別作品
ハリー「頭が割れる…先生、これは…」ダンブルドア「群発頭痛じゃ」
ロン「僕とハーマイオニーが落っこちそうだとするよ?」ハリー「…うん?」 
ハリー「イメチェンしたいんだ」ロン「…うん?」ハーマイオニー「え?」 
ハーマイオニー「ハリーが女の子になってしまったわ」ロン「」 
ハリー「もてたいんだ」ロン「……その喧嘩、1シックルで足りるかい?」 
ハーマイオニー「すき……よ、ハリー」ハリー「あぁ、僕も……」ロン「」
ハリー「安価でホグワーツの女の子と付き合おう」
ハリー「宿題で潰れる休日」ロン「全く、ホグワーツってステキだよな」
ハーマイオニー「ハリーと喧嘩?」ロン「キャノンズ優勝まで顔も見たくないね」
シリウス「ハリーとの将来のためにマグル社会の勉強をしよう」 
シリウス「ハリーのために、私達ができることはなんだ?」
ドラコ「『ポッターにチョコを渡してこマらせルフォイ大作戦』だ!」



関連作品

第一巻『ハリー・ポッターと賢者の石』相当
ハニー・ポッター「私が、魔法使い?」 
ハニー・ポッター「賢者の石、ですって?」
ハニー・ポッター「賢者の石は、どうなったのかしら」

第二巻
ハリー・ポッターと秘密の部屋』相当
ハニー・ポッター「秘密の部屋?なぁに、それ」 
ハニー・ポッター「スリザリンの継承者?なんなの、それ」

第三巻『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』相当
ハニー・ポッター「脱獄囚の、シリウス・ブラック?」
ハニー・ポッター「『エクスペクト・パトローナム!』」
ハニー・ポッター「『守護霊よ、来たれ!』」

第四巻『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』相当
ハニー・ポッター「勝つのは私、そうでしょ?」
ハニー・ポッター「何がこようと、受けて立つわ」 
ハニー・ポッター「いつか必ず、来るものは来るのよ」 
ハニー・ポッター「来るものは来る、来た時に受けてたてばいいのよ。勝つのは、私よ」 

第五巻ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』相当
ハニー・ポッター「騎士団、いいえ。私の豚団ね、そうでしょ?」  【前編】【後編
ハニー・ポッター「『私は、嘘をついてはいけない』……?」  【前編】【後編
ハニー・ポッター「誰一人だって、欠けさせないわ」  【前編】【後編
ハニー・ポッター「進まなきゃ、前に。そうでしょ?」  【前編】【後編

第六巻『ハリー・ポッターと謎のプリンス』相当
ハニー・ポッター「プリンス、だなんて。なんなのかしら」
ハニー・ポッター「暴いてみせるわ、マルフォイの企み」
ハニー・ポッター「どうして、スネイプなんかを……」 【前編】【後編

ハニー・ポッター「アルバス・ダンブルドアと、わたし」


第七巻『ハリー・ポッターと死の秘宝』相当
ハニー・ポッター「分霊箱を、探す旅」 【前編】【後編
ハニー・ポッター「死の、秘宝……?」
ハニー・ポッター「最後(いやはて)の、敵なる死だって……越えてみせる!」【完結】











1: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/09(金) 15:21:27.07 ID:5+sJ2nQr0


ハニー「……」

ロン「あぁハニー!あのフェリなんとかが入った小瓶を見つめる君の横顔もいつも通りステキだね、僕らはそれを見られただけで幸福薬ガブ飲みもんさ!ヒンヒン!」

ハニー「えぇ、そうね。なんだってできる気分になる、そうでしょ?」

ロン「実際できちまうしな、もちのロンで」

ハーマイオニー「言葉通りのような気がしていやだわ……ハニー、あの時の成功の余韻に浸るのはいいですけどね!」

ハニー「どの勝利かしら?高貴で可憐で儚げで、伝説的で道徳的で家庭的で模範的な私は、勝ちっぱなしなのだけれど」

ハーマイオニー「『魔法薬学』のこと、よ!何度でも言うわ、あの教科書を信じ込むのはやめにして!あなたったら、あれから毎回……」

ロン「なんだよハーマイオニー、心が狭いな。ハニーが自分より『魔法薬学』で評価されるのがそんなに嫌なのかい?」

ハーマイオニー「そういう意味じゃ……!」

ロン「それに、あの『やはりリリーにそっくりだ!』って満足気に言うスラグホーンの言葉を聞いた時のハニーの嬉しそうな顔、そりゃもう天にものぼ痛い!ありがとう!」

ハニー「黙ってなさいこの豚!……それに、この瓶を見て思い出していたのはそのことじゃないわ」

ハーマイオニー「……えーっと、残念だけどそれを飲ませても、シリウスは」

ロン「眠りながらにしてベッドの足でも折れっちまってお見舞いにきたハニーの上に覆いかぶさりでもするのk痛い!!ありがとう!!ヒンヒン!」

ハーマイオニー「それどちらかと言うとハニーが飲んだ側だわ」

ハニー「そうじゃないったら!もう! この小瓶、幸福薬『フェリックス・フェリシス』を手に入れて、マルフォイが何をしたがっていたのか……それが、気になるだけよ」

ハーマイオニー「あー……ハニー、またあの人のことなの?」

ロン「スネイプ黒幕説を推す僕フォどじゃなイけどさぁ……ハニー、君、あいつにやられたことで考えが捕らわれすぎてやしないかい?」

ハーマイオニー「あなたは呪われてるようだけどね……」

ハニー「根拠なく疑ってなんかないわ。何度もいってるじゃない……あいつは、何かしようとしてる」



ハニー「暴いてみせるわ、マルフォイの企み」

ロン「あのゴリラどもと言葉を交わせてる秘密とか?全く、常識から外れてるよな!もちのロンで」

ハーマイオニー「ヒンヒンないてるハニーの豚なあなたが言わないで」

ロン「ハニー以外が豚って呼ぶなよ!ヒンヒン、ヒーン!」







引用元: ハニー・ポッター「暴いてみせるわ、マルフォイの企み」

6: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/09(金) 15:45:02.31 ID:5+sJ2nQr0


ハーマイオニー「今考えておいでの、あの嫌味ったらしい嫌な人のことは置いておくとして……ハニー、あの本のことだけど」

ロン「こないだ君が徹底的にお調べになった結果、なーんにも変なところはなかったじゃないか。まだ言うのかい?」

ハニー「えぇ、今や私の持ち物だもの、当然ね……ハーマイオニー?上手くいくんだもの、一緒に見ましょうって私こそ、毎回言っているけれど……」

ハーマイオニー「ズルするなんてごめんだわ!」

ロン「どこがズルだってのさ。君が僕やネビルにアドバイスしてくれることと、ハニーが書き込んだ事をやってみるのと、何が違うんだい?」

ハーマイオニー「あなたたちに教える時は、あなたたちが手順通りにやっていない時です! ほとんど毎回ですけどね!」

ロン「ハハハ、豆の一つや二つ違っても僕にはなんの影響もないよ、もちのロンで」

ハーマイオニー「成績には大打撃よ……ハニーのやっていることは、教科書通りじゃないわ!」

ロン「だからズルだって?おいおい、自分の完成品がその指示に従った結果より上手くいかないからって強引すぎやしないか?」

ハニー「気持ちは分かるわ、ハーマイオニー。でもね、この人ほら……教科書の内容以外にも、あたらしい魔法理論だとか、それに呪文だとか色々書いているの。きっとあなたと同じくらい賢い魔法使いで、信用できるわよ」

ハーマイオニー「信用したい、でしょ! もう……それに、『魔女』かもしれないわ」

ロン「おいおいハーマイオニー、興奮しすぎだぜ。ハニー見て落ち着けよ」

ハーマイオニー「生憎とそれじゃ逆効果よ」

ロン「だよな。 元の持ち主は『プリンス』だぜ?なんで魔女が自分の事を『プリンス』だって名乗るのさ」

ハーマイオニー「その細かくて細い字は、どちらかと言えば女性の文字のようだもの。プリンスは……えーっと……性癖?」

ロン「……」

ハニー「……」

ハーマイオニー「……忘れ、きゃぁ!?」

ハニー「えぇ、そうねハーマイオニー。私のように、女の子だってひきつけてやまないプリンスって呼ばれてた女生徒がいてもおかしくない、そう言いたいのでしょう……?」

ハーマイオニー「あぁ、ハニー、ちが、そんな……そんな、あなたに惹きつけられるのは、それは、火蟹の甲羅に散りばめられた宝石のように輝いてるもの、仕方ない、わ……」

ロン「つづけて!どうぞ!ヒンヒン!幸先がいいね!!」




8: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/09(金) 16:03:04.28 ID:5+sJ2nQr0


ロン「思うにハニー、ハーマイオニーの意地の張り方は、それを書いたのが女の子なんじゃっていうある種の嫉妬もあると僕ぁ思うね」

ハニー「あら。罪深いわね、私」

ロン「全くだよ、ヒンヒン!全会一致で即釈放だけどね!」

ハーマイオニー「ふーっ、ふーっ。かって、勝手な事言わないで頂戴。本当に、どうかと思っているのよ私は」

ハニー「えぇ、そうね。続きは帰ってからゆっくり聞くわ。ゆっくり、ね」

ロン「? どっか行くのかいハニー。ヒンヒン!それなら送っていくよ、このまま僕が走れば丁度いいしね!」

ハーマイオニー「相変わらず談話室でもハニーの下ですものねあなた……夕食も終えた、こんな時間に?」

ハニー「忘れたのかしら。今日は、あの意地悪豚との個人授業よ」

ハーマイオニー「! そう、そうだったわね!あぁハニー、頑張って!談話室で待ってるわ、何を教えるのか聞きたいもの!」

ハニー「えぇ、そうね。私だもの、頑張らなくても成功するに決まっているけれど。そうしてくれる?」

ロン「! あの同胞に言っておいてくれよ、ハニー! 変な気おこしたら退任要求出してやるぞ、って!」

ハニー「私のかわいい豚だもの、平気よ。それじゃ、行ってくるわ」

ハーマイオニー「えぇ……ハニー、えぇっと。一人で大丈夫?」

ハニー「? 校長室への道くらい把握しているわよ。この私に何を聞くの?」

ロン「そうだろうけどさ。やっぱり僕らも着いて行った方が……?」

ハニー「個人授業だ、ってあの豚は言っていたわ。どうせ追い返すことになるのに、つき合わせられないわよ。なぁに?はっきり言いなさい」

ロン「そりゃ、こんな時間に城の廊下を君が一人で歩くのは怖いんじゃないかって――」

ハニー「ロン」

ロン「ヒンヒン!なんだいハニー!」

ハニー「そのレポート、目隠しして、真っ暗な状態で書き上げたら、どうなるのかしら」




10: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/09(金) 16:15:20.07 ID:5+sJ2nQr0


廊下

ハニー「全く、豚のくせにこの私になんて失礼なことを言うのかしら、ロンは」

ハニー「遅い時間と言っても、まだ九月で日は長いもの。このくらい平気に、決まっているじゃない」

ハニー「……終わる時間は、わからないけれど」

ハニー「……その時は、あの意地悪豚にでもなんとかしてもらいましょう、えぇ。それは、当然のことだわ。遅くまで付き合わせているんだもの、送迎の一つくらい……」

コツッコツッコツッコツッ

ハニー「……?何かしら……あっちの角から、誰か……一々ダンブルドアとのことを説明するのは面倒ね。この像の影に……」

コツッコツッコツッコツッ

サッ

「スペードの2、対立――スペードの7、凶……グビッグビッ……プハーァ!染みますわぁー」


ハニー「……トレローニー?何してるのかしら……トランプに……あー……料理用のシェリー酒もって」


トレローニー「うぃー、ヒック。スペードの10、暴力。スペードのクイーン、赤い髪の若者。おそらく悩める若者で、この占い師を嫌っている――」


ハニー「……」


トレローニー「……ホッホホホホホホホ!そんなことありえませんわぁー!オッホホ、グビッ、プハーァ!」

コツッコツッコツッコツッ


ハニー「……行ったわね。でも、今のって……」

ハニー「……お酒に酔ったことで、何か感覚が変わってるのかしら。本人は酔いすぎて、むしろおおハズレだと思っているけれど」

ハニー「……やっぱりしばらくは、近寄りたくないわね」




11: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/09(金) 16:27:58.39 ID:5+sJ2nQr0


校長室前

ガーゴイル「なんだ嬢ちゃん、校長に用事か?」

ハニー「むしろあちらがこの私に用事があるの。来てあげたのよ」

ガーゴイル「そりゃご苦労だこって。だけど、合言葉無しにここを通すわけにはいかねーな。無理やり通ろうとすりゃこっちも強硬手段に出るせ?銀の翼でも出してみるか」

ハニー「何のことかしら。『ペロペロ酸あめ』でも舐めて落ち着けばどう?」

ガーゴイル「はーいはい、一名様ごあんなーい」

ガタガタッ、ピョンッ

ハニー「螺旋階段ね……こういう方面で動く階段に出来るなら、城中これにすればいいじゃないと思うけれど」

グルグルグルグルグル……スタッ

ハニー「……」

コンコンッ

  ダンブルドア「入っておるよー」

ハニー「当たり前でしょこの豚!」

ガチャッ

ダンブルドア「おぉ、ハニー。よう来てくれた、お迎えが出来ずすまんのう。ヒンヒン!」

ハニー「えぇ、出迎えたのはふざけた言葉だったのは水に流してあげるわ。感謝しなさい」

ダンブルドア「それはありがたい。お座り、君の一番の豚の座り心地には負けるじゃろうが――」

ハニー「えぇ、そうね」

赤豚「ピヒィーヒン!ヒン!」

ハニー「座らせてもらうわ、フォークス。ふふっ、できる豚さんね」

ダンブルドア「不死鳥はまっこと素晴らしい生き物じゃからのう、うむうむ」




13: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/09(金) 16:47:31.58 ID:5+sJ2nQr0


ダンブルドア「新学期の一週目は楽しかったかね、ハニー」

ハニー「この私が楽しめない生活が待っていると思っているのかしら」

ダンブルドア「おぉ、どうやらそのようじゃ。もう罰則を一つ引っさげておるからのう」

ハニー「……スネイプの理不尽な授業でね」

ダンブルドア「スネイプ『先生』じゃよ、ハニー。それに彼が理不尽なのにはもう慣れておるかと思ったが?」

ハニー「慣れてはいても我慢はならないわよ……ねぇ、どうしてあんな人をあの教科に」

ダンブルドア「それはわしと彼の問題じゃよ。おぉ、そうじゃ。問題と言えば、君のスネイプ先生からの罰則は来週の土曜日に延期じゃ。残念じゃったのう」

ハニー「心から、だわ。そんなことだろうと思っていたけれど……でも今は、どうでもいいわ」

ダンブルドア「あぁ、そうじゃの。今週の授業の話よりも、今日の授業の話をしたい。そういったところじゃろう」

ハニー「えぇ。一体、何を教えてくれるの?」

ダンブルドア「その時が来たわけじゃ。ヴォルデモートが何故君を殺そうとしておるか君が知ってしまった以上、何らかの情報を君に与える時がきた、とな」

ハニー「……ヴォルデモートに関する、重要な情報ね」

ダンブルドア「聡い子じゃ。そう、先学期の終わりに君と奴の間になされたことは、わしの知る限りの『事実』全てを話した」

ハニー「えぇ」

ダンブルドア「ここから先は、『事実』という確固といた土地を離れる。ハニー、君にはわしと共に『記憶』という濁った沼地を通り、『推測』というもつれた茂みへの当てのない旅にでてほしい。期は熟したのじゃ……わしの間違いでなければのう」

ハニー「でも、あなたはそれが間違いじゃないと確信しているのでしょう?」

ダンブルドア「無論、そうじゃ。しかしハニーよ、先学期明かしたとおり、わしとて他の者のように過ちを犯すことがある。そして、わしはたまたま大多数より――不遜な言い方じゃがべらぼうに賢いため、過ちもまたべらぼうに大事になりがちじゃ」

ハニー「少しは自重を覚えなさい……でも、それは私の役にたつことなのでしょう?私が、生き残るための」

ダンブルドア「そうじゃ、そうなることを望んでおる」

ハニー「なら、信じるわ。あなたに自信がなかったとしても、この私が信じているんだもの。少しは教えやすくなるでしょう?」

ダンブルドア「あぁ、ハニー。君は優しいのう……そんな君は、もうあまりこれに関わりたくはないじゃろうが」

ハニー「……また、憂いの篩<ペンシーブ>ね……記憶と言ってたから、予想はしていたわ」

ダンブルドア「そう、これじゃ。記憶貯蔵追体験機~!とでも呼んだ方が分かりやすいこれじゃよ。今回はいつもと違って、許可を得て入ることになるがのう?」

ハニー「……ニヤニヤしないの」




15: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/09(金) 17:05:58.20 ID:5+sJ2nQr0


ハニー「記憶を保管しておいて、いつでも見返すことのできる道具……これで、何を見るの?あなたの記憶?」

ダンブルドア「ボブ・オグデン。先ごろなくなった、魔法法執行部に勤めていた者の記憶をたどる旅じゃよ。これこれ、これじゃ」

ハニー「銀白色の髪の毛のようなものが入った小瓶…………『リリー、怒りのフルスイング――」

ダンブルドア「おっと間違えた。こっちじゃこっち、こっちじゃよ」

ハニー「ちょっと、さっきのはさっきので、ちょっと、何をまとめて……」

ダンブルドア「いずれのう、いずれ。うむ。さて、ハニー。こちらへ」

赤豚「ピィヒン……」

ハニー「はいはい……赤豚、いい座り心地だったわ。後でまたお願いしてあげるから、しっかり暖めておきなさい」

赤豚「ピィヒン!ピィピィ~♪」

ダンブルドア「不死鳥はどれだけ重い荷物でも運べる力があるからのう、上に乗るには丁度いいじゃろうて」

ハニー「なぁに?私が重いといいたいの?」

ダンブルドア「ヒンヒン!老人の戯言じゃよ、ハニー。さぁ、この小瓶の中身を……おっと」

ハニー「……その右手では開けにくいなら、私がやるわ。貸して」

ダンブルドア「いやいやハニー、それには及ばんよ。杖があるしのう。知っておったかね、わし、実は魔法使いなんじゃ」

ヒュンッ、ポンッ

ハニー「杖の一振りで、コルクが……ねぇ、本当にその右手。一体どうして……」

ダンブルドア「ハニーよ、今はその話をするときではない。ボブ・オグデンとの約束もあるしのう。さぁ、行こうぞ。あの愛すべき、仕事熱心な友の記憶の中へ」

ハニー「……そうして、あげるわ」




17: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/09(金) 17:25:20.49 ID:5+sJ2nQr0


ボブ・オグデンの記憶

ハニー「……仕事の記憶というから、てっきり魔法省の中の光景が広がるのかと思っていたわ」

ダンブルドア「混乱させてすまなんだ。これは、彼が仕事上訪問した場所での記憶でのう」

ハニー「その人とあなたは、仲良しだったの?」

ダンブルドア「いや、そうでもない。じゃが、亡くなる前に彼を探し出し、記憶を打ち明けることを説得する事は叶った。彼は勇敢な決断をした。おかげでわしと君は、こうして重要な記憶を拾えるのじゃ」

ハニー「……そう聞くと立派な人のように聞こえる、けれど」


 オグデン『はぁ、はぁ、ふぅ……マグルの格好は動きにくいなぁ……!』


ハニー「……女性物のワンピース型の下着に燕尾服、それに下にはスパッツを履いてる人の評価だと思うと、なんだかチグハグね」

ダンブルドア「全く、今も昔もマグルの服装に関する理解に取り残された魔法使いは多くてのう。彼などまだマシな方じゃが」

ハニー「えぇ、少なくとも下着一枚ではないわ。それが尚更おかしいのだけれど……それじゃ、このあたりはマグルの村なの?」

ダンブルドア「そうじゃ。君も聞き覚えがあるじゃろう……あの分かれ道に立てられた木片を見てみなさい」

ハニー「……『リトル・ハングルトン まで 1.6キロ』それって、あの……ヴォルデモートの父親が住んでた!」

ダンブルドア「そう、その場所のすぐ近くなのじゃ。もっとも、今回の目的地はそこではないがのう」

ハニー「? あっ」


 オグデン『このあたりかな?  あぁ、ここだ。上手く隠しているものだ、流石……よ、っと』

ガサガサガサッ


ハニー「……あの人、道を外れて生垣の隙間の中に入っていったわ」

ダンブルドア「我々も追いかけることにしようかのう。もっとも、少し目を離そうがあの妙ちきりんな格好はすぐ目の留まることじゃが」




18: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/09(金) 17:37:30.47 ID:5+sJ2nQr0


ガサガサガサッ、ガサガサッ

ハニー「……この細道、今までの道よりも両脇の生垣が高くって……まるでトンネルね」

ダンブルドア「曲がりくねって、さながらニフラーになった気分じゃのう。おぉ、どうやらようやくたどり着いたようじゃ」

ハニー「着いた? 確かに道は開けたけれど、ただの茂み……あぁ」


オグデン『あー……ここかな? まるで廃墟のようだ……うん』


ハニー「……オグデンさんの言う通りね。周りの木々で暗いせい、もあるけれど……ひどい家だわ」

ダンブルドア「窓は薄汚れ、壁には蔓がびっしりと覆い、屋根瓦はほとんどはがれ落ちておる、うむ。廃墟というにふさわしいじゃろうな」

ハニー「……目的地はここなの?だぁれも、住んでいるようには、というか住めるようには見えないけれど」

ダンブルドア「ところが、じゃ。ほれ、見てみたまえ。窓の隙間から湯気や煙が細々と見えるじゃろう。誰かが料理をしている証拠じゃ」


オグデン『さて……んっんー、うん。よーし』


ハニー「……緊張してる様子ね」

ダンブルドア「ことがことじゃからのう。君も怖ければ、左腕でよければ掴まるかね?うん?」

ハニー「冗談やめなさい。私が怖がるのは退屈と体重計、だけ……」


オグデン『そーっと、そーっと……ん?あの玄関から垂れ下がってるのはなんだろう……う、わ』


ハニー「……かわいい蛇の頭を戸に釘で打ちつける趣味のある人は、だいっ嫌いだけれど」



ガサガサッ、ドサッ!

オグデン『どわっ!?』


ハニー「きゃぁっ!」

ダンブルドア「おぉハニー、よしよし掴まるのじゃ、うん、しかしハニーできれば左腕にしてほしかったところじゃいたたたた痛いこんなに痛いのはミネルバにつねられて以来じゃ痛い!」




19: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/09(金) 17:52:52.19 ID:5+sJ2nQr0


ハニー「きゅ、急に何かが上から降ってきて、驚いた、それだけよ!もう!」

ダンブルドア「そうじゃろうのう、それが全てじゃ……おー痛」

ハニー「わ、悪かったわよ……それで、降ってきたのは……人、ね」

ダンブルドア「そうじゃのう。この姿が君を怖がらせたわけじゃないというのは驚きじゃ、うむ。髪はボサボサ泥だらけ、欠けた歯に、それぞれ逆を向いた小さな目。片手に杖、片手に血まみれ小刀。ハニー、わしの左腕、空いとるよ?」

ハニー「自分の髭でもひっぱってなさい」

ダンブルドア「いたたたたたたた」


オグデン『あー、あの、おはよう――魔法省から来た者ですが』

『「おまえは 歓迎 されない」』シューッ、シューッ

オグデン「あー、すみません、よくわかりませんが』


ダンブルドア「君には分かるじゃろう、ハニー?いたたたた」

ハニー「……蛇語、よね? もうやめなさいそれ」


オグデン『あの、あー、私は魔法省から派遣された、ボブ――アァッ!!』

バーーンッ!

『「おまえは 歓迎 されない!」』シューッシューッ


ハニー「! オグデンが、杖で攻撃されて……酷い。この――」

ダンブルドア「オグデンに同情してやるのはよいがのう、ハニー。これは記憶じゃ。大丈夫、オグデンは殺されはせんよ。ほれ、あのあばら家からもう一人、役者が出てくるからのう」


『モーフィン!やめろ! なんだ、お前は 魔法省とか聞こえたが』

オグデン『そう、そうでふ……いたた……それで、あなたは察するにゴーントさんですね?』

ゴーント『そうだ こいつに顔をやられたか? だがな、前触れなしに来るからだ そうだろうが? ここは個人の家、ズカズカ入ってくれば息子が自己防衛するのは当然だ』

オグデン『何に対しての自衛だと言うのです?え?』

ゴーント『お節介 侵入者 マグル 穢れたやつら」

オグデン『えぇ、まぁ、今日伺ったのは大体、そのことについてです』

モーフィン『「おまえは 歓迎 されない」』シューッシューッ

ゴーント『「家の中にはいれ、口答えはするな」』シューッシューッ!


ハニー「……なんだか、おかしな人たちね」

ダンブルドア「それはそうじゃろうのう。口調とか」

ハニー「それは知らないけれど」




20: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/09(金) 18:21:38.22 ID:5+sJ2nQr0


ハニー「……あの、狂ったような男は家の中に行ってしまったわね」

ダンブルドア「戸に打ち付けられた蛇が揺れておるのう。ドアノッカーのつもりなのじゃろうて」

ハニー「趣味が悪すぎるわ」


オグデン『ゴーントさん、わたしはあなたの息子さんに会いにきたのです。さっそく叶いましたがね。あれがモーフィン、そう呼んでいましたな?』

ゴーント『そうだ あれは倅のモーフィン、当たり前だろうが? それで、お前は純血か?』

オグデン『そんなことは、どちらでもいいことです』


ハニー「へぇ……中々、そうね。オグデンさんは尊敬できる人みたい。生きておいでだったら、豚にしてあげるところだわ」

ダンブルドア「そうしたらもう少し簡単に記憶が手にはいったやもしれんのう」


ゴーント『ふんっ そう言えば、今のお前のような鼻を村でよくみかけたな』

オグデン『そうでしょうとも。息子さんが連中に仕掛けたい放題しておいでだったのならば。ここからは中で話しませんか?』

ゴーント『中で、だと? 前触れもなく訪れた貴様を 無礼なおまえを我が家に招きいれろと?』

オグデン『ですが、ゴーントさん。わたしは確かに今日こちらをうかがう旨を、ふくろうで――』

ゴーント『俺には梟など役に立たん 手紙は開けん』

オグデン『それでは、訪問の前触れなしだったなどとは言えませんな。いいですか?私はこちらに、あのモーフィンのことで――』

ゴーント『わかった、わかったわかったわかった!通せばよいのだろう、え? 家に入りやがれ どうせ糞の役にも立たんがな』


ハニー「……中も外見とおんなじで、荒れ放題ね……台所と居間をかねた部屋、それに扉が二つ。三つしか、部屋がないみたい……モーフィンは」


モーフィン『「シュー、シューとかわいい蛇よ クーネ、クーネと床に這え モーフィン様の機嫌とれ 戸口に打ちつけられぬよう」』シューッシューッ


ハニー「……悪趣味な歌。かわいいと思っているのにあんなことするのね」

ダンブルドア「随分とボロボロな肘掛け椅子じゃのう、ホラスのあの姿の方がよっぽどよかろうて。ほれ、ハニー、もう一人じゃ。これで役者は揃った」

ハニー「もう一人?どこに……あぁ、女の人……煤けた服が後ろの壁とまったく同じ色で、気づかなかったわ。あの二人よりはこざっぱりといては、いるけれど……」


『!? あ、あの……えぇっと』

オグデン『……こちらは?」

ゴーント『娘だ メローピー』

オグデン『ほう……おはようございます』

メローピー『あっ……はぁ……あの……』


ハニー「……生気のない顔ね。打ちひしがれた、と言ってもいいかしら。あんな表情じゃ、作っているスープも美味しくならないんじゃないかしら」

ダンブルドア「そうじゃのう、ハニー。君が誰かしらに料理を作っておった時の表情を見せ付けてあげてはどうで、うむ、冗談じゃよ冗談。彼らの話に耳を伸ばそうて。ヒンヒン!」




21: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/09(金) 18:41:55.23 ID:5+sJ2nQr0


オグデン『さて、ゴーントさん。単刀直入に言わせていただくと、息子さんのモーフィンが昨夜半過ぎ、マグルの面前で魔法をかけたと信じるにたる証拠があり――』

ガシャーーーン!!

オグデン『うわっ!?』

メローピー『あぁっ!……あぁ、ごめんなさい、ごめんなさい、わたし、鍋を――すぐに、拾って、あぁ――』

ゴーント『とっととやれ! そうだとも 穢らわしいマグルのように床に這い蹲って拾うがいい なんのためにお前は杖をもっている!?え!?』

メローピー『あ、あぁ……「~~~~、~」』

ガシャーーーンッ!

