BuRW0


っちゅうわけでこれで!
騎士団これ5スレコースやなこれ!しゃーないな!シリーズ最長やしな!
新スレは下手したら来週なってまうけど堪忍な!
ラドクリフお大事に
じゃあの!



 ハリー・ポッターシリーズ

 一巻~七巻

 世界的大ヒット発売中!

 2014年後半、USJにて

 ハリポタアトラクション建設決定!!





906: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 01:34:35.46 ID:xc5T6GUx0


乙ヒンヒン!!




914: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 02:43:01.84 ID:7+OmUECyo


乙乙






次作品
ハニー・ポッター「進まなきゃ、前に。そうでしょ?」  【前編









別作品
ハリー「頭が割れる…先生、これは…」ダンブルドア「群発頭痛じゃ」
ロン「僕とハーマイオニーが落っこちそうだとするよ?」ハリー「…うん?」 
ハリー「イメチェンしたいんだ」ロン「…うん?」ハーマイオニー「え?」 
ハーマイオニー「ハリーが女の子になってしまったわ」ロン「」 
ハリー「もてたいんだ」ロン「……その喧嘩、1シックルで足りるかい?」 
ハーマイオニー「すき……よ、ハリー」ハリー「あぁ、僕も……」ロン「」
ハリー「安価でホグワーツの女の子と付き合おう」
ハリー「宿題で潰れる休日」ロン「全く、ホグワーツってステキだよな」
ハーマイオニー「ハリーと喧嘩?」ロン「キャノンズ優勝まで顔も見たくないね」
シリウス「ハリーとの将来のためにマグル社会の勉強をしよう」 
シリウス「ハリーのために、私達ができることはなんだ?」
ドラコ「『ポッターにチョコを渡してこマらせルフォイ大作戦』だ!」



関連作品

第一巻『ハリー・ポッターと賢者の石』相当
ハニー・ポッター「私が、魔法使い?」 
ハニー・ポッター「賢者の石、ですって?」
ハニー・ポッター「賢者の石は、どうなったのかしら」

第二巻
ハリー・ポッターと秘密の部屋』相当
ハニー・ポッター「秘密の部屋?なぁに、それ」 
ハニー・ポッター「スリザリンの継承者?なんなの、それ」

第三巻『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』相当
ハニー・ポッター「脱獄囚の、シリウス・ブラック?」
ハニー・ポッター「『エクスペクト・パトローナム!』」
ハニー・ポッター「『守護霊よ、来たれ!』」

第四巻『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』相当
ハニー・ポッター「勝つのは私、そうでしょ?」
ハニー・ポッター「何がこようと、受けて立つわ」 
ハニー・ポッター「いつか必ず、来るものは来るのよ」 
ハニー・ポッター「来るものは来る、来た時に受けてたてばいいのよ。勝つのは、私よ」 

第五巻ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』相当
ハニー・ポッター「騎士団、いいえ。私の豚団ね、そうでしょ?」  【前編】【後編
ハニー・ポッター「『私は、嘘をついてはいけない』……?」  【前編】【後編
ハニー・ポッター「誰一人だって、欠けさせないわ」  【前編】【後編
ハニー・ポッター「進まなきゃ、前に。そうでしょ?」  【前編】【後編

第六巻『ハリー・ポッターと謎のプリンス』相当
ハニー・ポッター「プリンス、だなんて。なんなのかしら」
ハニー・ポッター「暴いてみせるわ、マルフォイの企み」
ハニー・ポッター「どうして、スネイプなんかを……」 【前編】【後編

ハニー・ポッター「アルバス・ダンブルドアと、わたし」


第七巻『ハリー・ポッターと死の秘宝』相当
ハニー・ポッター「分霊箱を、探す旅」 【前編】【後編










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