モーフィン『アッハヒャハハハハハハハハハハ!! 「また割った、割った割った割った割った!」』シューッシューッ

ゴーント『この木偶の坊!ウスノロ!できそこないが!!!」

オグデン『ま、まぁまぁゴーントさん。見慣れない私のせいで緊張しておいでなのでしょう、そう怒らず……「レパロ、直れ」』

ゴーント『余計な――魔法省からの素敵なお方がいてよかったな、え? お前のようなスクイブ、汚らしいクズでも救ってくださるかもしれんぞ?』

メローピー『……』


ハニー「……お礼も何も言わないで、壁まで下がって立ち尽くしてしまったわ」


オグデン『……ゴーントさん、今日は何もこちらの悲惨な家庭環境をうかがいたくて来たわけではありません。それはそれでまた――今日訪れたのは、モーフィンの』

ゴーント『一度聞けばたくさんだ! モーフィンがマグルにしてやった、それはどうした、え!? マグルをふさわしい顔にしてやったまでだろう!』

オグデン『モーフィンは、法を破ったのです!』

ゴーント『穢らわしいマグルに焼きを入れてやったまでだ!それが違法だと、おまえはぬかすのか!』

オグデン『えぇ、そうです。これは、魔法省への召喚状です。尋問の日程は――』

ゴーント『お前は何様だ!召喚状、召喚状!?何様のつもりで俺の息子をどこぞに呼びつけているんだ!?』

オグデン『私は、魔法警察部隊の部隊長です。これは私の正統な権利と権限で――』

ゴーント『そうか、それで! 俺達のことをクズだとでも思っているのだろう!来いと言えばすぐに従うクズだとでも!お偉い魔法省の命令ならばと! いったい誰に向かって物を言っている!?わかっているのか、誰に物を言っているのか!』

オグデン『ゴーントさんに向かって、話しているつもりでおりましたが』

ゴーント『その通りだ! それで、これを見ろ!!!』


ハニー「?中指をたてて……あぁ、違うわ。あの、指輪をみせつけているのね……黒い石つきの、醜悪な……指輪?」

ダンブルドア「後でじゃ、ハニー」


ゴーント『これが何かわかるか!?石に刻まれた紋章がなにか!ペベレル家に代々伝わる代物!俺の家族は何世紀のもわたる純血だ!由緒正しい、今の魔法界に蔓延るまがいものどもとは格の違う純血だ!それに、メローピー!来い!』

メローピー『っ、あぁっ……!』

オグデン『! ご、ゴーントさん、娘さんの首を、な、なにを!?』

ゴーント『いいから見ろ! このロケットが見えるか!え!?』

オグデン『み、見えますとも!ですから、娘さんの首をはなして――』

ゴーント『これは、サラザール・スリザリンの物だ!我々は、スリザリンの末裔なのだ!!!』


ハニー「……」

ダンブルドア「……後で聞こう、ハニー」




22: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/09(金) 18:58:38.95 ID:5+sJ2nQr0


メローピー『っ、あっ、あぁ……ケホッ、ケホッ』

ゴーント『ひっこめクズが どうだ、これでわかっただろう! 我々にむかって靴の泥に者を言うような口をきくな! 誇り高い真の純血で、かのサラザール・スリザリンの血を引く魔法使いにむかって!おまえなど、こうだ! ペッ!』

オグデン『……』

モーフィン『ああっひゃはははははははははははは!!』


ハニー「……オグデンさんの顔に、唾を』

ダンブルドア「気品ある行いとは、言えぬのう」


オグデン『……いいですか、ゴーントさん。この件には私の祖先も、もちろんあなたの祖先のこともまっっっったく関係がありません。当該マグルに対し、非常な痛みを伴う蕁麻疹を引き起こしたこの件への――』


パカラッパカラッパカラッ

 キャッキャ ハハハ フフフ

ゴーント『黙れ!』

オグデン『?蹄の音……あぁ、村からここへ、通る小道があるのですか?』

モーフィン『……「あいつだ あいつ え? よかったな メローピー」』シューッシュッ

メローピー『…………』


ハニー「おかしな構造をしてるのね、この家の周り……マグルが、馬に乗って通り過ぎようとしてるわ」


 『あら、まぁ!なんて目障りな小屋なのかしら……ねぇえ、トム?こんな汚い小屋、あなたのお父様に頼んで片付けてもらえばいいじゃなぁい?』

 『ハハハ、残念だけどこのあたりは僕達のじゃないんだよ。谷の反対側は我が家の敷地だけど、この小屋はゴーントっていう狂った爺さんと碌でもない子供達の家でね。息子なんて、村じゃ「蛇マネきどりのキチガイ」って呼ばれてるさ』

 『なに、それ!下でもチロチロさせて、クネクネしているの?』

 『あぁ、まぁ、だいたいそうさ。気持ち悪いったらありゃしない、僕とは大違いだなぁ』

 『アハハハハハハハ!』


モーフィン『……』ガタッ

ゴーント『「座っていろ」』シューッシューッ


 『ねぇ、トム。わたくしの勘違いかもしれないけど、あの戸口に打ち付けられているのは蛇ではなくて?』

 『あぁ、どうやらその通りだ。なんてことだ!きっと、さっきの蛇野郎の仕業に違いないよ。蛇にもふられたのかな?』

 『アハハハハハハハハ!!』


モーフィン『…………』ガタタッ

ゴーント『「やめろ、座れ」」シューッシューッ


 『ここの連中はどいつもこいつも頭がおかしいのさ。ねぇセシリア、僕の愛しい人。あんまり見ちゃだめだよ』


パカラッパカラッパカラッ……




23: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/09(金) 19:17:17.21 ID:5+sJ2nQr0


モーフィン『「愛しい人 だと 奴はそう相手を呼んだぞ だからあいつは どうせ お前をもらってやくれない」』シューッシューッ

メローピー『…………』

ゴーント『「……なんだ、モーフィン どういう意味だ」』シューッシューッ

オグデン『あー、あの、家族の秘密会議は後にしていただけると』


ハニー「……メローピーの顔、気絶しそうなくらい真っ青だわ」


モーフィン『「こいつは、あのマグルを見るのが好きだ あいつが家の前を通るときは いつも庭にいてあのマグルを見ている」』シューッシューッ

メローピー『あぁ、あ、違う、違う……』

ゴーント『「本当か?」』シューッシューッ

オグデン『あのー、ですから……ご、ゴーントさん?そんな恐ろしい顔で娘さんに詰め寄って、なにを???』

ゴーント『「俺の娘が――サラザール・スリザリンの、純血の末裔が――穢れた泥の血のマグルに焦がれているのか?」』シューッシューッ

メローピー『違う……違う……』

モーフィン『「だけど、父さん 俺がやっつけた! 前にあいつの顔を蕁麻疹だらけにしてやった! 滑稽な面だったな、メローピー そうだろ?」』シューッシューッ

メローピー『それでも、兄さんより……あっ、あぁ、ちが、違う……』

モーフィン『「てめぇ」』シューッシューッ

ゴーント『「このいやらしいスクイブめ……生まれた瞬間からこの血を愚弄しているお前が……血を裏切るなら、お前なんぞ……!」」シューッシューッ

ガシッ

グググググッ……

メローピー『あっ、がっ……はっ…………』


ハニー「! やめて!」


オグデン『あーぁ蚊帳の外……! やめろ!!「レラシオ!放せ!」』

ビュンッ バンッ!!

ゴーント『ぐっ、っ……』

モーフィン『!「おまえ おまえおまえおまえおまえぇええええええええええ!」』シューーーーッ!シューーーーッ!!

バーーンッ!バーーンッ! 
 ビュンッ!ビュン!!!

オグデン『ひっ! っ、私一人では……応援を呼んで、あぁっ!痛い!くそう!』

ガタッ、ガタガタバタンッ!

モーフィン『「逃げるな! ころす、殺す! お前、おまえのせいだ!おまえ!!」』シューッ、シューッ

メローピー『あ、あぁ、いや、いや、あぁああああああ!』


ダンブルドア「……ハニー、もういいじゃろう。さぁ、戻ろう」

ハニー「……でも、このままじゃ彼女が」

ダンブルドア「平気じゃ、この後オグデンはすぐさま援軍と共に此処に戻る。なにより――わしらが彼女らにしてやれることなど、もはや何もないのじゃからのう」




40: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/09(金) 23:48:46.69 ID:5+sJ2nQr0


校長室

ハニー「……あれから彼女、メローピーは本当に、無事だったのね?」

ダンブルドア「あぁ、ハニー。心配せんでよい。左様、モーフィンは本当に殺しはせなんだ。父親と共に抵抗したが取り押さえられ、あの小屋から連れ出されておる」

ハニー「……なるべく痛めつけてからにしてほしいわ」

ダンブルドア「間接とかかのう。そう、二人はその後ウィゼンガモット大法廷で有罪の判決を受けた。モーフィンの方は前科があったため、三年間のアズカバン送り。マールヴォロの方は役人に危害を加えたため、六ヶ月の収監じゃった」

ハニー「そう、それでも軽いわ、自分の娘に……待って。マールヴォロ?」

ダンブルドア「そうじゃ。うむ、君がきちんと話についてきてくれて嬉しい限りじゃよ、聡い子じゃ」

ハニー「……そうそうある名前とは、思えないけれど。もしかして、それは……ヴォルデモートの?」

ダンブルドア「祖父、そうじゃ。奴のミドルネームにもとられておるのう。彼らは、マールヴォロが大演説をしておったように、非常に古くから続く魔法使いの家系じゃった。あのゴーント家は」

ハニー「……真の純血、そう呼んでいたわね」

ダンブルドア「徹底したものじゃ。いとこ同士が結婚をする習慣を続けた結果、何世紀にもわたって情緒不安定と暴力の血筋として知られておった。マールヴォロの数世代前には財産も浪費しつくし、あのような掘っ立て小屋の惨めな生活を送らざるを得なかったのじゃ」

ハニー「……怒りっぽさと、それに、無駄な誇りと異常な傲慢さはそのままに」

ダンブルドア「変わろうと思うてものう、彼らには自己を正当化するだけの物、己を律する、あるいは歪めるかくたるものが二つも存在しておった。先祖代々の家宝が。マールヴォロはそれを息子と同じくらい、そして娘よりずっと大切にして、持っておったのじゃ」

ハニー「あの、ロケットは……サラザールの!!」

ダンブルドア「そうじゃのう、ハニー」

ハニー「あんな人たちに……サラザールの気持ち一つ、子孫のくせに分かっていない人が持っているだなんて!我慢がならないわ!今、あれはどこにあるの!?取り返してあげる!」

ダンブルドア「は、話が早いのは助かるがのう、急ぎすぎじゃハニー。落ち着いておくれ。ほれ、ひっひ、ふーじゃよ?」




47: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/10(土) 00:03:19.57 ID:CNs62bAr0


ハニー「……とりあえず、あの家族の話に戻してあげる。それじゃ、メローピーは……ヴォルデモートの母親、ってこと?」

ダンブルドア「いかにも。驚いたかね、あのような人ならざる姿になった者にも、普通の母親がいたことに」

ハニー「……えぇ、そうね。不思議な感覚だわ……ずっと前に、あいつの記憶から聞いてはいたけれど。目の当たりにすると……」

ダンブルドア「そして、我々は偶然にもヴォルデモートの父親の声まで聞いたのじゃ。果たして気づいたかの?」

ハニー「……メローピーが気にしてた、モーフィンが襲ったと言ってた、あの人!?あのとき馬で通りすがった声の……それが、トム・リドル!?」

ダンブルドア「そうじゃ。彼が近所のリトル・ハングルトンという村に住んでおったのは、君も気づいたとおりじゃろうて」

ハニー「それじゃ、二人は……メローピーは、あんな状況から。結婚、したの?信じられないわ、あの家族をあんなにも見下していたのにそんな、魔法のような……あっ」

ダンブルドア「そう、気づいたようじゃの。メローピーは魔女じゃ。それも、長年父と兄によって抑え付けられていた魔力を十分に生かしきる事のできぬ生活から、初めて解放された」

ハニー「……スクイブ呼ばわりされていたわね」

ダンブルドア「その時から、メローピーの魔女の能力が完全に解き放たれたのじゃろうとわしは推測する。そして、十八年間の絶望的な生活から逃れる手はずを整えることにしたのじゃろう、と。幸い、何が必要かは書物だけは揃っておったようじゃ」

ハニー「逃げる、ために……何をしたの?」

ダンブルドア「さぁ、考えてみんといかんのう。マグルの女性のことを忘れさせ、代わりに自分と恋に陥るようにするためには。メローピーは何を使うと思うね?」

ハニー「……『服従の呪文』、は、いくら魔法がつかえだしたからと言っていきなりすぎるわ。それじゃ……『愛の妙薬』、とか?」

ダンブルドア「そう、そうじゃ。わしもそう考えておる。君があの素晴らしい病院の匂いと感じる件の……」

ハニー「実際に病院に送って、存分に嗅がせてあげてもいいのよ」




50: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/10(土) 00:23:53.10 ID:CNs62bAr0


ダンブルドア「ともあれ、メローピーは『愛の妙薬』を使ったのじゃろうとわしは考える。その方がメローピーとしても、少しでもロマンチックに思えたじゃろうからのう」

ハニー「たとえ作り物の愛だとしても、そうしたかったのかしら」

ダンブルドア「実に乙女チックじゃ。それを察する事のできるわし、どうじゃね」

ハニー「引くわ。続けなさい」

ダンブルドア「……おそらくは乗馬であの小屋の前を通りかかったトム・リドル・シニアに水でも勧めたのじゃろう。さすれば、件の薬は強力じゃ。その日の晩には村中に、大地主の息子がろくでなしの娘のメローピーと駆け落ちした!というとんでもない醜聞で湧き上がったことじゃろう」

ハニー「ひどいゴシップになったでしょうね……想像できるわ」

ダンブルドア「じゃが、村人のどんな驚きもマールヴォロが受けた衝撃に比べれば軽いものだったじゃろう。アズカバンから出所し、娘が自分の帰りを甲斐甲斐しく待っておると期待していた家はもぬけの殻。あったのは事情を説明する手紙一つだったのじゃからのう」

ハニー「……出て行かれて当然よ、あんな扱いをしていたのだから」

ダンブルドア「ゴーント家にとってはあれが普通だったのじゃろう。もちろん擁護する気はサラサラないが。わしが探りえた情報からすると、その後マールヴォロはメローピーの存在一つすら口にすることなく生涯を終えたようじゃ。モーフィンが出所するより以前だったようじゃのう」

ハニー「大方、自分の世話一つ、料理一つできなかったんじゃないのかしら。それで、その後メローピーは……でも、死んでしまうのよね?確か、あいつは孤児院で育ったはずだもの」

ダンブルドア「その通り。ここからは随分と推量を余儀なくされるが、起きたことを論理的に推理するのはそう難しくもないじゃろう。センセーショナルな駆け落ちから数ヵ月後、トム・リドルが村に戻ってきたことは事実じゃ」

ハニー「……リトル・ハングルトンの、自分の屋敷に?」

ダンブルドア「そう、『たぶらかされた、騙されていた』『何がなんだかわからなかったが、目が覚めた』そう言っておったらしい」

ハニー「目が、覚めた……魔法の効果が、解けてしまったということ?」

ダンブルドア「本人もそう表現したかったことじゃろうのう。じゃがそう言えば、頭がおかしくなったと思われる。彼の言葉をきいた周りの者は、おそらくメローピーが妊娠したと嘘をついてトムを脅したのじゃろう、そう推量した」

ハニー「でも、メローピーは本当に赤ん坊を産んだわ」

ダンブルドア「そうじゃ、ハニー。それは結婚してから一年後……トム・リドルはまだ妊娠中のメローピーを捨てて、屋敷に戻ってしまったのじゃ」

ハニー「……」

ダンブルドア「酷い話じゃ。ひっひふー、もまだなのにのう」

ハニー「黙って」




51: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/10(土) 00:42:14.48 ID:CNs62bAr0


ハニー「……どうして、トム・リドルはよりによってそんなタイミングで戻ってしまったの?どうして『愛の妙薬』が効かなくなってしまったというの?」

ダンブルドア「またしても推量にすぎんが、それはおそらくメローピー自身がリドルに薬を盛るのをやめてしまったからじゃろう」

ハニー「メローピー、自身が……?」

ダンブルドア「メローピーは夫を深く愛しておった。それ故、夫を魔法で隷従させ続けることに耐えられなくなったのじゃろう。それに、あまりに自分が夢中であるあまり、その頃には夫のほうも自分の愛に応えるようになっておる。そう確信したのじゃろう。腹の中には子供もおる、赤ん坊のために一緒にいてくれる、あるいはそう考えたのやもしれぬ」

ハニー「でも……間違ってた」

ダンブルドア「そうじゃ。『愛の妙薬』が作り出すのは、本物の愛などではない。トム・リドルは無慈悲に彼女を見捨て、自らの血が流れる息子のことなど二度と会うどころか、その後どうなっているかを調べようともせなんだ」

ハニー「……自分の名前が、つけられているのに」

ダンブルドア「恐らくそのことさえ、最期の最期で知ったじゃろう。いや、それさえ知らされなかったかもしれぬのう」

ハニー「……」

ダンブルドア「……今夜は、このくらいでいいじゃろう。ハニー、見送りにフォークス、おっと、赤豚をつけよう。お帰り」

赤豚「ピヒィ~ヒン!」

ハニー「えぇ、出来る豚ね。ありがとう……ねぇ、校長」

ダンブルドア「どうしたね、意地悪豚で結構じゃよ?」

ハニー「真面目なお話よ。こんな風にヴォルデモートの過去を知ることが、本当に大事なことなの?」

ダンブルドア「あぁ、そうじゃ。非常に大事なことじゃろう」

ハニー「……これが、予言と?」

ダンブルドア「そうじゃ。大いに関係しておるじゃろうと、わしは考えておる。ただ、わしの考えが間違っておるかもしれんということは、先ほども述べた通りじゃて」

ハニー「……いいえ、信じるわ。そうね、少し思っていたことと違う話だったものだから、戸惑っただけよ。信じるわ、わたし……それじゃ、あと一つ、いいえ。二つだけ」

ダンブルドア「ヒンヒン! 何でも応えようぞ、ハニー。君のかわいい豚じゃからのう」

ハニー「自分で言わないで頂戴。この個人授業の話は、ロンとハーマイオニーにしても……?」

ダンブルドア「あぁ、よいじゃろう。これまで彼らは信頼できるということを何度も示してきたのじゃ、君が思っておるとおりにのう。あと一つとは?」

ハニー「……そこの棚においてある、指輪。今年の夏に私を迎えに来た時、つけていたものと同じに見えるわ」

ダンブルドア「流石はシーカー、よい目をしておる。そう、その通りじゃ」

ハニー「……そして、さっきの記憶でマールヴォロ・ゴーントが嵌めていたものとまったく、同じよね」

ダンブルドア「……そうじゃのう」

ハニー「……その指輪がここにあること。そして、あなたの右腕がそんな状態になっていることは、果たして、たまたまなのかしら?」

ダンブルドア「ハニー。授業とは、先生の方にもあれこれこうこうしよう、次はあぁしようという一応の予定ってもんがあるのじゃよ、うん。さぁ、もう遅い時間じゃ。ベッドに戻りなさい、ミス・グレンジャーと仲良くのう」

ハニー「そう、それじゃ、そうして――あなた、どこまで見てるの?」

ダンブルドア「おやすみじゃ、ハニー。ぐう、ぐう」

ハニー「ちょっと」

ダンブルドア「うーむ、むや、あと五世紀……」

ハニー「……ハーァ。おやすみなさい、意地悪豚」




64: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/11(日) 11:10:25.00 ID:eHFGyeWi0


九月 二週目

ロン「あぁハニー!君と過ごせる自由時間が増えるなんて!ほんと、六年生って最高だよな!ヒンヒン! 最高だって、おもってたんだけどなぁ……」

ハニー「なぁに、ロン。この私といられることに何か不満があるのかしら?」

ロン「とんでもないよ君は最高さハニー!ヒンヒン! でも、六年生に出される山のような宿題を片付けるので一杯一杯で、とてもハニー充してる暇がないんだもんなぁ……」

ハーマイオニー「私達はNEWT学生なのよ?――あぁ、あのときマクゴナガル先生にもう一度説明をお願いするべきだったわ。次回の授業が始まる前に、教室に――」

ロン「君で理解が及ばない授業が、他のどの生徒だってついていけるわけがないと僕ぁおもうね……授業中も楽しくお喋り、ってわけにもいかなくなっちまったしさぁ」

ハニー「えぇ、そうね。『闇の魔術に対する防衛術』だけでなくて、『変身術』や『呪文学』でも、『無言呪文』を扱い始めたもの……ヒンヒン鳴けなくて物足りないのじゃないかしら?さぁ、聴かせてみなさい?」

ロン「ヒンヒン、ヒーーーン!」

ハーマイオニー「そもそも授業はそんな奇声を上げる時間じゃないったら……みんな、かなり苦労しているみたいね、確かに」

ロン「『無言呪文』の練習のしすぎで、『ウンのない人』を丸呑みしちまったみたいに唸ってる連中で溢れてるもんな。このままじゃみんな終始無言なパントマイム豚になっちまうよ」

ハニー「身振り手振りでも察してあげるわ。えぇ、そうねロン。知ってるわ」

ハーマイオニー「ハニーを背中に乗せた状態でワタワタ動くのはやめなさい、何を伝えているのやら……『薬草学』や『魔法生物飼育学』で存分に声をあげているじゃない」

ロン「あぁ、何せ命がけだからな全く。『有毒食虫蔓』に、あの爆発同胞ども。豚の勲章を増やしてくれるもんだよ、マーリンの髭」




65: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/11(日) 11:24:07.43 ID:eHFGyeWi0


ハーマイオニー「今でそんなに弱音を吐いてたら、あなた、クィディッチが始まったらどうなってしまうのかしらね」

ロン「クィディッチが始まったら?そりゃ、僕ぁ疲労困憊のあまり談話室に横たわるただのハニーのマットに……なれたらいいな」

ハニー「自信持ちなさい、ロン。私の豚でしょう?」

ロン「ヒンヒン!もちの僕さハニー! でも、さ。あー……」

ハーマイオニー「……言いたいことはわからないでもないわ。この、宿題の山……よりうず高く積まれた、選手希望者のリスト」

ハニー「……当然ね、えぇ。この私が、チームのキャプテンになったんだもの。そう、競争率も高くなるのは当然で……」

ロン「……マーリンの髭!」

ハーマイオニー「だ、大丈夫よきっと。キーパーの志願者は、他に比べれば少ないほうじゃない?」

ロン「豚どもは僕にキーパーを任せるとかなんとか言ってたからな」

ハーマイオニー「……変なところで統制とれてるのね」

ハニー「私の豚たちだもの、当然でしょう?」

ハーマイオニー「えぇ、そうでしょうとも。そして、さっきのロンの口ぶり、というかそうでなくても分かっていたけど……今年のグリフィンドールチームが空をおかしな鳴き声で埋める人たちばかりにならないよう、願うばかりだわ」

ロン「全員同胞のチーム、最高じゃないか、たった二言で全部指示できっちまうんだぜ?」

ハーマイオニー「人知の中でプレイして」




67: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/11(日) 11:40:56.47 ID:eHFGyeWi0


土曜朝

ピーーピーーッ
 バサバサバサッ
フィーピィー ホーーッホーッフォーッ
 ゲェーッゲーェッ

ロン「人が選抜に向けて緊張感を高マルフォイしてるって時にまったく、タイミング見計らってくれるよなフクロウ便は!マーリンの髭!」

ハーマイオニー「毎朝の恒例行事なのにフクロウに当たってどうするの……ハニー?誰かから、手紙が来る予定でもあるの?」

ハニー「……そうじゃないけれど。リーマスから何かこないかしら、って、少しだけ。いままで失望されっぱなしだもの、そこまで期待していないわ」

ハーマイオニー「任務で忙しいのよ、きっと。責めないであげましょう?」

ロン「そうだぜハニー。それに、奴さんの容態が回復した、とかならリーマスは手紙を出すより直接ここに飛んできかねないよ。もっともすぐさまハニーも飛んでいくだろうけどね何せハニーのあの人を想う健気さときたらスニッチ一万個ぶ痛い!ありがとう!」

ハニー「次言ったら箒の上でひどいわよ、ロン……あら?」

スイーッ ストッ

フクロウ「ピーィヒン!ヒン!」

ロン「お? フローリッシュ・アンド・ブロッツ書店の同胞からみたいだよハニー」

ハーマイオニー「きっと小包に書かれた書面を即座に見分けたのよね?そうなのよね?」

ロン「? 何言ってんのさ、今このふくろう豚がハッキリ……」

ハーマイオニー「聞きたくないわ」

ハニー「いい子ね、あちらのできる豚にもお礼を言っておきなさい。それで、これは……新しい『上級魔法薬』の教科書だわ」

ロン「あー、僕らの分をもう発注してたって言ってたな、スラグホーンのやつ」

ハーマイオニー「助かるわ。さっ、ハニー。これであの古ぼけた教科書からおさらばして……」

ハニー「『ディフィンド、裂けよ』『レパロ、直せ』」

ビリビリッ! パァァッ

ハーマイオニー「……」

ロン「冴えてるぜハニー!表紙を交換しちまえば、中身はあれのままってわけだ!」

ハニー「こっちの、中身が新品の教科書はスラグホーンに返すわ。文句はないはずよ、9ガリオンもしたんだもの」

ハーマイオニー「……もう何も言うまい、だわ。えぇ、『魔法薬』の授業中は絶対、あなたの方を見ないんだから!」

ロン「その台詞、何度目かなぁ」




69: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/11(日) 12:09:01.83 ID:eHFGyeWi0


シューッ、ストッ
 ホーッ

ハニー「あら、ハーマイオニー。あなたにも郵便のようよ……新聞ね」

ロン「君も真面目というか、律儀だよなぁ。去年あれだけ嘘まみれだった『日刊予言者新聞』を購読し続けるなんてさ」

ハーマイオニー「今は、程度の差はあれ嘘は書かれていないわ。それに、情勢を掴むのは大事よ」

ロン「僕は毎日のハニーの様子を見られればそれでいいけどね」

ハニー「えぇ、そうね。それが世界情勢も同等だもの。そうでしょ?」

ロン「違いないよハニー!ヒンヒン!」

ハーマイオニー「やな世界ね、まったく……えーっと」バサッ

ロン「誰か知ってる人でも死んで、おっと、お隠れあそばれてるかい?」

ハーマイオニー「幸いなことに一人も。吸魂鬼の襲撃事件が一つだけ。それと、逮捕者……まぁ」

ハニー「逮捕?誰が掴まったの?」

ロン「ドロホフの野郎だったらアズカバンまでウィーズリー家総出で糞爆弾ぶつけにいくよ。誰だい?」

ハーマイオニー「……スタン・シャンパイク」

ハニー「……貸して!何の冗談?あの、豚が?」

ロン「……『――死喰い人の活動をした疑いで逮捕されたシャンパイク容疑者は、昨夜遅く自宅で身柄を拘束。容疑者は自宅近くのパブで死喰い人の秘密の計画について自慢しており、それを聞いた近隣の――』馬鹿げてら。あいつ、きっと酔っていい気になってただけだろ?だって、あんなのが死喰い人なわけないってこと、誰でもわかるじゃないか!」

ハーマイオニー「……魔法省は、とにかく何かしら手を打っている、っていうように見せたいのよ。きっと」

ハニー「……だからって」

ハーマイオニー「みんな戦々恐々なのよ。それは、あー、割と私達の傍の人たちはそんなものおくびにもだしていないけど」

ロン「ハニーっていう精神的にも物理的にも最高の支えがあるからな、うん。もちのロンで」

ハーマイオニー「そう。でも、生徒の何人かは家に連れ戻されてる。エロイーズ・ミジョンとか」

ロン「あぁ、あれ、鼻の位置がズレたから入院したわけじゃなかったのか」

ハーマイオニー「茶化さないの」

ロン「茶化してないとやってられないよ」




70: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/11(日) 12:24:40.56 ID:eHFGyeWi0


ハーマイオニー「生徒の両親はここに子供を戻したことを後悔してるのよ」

ハニー「真剣に考えて、この城より守りが厳重なところなんてそうないはずなのに……家族だから、なのかしら」

ハーマイオニー「でしょうね、えぇ。パーバティも、両親から家に戻るように言われてるらしいわ」

ロン「へぇ……ヘイパーバティ、そうなのかい?」


パーバティ「ねぇラベンダー、そんな、いくら脚を組み替えてもロンはすぐ傍のあなたの太ももなんて見やしな……えぇっ!?あ、え、えぇ!そう言われ――」

ラベンダー「私がご両親を説得したのよ、ロン!!!」

パーバティ「」

ロン「へーぇ?まぁ、そうだよな。受け売りだけど、ここより安全なところなんてないし。やるじゃないかラベンダー。友達想いなのはいいことだと思うよ」

ラベンダー「あっ、そんな、うふふ、ふふっ……」

ロン「その分ならハニーの良い豚になれるよな。」

ラベンダー「そんな、褒められたって……え?なに?」

ロン「ステキだよなぁってことさ、もちのロンで」

ラベンダー「」

パーバティ「……ラベンダー、あなたいつから難聴になったの……」

ハニー「……」

ハーマイオニー「…………」

ラベンダー「あっ、あの!あなたもとってもステキな、選手だと思うわ!選抜頑張って、ロン!それじゃ!」

ロン「うん?僕?ははっ、ありがとう! だってさ、良かった。キーパーって地味なポジションにもファンっていたんだなぁ、そうだろ?」

ハニー「……そうね」

ハーマイオニー「あなたには荷が重過ぎるから箒ごとおっこちればいいわ」

ロン「なんだよいきなり辛らつな……僕が何したって言うんだ!マーリンの髭!」




75: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/11(日) 12:52:15.23 ID:eHFGyeWi0


クィディッチ競技場

ガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤ
 ザワザワザワザワ
ヒンヒーン!ヒーン!

ハニー「……集まったわね。これ……グリフィンドール生全員いるんじゃないかしら」

ジニー「だってあなたがキャプだもの!当然よ!ヒンヒン!」

ロン「まったく、豚じゃないミーハーな『選ばれし者』だとかハニーの見た目だとかに今更吸い寄せられた奴らがノコノコとさぁ。受付がてんてこ舞いじゃないか」

コリン「並んでー!こっちに並んでくださーい!ハニーから首輪の委託は受けてまーす!豚希望の方はこっちでーす!踏まれる代わりにハニーから踏まれたときのアングルプロマイドもついてまーす!」



ハーマイオニー「……同時進行でそっちを増やさないでっ!!!!」

ネビル「うわぁっ!? は、ハーマイオニー、こんな遠くの観客席からなんて、毎回大変だね」

ラベンダー「あぁ、ウォンウォン……頑張って!」

パーバティ「……その愛称がなんなのか、私、聞かないわよ。聞くもんですか」


ロン「なんだかハーマイとれた声が聞こえたきがするよ……お?」

マクラーゲン「やぁ、ハニー!特急で会って以来だな」

ハニー「ハァイ。たしか、あなたは……コーマック・マクラーゲンよね?おじさまが有名な」

マクラーゲン「ハハハ!僕自身もそこそこ顔が売れてるつもりだったんだけどね。それに、どうだいこの体格。キーパーにも、それに君のお供にもふさわ……」

ロン「そう思うんなら去年から選抜を受けときゃどうだい、優男」

マクラーゲン「おっと、去年は丁度度胸試しでドクシーの卵を食って寝込んでたのさ、元・キーパーくん」

ジニー「ハイハイ、争うのは選抜だけにしてね。ロン、ハニーは無駄な喧嘩なんて望まないわ」

ロン「そりゃそうだな。ヘイ軽くザビニってるコーマック、正々堂々やろうぜ」

マクラーゲン「ハッハッハ、終わってからザビぬる準備はいいかな?」

ハニー「いつからそんなに流行ってるの、それ」




76: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/11(日) 13:06:42.94 ID:eHFGyeWi0


ザワザワザワザワ
 イタタタタ……
ヒンヒーン!

ハニー「……基本的なテストから初めて良かったわ。まさか、クィディッチピッチ一周も満足に飛行できない人ばかりだったなんて」

ロン「ハニーを見れば傷も回復だろ!ほら、箒を学校の箒置き場に返して、賑やかしの人は帰ってくれよな!もちのロンで」

ガヤガヤザワザワ
 ゾロゾロゾロ

ジニー「ロミルダ、あなたあれだけ張り切ってたからてっきり得意なのかと思ってたのに……」

ロミルダ「す、少しでもハニーの近くにって……だって、クィディッチローブのハニーって」

ジニー「ハニーはいつだってステキよハニーだもの。ヒンヒン!ほら、行って行って!」

ロミルダ「……なによっ!!」

ジニー「ハニーの雌豚よ!!!!」


ロン「いい返しだぜジニー……あー、君、残ってたんだ」

マクラーゲン「飛行はおじの知り合いで国際審判の方に訓練づけられたことがあってね」

ロン「へーぇ。僕ぁ国際級に最高なハニーの前で飛べればそれでいいけどさ」


ハニー「さぁ、それじゃ、ちゃんとした人たちだけが残ったところで。あぁ、他の人たちが悪いと言っているわけじゃないのよ?私のかわいい豚だもの、当然よね?」

ヒンヒーーーン!

ハニー「はいよろしい。それじゃ、チェイサーの選抜から始めるわ。えーっと……えーっと」

ケイティ「……ここよ、ハニー!」

ハニー「!えぇ、気づいてたわよ、当然ね!まずは経験者から、見させてもらうわね」

ケイティ「そうね。少しでもあなたに思い出してもらえるよう、飛んで見せるわ」

ロン「いやまぁ、今回のハニーの戸惑いは分かるよな」

ジニー「アンジェリーナの髪型に突然してくるんだものね、ケイティだって分かるわけないわよ、えぇ。ハニー悪くない」

ロン「もちのロンさ」




78: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/11(日) 13:26:44.87 ID:eHFGyeWi0









ハニー「チェイサーは、ケイティ・ベル、デメルザ・ロビンズ、それにジニー・ウィーズリーよ」

ケイティ「やった!」

デメルザ「そうね」

ジニー「よかった。あー、でもディーンは残念だったわ」

ディーン「いいのさジニー、君が僕の分までハニーのために頑張ってくれよ!ヒンヒン!ハニー!僕は観客席から応援してるからね!」

ハニー「えぇ、ジニーとの仲がこれでギクシャクしなくてよかったわ」

デメルザ「そうよね」

ケイティ「えーっと、デメルザ?もっと喋ってもいいのよ? ハニー、選んでくれてありがとう」

ハニー「あなたの選出に文句をつける人は誰もいないと思うわ。もっとも、この私の決定に文句なんてつけようがないでしょうけれど」

ケイティ「そうね」

デメルザ「そうよね」

ハニー「……ケイティ、お願いだから。もうそのパターンは抜け出す流れだったじゃない。やめましょうよ、謝るわよ今学期最初のことは……さて」

ジニー「次はビーターの選抜ね! でも、ハニーに少しでも当ててみなさい!豚のみんなが黙ってないわよ!」

ヒンヒン、ヒーーン!


ロン「……その次は、キーパーかぁ」

マクラーゲン「どうやら僕と君以外は、てんでパッとしない候補しかいないようだね」

ロン「ふぅん。どうでもいいさ、僕ぁ手にハニーとでも書いてのんでおくから」

マクラーゲン「それはまた変わってるな。おい。君は本当のところ、ポッターとグレンジャー、どっちに気があるんだ?」

ロン「は?」

マクラーゲン「ポッターとは、スラッギィー爺さんのお気に入りで選ばれた生徒同士だし。グレンジャーは、クラムのときから『才能』ある男が好みだって噂だろ?それに学年首席だ。知ってるか、僕の成績」

ロン「知りたくもないね」

マクラーゲン「それはどうも。とにかく、この選抜で分からせてあげよう、僕の『才能』をさ」

ロン「へぇ。へい、一つ言っとくぜ」

マクラーゲン「なんだい?」

ロン「見た目と噂でしか人を判断できないならその眼と耳をひっちぎって『才能』だけ口にして生きてろ」

マクラーゲン「!?」

ロン「もっとも、『才能』なんてもん口にした瞬間から底が知れてると僕ぁ思うね。もちのロンでさ」




ネビル「ロン、マクラーゲンと何を話してるんだろ」

ハーマイオニー「さぁ。髭がどうこうじゃないのかしら!あぁハニー、だめよ!後ろ!」

ネビル「ハーマイオニー、それ選抜の邪魔してるだけだと……あ、はい、すいません」




84: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/11(日) 13:51:50.97 ID:eHFGyeWi0


ワァアアア!ワァアアアアアア!
 コーーーマーーーーック!

マクラーゲン「ハハハハハ!ありがとう! ハッ!」

ワァーー!


ハニー「……確かに、マクラーゲンは中々腕がたつわ」

ジニー「もう4回、セーブしたわね。次止めれば、パーフェクト。私のスローだし、絶対きめてみせるけど」

ハニー「期待してるわ。その次の……ロンのためにも」

ジニー「ハニー。私は別に、ロンのためにやるわけじゃないわ。ちゃんとした人がチームに入って欲しいだけ」

ハニー「……そうね。えぇ、ケイティにも言われてたのに。 しっかりやってきて、ジニー」

ジニー「えぇ! そのあとのロンの番ではもっとね!日頃の恨みよ!」

ハニー「……私怨も無しにした方がいいと思うけれど」


ワァアアアア!ワァアアアアアア!

マクラーゲン「きたな!よーし、パーフェクトであの生意気な彼にしっかりプレッシャーを……!!」



ハーマイオニー「あぁ……うー……」

ネビル「いけー!ジニー! あれ?ハーマイオニー、どうしたの?」

ハーマイオニー「えぇ、ネビル。あー……“コォン”だけ“ファン”が“ド”っさりいると、選手はプレッシャーでしょうね!」


マクラーゲン「さぁ……あれ……やぁお嬢さん、そんなところでどうしたんだい?僕がお家まで連れて行って……」

カーン!





リー「ゴール!ゴーーーール!!!グリフィンドール寮新チェイサー、ジニー・ウィーズリーが見事ゴールをきめました!!!!」

ジニー「やった……ど、どっから沸いたのリーーー!?」


ネビル「あれ?なんだか今のマクラーゲンの動き、変な……それにハーマイオニー?さっき、何かし――」

ハーマイオニー「『オブリビエイト』」

ネビル「――――」


ハニー「…………これで、マクラーゲンは一回ミス、ね」

ジニー「最後のあの人、なんであんなとんでもない方向にフラフラ行っちゃったのかしら。変なの」

ハニー「さぁ……さて、それじゃ。ロン!」


ロン「ヒンヒン! 準備バッチリさ、ハニー!」


ハニー「そう、それじゃ。しっかりやりなさい!」


ロン「ヒンヒン! あぁ なんだか今なら、ミスする気がしないよ」



リー「ロン、スーパーセーブだぁあああああああ!」

ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

ハーマイオニー「…………よ、よけいなこと、しちゃったかしら」

ネビル「ソウダネ、ハーマイオニー」




89: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/11(日) 14:07:24.57 ID:eHFGyeWi0


ハニー「新チェイサー、ケイティ、デメルザ、ジニー」

ケイティ「えぇ、ハニー!」

デメルザ「えぇ!」

ジニー「ヒンヒン!」

ハニー「ビーターの、ジミーとリッチー」

ジミー「光栄です!」

リッチー「あとで直に踏んでください!!ヒンヒン!」

ハニー「そうしてあげるわ。それで……ロン!キーパーよ」

ロン「やったぜ!!」

マクラーゲン「待て!待て!!さっきのトライはインチキだ!そっちの、ウィーズリーの妹がこいつの時に手加減したんだ!!」

ジニー「はぁ?馬鹿言わないで、ロンの時は日頃ハニーを独占されてる恨み辛み妬みを込めてシュートしてやったわよ。むしろ呪いの域よ」

マクラーゲン「そ、そこまでは知らないけど!じゃぁ、僕のをやり直してくれ!僕の最後のは、あれは、なにか、そう!ゴールのあたりに、透明な女の子が!」

ロン「おいおいマクラーゲン、寝言は枕の上で言ってくれよな!」

ハハハハハハハハハ!

マクラーゲン「くっ……覚えてろ!!!」

タッタッタッタッタ……

ハニー「……少しケチがついたけれど。ロン、あなたのとびっぷりが良かったのは本当よ。それだけで、十分あなたを選出する理由になるわ」

ロン「ヒンヒン!お褒めの言葉をありがとうハニー!」

ハーマイオニー「えぇ、ロン!すばらしかったわ!ほ、本当に!」

ロン「うわ!? えっと、ま、まぁね!ほら、あれさ!隠れたなんとやらってやつ。しっかしさ、あのマクラーゲンの野郎はなんだったんだろうな。あれだけ大口叩いておいて、最後の体たらくは」

ハーマイオニー「……あー……そうねぇ」

ハニー「……」

ネビル「ワァイ……ホシキレイ」

ハニー「……まだお昼よ、ネビル?」




95: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/11(日) 14:22:38.60 ID:eHFGyeWi0


校庭

ザクッザクッザクッザクッ

ロン「いやぁジニーのやつ、実の兄に容赦ないよな!絶対あのシュートはぬかれた!と思ったね、あぁ!」

ハーマイオニー「そう、そうなの」

ロン「あぁ!でもさ、僕、やってやるぞ!って思ってたというか、体が自然にね!」

ハーマイオニー「凄いわ、えぇ」

ロン「感覚がキュピーンというか、『超感覚』っていうのかな!やっぱりハニーに日頃から触れてるとこんな奇跡容易くおきちまうんだよなぁ!もちのロンで!」

ハニー「そうでしょうとも、えぇ。この私の下なんだものね?」

ロン「ヒンヒン!クィディッチの女神、いいや、全能の女神ハニー万歳!」

ハーマイオニー「あー、クィディッチの話はそろそろやめにしない?もちろん、めでたいことだわ。おめでとう。それより、えーっと……」


「ウォーーーォオオオオオ!アラゴグ、アラゴグゥーーーー!」


ハーマイオニー「……ハグリッドの小屋から聞こえる、なんだか……雪崩のような轟音の方が、気にならない?」

ロン「……なんだってんだろうな。物凄く、いやーな単語が聞こえたけどさ」

ハニー「……行って見ましょう。えぇ、鳴くのはヒンヒンだけ、そう教えてあげないといけないわ」




99: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/11(日) 14:40:45.74 ID:eHFGyeWi0


ハグリッドの小屋

ハグリッド「オーーーイオイオイオイオイオイオイ!」

ロン「テーブルに泣いてつっぷしてらぁ……っと、なんだよこの大樽。おいハグリッド、何があったか知らないけどこんなに酒なんて……うげぇ」

ハーマイオニー「た、樽一杯に、三十センチはありそうな、蛆虫……えぇっと、ハグリッド?これ、何になるの?」

ハグリッド「ウゥウウウ、うぅ、グスッ、そいつは、そいつはなんにもなんねぇ。えさにするだけだ。あらご、アラゴグの……ウォオオオオオ!アラゴグぅうううううう!!」

ロン「あーあ……おいハグリッド、事情を説明してくんなきゃ僕らも同情してやれないよ。マーリンの髭!」

ハニー「ハグリッド、話しなさい。どうして泣いているの? それに、鳴き方はしっかり教えているはずだけれど?」

ハグリッド「うぅ、ヒン、ヒンヒン!すまねぇ、すまねぇハニー。あのなぁ……アラゴグが、病気でよぉ……死にかけちょるんだ」

ロン「やったz痛い!……わー、そりゃ胸がいたいよなー。君の随分むかーしからのオトモダチだろ、奴さんは」

ハグリッド「おぉ、そうだ。せっかく、秘密の部屋の怪物だとかいう疑いも晴れたのによぉ。余生を、グスッ、楽しむ間もなく、夏からずーっと具合が悪いまんまだ……眼がよけりゃ、ハニーをみるだけでよかったのに」

ハニー「……盲いていたものね、あの大蜘蛛は。何か、他に。私達に出来ることはないの?ハグリッド」

ハグリッド「いんや、いけねぇ。アラゴグの眷属どもがな、アラゴグが死にかけちょることで落ち着きがねぇ。今、あの森に誰も入れさせるわけにゃいけねぇんだ……お前さんたちをグロウピーとも会わせられんで、残念だ」

ロン「そりゃ朗報で痛い!」

ハーマイオニー「あー、平気よ、ハグリッド。彼なら元気に暮らしているだろうって思っていたもの……」

ハグリッド「あぁ、グスッ。そうだ、手紙をあずかっちょる。これを読んでやってくれ、ああ。一生懸命文字を覚えてよお、ハニー、ハーマイオニー、お前さん達にだ」

ロン「へぇ、中々気が利く奴じゃないか。なんだい、ハハハ。馬鹿でかい絨毯みたいな紙に、大蛇がのたくったような文字の手紙でも……」

ハニー「……中々、形式ばった封筒ね。蝋で封印もしてあるもの」

ハーマイオニー「……この宛名を書いたのも、グロウプなの?この、流れるような繋げ文字は」

ハグリッド「こないだ覚えてなぁ」

ロン「……マーリンの髭!!!髭!!!!!」




104: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/11(日) 15:04:05.68 ID:eHFGyeWi0


夕方

ザクッザクッザクッ

ロン「結局、ハグリッドが泣いたりグロウプの自慢したり泣いたり笑ったりヒンヒンするもんだから、昼飯を蛆だらけの樽の横で済ます羽目になっちまったなぁ。マーリンの髭!」

ハニー「悲しんでるお友達を、放ってはおけないわ。そうでしょ?」

ロン「ヒンヒン!慈悲深いハニーの優しさで世界が救われるね!毎日四六時中!」

ハーマイオニー「本当にそうだったら世話ないわ。ねぇ、急いで夕食を済ませなくちゃ。ハニーは今夜、スネイプの罰則でしょう?」

ロン「あぁ、いやなことを思い出させてくれるなよハーマイオニー。せっかく今日は最高の気分を味わって……あぁ、どうやらそっちも思い出せそうだ」


 マクラーゲン「うーん、おっと、これはかわいいお嬢さん、どこに行くんd痛っ!!!あ、あれ?なんだ、扉、あぁ……あれぇ?」


ロン「マクラーゲンの奴、城の大扉に激突してら。ハッハッハ、ほーんと、とんだおとぼけ野郎だったよな」

ハーマイオニー「そ、そうみたいね、えぇ」

ハニー「……」

ロン「あれでよく、『才能』がおありのつもりだったよな。そうだろ?さぁ、僕らも入ろうよ」

ハニー「……ロン、先に行って。すこーしだけ、ハーマイオニーと話があるわ」

ハーマイオニー「……」

ロン「ヒンヒン!君の要望とあればね、ハニー!」

ギィィッ

ハニー「……」

ハーマイオニー「……なに、ハニー?ほら、あなたは夕食が……」

ハニー「マクラーゲンは、本当に『錯乱の呪文』を受けたように見えたわ」

ハーマイオニー「……」

ハニー「それに、私。あなたがちゃんと選抜を見ていてくれてるかどうか、気になっていたから。マクラーゲンが守ってた側のゴールポストのすぐ隣の観客席にあなたがいたことも、あの時ネビルが小さな声でヒンって鳴いたのも、聞こえたわ」

ハーマイオニー「……ネビルはただとばっちりを受けただけじゃなかったのね」

ハニー「私の豚だもの、えぇ。何をしたの?」

ハーマイオニー「……」

ハニー「……顔を赤くしたって、かわいいだけよ」

ハーマイオニー「えぇ、そう、そうよ!私がやりました!マクラーゲンを錯乱させたわ!でもね、ハニー!あの人がどれだけロンやジニーのことを影でこきおろしていたか!あんな人はあなたのチームにいたら、滅茶苦茶に――」

ハニー「あら、けれどあんなことしていいの?だってハーマイオニー、あなたは監督生!でしょ?」

ハーマイオニー「あぁ、でも、けど……けど……だって」

ハニー「だって?」

ハーマイオニー「……あなたの飛ぶところ、も……ロンの飛ぶところも、みて、たくて……きゃぁ!?」

ハニー「えぇ、そうね。ハーマイオニー?素直になるのはとってもステキよ?ふふっ、もっともっと見せつけられるようにならなきゃ。色々と、ね……?」

ハーマイオニー「あぁ、ハニー。そんな、あぁ……素直、なんて、なんのことだか、分からないわ……デミガイズが透明になったときくらい済んだ瞳のあなたの前じゃ、無駄なんでしょう、けど……」

ガチャッ!!

ロン「つづけて!!」

ネビル「……ハッ! どうぞ!!!ヒンヒン!やったぁ!」




106: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/11(日) 15:14:49.56 ID:eHFGyeWi0


玄関ホール

ハーマイオニー「ふーっ、ふーっ。絶対、絶対に、素直がどうこうって、あなただけには言われたくないわ!ハニー!」

ハニー「なんのことかしら。私はいつだって自分のやりたいようにしてるわ」

ロン「そうだよなハニー。それに、ハニーは先学期あの想い人にものすごく素直な文句を言い放ったんだろ?なぁネビ痛い!」

ネビル「うん、顔が真っ赤でそりゃもう僕とルーピン先生はなんだこれ砂糖菓子爆発しろって痛い!ありがとうございます!!」


スラグホーン「おやおや、おや!仲が良い友達に囲まれて羨ましいことだ、ハニー!やっと見つけたよ!」

ハニー「あら、こんばんはスラグホーン先生。なぁに?私にご用?」

スラグホーン「左様!今晩の夕食の後に、私の部屋で開くちょっとしたパーティに来ないかね?希望の星が何人も参加しているよ!もちろん、ミス・グレンジャー!あなたも参加していただけると大変嬉しい!」

ロン「……おーっと、どうやら僕ぁいつの間にか『目くらまし術』を自分にかけてたらしいぜ」

ネビル「僕もだ……きっと僕の学校での成績を見て選考外になったんだろうね、ハハハ」

ハニー「お誘いは嬉しいのだけれど、先生。私、今日はスネイプ『先生』の罰則があるの。それで……」

スラグホーン「なんと! それは残念……よし!わたしがセブルスに話を通しておこう!なぁに、彼のことはよく知ってる!きっと罰則を延期できると思うよ。それじゃぁお二人とも、またあとで!」

ハーマイオニー「あっ……あー……私、行く気はなかったのに」

ハニー「私はきっと無理よ。一度延期された罰則だもの。相手がダンブルドアならまだしも、これ以上私を痛めつけるチャンスをスネイプが先延ばしにするわけないわ」

ハーマイオニー「なんとかならないかしら。あー、一人で行くのはいやだわ」

ロン「きっとジニーも呼ばれるだろ。それに、あの間抜けなマクラーゲンもな」

ハーマイオニー「あんな人、どうでもいいわ! ジニーと一緒にいることにしましょう」

ロン「そうかい、そりゃいいや。もちのロンでね」




108: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/11(日) 15:38:41.11 ID:eHFGyeWi0


大広間

ガヤガヤガヤ

ハーマイオニー「……夕刊に、アーサーおじさまの名前が載ってるわ」

ロン「……………最後の一本が抜け去った、とか?」

ハーマイオニー「動揺を隠そうとしてるんでしょうけどそれやめて。平気よ、事件に巻き込まれたとかそういう類ではないわ。マルフォイの家に強制捜査に入った、って」

ハニー「『――死喰い人の家での二度目の家宅捜索は、なんら成果をあげられなかった。「偽の防衛呪文ならびに保護危惧の発見ならびに没収局」局長アーサー・ウィーズリー氏は、「今回の捜査はある秘密裏の通報に基づいておこなったものであると語った――』」

ハニー「この通報って、私だわ!キングズ・クロスでお父様に、マルフォイがボージン・アンド・バンクスで何かを修理しようとしていたって教えたもの!」

ハーマイオニー「あぁ、ハニー……」

ロン「ハニー、ほんと、マルフォイのやつにとり憑かれてやしないかい?困ルフォイ」

ハーマイオニー「あなたもね」

ハニー「自宅になかった、ということは……そう……マルフォイはそれじゃ、やっぱりこの城に『何か』を持ち込んだのね」

ハーマイオニー「お言葉だけど、ハニー。そんなのありえないじゃない?ここに入るとき、検査されたでしょ?」

ハニー「検査?」

ロン「あぁ、ハニーは特別待遇だったからねいつもだけど。僕らみーんな、校門をくぐる前に怪しい物を持ち込んでないか、ムーディをちょっと優しくしたような連中に検査されたんだよ」

ネビル「ほら貝が持っていかれそうになってびっくりしたよ!」

ロン「あぁ、あの時すでに僕らボロボロだったのに、ネビル、君は相変わらずの漢っぷりだったなぁ。何がそこまでほら貝にかきたてられるのかは不思議だけど」

ハーマイオニー「その点からみて、ちょっとおかしな道具ではあるわよね……とにかくハニー、マルフォイだって例外じゃないわ。持ち込むなんて、ありえない」

ハニー「それじゃ……あの威張り腐った母親が、ふくろうで」

ハーマイオニー「ふくろうも全部検査されてます!今度からは全て『検索センサー』でチェックするって、フィルチが監督生に言ってたわ」

ハニー「……」

ハーマイオニー「もういい?ねぇ、ハニー。マルフォイを悪者にしたいのも分かるけど、あんまり固執しすぎよ!何も世の中の企て全てがマルフォイに関係してるわけじゃないわ!あなたは、ちょっと……」

ロン「おい、言いすぎだよハーマイオニー。ほら、さっさと食べないとパーティに遅れっちまうぜ?ステキなステキなパーティにさぁ」

ハーマイオニー「……スラグホーンが馬鹿馬鹿しいパーティに私達を参加したのは、私のせいじゃないわ!何よ!行きたいならそう言えば!?」

ロン「はぁ!?ジニーにマクラーゲンの馬鹿が馬鹿しないか頼めば済む話だから僕が行っても意味ないだろ!何言ってんのさ、君!」

ハーマイオニー「なによ!」

ロン「なんだよ!!マーリンの髭!」

ハニー「……」

ネビル「……えーっと、ハニー?これって要約すると……ロンについてきて欲しいハーマイオニー、ハーマイオニーがマクラーゲンに近寄らないならそれでいいけどとりあえず言い方にカチンときたから言い返すロン、ってこと?」

ハニー「正しく、そうよ」

ネビル「うわぁ。爆発四散すればいいのに」

ギャーギャー!ギャー!
 マーリン!マーリン!

デメルザ「えーっと、ハニー?あの……」

ハニー「……あら!ハァイ、デメルザ。良かったわ、あなたはすぐに話してくれて。なぁに?」

デメルザ「あの、忙しいところごめんなさい。伝言なの、先生から」

ハニー「……スラグホーン?」

デメルザ「ううん、あの、オホン。あー……『ワガハイの今晩八時半からの罰則は、たとえ君がどれだけのパーティに招待されようとも受けることですな。腐った「レタス食い虫」とそうでないものをよりわける作業であーる』って……スネイプ先生が」

ハニー「……巧みな声真似で、どうもありがとうデメルザ。わざわざ、人を使って……ほんと、嫌な人だわ。スネイプって」




122: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/12(月) 14:13:54.84 ID:5kUphKVC0


十月半ば

談話室

ロン「スネイプのS.P.E.Wが止まらない授業も、宿題山盛りなほかの授業もようやく慣れてきたよねハニー。全部君という存在のおかげさもちのロンで」

ハニー「えぇ、そうね。すべての成功の影には私がいるわ、安心しなさい。それで……今日の朝食にも、あの意地悪豚はいなかったわね」

ロン「もう何日も留守にしてるよな。ハニー分足りなくなってぶっ倒れてるんじゃないだろうね」

ハニー「去年ほとんどそうしなくても平気だったあたり心配いらないわ……また、探しているのかしら」

ロン「何をだい?君に見せるための記憶とやら?」

ハニー「そんなところかしら……それとも、指輪とか?」

ロン「へぇ、あの人そんな趣味があったのかい?あの細長い指なら各指に五個ずつつけられそうだよな」

ハニー「見せびらかしてそうで嫌だわ……私からふった話題だけれど、ロン。課題を進めなさい」

ロン「ヒンヒン!君に言われれば羊皮紙三巻きだって豚飯前さ!!でも、あー……なぁハニー?明日はホグズミート休暇じゃぁないか。終わってからじゃ……」

ハニー「あら、私の命令を聞けない豚さんの背中には座っていられないわね」

ロン「!待って!待ってよハニー!やるよ!今すぐ速攻でこいつを書き上げるよあぁハニーの暖かさが背中にないだけでこんなに寂しくなるなんて四年生の時の馬鹿を思い出すよちくしょうマーリンの髭!!」ガリガリガリガリガリガリ

ハニー「しっかりやりなさい……今授業中のハーマイオニーと、彼女に代わってあなたにきちんと課題をこなさせる約束をしてあげたんだもの。それまで私は、不満だけれどこっちのソファに座るわ」

ロン「あぁ!こんな時に限って予備クッション豚のネビルもいないんだもんなぁ!」

ハニー「自分の不始末をほかの豚に押し付けないの」

ロン「ヒンヒン!ごめんよネビル!明日カエルチョコおごってやるよ!」

ハニー「それでいいわ……さて、私は待っている間……」

ロン「あぁ、そうだねハニー。ハーマイオニーもいないし、『上級魔法薬』を眺めておくにはもってこいの時間さ!」

ハニー「言ったでしょ?これ、ただ教科書に関する書き込みだけじゃなくてたくさんためになることも書いてある、って。ハーマイオニーは使うと怒るけれど……『耳ふさぎ』なんて、うまく使えば授業中でも彼女と仲良くナニかできるわ」

ロン「かけた相手が近づいてくると正体不明の雑音が耳に響いて話してる声が聞き取られなくなるっていうおったまげーな呪文だよね!期待してるよハニー!」

ハニー「豚の期待にはこたえなくちゃいけないわね。さっ、その前にあなたは私からの期待にこたえるべきじゃないかしら?」

ロン「ヒンヒン!ごめんよハニー口を開くとすぐ君に対する賛美がこぼれ出ちまって!その本で仕入れた『舌を口蓋に貼り付ける』呪いでも行使しちゃってよ!」

ハニー「ほんと、便利な呪文がたくさんね。ハーマイオニーはどうしてあんなに怒るのかしら……」

ロン「堅物だからなぁ。そこに『脳みそをやわらかくする』って呪文はないのかい?毎日使ってやんなきゃ、もちのロンで」




124: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/12(月) 14:37:04.39 ID:5kUphKVC0


ロン「これが終わればハニーの感触これが終わればハニーの体温これが終われば明日は休日ホグズミートやったぜロナルド明日はスニッチ・キャッチだ!」ガリガリガリガリガリガリ

ハニー「がんばりなさい、ロン」

パラパラパラッ

ハニー「……(だんだん、この人、プリンスの文字を見分けるのも早くなってきたわ)」

ハニー「……(ハーマイオニーが前に言っていた通り、細かくて神経質そうな文字……女の人かどうかは、分からないけれど)」

ハニー「……(『足の爪が驚くほど早く伸びる呪詛』……何に使えばいいのかしら。足にマニキュアを塗るとき、とか?)」

ハニー「……(今度ハーマイオニーと一緒にやってみましょう……あら?これ……)」

『レビコーパス 身体浮上(無)』

ハニー「……(これ、きっと無言呪文、って意味よね?)」

ハニー「……(今のところ……無言呪文はてんでうまくいっていないわ。スネイプにもいつもの童貞丸出しな嫌味をグチグチ言われてばかりだもの)」

ハニー「……(これだけがそう上手くいくはずも……けれど、今までスネイプよりはよっぽどこのプリンスに助けられたことは、確かだわ)」

ハニー「……(杖を……それで)」

ハニー「(『レビコーパス!』)」


バーーーーンッ!!

ロン「ハハハハハハいくら積まれたってこの名誉ある豚の席は代われないぜ……うわぁあああああああああ!?!?!?」

ハニー「!? ろ、ロン!?えっ!?あ、あぁ!あなた、ちゅ、宙吊りに……!」

ロン「な、なんだいこれ!?なにがどうなって……ハッ! ハニー!!!」

ハニー「! あの、ごめ、ごめんなさ――」

ロン「やったよ!!!やった!!!!僕!!ついに単独で空を飛べるようになったんだ!!!!やったぞ!!これで君を本当に背中に乗せて飛びまわれる!!よーし、ちょっと談話室を一周、あれっ、くそ、上手く動けないな!マーリンの髭!」

ハニー「ちが、違うのよ。ロン、あまり暴れないで!今、すぐにおろす!おろすわ!!」

ロン「あぁハニー!あわてた君も素敵だね!大丈夫、豚の進化は君の加速度的に美しくなる御身ほどじゃないけど止まらないからいつかこうなるとは思ってたさ!もちの僕で!」

ハニー「えぇっと、反対呪文、これを解除するための呪文、は……!」

ロン「ところでハニー、あのさ、あー、真下に来られるとなんとなーく僕いやーな予感が、いや、むしろきっと得することも多いんだろうけどなんだか僕の第六感及び一番豚の勘がキュヒーンって……」

ハニー「あった!これよ! 『リベラコーパス!身体自由』!」

パッ

ドサッ!!

ハニー「きゃぁ!」

ロン「うわぁ!!」


パカッ

ハーマイオニー「あぁ、数占いは本当に大変だわ……二人ともお待たせ。明日の予定――」

ハニー「いった、いわ、よ、ロン……あぁ、でもこれも私のせいね。わたしが、あなたにあんなこと……」

ロン「ごめんよハニー!いてててっ、君の上に着地しまうなんて、でも、上って言っても腕はすぐさま君の頭の後ろとか背中とか腰に回して君が衝撃を受けないようにがんばったからね割と……あ」

ハーマイオニー「……」

ロン「……違うんだ」

ハーマイオニー「とりあえず、あなたの明日、からの予定は。医務室で昏睡でいいのかしら?」




129: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/12(月) 14:53:18.92 ID:5kUphKVC0


ハニー「――というわけで、私が不用意に使ってしまったのがいけなかったのよ。ロンを怒らないであげて」

ハーマイオニー「……そういうことだったの」

ロン「あぁハニー、君は本当優しいね。でもさ、うん。ちょこーっとだけその説明を早くしてほしかったなぁ。いや、君にケチつける気なんてマーリンの髭ほどもないんだけど、そうしてくれたら僕もう少しまぶたの腫れが引いて前が見えてたかもしれないよ」

ハーマイオニー「なんにせよハニーにあんな構図で接近していいのはあなたじゃないわ」

ロン「どんなだい?再現して、どうぞ」

ハーマイオニー「しないわよ……しないわよ!ハニー!それ以前に!そこに直りなさい!」

ハニー「……怒ってる」

ハーマイオニー「当たり前よ!何度も言ったでしょう、その教科書に書いてあることを信じるのも、未知の呪文をバカスカ試すのもやめて、って!今回みたいにとんでもないことになったらどうするの、って!」

ロン「あの、僕がトンデモナイことになってるのは、呪文というより君のせいで……あ、いいや。ハーマイが見えない」

ハーマイオニー「いい判断よ。 もしも魔法省が許可していない類の呪文だったらどうするの?ハニー、私、やっぱりそのプリンスが怪しげな人物だと思えてきたわ」

ハニー「そんな呪文だなんてこと……だって、これ……そう、そうよ!」

ハーマイオニー「なに?」

ハニー「パパが使ってたわ、この呪文!そう、あの効果……もしかして!!あぁ!!」

ハーマイオニー「……」

ロン「……」

ハニー「この教科書、まさか……!!」

ハーマイオニー「……ハニー。その、あなたの期待に輝かせた顔は、とってもとっても、素敵なんだけど。あー」

ロン「えーっとさ、ハニー。君のパパはたぶん純血だったはずじゃないかな」

ハニー「でも!自分で『王子』だなんて……パパっぽい!!」

ハーマイオニー「それは……あー」

ロン「……あー」

ハニー「…………言ってて悲しくなったわ。忘れて」




132: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/12(月) 15:17:07.88 ID:5kUphKVC0


ハーマイオニー「それ以前にね、ハニー。この呪文を使ったのを見たこと、ほかにもあるわ。覚えてる?」

ロン「なんだい?君が僕にぶち切れて逆さづりにして顔面サンドバックにするときとか?」

ハーマイオニー「今度からは是非にそうさせてもらうわ。違う。ほら、クィディッチワールドカップの夜の騒動を覚えてる?」

ハニー「……死喰い人()たちが、マグルの門番の人たちを空中に……それと同じ、ってこと?」

ロン「おいおい、どうしてもこの『王子』を悪者にしたいからって、いきなりあの恥ずかしい名称の連中と結びつけるのは暴論過ぎるぜハーマイオニー。だって、この『王子』が連中の走りなら、わざわざ自分から『半純血』なんて名乗らない、そうだろ?」

ハーマイオニー「『王子』『王子』って称号のように呼ぶのはやめて。それに、死喰い人たち全員が本当に純血だとは限らないわ。純血のフリをした半純血がほとんどよ」

ハニー「……なんちゃってファッション純血?」

ロン「ヒューッ、言いえて妙だねハニー。その通りさ、連中の言ってる完全な純血なんて今の世の中どこ探したってそうそういやしないよ」

ハニー「ただの受け売りだけれどね。そうね、完全な純血……ありえないわ」

ハーマイオニー「そう。あの人たちが目の敵にしてるのは、私のようなマグル生まれだけ。だから、あなたたちなら仲間に入られるでしょうけど……」

ロン「冗談よせよ。ウィーズリー家は昔っから血を裏切る者さ。『純血だなんてくだらない気持ち悪い枠組みに入れんなマーリンの髭!』って連中に喧嘩売ったようなご先祖様だぜ?」

ハニー「そうね。私のことを殺したくなくなれば、きっと仲良くなれるのかしら?豚扱いはしてあげないけれど」

ハーマイオニー「……そう。みーんなあなたたちみたいになれば、平和なんでしょうけどね」

ロン「その前に君がああいうのを黙らせるのが先かな。知力と武力で」

ハニー「文武両道ね」

ハーマイオニー「なんだかその評価、すごくうれしくないわ……」

ジニー「ついでにハーマイオニーもクィディッチはじめればどうかしら。ハァイ、ハニー!」

ロン「そりゃ無理さ、箒の道は放棄してるからなぁハーマイオニーは」

ハーマイオニー「たまたまその道が残ってただけのあなたに言われたくないわ」

ハニー「ハァイ、ジニー。授業は終わったの?」

ジニー「えぇ!それで、これあなたにまたまた伝言。ダンブルドアからよ!」

ハニー「! 『月曜の夜!』それじゃああの人、帰ってきたのね? ふふっ、どんなお土産を持って帰っているのかしら」

ジニー「ハニーがうれしそうで運んだ甲斐があったわ!ヒンヒン!お土産といえば、明日のホグズミートでのお土産お願いね!私いかないから」

ハーマイオニー「いいけど、どうして残るの?」

ジニー「ディーンと過ごすことになってるのよ」

 ロン「ヘイヘイ、コリン。重要任務だ。あの二人がオイタをしないか見張っておけよ。邪魔できたら最高だね」

 コリン「それじゃ、このあいだのネガ返してもらえますか?」

 ロン「仕方ないな、今回だけだぞ。あとで焼き増ししろよ?」

 コリン「合点だよ!」

ジニー「……どっちが先かな」

ハーマイオニー「……まずは写真とやらをとっちめましょうか」

ハニー「……変わらないわねぇ、もう。ロンはジニーのことより、自分のことに真剣になるべきだわ。ねぇ、ハーマイオニー?」

ハーマイオニー「なんのことかしら、さっぱりだわ」




133: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/12(月) 15:39:46.97 ID:5kUphKVC0


校門

ゾロゾロゾロゾロ

フィルチ「許可書と、鞄の中身を見せろ!『検索センター』で調べてから順番に外に出す!」

ロン「おいおい勘弁してくれよ。ホグズミート行きの生徒みーんなあぁやって、上から下まであいつを当てる気かい?日が暮れっちまう」

ハーマイオニー「仕方ないじゃない、安全対策よ」

ロン「まじめに考えて、外に持ち出すのをあんなに入念にやってどうすんのさ」

ハニー「それも、そうね。だって、入学式の日にフィルチが見る以上のチェックを受けたのでしょう?」

ロン「その通りさハニー!やるなら帰りに中に持ち込む物をチェックするべきだろ?ったく、フィルチの野郎も悪いのは意地だけじゃなくって頭まで――」

フィルチ「次!!よし!!頭が怪しい!!!」

バキャッ!

ロン「ぎゃぁ! つ、突っつくなよこの老害!!マーリンの髭!髭!!!」

ハニー「……なんにせよ、早く村に行きたいわ。すっかり冬模様ね」

ハーマイオニー「ホグズミート村はもっと寒くなるからいずれにせよこの服装だったでしょうけど……暖かい談話室で過ごした方が正解だったかしら……きゃぁ!?」

ハニー「ジニーたちみたいに?平気よ、ハーマイオニー。ほら、ふふっ。暖かくなれる場所は、何もあそこだけではないじゃない……?」

ハーマイオニー「あ、あぁ、だめ、だめよハニー、そんな、外でなんて、って、何度も、あぁ、暖かく、それは、あなたと触れ合ったら、放っておくとアッシュワインダーがやってきそうなほど、火照ってしまう、けど……」

ロン「いだだだだだだ つづけて!!」

フィルチ「おいガキども!!!乳繰り合うのはよそでやれ!!!」

ロン「ほんと使えないなお前!マーリンのひ、いででででででで!!それやめろよ!!」




134: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/12(月) 16:02:38.26 ID:5kUphKVC0


ホグズミート村

ハニー「……ここも、ダイアゴンと同じく閑散としてしまっているわ」

ロン「うわ、『ゾンコの悪戯専門店』がしまってら……いや、あれはひょっとしたら『あの人』関連じゃなくて、あの双子のせいで商売できなくなったのかもしれないけど……」

ハーマイオニー「他にもいくつかシャッターが閉まってるわね……あ、でも『“ハニー”!!・デュークス』は開いてるみたい」

ロン「そうだね、『“ハニー”!!ヒンヒン!・デュークス』は!」

ハニー「私の名前を呼べて嬉しいのは分かるけれど普通に呼んでいいわ。それじゃ、あそこに入りましょ?」

カランカラン

ロン「ふぅ、助かったぁ。いくら吹雪かれてハートはハニーが入れば問題ないけど、流石に凍らされたら豚でも動けないからな」

ハーマイオニー「人ならみんなそうよ……暖かくてたすかるわね」

ハニー「もっと助けてあげてもいいけれど……甘い匂いが心地いいわ。一時ここにいましょう。しばらくしたら、三本の――」


スラグホーン「ハニー、ハニー!」


ハニー「……しまったわ」

ロン「あー……あの巨体を見逃すなんてどうかしてたぜ。マーリンの髭」

ハーマイオニー「……クィディッチの練習を理由に何度もディナーの誘いを断るから、会いづらくなるのよ」

ハニー「何度も、じゃないわ。三度だけよ」

ハーマイオニー「その都度私は一人であそこで愛想笑いする羽目になっているのよ!ジニーも練習だもの!」

ロン「お楽しみだこって。おっと、スラグホーンの爺さんよくこの大賑わいを掻き分けて来られたな……」


スラグホーン「やぁ、やぁ。良い休日を過ごしているかね?」

ハニー「えぇ、先生。先生はどうかしら」

スラグホーン「あぁ、とても充実している!ここの店主アンブロシウスが私の生徒だということは前に教えただろう?店の運営と、新作のことで話をしていたのさ!君も一缶どうだね、まだ誰も口にしていないこの新作ヌガー!」

ハニー「あー――いただくわ」

スラグホーン「いいとも、それでは今度のディナーでふるまうこととしよう!」

ハニー「……あー」


ロン「……こいつ、セールス魔ンにでもなった方がいいんじゃないか?」

ハーマイオニー「とんでもない成績を収めそうよね、えぇ」




135: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/12(月) 16:22:03.99 ID:5kUphKVC0


スラグホーン「ハニー、もう三度もわたしのディナーを逃しているんですぞ?」

ハニー「それについては本当にごめんなさい。私、ほら。クィディッチで忙しいものだから」

スラグホーン「それは、あぁ。君はおそらくとてもいい選手なのだろうね、それは分かっているんだ……ミス・グレンジャーはあの会食をとても気に入ってくれている!そうだろう?」

ハーマイオニー「えっ!?あ、えぇ!とーっても!」

ロン「マクラーゲンとよろしくしてるってわけかい」

ハーマイオニー「目もあわせないわよあんな人とは。一度『送ろうか?』なんて言われたけど、マクゴナガル先生に聞くことがるからって巻いてやったわ」

ロン「ならいいけどさ、マクゴナガル様様だな」

スラグホーン「たまの息抜きくらいはいいのではないかと、わたしは思うがね、ハニー?今度の月曜は、どこのチームも競技場の予約をしていないようだ!参加してもらえるだろうね?うん?」

ハニー「あー……ごめんなさい。その日は、意地悪、ダンブルドアとの約束が」

スラグホーン「……アルバス……奴め……わたしが、昨日その話をしたのに……野郎」

ハニー「お菓子の箱がつぶれてるわ先生落ち着いて」

ロン「ナイス判断、同胞」

ハーマイオニー「あーあ、また一人だわ……」

スラグホーン「なんというか、ついてないなぁ。だがハニー、いつまでも不運は続かんさ!また追って連絡しよう、それでは。ミス・グレンジャーも良い午後を!」

ノッシノッシノッシノッシ

カランカラン!

ロン「……僕のこと、『ゴキブリごそごそ豆板』かなんかと同じくらい見向きもしなかったぜ」

ハニー「そういう人よ、ロン。割り切りなさい」

ロン「ヒンヒン!あぁ、僕には君の目線だけあれば十分だしね、もちのロンさ!」




136: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/12(月) 16:46:35.50 ID:5kUphKVC0


カランカラン

ロン「ネビルにやる分とコリンにやる分は買ったから、次は三本の箒……相変わらず寒いや。二人とも、僕を盾にしてくれてかまわないよ。あぁ、ハグリッド程風除けにはならないだろうけどさ」

ハーマイオニー「いいえ、十分広いと思うわ、あなたの背中……十分」

ハニー「できる豚は好きよ、ロン。さぁ、凍えきってしまわないうちに向かいましょう」

ロン「ヒンヒン! ほんと、通りを歩いてるのもホグワーツの生徒ばっかりだなぁ」

ハーマイオニー「みんな外出を控えているのよ。どこに行くにしても、誰かと一緒でないと危険って魔法省が警鐘を鳴らしているし……一人で出歩く人なんて」

ハニー「……あそこに、いるわね。一人だけ。歩いてるというよりは、何かを売っているみたいだけれど」

ロン「ダイアゴンにニョキニョキ生えてた露天商って奴なのかな?まーた胡散臭いもん売ってるんじゃ……あれ?どっかで見たことあるような……あ!」

ハーマイオニー「……存在から、胡散臭いわね」

ロン「そう言うなよ……ダグ!ヘイ、マンダンガス!」

マンダンガス「やすいよーやすいよー!!名家の名品大安売りで……うげぇっ!?」

ハニー「ハァイ、ダグ。久しぶりね、何を売って……」

ササササッ、バタンッ!!

マンダンガス「へ、へへ。な、なーんでもねぇんでぇ、よう、アリー。そんじゃ、かまわず行ってくれや」

ハーマイオニー「かまわず、って。あなたねぇ、せっかくハニーに会えてそれ……あら?」

ロン「お? おい、ダグ。なんかしまい忘れてるぜ。これ……ゴブレッド?」

マンダンガス「!」

ロン「なんだい?こいつで代表選手でも選ぶって――うわ!?なんだよ、いきなりつかみ、いてて!」

マンダンガス「けぇーしてくれ!けぇーせ!俺ぁすぐに移らねぇと!ほら、忙しくってよぉ……!」

ハニー「……ロン、離さないで。マンダンガスの方も」

ロン「? オーケー、ハニー!ヒンヒン!おらダグ、動くなよ」

マンダンガス「!?や、やめろ!離せ!返せ!それ、それぁ俺んで……」

ハニー「……いいえ、違うわね。ハーマイオニー。そのゴブレッドの底、見覚えない?」

ハーマイオニー「底? 何が……これって……ブラック家の紋章?」

ハニー「……あそこから盗んだってわけ?」

マンダンガス「ち、ちげぇ、ちが、そ、そいつぁ俺んだ!盗んでなんてねぇ!ちーとばっか金に換えるため、借りただけでよぉ!!」

ハニー「黙りなさい!!この――かわいい豚だと、思っていたのに!!この!!!!」

ハーマイオニー「! ハニー、だめよ!杖なんて!」

ハニー「離して!それじゃ、っ、肩くらい外して、ダンブルドアのところにひっぱってってやるわ……!」

ロン「ヒンヒン!実力行使にでちゃう君も素敵だよハニー!」

マンダンガス「ひぃ!?じょ、冗談じゃねぇ、冗談、あ、あばよ!!」

バチンッ!

ハニー「っ、姿くらまし……覚えてなさい、マンダンガス!!!跪くだけじゃ、許してあげないんだから!!!」

ロン「どうどう、ハニー……とりあえずこのトランク分は取り返せたわけだしさ」

ハーマイオニー「それにしても……騎士団全員が引き上げた後に侵入したのよね?なんて手際なのかしら……活かす方向を完全に間違えてるけど」




137: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/12(月) 16:59:39.80 ID:5kUphKVC0


三本の箒

ハニー「許せないわ!!本当に許せない!!」

ハーマイオニー「えぇ、分かるわハニー。だから落ち着いて。どれだけ悔しがっても、もうマンダンガスはどこかに行ってしまったわけだし……」

ハニー「だって!あいつ、は!シリウスのものを盗んでたのよ!?」

ハーマイオニー「えぇ、そうよね。怒るのも無理ないわ、だからせめて、せめて小さな声にしましょう?ほら、店中の人が見て……」

ハニー「私が周囲の視線を独り占めするのはいつものことよ!!そうよねこの豚ども!!」

ヒンヒーーーーン!
 ヒンヒンヒーーーーン!!

ハーマイオニー「とてもノリのよすぎる一団がいるのは分かったわ!でもほら、あそこの住みの柱で一人格好つけてるザビニみたいな人もいるし……あぁ、あれがザビニってるってことなのね」

ハニー「どうでもいいわ!あいつ!マンダンガスは――」

ロン「お待たせ、ハニー!ヒンヒン!バタービールを持ってきたよ!」

ハニー「黙って!今はとにかく、どうやってあの――」

ロン「そうかい? せっかくこういうのが今手に入ったことだし、マダムに頼んであの闇に煌く一等星さんがよく屋敷で使ってたゴブレッドに注いでもらったんだけど」

ハニー「ロン!!」

ロン「ヒンヒン!」

ハニー「頭とお腹、どちらをなでられたいかしら!!」

ロン「どっちもって言っていい流れだね!もちのロンで!やっほう!!」

ハーマイオニー「……心得てるわねぇ、扱いを」

ロン「当たり前だろ、僕はハニーの一番の豚だぜ?」




138: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/12(月) 17:02:15.74 ID:UAmb6TkAO


ロンさんの手際が鮮やかすぎるぜ




139: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/12(月) 17:05:25.22 ID:T/ZkVJdio


むしろハニーがロンさんに飼われてるんじゃ…




140: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/12(月) 17:14:46.17 ID:03gK7LKSO


ロンはもう将来執事かなんかでもやったら天才なんじゃなかろうか




141: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/12(月) 17:17:19.74 ID:5kUphKVC0


ハニー「んくっ、んくっ……」

ハーマイオニー「……あれから、上機嫌で、大事そうにゆっくり飲んでるわ」

ロン「そりゃそうさ。ゴブレッドのふちを見ながら、たまに顔を赤くしつつね!」

ハニー「……んくっ」

ロン「ヒンヒン!こぼしたくないから叩くことも蹴ることも叶わなくて僕のことを睨み付けるハニーの目線で僕ぁ石になっちまいそうだよ!」

ハーマイオニー「バジリスクにしないで……ねぇ、ハニー。飲み終わったら、今日は戻りましょうか」

ハニー「……ぷはっ。そうね、楽しめはしなかったけど、実りはあったわ」

ロン「ちなみにドビーに手紙書いて、君が座るテーブルには今から持っていく食器類で出すように頼んでおいたよ」

ハーマイオニー「……豚ってすごいわね」

ロン「ハニー以外が豚って言うなよ! そんじゃ、行こう。例によって僕を先頭に……あれ?ケイティたちだ」

ハニー「? あら、本当。と言ってもあまり他に行くところもないでしょうからそうなるわ……ハァイ、ケイティ。それにお友達の、リーアンだったわよね?」

リーアン「あ、ハァイ。覚えててもらえて当然よ……ケイティ?ほら、聞いてる?」

ケイティ「……」

ハニー「……け、ケイティ?まだ怒っているのかしら。あの……」

リーアン「あ、そうじゃないのそうじゃないの!なんだかね、さっきから様子が……」

カランカラン!

リーアン「け、ケイティ!?ちょっと、ほら!ちゃんとニット帽かぶらないと、そのドレッドヘア維持するの大変なんでしょ、ケイティ!?ご、ごめん、いくわね!」

ケイティ「運ばなきゃ、運ばなきゃ……早く……あの人のところへ」

バタンッ

ハニー「……なんだったのかしら」

ロン「……いまさらあの髪型に後悔してんのかな」

ハーマイオニー「そこに触れるのはやめてあげましょう……うつろな目だった、わね」




150: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/12(月) 22:35:31.91 ID:SZrfRNKL0


ホグワーツへの小道

ザクッザクッザクッ

ロン「この道のりもさ、馬車、おっと、皮豚車だとあっという間なのに歩くと割りと長いよな。ヘイハニー!疲れたらいつでも僕の背中にヒンヒンさ!」

ハーマイオニー「そういえばセストラルはそんな称号をもらっていたわね……」

ハニー「平気よ、心配しなくていいわ……むしろ心配なのは」


 リーアン「ねぇ、聞いてるのケイティ!あなたちょっと変よ?」

 ケイティ「何もおかしくないわ、何も何もおかしくないわ。私はこれを持って行くだけよ、それだけよそうよもって行くの」


ハニー「……前を歩くケイティの、あの様子だけれど」

ロン「なんなんだろうなぁ。変なもんでも食べたとか?」

ハーマイオニー「三本の箒だし、そうは考えられないとおもうわ……あの様子、どっちかと言うと……あっ!」


 リーアン「さっきから運ぶ、運ぶって!これも一体なんなの!?さっきまでこんなの……お城に変なものを持って入るなんてだめよ!貸して!」

 ケイティ「! 離して!あなたには関係ない!運ばなきゃ!はなし……あぁっ!」

ビリビリッ!


ロン「あ!ケイティの持ってた紙袋が破けっちまった……ありゃなんだ?」

ハーマイオニー「……首かざり、かしら」

ハニー「……あれ、どこかで……あっ!!」


 リーアン「!? け、ケイティ、ケイティーーーー!!」

   ケイティ「あ……あはは……私、飛んでるわ。このまま飛んで、城にこれを……」


ロン「すっげぇやケイティ!!!ヒトなのに飛んでる!!逆さづりなんかじゃなくて!!教えてくれよ!頼むよ!」

ハーマイオニー「そんなこと言ってる場合じゃないわ!あの首飾りがケイティの手に触れた瞬間、あんな……」


 ケイティ「キャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」


ハニー「っ! ケイティ!ケイティ!!!」


 ケイティ「イヤァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 リーアン「あぁ、ケイティ!み、みんな、助けて!手を貸して!!」

ハニー「っ、当然よ!ロン、ケイティの足を引っ張って!宙から降ろしてあげないと……」

ロン「あぁ! せー、のっ!! うわっ!! あぁ、なんだ。おもったより簡単に降りて……」

ケイティ「イヤアアアアアアアアアァアアアア!!!はなしてぇえええええええ!!」

ハニー「っ、苦しむのは変わらないのね……ここからだと、ハグリッドの小屋が一番!いくわよ、ロン!ハーマイオニー、ここでリーアンと一緒にケイティの手を押さえてて!」

ロン「合点さハニー!ヒンヒン!四足歩行の僕は獣も顔負けだぜ!!」

ハーマイオニー「あぁ、えっと、えぇっと!!前に気をつけて!!もう!!どこから!!どこから焦ればいいやら!!!!」




151: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/12(月) 22:43:47.91 ID:6295dStZ0


もうロンさんはヒトとしての進化の道からはみだしてんな……




152: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/12(月) 22:54:37.72 ID:SZrfRNKL0


ハニー「急いで!急ぎなさい、ロン!」

ロン「ヒンヒン!あぁ!なんだかこの鳴き声がいつになくしっくりくるよ!ヒンヒーン!」

ハニー「なぁに?私のかわいい豚はいつだってそう鳴くに決まってる、そうでしょ!?」

ロン「そりゃそうさ君の言うことだからね間違いな……うわっ!!っと!!」

ハニー「きゃっ!……っ、ロン、なんで急に止まって……あぁ!」

ハグリッド「おぉ、ハニー!それにロン……おう、どうした?本当に豚になっちまったのか?え?」

ロン「もとから僕らは豚だろ何言ってんだ」

ハグリッド「それもそうか!ヒンヒン!おぉ、そういやグロウプに会いにいっちょってなぁ。あいつに豚ルールの話をしてやったら、きっちり書面に起こしてPR活動を行いホグワーツを豚の規律で高めるべきだ、っちゅうよくわからんことを――」

ハニー「それは、えぇ、いまはいいの!後にしなさい!ハグリッド!生徒が呪われたの、この先で!」

ハグリッド「の、呪い!?呪いっちゅうたか?誰が――あぁ、ロン、おめぇさんか?」

ロン「僕らがハニーの魅力にすっかりまいっちまってるのはいつものことだろ」

ハグリッド「それもそうか。って、ことはハーマイオニーか!?」

ハニー「違うわ……説明しているのももったいない!ハグリッド!いいから着いてきなさい!ロン!」

ロン「ヒンヒン!ハグリッド、こっちだ!ハニーの豚になりきれ!そうすれば君も!」

ハグリッド「! そうか!よしっ!ヒンヒン、ヒーーーン!」

ダダッダダッダダッダダッ!!


ケイティ「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」

リーアン「ケイティ、しっかり!ケイティ!」

ハーマイオニー「器を確かに、ケイティ!……あ!戻ってきて…………」


ハニー「ハーマイオニー!ケイティは無事なの!?!?」

ロン「ヒンヒン!」

ハグリッド「ヒンヒン、ヒーーーン!」



リーアン「……犬ゾリ、いいえ、えっと、豚ゾリ?」

ハーマイオニー「…………ヒトが四足になってしまった例が二つも目の前に見せられたことは、もうこのさい流してしまうことにして…………真面目にやってよ!!!!!」


ロン「僕らはいつだって大真面目だよ!!!」




153: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/12(月) 23:08:18.92 ID:SZrfRNKL0


ケイティ「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

ハグリッド「こりゃどうしたんだ……何があった?え?」

リーアン「わからない、ぐすっ、わからないのぉ!急に、こんな……」

ケイティ「キャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

ハグリッド「うんにゃ、御託はえぇ。俺はこの子を城まで運ぶ!お前さんたちはこの子の荷物やらもて来とくれ、フィルチの阿呆にはお前さん達を検査で足止めすんなって言っておくからよぉ……よ、っと!」

ケイティ「イヤアアアアアアア!!ハナシテ、ハナシテエエエエエエエエエエ!!」

リーアン「ケイティ、ケイティ!あぁ、ハグリッド、大丈夫なの!?ケイティ、暴れて……」

ハグリッド「なーんのこれしき!ノーバートが尻尾をブンブン振り回してたのに比べりゃかわいいもんだ!そんじゃ、城でな!」

ドシンドシンドシンドシンッ

ハニー「お願いね、ハグリッド! ……リーアン、気が動転しているでしょうけれど教えて。本当に、突然起こったこと?私達には……あの紙袋の中身がケイティに触れてから起きたように、思えたけれど」

リーアン「ぐすっ、ひっく……そう、えぇ……そう、だったわ!そうよ……あの、変な包み……『三本の箒』のトイレから帰ってきたケイティが、あれを持ってて……それからケイティ、様子がずっと……だから、あれのせいだ、っておもって……!」

ハーマイオニー「あなたのせいじゃないわ。あなたは悪くない……『服従の呪い』に掛けられてたのよ。だから、目が……」

ロン「そういやうわごとみたいに持っていかなきゃ、だとか言ってたっけな……誰かへのプレゼント?物騒きわまりないねまったく……触らないほうがいいよな?」

ハニー「それがいいわ。思い出したのよ、これ……『呪われるネックレス』よ。ボージン・アンド・バンクスで昔……ボージン・アンド・バンクス!!!!」

リーアン「ぐすっ、ひくっ、え……?」

ハーマイオニー「……あー」

ロン「……またよりによって」

ハニー「ねぇリーアン!ケイティは、これが誰からの物か言っていなかった!?ねぇ、ひょっとして……ひょっとして聞いたら思わず吹きだしそうな名前の人じゃ……!」

リーアン「そ、それは、何度聞いても教えてくれなかったの。だって、ケイティ、ずっと、ぐすっ、ぐすっ」

ハーマイオニー「……とにかく、城に戻りましょう?ケイティがどうなったか、わかるわ」

ハニー「……そうね。これは……マフラーで覆って、持って行きましょう。証拠品だもの……絶対、そうだわ」

ロン「どのマルがフォイしたのかは聞かないよ、ハニー」

ハニー「よくわかってるじゃない、ロン。出来る豚は好きよ?」

ロン「ヒンヒン!そりゃもう、最近じゃよくあるパターンだからね。もちのロンで」




154: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/12(月) 23:24:19.69 ID:SZrfRNKL0


マクゴナガルの部屋

リーアン「それで、ぐすっ、それで、私と口論になって、ぐすっ、包みを引っ張ったら、中身が、あっ、あっ、うぅぅぅ……」

マクゴナガル「……結構です、リーアン。よく話してくれました。医務室においでなさい、マダム・ポンフリーがショックに効く物をくれるでしょう。さぁ、立てますか?」

リーアン「うぅ、はい……先生、ありがとうございます」

ギィッ、バタンッ

マクゴナガル「……さて。騒動の隣には、またあなたたちですか」

ハニー「本意じゃありませんわ、先生」

ロン「僕はハニーの下に居るのは本能なので、割と本意です先生」

ハーマイオニー「……本意じゃないですけど、仕方ないんです、先生」

マクゴナガル「トラブルはお避けなさいと何度も……はぁ。今回は当事者ではないので、いいでしょう。それで、ケイティがネックレスを何者かから受け取り、それに触れた後。何が起こったのです?」

ハニー「宙に浮かんで、悲鳴を上げ始めて……それから私達が引っ張ったら落下して、ずっと苦しんでいたわ

マクゴナガル「そうですか……件のネックレスはハグリッドがスネイプ先生のところへ持って行きました。いずれ、どういった品なのかは――」

ハニー「実は、先生。私、あれがどういうものなのか検討がついているの。意地悪豚……えっと、ダンブルドアにはすぐ会える?そのことで、伝えなきゃいけないことが……」

マクゴナガル「なんと、まぁ。どうしても渦中の人になってしまうわけですね、あなたは……ダンブルドア?いいえ、月曜までお留守です」

ハニー「……月曜まで!?伝言を頼む余裕は、あったくせに……!」

マクゴナガル「ポッター!校長に向けてなんです、その言い草は!」

ロン「先生も割りと……おっと、黙ってます」

マクゴナガル「そうなさい。ポッター、私はあなたの寮の寮監です。あなたの言い分を聞くのは、おそらく私でもできる役目のはずですが?」

ハニー「……それは、えぇ……それじゃ、聞いて。あのネックレスは……マルフォイが、ケイティに渡したものだわ」

マクゴナガル「……由々しき告白です」

ロン「今ハニブームの、マルフォイ暗躍説なんです、先生」

ハーマイオニー「あー、一応、最後まで聞いてあげてください、先生」

ハニー「ちょっと、ヤレヤレ顔はやめなさい!ちゃんと根拠が、あるのだから!!!」




155: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/12(月) 23:42:57.05 ID:SZrfRNKL0


ハニー「――って、言うのが、夏休みに私達がハッキリ聴いた、マルフォイと店主の会話です、先生」

マクゴナガル「……マルフォイは、何か修理するものを店に持っていった、と?」

ハニー「いいえ、そうじゃなくて。ボージンから『何か』修理する方法を聞き出していて……それで、その時一緒に店のなかの『何か』を買ったようなの。それがきっと、『ネックレス』だったんだと……」

マクゴナガル「マルフォイがネックレスを買い、それを手にして店を出るたしかな場面を目撃したのですか?」

ハニー「それは、いいえ。マルフォイは店にとり置いておくよう頼んで……」

ハーマイオニー「でも、ハニー。覚えてる?マルフォイはボージンに『持って行けばどうか』って聞かれて、『いいや』って答えてたわ。そんな小さなものなら……」

ハニー「そんなのはっきりしているわ!触れるのが怖かったのよ、あの小心者らしい理屈で――」

ハーマイオニー「実際は、こう答えているの。『あんなものを担いで通りを歩けるか』って。マルフォイが購入したものは、とってもかさばるものよ。違う?」

ロン「あー、ネックレスもある意味かさばるぜ?ほら、あいつチビだし」

ハーマイオニー「それは、あなたから見れば大体の男の子はそうでしょうけど。ねぇハニー、どう考えても無理があるわ」

ハニー「でも、だって……!偶然にしたって、どうしてこんな……」

マクゴナガル「結構、もう結構です、ポッター! 根拠となる証言は以上ですね?それでは、私から。いいですか、ポッター。マルフォイは今日、ホグズミート村には行っていません」

ハニー「そんなの、実はマルフォイが双子…………えっ!?」

マクゴナガル「気づいてくれてありがたいですよ。えぇ、不可能です。何せ私の監督のもと、罰則を受けていたのですから。書き取りしたものがここにありますが、ご覧になりますか?」

ハニー「そんな……それじゃ、えっと……マルフォイが……マルフォイじゃなくて……でも、あの」

マクゴナガル「哲学的な思考はよろしい。ポッター、あなたが疑念を私に正直に話してくれたことは感謝しています。しかし、私はもうケイティ・ベルの経過を聞きに医務室へ行かなければいけません。三人とも、寮にお戻りなさい。いいですね?」

ハニー「……」

ロン「ハニーを落ちこませるなんてあんまりだぜ先生すいませんでした」

ハーマイオニー「えっと、先生。ケイティのこと、よろしくお願いします。あとすいませんでした」

マクゴナガル「いいのです、えぇ。ポッター?」

ハニー「……はい、先生」

マクゴナガル「くれぐれも、慎重に。よく考えて行動なさい。それをするだけの頭があるのですから。分かりましたね?」

ハニー「……そうしてあげるわ、先生」




156: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/12(月) 23:59:22.53 ID:SZrfRNKL0


談話室

ハニー「……マルフォイの髪の毛が入った、ポリジュース薬」

ハーマイオニー「マクゴナガル先生ともあろう方が筆跡で見抜けないはずないじゃない……ねぇハニー、マルフォイから頭を離して」

ロン「そうだフォイ」

ハーマイオニー「もうわざとでしょあなた……一体、誰を狙っていたのかしら。あれがもしも本当に届いていたらとおもうと、ゾッとしないわ。包みを開けたら確実に触れてしまうもの」

ハニー「……この城には、狙う対象になる人が随分といるでしょうもの。絞りきれないわ……ダンブルドアは言わずもがな。あんな凄い薬を煎じることができるスラグホーン」

ロン「いつまでも黒幕説が絶えないスネイプもついでに」

ハーマイオニー「いい加減それも諦めなさいよ……ハニー、あなた自身だってことも考えられるのよ?」

ハニー「それなら、ケイティは少し振り返るか『三本の箒』ですぐに渡せば良かったじゃない。フィルチの検査を受ける前に渡す方が、グッと成功の確率は上がるんだもの」

ハーマイオニー「あー……そうよね。そもそもそれだわ……あんな代物が検査を通るはずないのに、どうしてこんな手段をとったのかしら」

ロン「お間抜けな奴だよな」

ハニー「そうね、まったく、マルフォイらしいわ」

ハーマイオニー「……」

ロン「……」

ハニー「……なによ。ヤレヤレ顔はやめなさい、ってば! 絶対に、証拠を掴んでみせるわよ……マルフォイ!」


ハーマイオニー「……あなたが昔からフォイフォイ言い過ぎたせいじゃないの?」

ロン「何を、マさか。そんなことあルわけないフォイ」

ハーマイオニー「……無自覚なら本当、入院ものよ、言っておくけど。ハァ」




165: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/13(火) 16:22:25.91 ID:tcku5urT0


月曜日

コンコンッ

ダンブルドア「お入り、ハニー」

ガチャッ

ハニー「……戻っていたのね。別段報せがなかったから、そうだと踏んでここに来てみてはいるのだけれど」

ダンブルドア「ふむ、どうやら週末は君も忙しかったようじゃのう。ケイティのことは聞いておるよ」

ハニー「そう……ケイティの、その後の様子は?まだ聞けていないわ」

ダンブルドア「うむ、思わしくない。じゃが比較的幸運じゃった。ネックレスは皮膚のごくわずかな部分に触れただけだったようじゃのう?首にでもかけておったら、それこそ大惨事じゃったじゃろう」

ハニー「死んでしまうほどの呪い、だったのね?」

ダンブルドア「そうじゃ。幸い、そこから呪いが広がるのをスネイプ先生が食い止めた。ケイティは、いずれ……」

ハニー「っ、どうして、あの人なの!?マダム・ポンフリーがいるじゃない!どうしてわざわざ……」


 『君には言ったはずだがね、お嬢さん。君の考えも及ばない事情が、校長やホグワーツのやり方にはあるのだと、何故思えない』


ハニー「っ、この声……フィニアス・ナイジェラス・ブラック。あなたは黙ってて!」


フィニアス『生意気な口を利くな、仮にもあの屋敷を相続した人間が私に向かい――』


ダンブルドア「どうどうじゃ、フィニアス。たとえ正論であろうとも、そんな言い方では誰にも通じんよ」

フィニアス『何を甘いことを!どうして私が間違っているバカな生徒に合わせねばならんと――』

ダンブルドア「そういうところじゃて。さて、ハニー。スネイプ先生はマダム・ポンフリーよりもずっと多く闇の魔術に関して心得ておるわけで、適材適所と言う奴で処置をしてくだすったのじゃ。ケイティが今も、苦しんではおるが生きて聖マンゴにおるのは彼のおかげじゃよ?」

ハニー「……それはそれだわ」

ダンブルドア「これが重要なのじゃがのう。ともかく、一時間ごとに来る連絡によれば、ケイティは間違いなく回復するじゃろうということじゃ。わしとしてもその希望は正しいと思っておる」

ハニー「そう……それで?そんなあなた自身は、週末どこにいたの?」

ダンブルドア「時がくれば、じゃ。ハニー。そう、いずれ話して聞かせる、聞かせねばならぬ時が来る。それまでは……まずはこちらを続けようぞ」

ハニー「……分かったわ」

ダンブルドア「……」

カランカラン、カラン、ガシャッ、カランカラン

ハニー「……さっさと出しなさいよ、記憶の入った小瓶」

ダンブルドア「……時が来ればじゃ、ハニー」

ハニー「今がその時でなければなんなのよ……整理しておきなさいこの豚!」

ダンブルドア「ヒンヒン! えーっと、これは一昨日のワールドカップ決勝じゃろ……こっちは前々回の……うーむ、どれじゃったかのう」




166: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/13(火) 16:38:16.38 ID:tcku5urT0


ハニー「……待っている間、週末のことでもう一つ伝えておきたいことがあるわ」

ダンブルドア「なんじゃね?ホラスのパーティのことなら彼の憤怒の声を聞いておるよ。鼻ほじりながら」

ハニー「いつかとんでもない薬ぶちまけられるわよ……『三本の箒』の前で、マンダンガスに会ったわ」

ダンブルドア「おぉ、そうじゃ。君を監視しておった闇払いから報告は受けておる。彼奴が君の遺産に手癖の悪い侮辱を加えておることをのう」

ハニー「やっぱりどこかにいたのね……それで、あいつは掴まったのかしら?」

ダンブルドア「どうやら君たちに見つかって以来は、地下に潜ってしもうたようじゃ。わしに見つかる事を恐れたのじゃろうて、。いずれ、じっくり反省させることとしよう」

ハニー「そうしなさい」

ダンブルドア「君自身は、食事の度に上機嫌になれて若干怒りがおさまっておるようじゃg痛い!あぁ!三年前のボウリング大会優勝の記憶が割れてもうた!」 パリンッ!

ハニー「減らず口はよして、さっさと見つけて」

フィニアス『……あの汚らしい穢れた老いぼれが、ブラック家伝来の家宝を盗んでおると聞こえたが?』

ハニー「えぇ、そう聞こえたでしょうとも。その通りよ」

フィニアス『ふんっ、あいつの連れて来た人間などそんなものだ。あいつは……まったく。私も確かめてこよう』

ハニー「えぇ、行ってもらえればおお助かりだわ。清々するとも言うわね」

ダンブルドア「フィニアスも難儀な人間じゃて。そうじゃ、そうじゃ。ハニー、君が難解に考えておる、ミスター・マルフォイの容疑についてじゃが」

ハニー「! えぇ!マクゴナガル先生から聞いたかしら。私、絶対に……」

ダンブルドア「確かに、疑わしい部分はある。しかしじゃハニー、確たる証拠が存在するのもまた事実じゃ。これ以上は述べなくてもよいかのう?」

ハニー「……分かったわよ」

ダンブルドア「よろしい。では、最大の関心ごとに戻るとしようかの。わしたちの授業、さぁ、この記憶じゃ」

ハニー「……最大のと言う割には期間が随分空いたし、探すの一つにも時間がかかったけれどね」




170: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/13(火) 17:16:29.00 ID:tcku5urT0


ダンブルドア「さて。前回までのヴォルデモート卿の生い立ちの物語は、奴がメローピーの腹の中に身篭られ、そしてトム・リドルが奴ごとメローピーを捨てて村に戻った。ここまでじゃったのう」

ハニー「えぇ。『愛の妙薬』の効果が切れて、って」

ダンブルドア「おそらくじゃが。そして、その後メローピーは一人ロンドンに取り残され、後にヴォルデモート卿となる赤ん坊が生まれるのを待っておった」

ハニー「……どうしてロンドンにいたことを知っているの?」

ダンブルドア「カラクタカス・パークという者の証言が残っておるからじゃ。そしてこの者は、先ほどわしらが話しておったネックレスの出所の店にも関与しておる……」

ハニー「ボージン・アンド・バンクスの?……憂いの篩が、渦巻いて……これは」

ダンブルドア「かつての件の店じゃ。これが、最初の店主。カラクタカスじゃよ。今回は言葉だけ聞ければよい……このまま彼の話を聞くことにしようかの」

ハニー「あの落ちていく感覚は、えぇ。好きじゃないもの。助かるわ……なんだかボージン以上に胡散臭い人ね」


カラクタカス『面白い状況でそれを手に入れましてねぇ。クリスマスの少し前か。ボロを着た、お腹が相当大きい女でしたよ。もうすぐ子供が生まれるが、金に困ってる、そう言ってましてねぇ』


ハニー「……メローピーのことなのね」

ダンブルドア「そうじゃ」


カラクタカス『それで、そいつをここに売りにきた。「スリザリンのロケット」とか言だしましてねぇ』


ハニー「!」


カラクタカス『私ども、その手の話はしょっちゅう聞かされていますからね。やれマーリンのお気に入りのポットだ、花瓶だのと。そういうわけで最初は追い返そうとしたんですが、嫌に食い下がる。仕方のないので調べてやったら……本当に、スリザリンの印がありましてね。まぁ、あとは、簡単な呪文一つ二つで分かりましたよ。震えたもんだ、目の前に本物のサラザール・スリザリンのお宝があるんですからねぇ!』


ハニー「っ、それは、サラザールの、大事な……!」

ダンブルドア「ハニー、これは記憶じゃよ。落ち着くのじゃ、うん。ひっふーじゃて」


カラクタカス『その女はどうやら、どのくらい価値のあるものなのかまっっったく理解していなかった!もしかすれば、サラザール・スリザリンというのも名前しか分かっていなかったのでは?有り得ませんがねぇ……』


ハニー「……どうなの?」

ダンブルドア「そうじゃのう。あの扱いを見れば分かるじゃろうが、メローピーはあの家以外での社会に触れておらなんだ……そういうことじゃろうて」


カラクタカス『そのあと、ダメ元で十ガリオンでどうか、と言ったら……ハーーーッハハハハ!!その女、大喜びで!あんなにうまい商売は、またとなかったですな!』


ダンブルドア「……ここまでじゃ」

ハニー「……十ガリオン……十ガリオン!サラザールがかつて大事にしていた、とっても大切な代物が!!!たったの!!!!」

ダンブルドア「おぉ、そうじゃのう。アーサーが聞いたら二つの意味でひっくり返りそうな言葉じゃ」




173: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/13(火) 17:36:39.27 ID:tcku5urT0


ハニー「いいえ、そうね。サラザールの物だということを考えなくても……たったの十ガリオンなの?」

ダンブルドア「カラクタカスは気前の良さで有名だったわけではない。出産を間近にしたメローピーが、困窮のあまり唯一価値のありそうな物を売れるならどこでも良かったのじゃろう」

ハニー「そこよ、そこもおかしいわ!だって……メローピーは、もう魔法を使えたはずでしょう!?」

ダンブルドア「そうじゃ、うむ。トム・リドルと駆け落ちした頃には、完全に」

ハニー「だったらどうして……違法かもしれない、けれど!魔法を使えば、そこまでしなくても……」

ダンブルドア「おそらくじゃがのう、ハニー。この頃のメローピーは……もう、魔法を使うのをやめてしもうたのじゃ」

ハニー「……魔法を使うのを、やめる?」

ダンブルドア「魔女でいることを望まなかった、といえるかのう。報われない恋、それに伴う絶望。あぁ、そうじゃ。自らの意思だけでない。彼女自身の魔力が、そこで枯れてしまったのやもしれぬ。そしてこれは、恐らく当たっておるじゃろう」

ハニー「……そんなことが、ありえるの?」

ダンブルドア「愛とは素晴らしい。愛とは何にも勝る力じゃ。そして愛とは、時に何者よりも人を傷つけ、貪り、痛めつける。我々の抱える魔力とは、その神秘と密接に関わっておるのじゃよ。前にも言うたかと思うが」

ハニー「……」

ダンブルドア「いずれにせよ、君がこれから見ることになるのじゃが。メローピーは自分の命を救うためにさえ、杖を上げることを拒んだのじゃ」

ハニー「……子供のために、生きようともしなかったの?」

ダンブルドア「……」

ハニー「……」

ダンブルドア「……よもや、ハニーよ。ヴォルデモート卿を哀れに思うのかね」

ハニー「…………違うわ。ただ、メローピーは選ぶことが出来たと思うだけ。私の、ママと違って――」

ダンブルドア「おぉ、ハニー。君の母上も本当は選ぶ事が出来たのじゃ。そこが彼女の素晴らしいところじゃが」

ハニー「わたしの、ママだもの。当然だわ」




176: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/13(火) 18:02:09.21 ID:tcku5urT0


ダンブルドア「さて、メローピーじゃが。ハニーよ、あまり彼女を厳しく評価しないであげてほしいところじゃ。いかにも、彼女は彼女を必要とする息子がいるにも関わらず、死を選んだ」

ハニー「……」

ダンブルドア「しかし、それも長い苦しみの果てじゃ。弱りきり、絶望し、そして元来、君や君のご両親のような勇気を彼女は持ち合わせておらんかったのじゃ……さて。それでは、件の記憶に入ることにしようかのう」

ハニー「……今度は、どこに行くの?」

ダンブルドア「わしの記憶の中じゃよ、ハニー。これまでのどの記憶よりも、細部にわたり緻密に記憶され、またすばらい音響効果におったまげることじゃろう」

ハニー「自画自賛も大概にしなさい……いつの時代?」

ダンブルドア「そうじゃの、前もってそれも説明しよう……おぉ、これこそわしが……後にヴォルデモート卿となる少年と出会った時の記憶なのじゃ」

ハニー「……へぇ」

ダンブルドア「あの頃はわしも、とび色の髪と髭でイケイケじゃったものじゃ、うむ」

ハニー「それは知らないけれど」




177: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/13(火) 18:22:13.77 ID:tcku5urT0


ダンブルドアの記憶

ハニー「……なんだか古めかしい、ロンドンの街並みね」

ダンブルドア「当時は最先端のイケてる街だったのじゃよ」

ハニー「その表現がすでにイケてないわ……あちらから、歩いてくるのが」

ダンブルドア「そう」


ダンブルドア『わしじゃよっ』


ハニー「…………」

ダンブルドア「ほっほっほ、当時から独り言が多くてのう」


ダンブルドア『全くじゃ、うむ』


ハニー「……何も言わないわ。それにしても、目立つわね。長い髭や髪の毛もそうだけれど」

ダンブルドア「うむ、この濃紫色のビロードの背広はお気に入りだったのじゃがのう……後でミネルバに『ヤンチャしてる若者がする格好』と言われてしもうた……」


ダンブルドア『おうおう、見世物じゃないのじゃよ。諸君』


ハニー「……分かってて着てたでしょ、絶対。あんな格好してる人がいたら、見たくもなるわ」

ダンブルドア「ヤンチャしとるのう……さて。ここが目的地じゃ」

ハニー「……陰気な建物ね。中庭も、殺風景で」

ダンブルドア「そうじゃろうのう。これこそ、奴を育てた環境なのじゃ」

ハニー「……それじゃ、ここが」


コンコンッ

『はいはい、どなたです?』

ダンブルドア『わしじゃよっ』

『……は?え?』


ハニー「……あれやめなさいよ」

ダンブルドア「若かったんじゃ、許してやってくれんかのう」

ハニー「未だにやるでしょあなた」


ダンブルドア『こちらの孤児院の院長、ミセス・コールと約束をしておる者なのじゃが。トム・リドルのことで』




179: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 18:36:25.52 ID:xWgHvI0AO


素晴らしく魔法族らしい個性的な格好ですな校長。




180: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/13(火) 18:40:26.29 ID:tcku5urT0


孤児院 事務所

ハニー「……雰囲気は陰気で、みすぼらしいけれど。染みとかはなくて、清潔なところではあるわね」

ダンブルドア「神経質な院長でのう。その神経質さを見た目の綺麗さよりも子供達に与えて欲しかったところじゃが……そう、今しがた入ってきたのが、ここの院長ミセス・コールじゃ」


コール『あぁ、あぁ、マーサにはヨードチンキを!ビリーとエリックのシーツは取り替えておあげ、膿だらけだからねぇ。まったく、手一杯なのに水疱瘡だなんて――お待たせして申し訳ありま……』


ハニー「……固まっちゃったわよ」

ダンブルドア「うむ、魔法族に会うのは初めてだったのじゃろうな」

ハニー「もしくは変質者ね」


ダンブルドア『こんにちは、ミセス・コール。トム・リドルの将来の件でお手紙さしあげた、アルバス・ダンブルドアです』

コール『あぁ――え、えぇ!そうでしたわね……えぇ、おかけになって。あの、あー、背広はかけておきますか?』

ダンブルドア『いえいえ、お気になさらず。それで、ご相談のことなのですがな』

コール『あー、その前にあなたは、あの子のご家族の方で???』

ダンブルドア『いいえ、私は教師です。私の学校にトムを入学させるお話で、参りました』

コール『まぁ……!まぁ、それは、ありがたいですわ!あの子は問題児で、どこからも……どういった学校ですの?』

ダンブルドア『ホグワーツと申します、ご存知ないでしょうが』

コール『あー……あーぁ!あの、ホッグワーツですの!!あーーーぁあぁ!知っています、知っていますとも!名門ですものねぇー!』

ダンブルドア『それはどうも、ミセス・コール』


ハニー「……必死ね」

ダンブルドア「チャンスを逃すものか、そういったところじゃろうな、うむ」




181: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/13(火) 18:50:01.81 ID:tcku5urT0


コール『それで、その名門ホグワーツが……どうしてまた、トムに関心を?』

ダンブルドア『彼が、我々が求める能力を備えていると判断したからです』

コール『能力……奨学金を獲得した、ということですか?どうしてそんなことが、だって、あの子は試験を一度だって受けては……あぁ、もちろんそちらを受けさせなかったこちらの不手際で、ですが……何故?』

ダンブルドア『いえ、トムの名前は実は生まれた時から我々の学校に入るよう記されていましてね――』

コール『……生まれた時から?そんなこと、あの人はなにも。一体誰がご登録を?どこの誰が、今まで顔も見せたことがありませんのに???』


ハニー「……流される人なのかと思ったけれど、鋭いのね」

ダンブルドア「そうじゃのう、仕事のできる女性じゃ。わしも少しまずいと思ったのじゃが、まぁ、そこはわしじゃ」


ダンブルドア『こちらに全て記してあります。どうぞ』

コール『はぁ……はぁ!?なんです、これは!白紙の――』

ダンブルドア『「~~~~」』


ハニー「……いつのまに杖を抜いてるのよ、だから」

ダンブルドア「うむ、目にも止まらぬとはこのことじゃのう。流石わしじゃ」

ハニー「はいはい……ミセス・コールの顔、ボーーーッとしてるわ」


コール『……』

ダンブルドア『全て明らかにされていることと思いますが、どうですか?そちらの書類に不備がおありですかな?』

コール『あぁ、いーえぇ……全て完璧ですわ、えぇ』

ダンブルドア『おや、どうやらご気分が優れないようで。ジンを一杯いかがです?』

コール『えぇ、あぁ、でも今は勤務中……えぇ、いただきますわぁ』


ハニー「……何を飲ませたのよ」

ダンブルドア「ちょこーっとばっかりお喋りが楽しくなるだけのものじゃよ、ホントジャヨー」




182: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/13(火) 19:13:02.45 ID:tcku5urT0


ダンブルドア『わが校に迎える前に、トム・リドルの生い立ちについて少し教えていただけませんか?彼は、この孤児院で生まれたのだと思いますが』

コール『えぇ……えぇ、そうですよ。あのことははっきり覚えています、何せわたしがここに務めだして間もない大晦日の夜でした……』


ハニー「さっきの会話からの違和感が全くないみたい」

ダンブルドア「物忘れが激しいのかのう」

ハニー「そういうことにしてあげるわ」


コール『身を切るように冷たい、雪の降る夜でした。ここの石段をよろめきながら、お腹の大きな女性が上ってきましてね。まぁ、そういう駆け込んでくる若い女性も珍しい事ではなかったので中に入れてやり――一時間後、あの子が生まれました』

ダンブルドア『……して、その女性は』

コール『亡くなりましたよ。それから、一時間後に。言い訳ではありませんが、私達の処置が悪かったわけじゃないんです。あの方は……それまで生きていたのが不思議なほど、やつれていました』


ハニー「……」


ダンブルドア『亡くなる前に、その女性は何か言っていましたか?例えば、父親のことを』

コール『まさに、それですよ。えぇ、途切れ途切れに……「この子がパパに似ますように」と。正直な話、その願いが叶えられて良かったと思いますね。彼女はそんなに綺麗なほうじゃありませんでした……それから』

ダンブルドア『えぇ』

コール『あの子の名前について。父親のトム、それに、彼女の「自分の」父親のマールヴォロからとってくれ、と。おかしいでしょう?よっぽど、サーカス小屋の子供なのじゃないかと。それに、姓はリドルだ、と。それ以上は一言も発さずに、亡くなりましたわ』

ダンブルドア『なるほど……それからは、彼を引き取りにくるような親類は誰一人訪れなかった、そう言いましたな?』

コール『えぇ、だーれも。それに、里親も誰も彼を引き取ろうとはしませんでした。あの子は――おかしな子ですから』

ダンブルドア『えぇ……そうではないかと思いました。おかしな、とは具体的にはどのように?』

コール『簡単に言うと……他の子たちを、怯えさせます。ですが、えぇ。ただいじめっ子だという意味ではなくて……あの子の周りでは、君の悪い事件が次々起こるんです』

ダンブルドア『……』

コール『ビリーのウサギは、とても、大人でさえ手の届かない垂木から首を吊るすようにぶら下げられ。夏の遠足でトムと洞窟を探検に行ったエイミーとデニスは、それからずっとおかしくなりました。そのほかにも、色々、色々。毎度トムに違いないという証拠は押さえられませんが、トムの近くで起きているのは確かです』

ダンブルドア『……彼に、友達は』

コール『いやしませんよ。私達だって、出来ればあまり近寄りたくありませんね。突然火掻き棒が暖炉から飛び出してきて鼻から血を流す羽目になるのは、誰だっていやでしょう?』


ハニー「……この時から、もう?」

ダンブルドア「おぉ、そうじゃのう。片鱗を見せておったわけじゃ……あくまで片鱗、じゃがのう」




183: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/13(火) 19:33:18.34 ID:tcku5urT0


ダンブルドア『コールさん。当然お分かりいただけるとは思いますが、トムを永久に学校に置いておくというわけにはいきません。少なくとも成人するまでは、夏休みに毎年ここへ帰ってくることとなります。いいですか?』

コール『えぇ、えぇ。少しでも離れられるなら、頭分とマシになるでしょう』

ダンブルドア『そうですか。それで……トム本人にお会いしてもよろしいですか?』

コール『あぁ、えぇ、案内しますわ――どうぞ、こっちへ』


ハニー「……トム・マールヴォロ・リドルと対面、というわけ」

ダンブルドア「そうじゃ、正に世紀の瞬間じゃろう。うむ、この時から全てが始まるわけじゃのう……」

ハニー「そうね……あいつと、あなたの因縁」

ダンブルドア「いや、そうでなく」

ハニー「?」


コンコンッ

コール『トム、お客さんですよ』

ガチャッ

トム『……』

コール『こちらは、ダンバートン……あー、えぇっと。ダンダーボアさん。あなたに――まぁ、本人から話してもらいましょう。ごゆっくり、ダンブーボルさん』

ダンブルドア『どうも。さて……こんにちは、トム』ペコッ

トム『……』

ダンブルドア『ふむ……トムよ。目上の者が頭を下げたら、それを返すことが常識というものなのだが。ここの人たちは教えてくれないのかね』

トム『……誰も僕に、教えることなんてない』

ダンブルドア『それでは今日より、私が教えよう。さぁ、トム。立って。もう一度私から……』

トム『……』

ダンブルドア『お辞儀をするのだ』

トム『……お辞儀』


ハニー「……」

ダンブルドア「……」

ハニー「……」

ダンブルドア「……すまん」




184: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 19:35:26.70 ID:1y2JAmtqo


戦犯ダンブルドア




185: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 19:35:59.82 ID:i79i8VS10


テメーのせいかよアルバスwwwwww




187: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/13(火) 19:51:54.93 ID:tcku5urT0


ダンブルドア「いやこの時は本当、学校に入るにあたって最低限の礼儀を教えてあげようと思っただけなんじゃ、ほんとなんじゃ……」

ハニー「……聞こえはいいけれど、『お辞儀』って……もう少し何かあったでしょ」


ダンブルドア『さて、礼を尽くしたところで座ってもよいかね。あぁ、君はそのままベッドに腰掛けていい。さて、トム


トム『なんですか。またお辞儀ですか?』

ダンブルドア『いや、そうではない』


ハニー「ほら、もう出てきちゃってるじゃないのよ。何よあれ、ここから始まったってこのこととか言わないで頂戴よ」

ダンブルドア「いやーこの頃のヴォルデモート卿は本当ゴーント家の血が入っているとは思えない見た目じゃのう、うん、メローピーの願いはかなったというわけじゃなぁほっほっほ」

ハニー「……この」


ダンブルドア『私はダンブルドア教授だ。そういう意味で、君に教えることが出来ると言ったのだ』

トム『……「教授」?「ドクター」と似たようなものですか?何しに来たのですか。あの女が、僕を看るように言ったんですか?そうなんだな?』

ダンブルドア『いいや、違う』

トム『騙されないぞ!真実を言え!!!』

ダンブルドア『……』

トム『……?真実を、言え!!真実!真実を言え!!』

ダンブルドア『……ハッハッハ。トムよ、今までのここの子供達は、それですぐに真実を語った、それとも君の中に流れ込んできたのかね。その眼で見た相手の、記憶が』

トム『!……あなたは、誰ですか』

ダンブルドア『君に言ったとおりだよ。私はダンブルドア教授で、ホグワーツという学校に務めている。ホグワーツというのは――』

トム『――精神病院だ!そうなんだな!分かった、だからきっと――』

ダンブルドア『違う。ホグワーツは、魔法学校なのだ』

トム『!!!』

ダンブルドア『……おや、どうしたね。きっと精神病院と言ったほうが、むしろ真実味があるはずなのでは?』

トム『それじゃ……それじゃ僕が出来ることは。魔法……魔法学校に、僕が通う?』

ダンブルドア『そうなる』

トム『……僕が、魔法使い?』

ダンブルドア『まず、間違いないだろう。君は魔法界の人間だ』

トム『……そうか。それで』



トム『その魔法界というのは、この僕を楽しませてくれるのか?』


ハニー「……」


ダンブルドア『ハッハッハ。そうだな、君次第だろう』


ダンブルドア「……そうじゃ、トム。君次第だったのじゃ」




201: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 22:05:19.15 ID:cw8gjNe5o


>>187
そういえばここでトムはほぼ無意識の内に「開心術」使ってるんだな




189: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 19:55:24.32 ID:zh3RlUQSO


乙。もしもこのトム・リドルが真っ当、公正に生きたとしたら何になったんだろーなぁ…




192: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 20:26:50.22 ID:j6rSkyMKo


>>189
お辞儀のプロフェッショナル




194: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/13(火) 21:15:40.97 ID:tcku5urT0


ダンブルドア『さて、トムよ。君は一体どういったことが出来るのかね』

トム『いろんなことさ。物を触らずに動かせる……訓練なんかしなくても、動物に思い通りのことをさせられる……僕を困らせる奴には、嫌なことが起こるようにできる』

ダンブルドア『嫌なこと』

トム『そう。そうしたければ、僕は傷つけることだって出来るんだ……!僕には、特別な力がある。分かってた。僕は、特別なんだ……そうなんだ』

ダンブルドア『……人を傷つけることが、特別かね』

トム『そうだ! あなたも魔法使いなのか?』

ダンブルドア『いかにも』

トム『証明しろ!』

ダンブルドア『ふーむ……トム、君に異存はないだろうと思うが、もしもホグワーツへの入学を受け入れるつもりなら』

トム『当たり前だ!!僕は特別で――』

ダンブルドア『ならば、トムよ。私のことは「教授」もしくは「先生」と呼びなさい。さっきも言ったはず、目上の者には敬意を払いなさい』

トム『どうしてこの僕が――――すみません。あの――先生。どうぞ、僕に見せていただけませんか――?』


ハニー「……人が変わったみたいだわ」

ダンブルドア「そうじゃのう、これがトムの才覚の一つじゃ。やろうと思えばいくらでも、丁寧になれる。わしにはお見通しじゃったがのう」


トム『……お辞儀もしたほうがいいですか?』


ハニー「これを植えつけたのはあなたよ」

ダンブルドア「……すまん」


ダンブルドア『いや、必要ない。さて、トム。何やら君の洋箪笥から……出てきたがってるものがあるようだが』

ヒュッ

ボォオオオオオオオオ!!

トム『!? あ、あぁああああああああ!!!』


ハニー「! 杖を向けた先の箪笥から、火が……強引なことするわね」

ダンブルドア「実力の差を見せ付けるには派手なのが一番じゃろうて」




197: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/13(火) 21:31:24.06 ID:tcku5urT0


トム『!? ほ、炎が消えて……あんなに激しかったのに、何も……うわ!?』

ガタガタガタッ!

ダンブルドア『さぁ、中に何があるのかね。トム、開けてみたまえ』

トム『……』

パカッ

ガタガタガタガタガタガタッ

ダンブルドア『……どうやら、その奥にあるダンボールのようだね。さぁ、中身を』

トム『――はい、先生』


ハニー「……トム・リドルの宝物?何か、凄いものじゃ……って」


ジャラジャラ、ジャラ
 ガチャガチャッ

ハニー「……ヨーヨー、銀の指貫……ハーモニカ。なんだか、普通の物ばかり、ね」

ダンブルドア「そう、いたって普通の物ばかりじゃ。しかしのう、この少年にとってはそうではない」


ダンブルドア『これは、君が持っていてはいけない物だね?』

トム『……はい、先生』

ダンブルドア『持ち主にきちんと謝って、返しなさい。きちんとそうしたかどうかは、私には分かる。それが出来ない限り、君の入学は許可できない。いいかね、トム。ホグワーツでは盗みは許されない』

トム『…………はい、先生』


ダンブルドア「これが、彼への一番最初の教育じゃった」

ハニー「……二番目でしょ」

ダンブルドア「……うむ、そうじゃの。じゃが、大事なことじゃった……」

ハニー「……人の物を盗んじゃいけない。子供だって知ってること、だわ」

ダンブルドア「その通りじゃ、ハニー。そう、この頃の子供でさえ、知っていて当然のことなのじゃよ……当然のう」


ダンブルドア『ホグワーツでは、魔法を使うことだけではなく制御する方法も教える。君は――おそらく意図せぬ形で――学校では許されないやり方をつかいその力を使ってきた』

トム『……僕が、特別な』

ダンブルドア『よいかね。それは特別と言えば聞こえはいいが、自らの魔法力に溺れてしまう危険性を孕むものじゃ。そしてそれは君が初めてでもないし、最後でもない』

トム『……』

ダンブルドア『覚えておきなさい。ホグワーツでは生徒を退学にできるし、我々魔法社会の秩序たる魔法省は法を破る者を厳しく罰する。君はこれから、魔法界のルールに従わなければならないのだ』

トム『……はい、先生』




198: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/13(火) 21:45:41.48 ID:tcku5urT0


トム『……僕はお金なんて少しも持っていません。その、杖とか。それに教科書とかはどうやって買えばいいんです、先生?』

ダンブルドア『ホグワーツではそういった者のための資金が用意されている。多くはないが、学用品を揃え、そして特急内で少しばかりお腹を満たすだけの金貨が……これだ。上手に使いなさい』

ジャラッ

トム『……ありがとうございます』

ダンブルドア『あぁ、よろしい。場所だが、ここロンドンにある「ダイアゴン横丁」という魔法使いのストリートがある』

トム『……聞いたことがないです、先生』

ダンブルドア『チャリング・クロス通りに、周りのマグル――魔法使いではない者たちのことだが――には見えないが、君には見える「漏れ鍋」というパブがある。そこが入り口だ。バーテンのトムに聞きなさい。君と同じ名前だから覚えやすいだろう』

トム『やめてくれ、やめてください先生』

ダンブルドア『うん? トムという名前は嫌いかね?』

トム『トムなんて、どこにでもある名前だ。僕にはもっと、相応しい名前がある。絶対に』


ハニー「……」

ダンブルドア「この頃より、発想はあったようじゃのう」


ダンブルドア『……親御さんが残してくれたのであろう名前を、そう言うでないよ』

トム『知りません……僕の父さんは、魔法使いだったの?そうだ、その人もトム・リドルだったって、院長が言っていた』

ダンブルドア『残念ながら、私は知らない』


ダンブルドア「この時はまだ、のう」

ハニー「……」


トム『……母さんは魔法使いだったはずがない。使えたなら、死ななかったはずだ。だから、きっと父さんなんだ……少しはこの名前も、ありがたみができた』


ハニー「……真実を知ったとき、この、トムは……?」

ダンブルドア「……それはまたの機会じゃ、ハニー」




199: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/13(火) 21:56:34.70 ID:tcku5urT0


ダンブルドア『学期は九月一日から始まる。キングズ・クロス駅発の特急だ。切符や、それに学用品のリスト、注意事項はこの手紙を読みなさい』

トム『……ありがとうございます、先生』

ダンブルドア『――長居をした。トム、君の魔法界での生活が楽しく、健やかであるように私は願っているよ。そして見守って、いるとしよう』

トム『……心強いです、先生』

ダンブルドア『さようなら、トム。さぁ、最後にお辞儀をしよう。礼儀を尽くすのが、魔法使いだ』

トム『……えぇ、お辞儀を』


ハニー「……『ダンブルドアも礼儀を尽くしてほしかろう』」

ダンブルドア「すまんて」


ダンブルドア『よろしい。では、トム。ホグワーツで――』

トム『……僕は蛇語が喋れる』

ダンブルドア『…………』

トム『遠足で田舎に行った時、あっちから僕を見つけて囁きかけてきたんだ。これは――特別なことではないの?先生』

ダンブルドア『…………』




ダンブルドア『「あぁ、稀ではある。だが、例がないわけではない」』シューッ、シューッ

トム『……「そうですか。ありがとうございました、先生。さようなら」』シューッシューッ




ハニー「……」

ダンブルドア「さて、もうよいじゃろう。帰るとするかの、ハニー」

ハニー「……やっぱり使えたのね」

ダンブルドア「おぉう、言うてなかったかね。もっとも、君たちのように生まれ持ってではないがのう。ほら、あれじゃ。わし、後天的天才なんじゃよねこれが」

ハニー「……言ってくれるわ、まったく」




202: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/13(火) 22:12:31.52 ID:tcku5urT0


校長室

赤豚「フィピィ~ヒーン!」

ハニー「あら、椅子を暖めてくれていたのね、赤豚。出来る豚さんね」

赤豚「フィピヒン!ヒィ~ン!」

ダンブルドア「そうじゃの、しばらく話さねばならん。さて、ハニーよ。先に質問はあるかね」

ハニー「……あなたはあの時、もう分かっていたの?気づいていたのかしら。あのとき……」

ダンブルドア「あのとき、開闢以来の危険な闇の魔法使いに出会ったということを分かっておったのか、ということかね?」

ハニー「……そんなわけない、わよね」

ダンブルドア「そうじゃ。今現在あるような者に成長すようとは、思わなんだ。しかし、リドルに興味を持ったことはたしかじゃ」

ハニー「……しっかり釘をさしていたものね。『見守る』って」

ダンブルドア「そうじゃのう。わしは、あの者から眼を離すまいときめた。本人のためだけでなく、他の者のためにそうするべきであるということ。それだけは、気づいておった」

ハニー「……トムの、力が向かないように」

ダンブルドア「そうじゃ。あの者の力は君も聞いたように、あの年端の魔法使いと比べて驚くほど発達しておった。そして興味深く、また不吉なことに――意図して行使し始めていた」

ハニー「……首をくくったウサギ、洞窟に誘い込まれて、おかしくなった子供達……」

ダンブルドア「若い魔法使いにありがちな、行き当たりばったりな事故的な魔法の試みでなく。魔法を使って他の者を恐がらせ、罰し、制御する。こう言ったのを覚えておるかね?『そうしたければ、僕は傷つけることだって出来る』と」

ハニー「それに、あいつは……蛇語使いだわ」

ダンブルドア「そうじゃのう。稀有な能力であり、古来から闇の魔術に繋がるものと考えられておる能力じゃ。じゃがのう、このことに関してはそれほど問題視しておらなんだ。偉大にして善良な魔法使いの中にも、蛇語使いはおる。おぉ、わしのことだけでなく、生まれ持ってもつ者ものぉ」

ハニー「自慢はいいのよ」

ダンブルドア「そう、それよりもむしろわしが懸念しておったのは残酷さ、秘密主義、支配欲というあの者の明白な本能の方じゃ」

ハニー「……出会った頃は、警戒するのでなく……心配、してたの?」

ダンブルドア「……そうじゃの。そう、言うていいじゃろう。もはや遅すぎる、老人はいつでも後悔ばかりじゃよ」




203: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/13(火) 22:31:44.54 ID:tcku5urT0


ダンブルドア「さて、ハニーよ。そろそろ就寝の時間が迫っておる。その前にもう少しだけ、伝えることがあるのじゃ」

ハニー「なぁに。お辞儀の正しい角度なんて聞きたくないわ」

ダンブルドア「あぁ、彼がその類のクラブを立ち上げようとした時は眩暈がしたものじゃ……そうじゃなくてのう」

ハニー「……こっちも眩暈がするから、えぇ、その話はやめて」

ダンブルドア「『トム』という名前について触れた時の、彼の反応は覚えておるかね?」

ハニー「……どこにでもある名前だから、ふさわしくない。そう言っていたわ」

ダンブルドア「そうじゃ。彼は自分と他の者を結びつけるものにたいして嫌悪を示した。自分を凡庸にするものに対してじゃ。あの若き日でさえ、奴は違うもの、別なもの、悪名高きものになりたがっておった。そして数年後、実行するわけじゃ」

ハニー「……馬鹿馬鹿しいアナグラムで、ね」

ダンブルドア「自分で卿とか言っちゃうわけじゃ、うむ。自分の名前を捨てて、『ヴォルデモート卿』の仮面を創り出し。そしてその影にかくれて長い年月を過ごしておる」

ハニー「……ヴォルデモート卿の、影」

ダンブルドア「そして。これは明白じゃったが、彼が非常に自己充足的、秘密主義で友人を持っていなかったのう?ダイアゴン横丁や、キングズ・クロス駅の説明をした際にも、一切付き添いの願いをしなかった。自分ひとりでやることを望んだ」

ハニー「……そうね。普通なら不安のはずだわ……この、私だって。わたし、だから、だけれど」

ダンブルドア「成人したヴォルデモートも同じじゃ。奴の支持者は奴の信用を勝ち得ておるとか、理解しているとまで言っておる者もおる。その者達は欺かれておるのじゃ。ヴォルデモート卿は友人を持ったことがないし、また、持ちたいと思ったこともない。わしはそう、確信しておる」

ハニー「……けれど、なろうと思えばいくらでも、そう見せかける事ができた」

ダンブルドア「その通りじゃ。最後に……これが一番重要なんじゃがのう。奴は、戦利品を集めるのが趣味じゃった」

ハニー「戦利品?……あ」

ダンブルドア「そう、箪笥の中のあのガラクタともとれる物たちじゃ。あれはいじめの犠牲者たちから取り上げたもの。ことさらに不快な魔法を行使した、奴に言わせれば特別な力を駆使したときに、記念としたのじゃろう」

ハニー「……カササギみたい」

ダンブルドア「まっこと。この蒐集傾向をよく覚えておくがよい。これが、後になって重要になるからのう」

ハニー「そうしてあげるわ。カササギ、それに、マンダンガスの如き、って」

ダンブルドア「それはそれは、奴も悔しがることじゃろうて」




204: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 22:36:13.37 ID:KOZCIu+w0


お辞儀クラブwwwwww




205: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/13(火) 22:38:12.35 ID:tcku5urT0


ダンブルドア「さて、ハニー。あっという間に楽しい時間は過ぎてしもうた。帰りなさい。お二人が寝ずの番をしていることじゃろう」

ハニー「えぇ、そうね。私の大切な人たちだもの、私を大切に想っているのは当然で……」

ダンブルドア「うむ?」

ハニー「……確か、ついこの間まではここに、あのゴーントの指輪があったわね?」

ダンブルドア「ふむ。目ざといのう」

ハニー「……それで、今度はハーモニカとか指貫とか、ヨーヨーになっているのかしら、と、思っていたのけれど」

ダンブルドア「あぁ、そうじゃの。しかしそれらは、あくまでもハーモニカと指貫とヨーヨーじゃったよ。さぁ、おやすみ」

ハニー「……えぇ。おやすみなさい、意地悪豚」

ダンブルドア「ヒンヒン!……あぁ、ハニー。わしの意地悪も」

ギィィッ バタンッ!

ダンブルドア「……あと、もうしばらくだけじゃ」




237: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/16(金) 13:28:51.81 ID:WY5JSzRJ0


火曜日

薬草学

ロン「『例のあの人』の……」

ハニー「……」

ハーマイオニー「……」

ロン「お辞儀クラブかぁ……」

ハーマイオニー「そこは置いて。触れないで。もうなにも言わないで」

ハニー「あいつにもあんな時代があったなんて、なんだか変な気分だったわ……」

ロン「そうだね、今じゃ蛇みたいな面だって聞いてるけど。あぁハニー、君にも今でこそ全知の女神だけどまさに天使の頃があったんだろうなぁあぁ写真が欲しいあの出来る同胞あ持ってないかなヒンヒン!」

ハニー「その頃は私に興味なんてないから、ないでしょうね……」

ロン「なにやってんだ同胞マー髭!とにかく、ダンブルドアはどうしてそんなもんを君に見せるのかな」

ハニー「あの意地悪さんはそれが重要で、私が生き残るのに役立つとか言っていたわ」

ハーマイオニー「すばらしいことだわ。だって、できるだけヴォルデモートのことを知るのは大事なことでしょ?そこからなにか、弱点が見つかるかもしれない」

ハニー「だといいのだけれど。あなたの方は、どうだったの?スラグホーンのパーティは」

ロン「とってもステキなナメクジでべったりのね」

ハーマイオニー「それはそれは、あなたは飾りつけで大活躍でしょうねまったく。えぇ、まあまあ楽しかったわ。先生のお話はだらだらと長かったし、マクラーゲンにはイライラさせられたけど」

ロン「だろうな。僕ときたら最近あいつが廊下の端にいるだけでナメクジ吐き出したくなるよ」

ハーマイオニー「なんの発作なの……あと、それに、機能はグウェノグ・ジョーンズに紹介してもらえたわ」

ロン「……グウェノグ・ジョーンズ!?」

ハニー「ホリヘッド・ハーピーズの?」

ハーマイオニー「えぇ、その人。個人的にはすこし自意識過剰だったと――」

スプラウト「そこの三人!!!作業が遅い!!!ネビルはもう『スナーガラフ』の種を手にしましたよ!見習いなさい!」

ロン「おっと、はいはい。うわー、ネビル。かっこよくなったじゃないか、傷は豚の勲章だよな」

ネビル「ハハ、ゲホッ、な、慣れっこさ!ハニー!みてよ!僕やったよ!一人で!」

ハニー「出来る豚ね、ネビル。褒めてあげるわ」

ネビル「ヒンヒーン!」

ハーマイオニー「……ネビルのペアあなたでしょ、ちゃんとしなさいよ」

ロン「ネビルなら平気さ、なんてったって、豚の中の漢だからな。もちのロンで」




239: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/16(金) 13:48:32.13 ID:WY5JSzRJ0


スプラウト「茨の中から勝ち取った種は、すぐに絞りなさい!新鮮なうちが一番ですから!」

ロン「ゲホッ、ゴホッ、『勝ち取る』とはね、言いえて妙だよ、ったく……ミニチュア茨の暴れ柳みたいなこんなもん、誰が好き好んで育てるって言うんだ?」

ハーマイオニー「この種の中身が重要なのよ……ハニー、ボウルを取ってもらえる?」

ハニー「そうしてあげるわ……スラグホーンは、次のパーティについて何か言っていた?」

ハーマイオニー「えぇ、次はクリスマス・パーティで!って。それに、マクゴナガル先生に確認をとって、確実にあなたが空いている夜を選ぶとも言っていたわ。もう逃げられないわよ」

ハニー「あら、逃げているつもりなんて少しもないけれど。そう……あー、今回ばかりは私も」

ハーマイオニー「そうよ、ハニー。ロンに気を使って不参加というわけにはいかないんだから」

ロン「まるで僕を言い訳にしてるみたいな言い方するなよな!マーリンの髭!ヒンヒン!ハニー!僕ぁ君に使われるなら本望さ! クリスマス・パーティ、へー、ご大層なことするなぁ」

ハーマイオニー「そうなの。それで、その……今回は、異性限定で相手を誘ってくることになっていて……」

ハニー「……あら」

ロン「へぇ?」

ハーマイオニー「そう。それで、えーっと。あー、そう、前にハニーはあぁ言っていたし、私……」

ロン「いいじゃないか、馬鹿馬鹿しいスラッギーなめくじ集団のお仲間同士、コーマックでも誘ってやりゃどうだい?」

ハーマイオニー「……」

ハニー「……」

ネビル「……うわぁ」

ロン「な、なんだよ。睨む……くらいなら、は、はやくしろよ」

ネビル「受け入れ体勢とるくらいならさっさと……あれ?でも、なんだかハーマイオニー、様子がおか、しいわけじゃなくて、えっと、ハーマイそのままだね」

ハニー「……がんばれっ」

ハーマイオニー「私、あなたを、一緒にどうかって誘うつもりだったわ!でも、そんなに馬鹿馬鹿しいって思うと言うなら……!」

ロン「えっ、あ……えっ!?」

ハーマイオニー「くだらない、ナメクジのろのろの集まりだって馬鹿にするのなら、別に……!」

ロン「いや、あの……あー…………そんなことはない」

ハーマイオニー「……そう」

ロン「うん」

ハニー「……」

ネビル「……」

ロン「……ボウル、貸しなよ。僕が種を割るからさ」

ハーマイオニー「……ありがとう」

ネビル「頭が割れればいいのに」




242: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/16(金) 14:06:24.60 ID:WY5JSzRJ0


スプラウト「お喋りは後!ラブコメも後!作業に集中!」

ロン「一体全体なんのことなんだろうな。えーっと、ハーマイオニーさん?そこの保護手袋とってくれないか?」

ハーマイオニー「えぇ、あー、ロナルド、ミスター・ウィーズリー、えっと、どうぞ」

ネビル「こい!スナーガラフ!!今の僕ならお前を無傷で引っこ抜ける!!!!!」


ハニー「……(ハーマイオニーが、やっと……やっと! 長かったわ)」

ハニー「……(でも、いざそうなることが目に見えてくると……変な気分ね)」

ハニー「……(それは、えぇ。二人がそういう関係になったとしても、私に対する態度が変わることはないだろうけれど……)」

ハニー「……(とにかく、クリスマス・パーティの雰囲気と、バタービールに酔った二人がどうなるか……見守るしかないわね)」

ハニー「……」

ハニー「……フラーとビルみたいになったらどうしよう」

ロン「なんだいハニー?フラーとビル?あぁ、君はあの二人合わせてもなお一人で大差つけられるほどの完璧具合だよなぁ!」

ハーマイオニー「あの二人のようにベッタリになる人たち?そうそういないと思うわよ、ハニー」

ロン「まったくだよ!お目にかかれたら僕ぁナメクジ丸呑みにしてみせるね!!!もちのロンで!」




244: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/16(金) 14:25:42.44 ID:WY5JSzRJ0


数日後

ハニー「……クリスマス・パーティをどんな服装・髪型で過ごそうか、というのも大変な問題なのだけれどね、二人とも」

ロン「ママに手紙書かなきゃなぁ、フレッドとジョージに買ってもらったあのダンスローブ送ってくれって……なんだいハニー!大問題!?もしかして君の美しさに世界が魅了、おっと!もう遅かった!ヒンヒン!」

ハーマイオニー「やっぱりまたストレートに……あぁ、でも、あまりいい思い出がないでしょうねこの人は……だから、むしろいつもの……!な、なに、ハニー!?私の髪の毛はいつもの通り大爆発でクールクルよ!」

ハニー「はいはい、ふわふわのね……ケイティの意識が、まだ戻っていないの」

ロン「あー……このままじゃ、試合に間に合わなくなっちまうよな」

ハーマイオニー「そうね……しかも、よりによって初戦は……スリザリン」

ハニー「……他のどの試合よりも、負けるわけにはいかない。練習も、これ以上チェイサーが一人欠けた状態で行うわけにはいかないし……きめなきゃ、いけないわね」

ロン「おめでとうハーマイオニー、チームに歓迎するよ」

ハーマイオニー「ありが……えっ!?えっ、まさかそんな、わた」

ロン「冗談に決まってるじゃないか……いくらなんでも僕、戦犯にはなりたくないよ」

ハーマイオニー「……半死半生にはなりたいようね」

ハニー「真剣なのよ、もう……あー、丁度よかったわ……ジニー!それに、ディーン!」


ジニー「! ハニー!ヒンヒン!こんばんは、明日の練習のこと?」

ディーン「ヒンヒン!こんばんはハニー、ハーマイオニー、義兄さん」

ロン「屠殺るぞ」

ハーマイオニー「……せめて定例会議の場で留めて」

ハニー「えぇ、そうね。練習に大きく関わるわ……ディーン、あなた、まだチームでプレイしたいつもりはあるかしら?」

ディーン「えっ!?」

ハニー「なかったとしても、そうね。この私の要望に答えられない豚が、いるはずないと思うけれど?」

ディーン「ひ、ヒンヒン!もちの、もちの義兄さんさ、ハニー!!やった、やったよジニー!!!」

ジニー「わっ、ちょっと、うふふ、おめでとうディーン!ハニー、ありがとう!」

ロン「おい!!!!兄貴の!!!!前で!!!!イチャイチャするな!!!!!あと義兄さんって呼ぶなよ!!!!!!フレッジョ呼ぶぞ!!!!」

ハーマイオニー「本気でやめて」




245: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/16(金) 14:42:33.68 ID:WY5JSzRJ0


翌日

クィディッチ競技場

ハニー「……ディーンを選んで正解だったわ。それは、そうね。ディーンの友達のシェーマスは少しだけ不服そうだったけれど、踏んであげたら快く応援すると言っていたし。当然ね、私の豚だもの」

ハニー「……ジニーとはもとより、デメルザとも息を合わせられるみたい。元々、マグル育ちでもここに馴染むのが早かった人だもの。頼もしいわ」

ハニー「チェイサーは、問題なし……ビーターの二人も、段々調子を上げてきたわ。試合までには、なんとかなりそう」

ハニー「……問題は」


ディーン「ロン!いくぞ!! っ!」

ロン「うーん、でもなんでだって僕を誘っ……あっ!」

カーン!

リー「ゴール!ゴーーーール!ディーン・トーマス、練習ゴールこれで120点目をきめました!!!」

ジニー「どこ見てるのよ、ロン!!!   どこから出てきたのリーーーーーー!?」


ハニー「……ロンは、どうしてこう、クィディッチだとムラがあるのかしら」

ハニー「……いつもは、あんなに頼りになるのに」


デメルザ「い、っけ! ……あ!」

ロン「ハッ!!」


リー「おーーっと!ロン、ここにきてスーパーセーブだ!やったぜロナルド!さすがウィの字!!」


ジニー「言いにくい!」

デメルザ「でも、今のは凄かったわ!ロン、絶対に抜けたと思ったのに!」

ディーン「何があったんだい、まるで魔法みたいだ」

ロン「いや、はは。なんだか急にね。やったよハニー!ヒンヒン!これ止めるまでに250点はとられてるけどね!!あっははは、笑えない」

ハニー「よくやったわよ、ロン!……ロンのためにならないもの。これは、えぇ……やめておきましょう」




246: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/16(金) 14:58:24.79 ID:WY5JSzRJ0


ロッカールーム

ジニー「最後のセーブは、よかったけど!ロン、なんなの!?このヘボ!」

ロン「へ、ヘボって、お前、兄貴にそんな……」

ジニー「ヘボにヘボって言って何が悪いの!250点!こんな点数取られてたら――」

ハニー「ジニー!」

ジニー「あら、私、あなたの代わりに言ってあげてるのよ!あなたがロンのことをヘボ呼ばわりできないくらい、優しいから……!」

ハニー「それは、えぇ、助かるわ。でも、私の前じゃみんな私の豚でしょう?違うのかしら?」

ジニー「その通りだったわごめんなさいハニー!ヒンヒン!」

ロン「いや僕が悪いんだよハニーこんなヘボな豚でごめんよヘボ豚さ僕ぁ!ヒンヒン、ヒーン!」

ハニー「自分のことを無駄に卑下する豚は嫌いよ」

ロン「マーリンの卑下!」

ハニー「それで、みんな。えっと、良い練習だったわ。土曜日の試合もこれなら、きっと良い結果になる。えぇ、この私が言っているんだもの。自信をもちなさい。それじゃ、今日はこれでおしまい」

ガヤガヤ
 ザクッザクッザクッ

ハニー「……自信を持ちなさい、は、特にあなたに言ってるのよ。ロン?いい?」

ロン「でもハニー、あー……僕の今日のプレイ、ドラゴンの糞の山盛りみたいだった」

ハニー「盛るのは私への狂おしいほどの想いだけにしておきなさい」

ロン「そりゃ……そんなのエベレストを見下げる勢いだけどね。もちのロンで」




247: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/16(金) 15:13:17.52 ID:WY5JSzRJ0


廊下

ハニー「どうしてあなたはこう……極端なのかしらね」

ロン「何がだい?そりゃ、ハニーを想う気持ちはメーター振り切ってるけどね」

ハニー「そうじゃなくて。頼れるんだか頼れないんだか……とにかく、本番では堂々としなさい。いいわね?」

ロン「ヒンヒン!ハニーに言われたら僕ぁ史上空前のハト胸にならん勢いで胸を張るよ!」

ハニー「意地悪豚に呪文を教えてもらいましょうか、まったく……あぁ、寮への近道だわ」

ロン「このタペストリーの裏だよな。ハーマイオニーがきっと待ちくたびれてるだろうから、早く…………おい!!!!」

ハニー「!? なぁに、ロン!そんな大声…………あ」


ジニー「んっ……ふっ……ん、あっ………っ!?!?」

ディーン「…………うわっ!?あー、あー、えっと、お、おつかれハニー、あと、えっと、ロン!ロナルド!えっとさ、これは……」

ロン「言ったよな!?言ったよな!?!?人前でイチャイチャするのを、それも自分の妹が!そんなの見たくもない、そう言ったはずだよな?え!?マーリンの髭!」

ジニー「あなたが、邪魔するまでは!!ここには誰もいなかったわ!!」

ディーン「あー、えと……あ、アハハ」

ロン「ヘラヘラすんな!!マーリンの髭!!」

ディーン「ご、ごめん……えっとさ、ジニー。行こう、どこか……空き教しt」

ロン「そこはせめて嘘でも談話室っつっとけよ!!!!!!!マーリンの髭!!髭!!!」

ジニー「いいえ、ディーン!先に行ってて頂戴!わたし、だぁーい好きなお兄様とお話があるわ!!髭髭うるさい、お兄様とね!!」

ロン「上等だ!!だけどこうもり鼻糞は勘弁してください!!!」

ハニー「……あー……私が口を出せる、問題ではないわね……」




249: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/16(金) 15:29:00.36 ID:WY5JSzRJ0


ジニー「さぁ!白黒はっきりさせましょう!させようじゃない!」

ロン「そりゃいい!丁度僕もいい加減我慢がならなくなってきたところだ!」

ジニー「こっちの台詞!全く持ってこっちの台詞だわ!!いい?私が誰と付き合おうと、その人となにをしようと、ロン!あなたには関係――」

ロン「あるに決まってるだろ!いやだね、皆が自分の妹のことをなんて呼ぶか――」

ジニー「何て呼ぶの!?」

ロン「発情期のめ――」

ハニー「ロン!!!!」

ロン「あっ……いや、今のは」

ジニー「なによ!!だからなんだって言うの?これが私だわ!ロン、私が気にもしていないことがあなたの汚点になるって言うんなら、妹と思わなければ良いじゃない!違う!?

ロン「そんなわけにいくか!僕は――」

ジニー「だったら放っておいて!なによ、自分がまだ一度もいちゃついたことがないからって!最高のキスが、ミュリエルおばさんからのキスだから――」

ロン「黙れ!!僕、僕だってな、あー……去年、ハーマイ――」

ジニー「ハニーはシリウスとキスしたわ!!!!それに!!!」

ハニー「ジニ――」

ジニー「その、ハーマイオニーだって!!!!クラムと!!!!キスしたのよ!?!?!?」

ロン「」

ハニー「……」

ジニー「ロン、あなただけが何だかいやらしいもののように振舞うのよ!だって、あなたは十二歳の子供並みの経験しかないから!悔しかったら、ミュリエルおばさんの写真にでもキスしてみたら!!!それじゃ!!」

バタバタバタバタバタッ

ハニー「……」

ロン「……」

ハニー「……」

ロン「……サインは捨てるよ」

ハニー「……もう、何年も前のこと……あー……えぇ、そうしたければ、そうすればいいわ」




251: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/16(金) 15:49:42.84 ID:WY5JSzRJ0


ハニー「……ロン、少し歩くのを遅くしなさい」

ロン「ヒンヒン!あぁ、悪いねハニー!あー、無意識で、無意識のうちに君の体調から何から察するのが僕の役目なのにまったく……まったく!マーリンの髭!おいどけよ!」

スリザリン女生徒「!?」

ポロッ、ガシャーーーン!

ハニー「あぁ、ごめんなさいね?大丈夫? ……ロン!今の女の子、薬ビンを割ってしまったわよ!ロン、この……」

ロン「クラムの野郎、本当にキスしたと思うかい?」

ハニー「それは……えぇ。あんな人、だったけれど。ハーマイオニーを心から愛してる、そうも言っていたもの……ダンス・パーティの夜、一度だけ、そう……」

ロン「よし……よーし……そうか、それなら……『ディリグロウト!』」

太った婦人『ひゃぁ!?あー、びっくりしたわ。そんな大声で言わなくっても、開けて差し上げますよ、もう』

ロン「じゃぁとっととしてくれよ!マーリンの髭!」

太った婦人『ハニーの前でなんて口、って、いつものあなたら言いそうですけどねぇ?』

パカッ


ハーマイオニー「あぁ、おかえりなさい。今日の練習はどうで……」

ロン「さぁね。君には関係ないだろ、選手じゃないんだから」

ハーマイオニー「……はぁ?」

ロン「それより君はもっと考えておくことがあるんじゃないか?お勉強とか、それともあのなんだかパーティとかね」

ハーマイオニー「あー、えぇ、そのことでちょっと……えっと、あなたは髪の毛って、真っ直ぐなのがいいのか、それとも」

ロン「どっちでもいいよ、どうでも。おやすみ。ハニー、あぁ!人類みーんな君と同じ髪ならなーんにも問題ないのになー!」

ハニー「ロン」

ロン「ヒンヒン!なんだいハニー!」

ハニー「ちょっと、召集をかけなさい。大丈夫、何も話さないわ。ちょっとあなたを私刑にかけたら、どうなるのかしら」




252: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/16(金) 16:17:45.73 ID:WY5JSzRJ0


数日後

『魔法生物飼育学』

ハグリッド「ほーれ、ロン。早く縄かけんと、スクリュートⅡがおめぇさんの足とかなんやら噛みきっちまうぞ?え?」

ロン「そ、それならちょっとは手助けてくれよ!!君先生だろ!?ま、マーリンの髭!!そりゃ、ハニーに任せるわけにはいかないからやるけどさ!あ、ハーマイオニーはどうでもいいです」

ハグリッド「ほーれ追加だー」

キシャァアアアアアアアアアアアア!!
 ガロシャナガルシャドガダシャーガ!シャアガソシャンガデシャー

ロン「!?ひ、髭!髭!!」


ハニー「……あれからロンは、懲りずに……あなたを、その。無視しっぱなし、ね」

ハーマイオニー「……私が何をしたって言うの?」

ハニー「あー……言葉にするのもなんだか、馬鹿らしいことなの……でも、ロンにとっては……そうね、大事よね。私は、ハーマイオニーはハーマイオニーだもの。すぐ上書きするだけだから、そこまで気にしないけれど……即日そうしたし」

ハーマイオニー「何の話?ねぇ、何の話なの、だから」

ハニー「後でね……ロンのことよ。一体どうすれば、あの機嫌も……クィディッチの調子の方も、うまくいくのかしら」

ハーマイオニー「……あなたが踏んであげれば、いいんじゃないの?」

ハニー「それじゃ、ロンのためにならないじゃない……ロン自身で、どうにかしなきゃ……」

ハニー「あぁ、もう……この私が、悩むだなんて……何か、運が回ってこないかしら。それは、この私だもの……運さえ……運」

ハーマイオニー「……ハニー?」

ハニー「……そうよ、これだわ。これで……ロンが気分のいいときに……ねぇ、ハーマイオニー。約束して」

ハーマイオニー「な、なにを?」

ハニー「今度の試合。私達が、絶対に勝つわ。それに、ロンはとってもいい活躍が出来ると思うの。ううん、そうなる。絶対よ」

ハーマイオニー「え……?でも、だって……さっきあなたが言っていたけど、今のロンの調子って、あー……ドラゴンの」

ハニー「それはいいの。とにかく、試合が終わったら……ハーマイオニー。私、これまで何度も言っているけれど。素直になりなさい」

ハーマイオニー「……す、素直、って?」

ハニー「『一緒にクリスマスを過ごしたい あなたの好みの髪型を知りたい』そう、ロンに伝えるの。いい?約束して。試合が終わったら、ロンと一緒にまっすぐあなたのところへ飛んでくるわ。約束、してくれる……?」

ハーマイオニー「……あなたのお願いを、聞けないわけないじゃない。えぇ……うー……い、いいわ。そう、ぱ、パーティの話はほとんどしたじゃない、だから、そのくらい、その、くらい……きゃぁ!?」

ハニー「えぇ、そうよね。そのくらなら簡単に伝えられると思うわ……もっともっと伝えたい想いは、今のところは、私達だけの秘密、にしておきましょう?ここだけの、ね……?」

ハーマイオニー「ちょ、ハニー、ここ、って、ここ、外だから秘密なんて、そんな、あぁ……せめてディリコールくらい、姿をくらまさないと、意味、ないじゃない……」


ハグリッド「つづけて!!」

ロン「…………どうぞ!!ヒンヒン!あぁ、豚のさがだなぁ!マーリンの髭!!!」




253: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/16(金) 16:43:32.26 ID:WY5JSzRJ0


金曜夜

ロン「……僕のキーパーとしての腕前なんてやっぱりドラゴン、いや、レタス食い虫の涎以下だ……マーリンの髭。そりゃ、『才能』ある人好みのめがねにはかなわないよな、そりゃそうさ……どうだっていいけどさ」

ジニー「……飛んでいる間はチームメイトにいばってあたっておいて、地面に降りたらあれだもの。やってられないわ」

ロン「そうだよ、僕ぁハニーの下にいられりゃそれでいいんだよ。なんなんだよ。マーリンの髭」

ディーン「ど、どちらにしろ僕とジニーは無視されてるけどね……」

デメルザ「気の良い人だったのに……どうしてあんな風になったの?」

ハニー「……それも明日の試合まで、よ。みんな、お疲れさま。戻って頂戴。私は、ロンと話があるわ」

ガヤガヤガヤ
 ガチャッ

ジニー「……私も残るわ」

ハニー「大丈夫よ、ジニー。あなたのせいじゃない……言い過ぎたところはあるけれど」

ジニー「……ごめんなさい」

ハニー「そうね……そう。明日の試合が終わったあと、あなたも素直に言ってみなさい。きっと、上手くいくわ。つまり絶対ね。この私だもの」

ジニー「? よくわからないけど、ハニーが言うならそうなのよね……それじゃ、ハニー!ヒンヒン!」

ディーン「ヒンヒン!」

ハニー「えぇ、明日は頑張りましょう? ……さて、ロン」

ロン「あぁなんでだって僕はこう……ヒン!あぁ、ハニー……明日はごめんよ」

ハニー「まだ起きてもいないことを謝るのはやめなさい。ねぇ、ロン。明日は絶対に成功するわ。この私が、約束してあげる」

ロン「ハニー……ありがとう、ヒンヒン!ベストを尽くすよ!」

ハニー「えぇ、尽くせるでしょうとも。それで、試合が終わって勝利のほら貝が鳴った後……あなたに、あることを伝える人がいるわ。あぁ、人たち、ね。さっき増えたから」

ロン「?」

ハニー「とにかく、その人たちの言うことを真剣に聞いてあげて。いつものように途中で軽口に逃げない、約束して。その人たちがどんな想いで伝えたか、考えて聞いてあげて。いい、ロン?私の……わたしの、友達としての、お願いよ」

ロン「!  オーケー、ハニー。そりゃ、守らないわけにはいかないよな。何せ僕、君の 友達だからね!もちのロンで!」

ハニー「……さっ、帰りましょう。遅くなってしまったもの、責任はとれるわね?」

ロン「ヒンヒン!さぁ、僕の背中にお乗りよ、ハニー!ヒンヒーン!」




254: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/16(金) 16:48:54.42 ID:WY5JSzRJ0


寝室

ハーマイオニー「スーーーッ、スーーーーーッ」

ハニー「……緊張で眠れない、と言っていたけれど……なんとか、寝かしつけられたわね」

ハニー「明日は、頑張ってもらうんだもの。しっかりしてもらわなきゃ……」

ハニー「……私も、しっかり事を上手く運ばなきゃいけないわ。二人の、ために!わたし、やるわ!えぇ!」

ハニー「……そのためにも」

ゴソゴソッ

ハニー「……利用させてもらうわ、スラグホーン先生。『フェリックス・フェリシス』を」



ラベンダー「……パーバティ、私、きめたわ」

パーバティ「……なに、ラベンダー。布団の中にもぐりこんできていきなり。そっちの気ないわよ、見る専よ?」

ラベンダー「それは私もよ……私、きめたの!明日、グリフィンドールが勝ったら……ロンに、告白する!」

パーバティ「……」

ラベンダー「あ、あぁ、それだとちょっと……ろ、ロンがスーパーセーブを10回きめたら、にするわ!」

パーバティ「あー、そう……じゃぁ、いいんじゃない?絶対ありえないでしょうし、えぇ。がんばってー」




257: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/16(金) 17:05:49.37 ID:WY5JSzRJ0


土曜日

大広間

ガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤ
 ザワザワザワザワ

ロン「……ドラゴンの糞山」

ネビル「おはようハニー!ヒンヒン!ロンも……え?なにそれ、前衛的な挨拶……?」

ジニー「最近のロンの口癖よ……おはようハニー!いい試合日和ね!」

ディーン「ほんと!風も少ないし、ハニーのみたいに心地良い天気だ!ヒンヒン!」

ハニー「えぇ、そうね。見上げるだけで誰しも笑顔になれる、そんな存在ね」

ロン「自然の摂理だよな……あれ?ハーマイオニーは降りてきてないのかい?ハニーと一緒じゃなかったから、てっきり……」

ネビル「みかけてないよ? あれ、君達って喧嘩してるんじゃなかったの?痴話の付く」

ジニー「……」

ロン「そういうわけじゃ……最後のはなんだよ最後のは。どうだっていいけどさ!なんだい、グリフィンドールの大事な試合の前だってのに、あいつ……」

ハニー「ハーマイオニーを悪く言うのはやめなさい、って何度も言ってるわ。さぁ、ロン?喉に直接注がれたい飲み物は、なにかしら?」

ロン「ヒンヒン!光栄だよハニー!ミルクでお願いしたいね!ハニーからのミルクを!ヒンヒン!」

ネビル「異議あり!今の発言は豚としてどうなんだい!」

ディーン「ただでさえハニーの下っていう心底羨ましい位置にいるくせに!!」

シェーマス「そこ代われ!!!!!」

ロン「HAHAHAHAHA!やだねっ!!!

ハニー「仲がいいのはいいことだわ。それで、ミルクね…………あら」

ルーナ「おはよう。今日は、試合なんだよね?」

ハニー「ハァイ、ルーナ。えぇ、大事な初戦だもの。お守りもばっちりよ」

ルーナ「うん、つけててくれて嬉しいもン。それで、だからそれを飲ませるの?」

ハニー「……それって、なぁに?さぁ、ロン。口を開けなさい」

ロン「君に頼まれたら月までだって!!ヒンヒン!アーーーン!」

ルーナ「だってあんた、今そのミルクに何か入れたよ?『元気爆発薬』とか?あたし、あれ嫌いなんだ。耳からの煙で、ラックスパートが逃げちゃうから」

ロン「……く、薬!?って、もしかして……」

ネビル「?」

ジニー「?」

ディーン「?」

シェーマス「?」

ロン「あぁ、こいつらは知らないんだ……ハニー、本当に?本当に、いいのかい?だって、それ『幸運……」

ハニー「さーぁ、なんのことかしら。検討も付かないわ。それじゃ、ロン。勝利を願って、飲みなさい」

ザバァーーーーッ

ロン「ヒンヒーーン!あぁ、ハニー!君ってさいこうあぶぶばばばばばbbbbbゴクゴクゴクゴクゴク」

ルーナ「?」



ハーマイオニー「……………」




258: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/16(金) 17:26:27.76 ID:WY5JSzRJ0


クィディッチ競技場

ワーーーワーーー!
 ザワザワザワザワザワ


ザガリアス「さぁ、クィディッチ初戦です――えーっ、グリフィンドール対スリザリン。伝統の一戦、なんて当人たちは言っていますが、試合カード的にはなんら珍しくないので何を言っているのか、という感じですね、えぇ」


ブーーーーブーーーーー!


ザガリアス「野次を向けるのは選手だけにすればどうかな、僕に何言ったって代わるわけないじゃないか。それで、実況は僕、ハッフルパフのザガリアス・スミスが担当します」


ブーーーーブーーーー!
 ヒッコメザガリーーーーー!

ザガリアス「……ザガリーって言うなよ!!!」


ネビル「……ザガリーが実況だって」

シェーマス「他に誰も名乗り出るのがいなかったんだとさ。リーのあれの後釜は、誰だってキツイよな」

ルーナ「楽しそう」

ネビル「そ、そりゃ、君なら楽しめるかもね……ハーマイオニー?いつにも増して楽しんでないけど……」

ハーマイオニー「……」

ネビル「あー、えーっと、触らぬ鬼ーにハーマイはある、ってね……」

ラベンダー「頑張って、頑張ってウォンウォン、あぁ……!」

パーバティ「ラベンダー、まだ入場もしてないから」


ザガリアス「えー、それでは、解説の紹介に入りましょう。解説は、あー、マクゴナガル先生です。先生――よろしくお願いします」

マクゴナガル「……」

ザガリアス「……先生?」

マクゴナガル「スミス。クィディッチにおいての実況とはなんぞや、これに、あなたは答えられますか?」

ザガリアス「え?そりゃ……試合の経過とか、選手の様子を事細かに……」


「……いけませんねぇ。ヘイザガリー!そんな答えじゃそのマイクは渡せない」

ザガリアス「!?だ、誰だ!?」


ネビル「誰だろう」

シェーマス「言ってて空しいよな」

ルーナ「去年の解説の――」


「クィディッチとは!観客と選手の鼓動が一体となり、競技場全てを巻き込む盛り上がりをみせてこそ、なのです!」

「実況者とは!そんな選手と観客の架け橋にならなくてはならない!そう、共に盛り上がり、狂喜乱舞し喋りまくる!横道にそれようがおかまいなし!」

「そんな実況を――見たいか!お前らーーーー!」

ワーーーー!

マクゴナガル「スミス、ご苦労でした。さぁ、実況を紹介しましょう――」

ザガリアス「そ、そんな!冗談じゃないよ――」


「そう!冗談じゃないこれは冗談じゃないんだぜザガリーザガリーザガリアース!今年もまたまたやってきた!!卒業したのにやってきた!!いい加減にウィーズリっちまえばいいのにそこはわたくし!実況を担当しますのは!」

リー「リーーーーーーー・ジョーーーーーーダーーーーーーーーン!!!」

ワーーーーーーーー!!
 シッテターーーーーー!!




264: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/16(金) 17:52:20.16 ID:WY5JSzRJ0


リー「さぁさぁさぁさぁ大一番!開幕からなんとまぁお前ら逆に仲いいんじゃねぇのってくらい憎しみあいマくルフォイなグリフィンドール対スリザリンの対決です!」

ブーーーブーーーーー!

リー「うるせぇ野次なら僕に任せたザビニっちゃってるザガリー君に向けやがれ!」


ザガリアス「うるさいな!!」

ザビニ「ザビニるっていうなよ!!」


リー「ヘーイ君達コンビで実況とかすれば丁度いいんじゃないすかね、ってそれでもまだまだこの席は譲れない!」

リー「このマイクは、この熱いクィディッチ愛は!我らがハニーに注ぐものに勝るとも劣らないともあぁやっぱり劣るかなあぁハニー君の飛ぶ姿をまたまたまたみられるなんてさいっこうだぜ!ヒンヒーン!」

マクゴナガル「リー!早くチームの紹介をなさい!」

リー「おーっと了解合点です、っとその前にお約束、紹介と言えばこれがなきゃーいけませんねそりゃそうだなんのために僕がここにいると思ってます?解説はこの方!マクゴにゃガルせんせー!」

にゃんこーーーーー!

マクゴナガル「リーー!!」

リー「はいはい先生わかってますって!それじゃチームのご紹介!グリフィンドールは新チェイサーにまたもウィの字ジニー・ウィーズリー!可愛いケイティを彷彿とさせるデメルザ・ベイン!そしてそしてぇ!件のケイティがあぁなんてこった!ちょいと怪我で一時ウィーズリっちまってる代役のディーン・トーマス!へい同胞!ハーレムなんて羨ましいぜ!」


ディーン「いつものロンほどじゃないよ!ヒンヒン!」


リー「まったくだそんなロナルド・ウィーズリーは今年も栄えあるチームのキーパーを続投しております!実力か、それともハニーの一番の豚だからなのか!コソコソ言う奴ぁ今日のロンを見てきめやがれ!おいロン!しっかりやれよ!」


ロン「今ならどんなクァッフルだって止めてみせるさ!!もちの僕でね!!ヒンヒーーーーン!」


リー「おぉー!なんと頼もしい!任せたぜ、フレッジョからケツにぶっさす花火を預かってるからな――」

マクゴナガル「表現を慎みなさい!」

リー「そうでございますね教授!さーせん!その他新ビーターに野郎二人、双子ほどではありませんがやり手を選んだようでう。あぁ、グリフィンの新キャプテンことハニー・ポッターの人を見る目、というかその瞳の素晴らしさときたら!みてください!ここからでもそのハシバミ色が我々の心をつかんで離しません――」

マクゴナガル「個人でなくチームでの話をしなさい!」

リー「もちのグリフィンキーパーです先生!さてさて、スリザリン!えーっと?……なんかいます!!!!」

マクゴナガル「リー!!!」

リー「だっていますもん!あ、冗談、冗談ですって先生! スリザリンは新チェイサーではありませんが、昨日の練習中に怪我をおったザマァチェイサーのベイジーの代わりが入っております。加えて、シーカーであるマルフィも病気プギャーで欠場です!急遽シーカーになったのはハーパー選手。なんとまぁ、頭がハーパーといった選手ですね!」

ブーーーーー!ブーーーーーー!!


ハニー「……マルフォイが、欠場?一番負けたくないであろう……私たちの試合で……?」


リー「ベイジーは昨年度のリーグでは得点王でした!ハーパーもどうやらシーカーとしての練習は数える程度しかしていません!これは、グリフィンドールとしてはフェリックスがフェリシスしたようなラッキーな展開です!あぁ、そりゃもうハニーがいれば当然なんですけどねヒンヒーン!


ロン「あぁ、ハハハハハッ!ラッキーさ、間違いないよ!」


ハーマイオニー「…………」




265: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/16(金) 18:09:57.04 ID:WY5JSzRJ0


ピーーーッ!

バッ!

リー「さぁホイッスルと共にクァッフルがお久しぶりなフーチ先生の腕から高く高く放り上げられました!本当にお久しぶりですフーチ先生、あれ?そこにいますか?いますかね?高く高くついてしまった何かのせいで姿がみせられないとか――」

マクゴナガル「リー!」

リー「はいはい先生オールオーケーですその辺には触れません! スリザリンのウルクハートがクァッフルを取りました!矢のようにとびだして――ゴールへ向かいます!突撃ウルクハート!!」

ワーーーーワーーーーー!!
 キャーーーーーー!

ロン「――」

ウルクハート「……!?なんだ、あいつ……目をつぶって……っ!」

ロン「――!」

バシッ!

ウルクハート「!? ば、バカな……!」


リー「ロン、止めたぁーーーーーあああああああ!!!」

ワァアアアアアアア!
 ワァアアアアアアアアアアアア!!

リー「信じられません!寸前までまるで隙だらけだったのに、クァッフルが近づいた途端にまるでクリオネのように!!ロン、どうやら昨年度のリーグ最終戦のコンディションをばっちり初戦にもってきたようです!!」


ロン「ゴールは……僕にまかせろぉおおおおおおおおおお!!!ヒンヒーーーーーン!」


ワァアアアアアアアアアアアア!!
 キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

リー「図に乗っております!!!この男、調子ノリノリであります!!かつてのキーパー、オリバー・ウッドを彷彿とさせます!さぁ、ロンはかつての偉大なキーパーを超えられるのか!」

リー「ロンの放ったクアッフルは、おっと!上手く連携が取れていません!ディーンが取る事ができず、スリザリンボールに!さぁ、ロン!みせてやれ!!」


ウルクハート「この……!?う、後ろを向いてる!?!?」

ロン「――」

ウルクハート「な、舐めるなぁあああああああああああああ!!」

ロン「――!」

バシッ!

ウルクハート「な……あ」

リー「ロン、止めたぁあああああああああああああああ!!!」

ワーーーーーーーーー!!!
 ウィーズリー!ウィーズリー!ウィーズリーーーーーー!!

ロン「――何驚いてんのさ、ウルクハート、だっけ?」

ロン「僕はハニーの一番の豚だぜ?このくらいの奇跡、朝飯まえさ。もちのロンでね!」

ワァアアアアアアアアア!!

ウィーズリーは我が王者~♪
ウィーズリーは我が王者~♪
万に一つも逃さない~♪
だから歌うぞグリフィンドール♪
ウィーズリーは我が王者~♪

ワーーーワーーーーー!




266: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/16(金) 18:29:05.73 ID:WY5JSzRJ0









リー「ジニー・ウィーズリー、本日四度目の得点!六〇対〇!グリフィンドール、大幅リード!」

ワーーーーワーーーー!
 キャーーーーー!
ウィーズリーは我が王者~♪


リー「いやぁ、どうやら今日はウィーズリー・デーになりそうな趣です!ロン・ウィーズリー、プロ顔負けのスーパーセーブを本日、少なくとも十回はみせております!」

ワァアアアアアアア!!
 ウィーズリーは我が王者~♪

リー「鳴り止まないウィーズリーは我が王者に、ロンはたまらず……指揮をし始めました!ッハハハ!おいおいロン、そんな余所見してると……」

バシッ!

リー「片手で止めたぁあああああああ!!」

ワァアアアアアアアアアアア!!

ウルクハート「」

リー「もうやめて!ウルクハートの士気は〇よ!!さぁさぁ、素晴らしい展開です。ロン・ウィーズリーの才能がおったまげーになったとみていいんですかね、先生」

マクゴナガル「……私としましては、チェイサーとの連携に課題が残っていると思われますね。ご覧なさい、セーブ後のスローでインターセプトされる場面が非常に多い、ですからシュートを打たれる回数が増えるのです。今はセーブできていますが、もしもこれが全部得点されていたとしたら――」

リー「えっ!?なんですか先生!長すぎて聞いてませんでした!簡潔に、にゃーと一言で済ませてください!!」

マクゴナガル「……」

リー「無視です!視線が痛い!!さあ、さぁ、ゲームは続きます!ロンのセーブ記録は、そしてジニー・ウィーズリーはどこまで得点できるのかー!」

ワーーーー!
 ワーーーーーー!


ハニー「……ふふっ。あれは効果覿面だったようね、ロンには」


ハーパー「……あのへっぽこ、自分が特別だと思ってるらしいな」


ハニー「あら……ハァイ。ドラコの代役なんて恥ずかしいものに借り出された、ハーパー、だったかしら?」

ハーパー「うるせぇ。あいつ、目障りだぜ。お前のダチ、血を裏切るクズ……っ!」

ハニー「なぁにその言い方……あら? 向こうに、飛んでいってしまったわ……ハーマイオニーが観客席から睨みでも、きかせて――じゃ、っ、ないっ!!!」


リー「おーーーっと!?!?スリザリンの、ハーパー選手!!スニッチを発見したようです!そしてその後ろを我らハニーが猛追ぃいいいい!!ハニーーーーィイイイイイイ!!」

ワァァアアアアア!!
 ヒンヒン、ヒーーーーーン!!!




268: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/16(金) 18:47:21.01 ID:WY5JSzRJ0


ビュオオオオオオオオオ

ハニー「速くっ!速くっ!!もっと、速くっ!!」

ハニー「出遅れた、けれど……!あの人は、試合用のスニッチになれて、ないわ……!」

ハニー「動きを、先読んで……!距離をつめる……追いつくわ、大丈夫……!」

ハニー「っ、あぁ、けれど……っっ!」


ハーパー「あと少し……!俺が勝ちで……」


ハニー「っ!!もう、ほんの……っ!」

ハニー「ハーパー!っ、えーっと」

ハニー「病気だとかいうドラコは!一体、どれだけのお金を積んであなたにシーカーを頼んだの!?」


ハーパー「!? な、なんでそれを……あぁっ!」

サッ!

ハーパー「あっ、あぁ!!スニッチが!!」


ハニー「っ、私、なんであんなこと言ったのかしら……っ!とにかく!」

パシッ!!

ピピーーーーーーーーーーッ!

リー「やった!!やったぜ!!!ハーパーのドージ!まぬけ!!寸でのところでスニッチを逃し、勝利は……我らがハニーの手だぁあああああああああああ!!」

ワァアアアアアアアアアアアアア!!
 ヒンヒーーーーン!!ヒーーーーン!!

ハニー「……ハァ。よかった……これで、うまく……ちょっと、ハーパー」

ハーパー「……」

ハニー「さっきの反応はどういうこと?マルフォイは、病気じゃなくて……」

ハーパー「知るか」

サッ

ハニー「……一体」


ジニー「ハニー!!」

ハニー「……あぁ、いいわ。あいつのことは……また、後で」

ロン「やったよ、やったぜハニー!ほんと、僕ってついてるなぁ!君がいるしね!もちのロンで!」

ハニー「……ふふっ。さぁ、仕上げだわ。ロン、こっちに来なさい!観客席に、用があるの!」

ロン「ヒンヒン!どこまでも、ハニー!」




269: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/16(金) 18:59:55.01 ID:WY5JSzRJ0


ハニー「っ、っと。ただいま、ハーマイオニー?」

ハーマイオニー「……」

ロン「えーっと、ハニー?そりゃ、君のいくとこ僕が下にいることは当然なんだけどさ……どういう状況だい?」

ハニー「言ったでしょう?あなたに話が、って。さぁ、ハーマイオニ……え?」

ハーマイオニー「……そうね、ハニー。お話があるわ」

ハニー「……どうして、あの……怒って、るの?」

ロン「そりゃ、ハニー。ハーマイオニーが怒ってない時の方の珍しいと、僕ぁ思うね」

ハーマイオニー「わけもわからず怒ってたあなたよりマシよ!ハニー!!それに、自覚していたロン!!あなたたちは、やってはいけないことをしたのよ!?」

ロン「な、なんだよ。なんのことだかさ、さっぱりだね。さっぱり髭さ。剃ったのかな」

ハニー「……本当、何のことかしら」

ハーマイオニー「とぼけないでっ!!朝食の、あのミルクのことよ!!」

ロン「ぎくっ」

ハニー「……確かに、私はいつものようにロンに飲み物を注いであげたけれど。それがなんなの?」

ハーマイオニー「あなた、ロンにあげるそれの中に――私、聞いていたのよ!気づいていなかったみたいだけど――幸運の薬、『フェリックス・フェリシス』を入れたわね!?」

ロン「あー、うーん?なんだそりゃ、えーっと、赤豚の別名か何か?」

ハニー「あれはフォークスよ。さぁ、覚えがないわ」

ハーマイオニー「とぼけないで、ってば!ロンがあの薬を飲んで、だから今日は最高の天気で、スリザリンも選手が欠場して!それに、あの薬があったからこそロンはあんな信じられないようなセーブができたのよ!!あんなの、絶対――」

ハニー「入れてないわ」

ハーマイオニー「っ、あなた、まだ……!」

サッ

ハニー「みて。これ、スラグホーンからもらった小瓶……コルクも、それを塞ぐ蝋も、そのままでしょう?」

ロン「えっ? あー、ほんとだ。あの時君の得意げな顔と一緒に覚えてるよ……あれ?って、ことは……今日のこと、全部」

ハニー「薬は関係ないわ。あなたは、飲んだと勘違いしただけなのよ。ロン。さぁ、これでいい?」

ハーマイオニー「……あ」

ハニー「それじゃ、本題に入りましょう?ハーマイオニーが……」

ロン「あぁハニー!君ってなんて粋な計らいするんだろうねハニー!ヒンヒン!えっと、本題?あー、そうだね……」

ロン「『あの薬があったからこそロンはあんな信じられないようなセーブができたのよ』」

ロン「……だっけ?ハーマイオニー」

ハーマイオニー「あ……」

ハニー「……えっ」




273: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/16(金) 19:17:53.43 ID:WY5JSzRJ0


シェーマス「……修羅場だ」

アーニー「帰りたいよ、ぼく」

ジャスティン「な、なに言ってるんだ!ハニーを置いて逃げられるか!」

ネビル「そ、そうだよ!フォーメーションGでハニーを守る準備をしなきゃ!」


ハーマイオニー「違うの、ロン……私」

ロン「『あんなの、絶対――』絶対、なんだい?僕一人じゃやれっこない?あぁ、君はそう思うんだろうな」

ハーマイオニー「違うわ!あなたが『できない』なんて、一度も……」

ロン「同じことさ。そう、君が言ったことをよーーーーく考えてみるよ。そう言われてるからね」

ハニー「……あの、ロン」

ロン「皆まで言わなくていいよ、ハニー。きっと君は、あれだろう?相談を受けてたんだろうな……チームのお荷物にしか見えないロンなんて、外せばどうか、とか。ハーマイオニーがその頭脳で分析してさぁ」

ハーマイオニー「そんな、こと……」

ロン「それとも、なにかい?『実践的クィディッチの作戦』でも、ビッキーにご教示いただいたのかい?『実践』したのはそれだけなんですかねぇ?」

ハーマイオニー「っ、ビクトールとは、そんなこと!!」

ロン「じゃぁ行けよ!下手糞のプレイなんてみたくもないんだろ!?国際的クィディッチ選手に手取り足取りお教えいただく予定でもたてればいいじゃないか!!」

ハーマイオニー「っ、~~~っ、ぅ」

ロン「泣きたいのはこっちだ!!!!」

ハーマイオニー「っ!」

パッ!

ハニー「! 待って……待って、ハーマイオニー!!!!ロン、あぁ、どうしましょう、あぁ、ごめんなさい!とにかく、あなたもそこで待ちなさい!いいわね!!着いてこなくて良いわ!!」

タタタタタッ

ロン「ヒンヒン!君の命令ならね、ハニー! うん?でもなんでここで、なんだろ……あぁ、そういや確か何か伝えるひと、たち、って言ってたような……」

ラベンダー「ろ……ロン!」

ロン「うん? なんだい、ラベンダー」

ラベンダー「あ、あの、あなたのプレイ!とっても、とってもとっても、ステキだったわ!かっこよかった!」

ロン「え?あ、あはは……ありがとう。えーっと……これ、って……」

ラベンダー「ロン、私……私……っ!!!」

ロン「んぐっ!?……っは!な……」

ラベンダー「アイラビュー!!!ロン!!!」

ロン「…………」

ロン「……!」ピーン!

ロン「もちのロンさ!!!っ!」

ラベンダー「きゃっ!あっ、んっ……」


ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
 ロォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンン
シネエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!
 ヒンヒーーーーーン、ヒーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!

ネビル「……ろ、ロンが、大人の階段を……ふ、踏み間違えてる、よね、あれ」

ジニー「……言い得て妙だわ、ネビル」




278: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/16(金) 19:29:18.72 ID:WY5JSzRJ0


数時間後

談話室

ハニー「…………ハーマイオニーは、見つからなかったのだけれど…………一体全体、あれは、どう、どういう…………」

ジニー「あぁ……ハニー、お疲れ様。えーっとね……」

ネビル「は、ハニーがハーマイオニーをおっかけて行ってから……ラベンダーが急に、その、ロンに……」

ハニー「あぁ……なんてこと……私が……わたしが、相手の気持ちを真剣に、考えてあげて、って……余計な……あぁ」

ジニー「そ、そういう話をしてたの?えぇ、結果……」


ロン「――」ラベンダー「――」


ハニー「」

ジニー「……接着呪文でもお互いかけられたみたいに、ずっとあぁなのよ」

ネビル「……さ、最初のうちはロン氏ねーとか、ヒューヒューって煽ってた人たちも……もうなんというか、そういうモニュメントとしてみてるよ」

ハニー「……」

ネビル「ハニー?」

ハニー「ラベンダーは同じ寝室のお友達、悪い子じゃないわ少なくともロンのことを本当に好いてくれてるならそうよラベンダーは悪くないわラベンダー…………ネビル」

ネビル「なんだいハニー!」

ハニー「ちょっと、腕一本借りていいかしら」

ネビル「もちの……いだだっだだだだだだだだだだだ痛い痛い痛いよハニーありがとうございます!!ヒンヒン!!!!」

ジニー「あー……流石に目の前で見せられたらそういう相手じゃなくてもイライラしちゃうのね、嫉妬しちゃうハニーステキ……あっ」

 キィィッ、パタンッ

ハニー「なぁに?今度は公衆の面前でナニを始めたの?」

ジニー「あー、あっちは相変わらずどこが境目なのかわからない状態で固まってるけど……今、肖像画の穴から、ハーマイオニーが出て行ったように、見えたの」

ハニー「……戻ってたのね。もう……行ってくるわ」

ネビル「う、うん。いてて。どうぞる要員はいる?」

ハニー「その時になったら駆けつけなさい」

ネビル「ヒンヒン!やったね!」




284: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/16(金) 19:51:55.20 ID:WY5JSzRJ0


空き教室

ピーーーチチチチチチッ
 ピーチチチピーーーチチピーフォイチチチッ

ハニー「……あそこの教室から、不自然な鳥の鳴き声がするわ」

ギィィッ

ハニー「……ハーマイ、オニー」

ハーマイオニー「っ! あぁ、ハニー!っ、こんばんは!」

ハニー「……ねぇ、涙は拭かなくっても」

ハーマイオニー「あのね、えぇ!私、ちょっと練習をしていたの!ほら、この小鳥たち!」

ハニー「……ステキよ」

ハーマイオニー「えぇ、それで!お祝いのパーティは楽しんだ?」

ハニー「……そんな……壊れそうな、声で」

ハーマイオニー「ロンは、随分とお楽しみだったようだけど!」

ハニー「……ハーマイオニー」

ハーマイオニー「なに、ハニー?いいの、いいのよ!だって……きっと、ロンは」

キィィッ

ハニー「っ!……あぁ」

ラベンダー「うふふっ、ふふっ、ロン?ウォンウォン?こっちよ?こっちでゆーっくり……あら!あぁ、まぁ!」

ロン「何をしようって言うんだい?そういやここ、前に……う、あ」

ハニー「……」

ハーマイオニー「……」

ロン「……」

ラベンダー「うふふっ、お邪魔みたいね!そう、ハニー!安心して!あなたの豚として働く彼を見るのも大好きだから、ずっと独り占めしようなんて思ってないわ!とりあえず、ごゆっくり!」

バタンッ

ロン「…………」

ハニー「……」

ハーマイオニー「……」

ロン「え、えーっとさ……考えた結果、ラベンダーは僕と付き合いたいみたいで。それで、僕としては色々ジニーに言われたこともあるし、それに、ラベンダーって以外と大」

ハーマイオニー「『オバクノ!!!襲えっ!!!!』」

ピーーーーーーーチチチチチピーーーーーッ!!

ロン「へ? う、うわぁあああああ!?や、やめろよ!やめろ!!この鳥、やめ!!!な、なんだよ!!!マーリンの、マーリンの、髭!!!」

バタバタバタバ、バタンッ!

ハニー「……ハーマイオニー」

ハーマイオニー「……ぐすっ……か……ロンの……っ、ばか、……っ、ぁ、っ、ぅあっばかぁ、ぁあああああ……」

ハニー「ごめんなさい……本当に…私の、わたしの、せいなの。だから……きゃぁ!?」

ハーマイオニー「ひっく、ぐすっ、っ、えぇ……ぐすっ、ハニー……フェリックス・フェリシスを飲んだくらい幸せな気分になるまで付き合ってくれないと、ゆ、っ、許さない、ん、だから」

ハニー「あっ、あぁ……そう、ね……リーエムの血を飲んだくらい、熱くなっちゃうの、かしら……」

ドアの向こう

ネビル「つづけて!!」

ジニー「どうぞ!!」

ラベンダー「ろ、ロン、ローーーーーン!!り、リンチされるあなたもステキ!!!!」




308: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/17(土) 16:48:54.11 ID:I9UqYgo40


十二月

談話室

ロン「おはようハニー!あぁ!今日も君はこの寒空とか雪とか吹き飛ばすくらいの温かさを僕達豚に与えてくれるよな!ヒンヒン!」

ハニー「……えぇ、そうね。おはよう、ロン。ラベンダー、いいわよ」

ラベンダー「ありがとうハニー!あぁロン……っ!」

ロン「おはよう、ラベ、うわっ……!」

パーバティ「……おはようハニー。ハーマイオニーは?」

ハニー「……この光景を見たくないから、って、今日も先に大広間へ行ったわ」

パーバティ「賢明ね……私も明日からそうしようかな」

ラベンダー「ん~~~~っ、まっ! ロン、また夜にね!今日もハニーの豚頑張って!」

ロン「ハニー以外が豚って言うなよな!あぁ、また!」

ハニー「……恋人、なのかしら。これ」

パーバティ「……あなたの豚=ロンの義務だから取り上げるわけにいかない、らしいわ」

ハニー「……そう。一応、えぇ。ロンのことを考えてあげてるのよね……ラベンダーは悪くない、悪く……」

ネビル「おはようハニー!腕なら何本でもあげるよ!ヒンヒン!」

ハニー「ハァイネビル、いまのところ大丈夫だわ」

ロン「おいネビル!ハニ――」

ネビル「うるさいよ」

ロン「なっ、あのなぁ!豚だからって恋人をもっちゃいけないなん――」

ネビル「」ブオォオオオオオオオオオオオオオ!!

ロン「うわ!?うっるさ、おい!ネビル!!満足気な顔で立ち去るなよ!おい!なんだってんだ!マーリンの髭!」






310: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/17(土) 17:04:47.01 ID:I9UqYgo40


ハニー「私を第一とするのは当然だし、ラベンダーとの時間を大事にするのはいいことだわ、ロン」

ロン「ヒンヒン!ありがとうハニー!なんてったって慈悲深さが海より深い君の豚だからね僕ぁ!」

ハニー「だけれど、ハーマイオニーを無視する道理はないと思うわ。言いたいことは、分かるわね?」

ロン「あー……け、けどさぁハニー。あいつ、おっと、ハーマイオニーだって僕のことを避けてるんだぜ?」

ハニー「それは、そうだけれど」

ロン「もっとも、文句は言えないはずだよ。クィディッチのことで喧嘩を売ってきたのはあっちだし、それに、僕が誰とイチャイチャしようがね。だって、ハーマイオニーだってクラムと、そうだろ?マーリンの髭!」

ハニー「……程度の差はあるでしょうけれど」

ロン「僕とハーマイオニーは、ほら、君が第一な人同士――僕は豚だけど――だけで、ほら、なんでもなかったじゃないか。そりゃ、うん。クリスマス・パーティのことはすこーしだけ話題にしたよ?」

ハニー「えぇ、そうね。お互いにその後馬鹿丁寧になっていたもの、覚えているわ」

ロン「そ、そうさ。すこーし話しただけで、実際に約束したわけじゃぁないし。うん、だから……」

ハニー「……」

ロン「えーっと……そ、そうだ!この空き時間に『呪文学』の教科書を読んでおかなきゃいけないんだよねハニー!そうしよう、うん!あぁ!ハニーの下で過ごせる時間は幸せだなぁ!」

ハニー「……(私が、悪化させてしまった事態だもの……あんまり、口を出す資格もないけれど)」

ハニー「……わたし、あなたとハーマイオニーが一生口をきかないなんて。やよ」

ロン「あー……うん、そのさ。そのうち……三年生の時も、そうだったじゃないか?大丈夫だよ、大丈夫。ハーマイオニーも、なんだか意地になってるだけで、うん……」

ハニー「……鏡に話しかけるなら、退いてあげるわよ、ロン」

ハニー「(ハーマイオニーは今日は別の授業でほとんど別々ね……放課後、話さなきゃ)」




311: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/17(土) 17:30:24.75 ID:I9UqYgo40


放課後

図書館

ハーマイオニー「ロンが誰とキスしようと、関係ないわ。私があの人に怒っているのは、そうよ。クィディッチのことでとか、あなたって人がいるのにとかそういうこと。決まってるじゃない」

ハニー「……そういうことにしてあげるけれど」

ハーマイオニー「大体、いつだってロンは……理不尽で、すぐ茶化して、自分のことは棚にあげて」

ハニー「……」

ハーマイオニー「非常識で、向こう見ずで、無駄に身長が高くて、背中とか手とか、いつの間にかびっくりするくらい大きくなっ……ところでハニー!!」

ハニー「えぇ、なぁにハーマイオニー。続けてよかったのに」

ハーマイオニー「なんのことかしら!ぜんっぜんわからないわ! それより、気をつけなくてはいけないわよ?」

ハニー「……また、このプリンスの教科書のこと?」

ハーマイオニー「そうじゃなくって! あなた、まだスラグホーンのパーティに誘う人、決めていないじゃない?」

ハニー「えぇ……だってあぁなると、ロンを誘うわけにはいかないわ」

ハーマイオニー「血の涙を流してたらしいわね。ざまぁみろよ」

ハニー「ラベンダーと、あなたに悪いもの……それで、特に招きたい人もいないから、どうしようかしら、って……思っていたら」

ハーマイオニー「いたら?」

ハニー「スラグホーンから手紙が着たわ……『ハニー、君と一緒にパーティに参加したいという人が大勢いてね!君に限り、お相手は男女に限らないということにしよう!』ですって」

ハーマイオニー「……おそらく、あなたが相手がいないということにして欠席するのを阻止したかったのね。あぁ、どうりでロメルダ・ベインが張り切っていたはずだわ」

ハニー「ロメルダ? あぁ、えぇ。夏休みから何度か話したことのある、あの子ね。豚候補の」

ハーマイオニー「その認識は知らないけど……あの子、女子トイレで友達と一緒に『惚れ薬』の話題を延々していたわよ。あなたに盛るんだ、って」

ハニー「『惚れ薬』……?でも、どうやってそんなものを。だって、ふくろう便はフィルチが全部検査しているんでしょう?」

ハーマイオニー「双子のお店では、中身を『咳止め薬』だとかに偽装して送るそうよ。あのお店の商品説明にそう書いてあったわ」

ハニー「……随分と熱心に見ていたのね?」

ハーマイオニー「……規則違反をしようとする人の心理を分かっておこうと思ったのよ、えぇ!」




312: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/17(土) 17:48:17.25 ID:I9UqYgo40


ハニー「まぁ、ロメルダの方はいいわ。そんな薬を盛られるほど、この私は迂闊じゃないもの。そうでしょ?」

ハーマイオニー「はいはい、そうでしょうとも」

ハニー「言い方が気になるけれど……とにかくそれより、フィルチの検査は万全じゃない、そっちの方が問題よ」

ハーマイオニー「? あー、そうね。そんな薬をのさぼらせるだなんて、学校の風紀が……」

ハニー「そうじゃなくって!女の子たちだって偽装した何かを学内に持ち込めるのよ?それなら、マルフォイがネックレスをここで手に入れる手段がないわけないじゃない?」

ハーマイオニー「あぁ、ハニー……またなの?」

ハニー「だって、そうでしょ?厳重に包んでしまえば、中身なんて……」

ハーマイオニー「あのね、ハニー。フィルチが使っていた『検査センサー』は、例えフィルチが抜けていてもあのネックレスほど強力な闇の呪いがかかっていたらどれだけ包装したって無駄なの。『惚れ薬』とは事情が違うわ。だって、あれは『闇』の代物というわけでもないし……」

ハニー「……それで巻き起こされることはひょっとしたら呪いより酷いことかもしれないけれどね」

ハーマイオニー「?」

ハニー「こっちの話。何より、そうよ……検査をするのはフィルチだわ。そう、あの人を出し抜くくらい、マルフォイだって……」

ハーマイオニー「……ハニー、マダム・ピンスがこっちを睨んでるわ。閉館の時間のようだから、帰りましょう?」

ハニー「……えぇ。マダム、ごきげんよう」

ピンス「…………その本はよもやここのものではないでしょうね?」

ハニー「えぇ、自分の教科書に書き込みをしているだけだわ。それじゃ……刺すような視線だったわね」

ハーマイオニー「あの人とフィルチの間に何かあるっていう噂、本当なのかしら」

ハニー「戻って、うまくいく秘訣でも聞く?」

ハーマイオニー「……ハ、ハ、ハだわ」




318: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/17(土) 18:17:01.76 ID:I9UqYgo40


談話室前

ハーマイオニー「さっきは冗談のようにかわしてしまったけど、本当、ハニー。ロメルダには気をつけて頂戴よ?」

ハニー「だから言っているいじゃない……あなたのステキな惚れ薬以外は口にしないわ」

ハーマイオニー「なんのことを言ってるのそれは!?」

太った婦人『あなたたちのお友達が聞いていたら食いつきそうねぇ。合言葉は?』

ハニー「こんばんは、レディ。『ボーブル、玉飾り』」

太った婦人『はいよろしい。クリスマスおめでとう』

パカッ

ロメルダ「……あっ!ハニー!あの、こ、こんばんは!」

ハニー「あら……あー」

ハーマイオニー「ほら、早速よ」

ハニー「ハァイ、ロメルダ。お出迎えしてくれたの?」

ロメルダ「そ、そうなの!えっと、これ!喉渇いてないかしら!ギリー・ウォーター!好き?」

ハニー「そうね、タンポポが入っていたらもらったかもしれないわ……今はいいわ。ありが――」

ロメルダ「じゃぁ、これ!このチョコレートケーキ!お祖母さんが送ってくれたんだけど、私、好きじゃなくって!もらって!」

ハニー「そんな、悪いわ――」

ロメルダ「いいの、いいの!私が食べて欲しいから!それじゃ、ハニー!また!すぐかもね!!!」

ハニー「……行っちゃったわ」

ハーマイオニー「……あなた割りと、押しに弱い時あるわよね」

ハニー「あら、それは押されたいって言っているのかしら……このチョコケーキ、どうしましょう」

ハーマイオニー「今度スクリュートⅡのえさにでもしましょうか」

ハニー「……あの子に怒らなくったって、私が食べなければいいだけじゃない。怒るのは……」


ロン「――」ラベンダー「――」

パーバティ「冬休みが近いっていうのに来る日も来る日も新刊作業は私に任せっぱなしフフ腐これはもううラベパティ解散よねフフフフフフフフ」ガリガリガリガリガリガリ


ハニー「……ロンだけにしたら?」

ハーマイオニー「……あれ、風紀乱しているわよね?」

ハニー「職権乱用はやめなさい」




322: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/17(土) 18:38:36.75 ID:I9UqYgo40


休暇最終日

大広間

ハニー「……休暇前に食べる、最後のお城での食事ね」

ロン「ヒンヒン!ハニー、平気さ!ドビーに話をつけてあるからね!この一等星食器は休暇を過ごすことになってる僕んちに運ぶ手はずだよ!ヒンヒン!」

シェーマス「ロン氏ね!!!何様だ!!」

ネビル「家代われ!!!!」

ロン「HAHAHA!やだねっ!!!

ハニー「それは、そうね。ロンもドビーもよくやってくれたわ。褒めてあげるわよ」

ロン「あぁ、そりゃもうドビーは褒めてやってよ。どこぞの馬鹿がその食器を持ち出そうとしてて毎度大変らしいからさ」

ハニー「あぁ……クリーチャーがいるんだったわね、今。そうね、休暇前に顔を見せにいくわ。ドビーにだけれど……それより、私が言いたいのは」

ロン「あー、あれだろハニー。年越し前にハーマイオニーと仲直りする最後のチャンスだ、とか」

ハニー「……分かっているなら」

ロン「わかっちゃいるさ。でもさ、ほら……どっちにしろ、あいつはクリスマス・パーティだかの準備で忙しくって僕なんかの話を聞く暇ないじゃないか?」

ラベンダー「私とウォンウォンは二人っきりで過ごすのよ!あ、いいのよねハニー?あなたは今日、スラッギー爺さんのところでしょう?ステキね!」

ハニー「……えぇ、そうね。もっとステキになるはずだったのだけれど」

ロン「僕らも行けたらなぁ――」

ハーマイオニー「あーら、それは残念。でも、これは招待客だけだもの。仕方ないわね。おはよう、ハニー!」

ハニー「ハァイ、ハーマイオニー。えーっと、朝寝室以外で会うのは久しぶりね」

ロン「……なんだよ、嫌味なら――」

ハーマイオニー「ところでハニー、パーティに一緒に行く人はきめたの?」

ガタッ!!
 ガタガタガタッ!
ヒンヒン!

ハニー「あぁ、それ。どうしようかしら、と思っていたところなの。あなたは異性じゃないと駄目でしょうし……そう、そうだったわ。そういうあなたは誰と行くの?ハーマイオニー」

ハーマイオニー「私?私は――コーマック!と行くわ」

ガタガタッ!!ガシャンッ!!!

ロン「コーマック!?!?」

ハニー「きゃぁっ! っ、ロン!いきなり立ち上がらないの……あー、分かるけれど」

ハーマイオニー「静かにしてもらえるかしらそこの豚さん。ラベンダー、静かにさせてあげてもいいわよ」

ラベンダー「そ、それは後にするわ。えっ、えっ????ハーマイオニー!それじゃあなた、コーマックと付き合っているの!?」

ハーマイオニー「そうじゃないけど、今夜になったらどうかしらねぇ」

ロン「は……はぁああ!?」

ハニー「…………あー」

ネビル「あ、ハーマイ落ちてる」

ラベンダー「おどろいたわ!あなたって、てっきりクィディッチ選手が好きなんだとばかり!最初はクラム、それに――」

ハーマイオニー「えぇ、クィディッチ選手は好きよ?『本当に』実力ある人は。知ってた?あの人、キーパーになるのを偶然!逃したの」

ロン「おい!!!何が言いたいんだよ!!!」

ハーマイオニー「それじゃ、一時限目は別々よね。ハニー、また『変身術』の授業で。真っ赤なマットによろしくね」

ツカッツカッツカッツカッ

ハニー「……あそこまでするなんて」

ネビル「お、女の子って、コワイなぁ」




323: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/17(土) 18:57:45.07 ID:I9UqYgo40


『変身術』

ハニー「眉の色を変える、ね……ついに人を変化させる呪文だわ」

ロン「豚になる呪文はいつかなぁ」

ハーマイオニー「……」

ネビル「えっと、ろ、ロン!君はもうハニーの豚じゃないか?」

ハニー「あー……色、どうしようかしら。それは、そうね。私ならなんでも似合うけれど」

ハーマイオニー「そうね。でも、同じ赤でもここまで違うのはビックリだわ。誰の事かはしらないけど」

ロン「……」

ネビル「えっと、えーっと!は、ハーマイオニー!ハニーと同じで誇らしいロンの髪を僕ら豚はすっごく羨ましく思ってるよ!?ヒンヒン!」

ロン「そりゃそ―― ハーマイオニー「全然ちが――

ロン「……」

ハーマイオニー「……」

ハニー「……もう」

ネビル「……お互いにハニー以外と喋る気ないならどっちか離れればいいじゃないか!!僕の気にもなってよ!!」

ハニー「あなたのおかげで空しくならずにすんでるわ、ネビル。ありがとう、できる豚ね」フーッ

ネビル「! ヒンヒーーン!!大丈夫だよハニー!とばっちりには慣れっこさ!」

ロン「あっ、ちっくしょネビルめ……よぉし、ここは名誉挽回で成功させて……眉毛に『~~~、眉毛の色変われ!』……うわ嗚呼アァアァウゴホッ!!ゲホッ!!ゲホッ!!!」

ハニー「!? ろ、ロン……な、なぁに、これ!?」

ラベンダー「きゃ、きゃあああああ!!先生、せんせー!ロンに恐ろしく長い髭が生えてきて、ロンの口を塞いで死んじゃう!!しんじゃいます!!!あぁ、ウォンウォーーーン!!」

ハーマイオニー「ハハッ、フフフフッ!呆れた!マーリンの髭は口癖だけにすれば!?」

ロン「ウゲッホ、ゲホッ!!ゴフッ……マー、ゴフッ!!」




324: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/17(土) 19:12:23.47 ID:I9UqYgo40



マクゴナガル「――ここまではよいですね?何か質問は」

ロン「ハイッ、センセー!」

ラベンダー「っふふ、ぷっ、ふふっ」

ハーマイオニー「……」

マクゴナガル「おや、あなたが挙手とは珍しいですねウィーズ――なんです、そのピョコピョコとした動きと、甲高い声は」

ロン「えぇ!?そんな風になってますかーぁ!?もしかして誰かさんの質問する時のおっかしな癖でもうつっちまったかなー!マーリンの髭!」

ラベンダー「っふふふ、あっははは、ふふっ」

ハーマイオニー「…………」

マクゴナガル「……グレンジャー、下を向いてどうしました?お手洗いにに行ってよろしい」

ハーマイオニー「っ、ぅ、はい、先生。ありがとう、ございます……!」

ハニー「……ハーマイオニー、泣いて、っ、ロ――」

マクゴナガル「ポッター、私語はつつしみなさい。それで、ウィーズリー。質問はなんです?」

ロン「えっ?あー…………えーっと」

マクゴナガル「そうですか。不用意に授業を止め、教授に対して無礼儀な態度を取ったことに対して。授業の後でお話があります、わかりましたね?」

ロン「」

ラベンダー「そんな、せんせ――」

マクゴナガル「えぇ、ミス・ブラウン。あなたもです。あなたた二人にはそろそろ言っておくことがあります」

ラベンダー「」

ジリリリリリリリッ!

マクゴナガル「今日はここまで。各自、色の変わった眉をもとに戻してからお戻りなさい。元に戻るまでが『変身術』です。ポッター?」

ハニー「はい、先生」

マクゴナガル「少し止まりなさい……はい、行ってよろしい。こちらはお任せなさい」

ハニー「ありがとう、先生……お願いするわ。ロン」

ロン「ひ……ヒンヒン!な、なんだいハニー!」

ハニー「先生からの言葉、倒立土下座でよーーーーーーーーーーーく、聞きなさい。いいわね?」

ロン「……もちのロンさ」




325: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/17(土) 19:26:39.73 ID:I9UqYgo40


女子トイレ前

ハニー「ハーマイオニーは、どこの……あぁ」


 ハーマイオニー「……ルーナ、っ、ありがとう。えぇ、背中擦るのは、いいわ。あの、どちらかというと……叩かれてる気がするから」

 ルーナ「あぁ、ごめん。私あんまりこういう、慰めることってしたことなくって。んーと。元気だしてよ。ほら――お迎えがきたよ」


ハニー「あぁ、ルーナが一緒にいてくれていたのね。よかったわ……ハーマイオニー?」

ハーマイオニー「ハニー……ごめんなさい。私、授業中なのに我慢できなくって……えっと、お手洗い行くのを」

ハニー「……えぇ、そうね。 目が腫れているのは、さっきの呪文のせい、そうでしょ?」

ハーマイオニー「……そう、なの。うん……私、『数占い』に行かなきゃ。ハニー……パーティで。それじゃ。ルーナ、心配かけたわ」

ルーナ「んーん、いいよ。いいクリスマスを」

ハーマイオニー「……そうなるといいけど」

ツカッツカッツカッツカッ

ハニー「……ずっとこの、女子トイレにいたの?ハーマイオニーは」

ルーナ「うん。なんだか落ち込んでたみたいだよ。だって最初、ここが三階の女子トイレかと思ったもン」

ハニー「……そう、マートルくらいに泣いて……あぁ、ロンったら本当に」

ルーナ「やっぱりあのロンのことなんだ」

ハニー「えぇ。ちょっとだけ……えぇっと、いつもより大掛かりな喧嘩をしてしまったの」

ルーナ「ふぅん。ロンって、時々おもしろいことを言うよね」

ハニー「えぇ、そうね。でも――」

ルーナ「うん。おもしロンなんだけど、酷いところもあるな。あたし、去年気づいたんだ」

ハニー「……言ってくれるわ、相変わらず」

ルーナ「あんたたちが言わないから。それだけ」




327: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/17(土) 19:38:16.62 ID:I9UqYgo40


ハニー「今学期は楽しかった?あまりゆっくり話す機会がなかったけれど」

ルーナ「うん、まぁまぁ。でも、やっぱりDAがなくって寂しかったかな」

ハニー「あぁ……そうね。私達も余裕がなくて、すっかり忘れていたわ」

ルーナ「うん。でも、ジニーがよくしてくれたんだ。合同授業の時とかだけど」

ハニー「ジニーが?」

ルーナ「そう。あたしが、男子二人に『おかしなルーニー』って言われてたとき」

ハニー「……」

ルーナ「ジニーが『コウモリ鼻くそ』で黙らせてくれたんだ」

ハニー「……そうなの。あなたは相変わらず、そういう……」

ルーナ「んーん、滅多にないよ。大体、からかうよりもみんなあたしを無視するか方がいいって――」

ハニー「っ、ねぇ、ルーナ」

ルーナ「? なに?」

ハニー「今夜、空いているかしら」

ルーナ「うん、ちょっと休暇で必要なのになくなったものを、早めに返してくださいって張り紙するくらいで――」

ハニー「それも、私が手伝うわ。手伝わせて!だから……今夜の、スラグホーンのパーティ」

ルーナ「!」

ハニー「私――わたしと一緒に、行ってくれない?」

ルーナ「――あんたと、あたしが?」

ハニー「えぇ。そうよ」

ルーナ「だって――あんたはたくさん他に」

ハニー「あなたと行きたいの。友達として、一緒に。駄目かしら、ルーナ」

ルーナ「――友達!友達として!」

ハニー「えぇ。お願いしたいわ」

ルーナ「――うん!!!」

ハニー「ふふっ、ありがとう。それじゃ、八時に玄関ホールで――」

ルーナ「カブと一緒に、待ってるもン!」

ハニー「えぇ、そうね。みんな分かると思うわ、あなたとわたしが、友達だ、って」




336: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/17(土) 21:24:36.66 ID:I9UqYgo40


放課後

大広間

ピーブズ「ポーォッティ~がルーゥニ~をパーァティ~にさーぁそったぁ~!!あっひゃははははははっはははははははあ!!ゆーり!ゆーーーーり!ゆりばたけぇーーー!!あひゃはははははは大好物ですありがとうございます!!!」

ザワザワザワザワ
 ガヤガヤガヤガヤ
ウアアアアアアアアアアアアア!!!
 アアアアアアアアアアアアアアアアア!!

ロン「うっるさいなぁピーブズの奴――中々分かるじゃないか」

ネビル「今度勧誘しないとね」

ハニー「うるさすぎる豚は嫌いよ」

ロン「ヒンヒン! それにしてもハニー、なんでだってルーニーだったんだい?いや、まぁ、君の決定にはなーんにも異論なんてあるはずないけどさ」

ジニー「そういう言い方しないでよ、ロン!ハニー、ありがとう!午後の授業でルーナと一緒だったけど、あの子とっても興奮してたわ!」

ハニー「そう、ふふっ。それはよかったわ」

ロン「興奮、だとさネビル」

ネビル「僕のボトムがロングボトムになりそうだよ」

ハニー「?元からそうでしょう?」

ネビル「ヒンヒン!そういえば、豚どもはショックのあまり阿鼻叫喚だよ……馬鹿だなぁ、ハニーと一緒に行けると思ってたのかなぁ」

ハニー「カワイイ豚たちだもの、そうしてもよかったのだけれどね。ルーナとはお友達だし、お世話になったもの――ハーマイオニーのことで」

ロン「あぁ――えぇっと、あっちの端の席でシチューをすすってる奴ね」


  ハーマイオニー「……」


ハニー「私に泣いていたことについて触れられたくないのでしょうけれど……それで、ロン。謝る気になったの?」

ロン「あー、えーっと……マクゴナガルにこってりしぼられた。うん……それに、このままじゃハニーの迷惑にも」

ハニー「私を言い訳にしないで」

ロン「……あー」

ハニー「ねぇ、ロン。ジニーに言われたことだって、もう気になっていないでしょう?ラベンダーの『気持ち』を大事にしているのは分かる、けれど……わたしの、言ったことだけれど、もう」

ロン「いや、僕は――」

 ラベンダー「ウォンウォーーーーーン♪」

ロン「えっ?うわっ!?わっ―――」

ネビル「あー……そのロンの唇の位置に滑り込むのが上手くなったね、ラベンダーは」

ハニー「……」

  ハーマイオニー「……」

バーン!!!

  マルフォイ「それで、いいか。僕は今夜も――うわあああああああああ!?!!?」

  パンジー「あぁ、策略めぐらすドラコもすて――キャァアアアアアアアアアアアアアアア!!!またドラコのゴブレットから炎がぁあああああ!!!」

ネビル「……えーっと、僕にとばっちりがこなくてよかったぁ」

ハニー「……素敵な宵には、ならなさそうね」




338: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/17(土) 21:41:01.68 ID:I9UqYgo40


八時

玄関ホール

ガヤガヤ、ガヤガヤ

ハニー「……?こんな時間なのに、なんだか人が――」


シェーマス「あぁ!ハニーだ!!ヒンヒン!」

ジニー「ドレスがステキよハニー!!」

ディーン「ヒンヒン!!あとでジニーと並んで写真を撮ってくれないかなハニー!ヒンヒン!コリン頼むぜ?」

コリン「いやです!!このフィルムはドレスハニーで焼き潰すってきめたんだい!」パシャパシャパシャパシャッ!!


ハニー「ああ、そうね。このドレスを着るのも久しぶりだもの……冬休み前にいい思い出ができたかしら?可愛い豚のみんな?」


ヒンヒーーーーーン!!

アーニー「最高ですハニー!ヒンヒン!」

ジャスティン「これなら寒い冬の野山でもへっちゃらだよ!!ヒンヒン!」


ハニー「そう、それはよかったわ……野山? まぁ、いいわ。待たせてはいけないもの。今日は――ルーナ」

ルーナ「――こんばんは。 ! カブとおんなじ色のドレスだ!」

ハニー「ハァイ、ルーナ。そうね、それに髪とも同じなの。それで、あなたは――」


ヒソヒソヒソ
 クスクスクス

 女生徒「みて、ルーニーのあれ。スパンコールだらけの銀色のローブ」

 ロメルダ「――私の方が、こんなにいいドレスなのにっ!!!あんなキワモノな――」


ハニー「とってもステキだわ。スパンコールの配置は、冬の夜空?」

ルーナ「うん。ここ――胸の真ん中あたりがおおいぬ座。で、一番光ってるのが」

ハニー「……シリウス?」

ルーナ「あんたが喜ぶと思って」

ハニー「……えぇ、ふふっ。ホント、あなたとにしてよかったわ。それじゃ、行きましょう?」

ルーナ「うん ねぇ、ラックスパートは入っても大丈夫かな」

ハニー「いいんじゃないかしら。少しくらいみんなボーっとした方が、面倒にならないもの。そうでしょ?」




342: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/17(土) 21:58:21.69 ID:I9UqYgo40


廊下

ハニー「吸血鬼が来る予定だって聞いてるけれど、知ってたかしら」

ルーナ「セブルス・スネイプ?」

ハニー「あぁ、えぇ。ふふっ。そういう話もしていたわね、前に。でも、あの人はどうかしら。来るかどうかというより、来ないでほしいわね」

ルーナ「うん、そうだね。スクリムジョールほどじゃないけど、変てこな吸血鬼だもン」

ハニー「そうね、変てこ……えっ?スクリムジョール、って……?」

ルーナ「うん、そのルーファス・スクリムジョール。あの人がファッジと大臣を代わったとき、パパがあの人の吸血鬼を結びつけるとっても長い記事を書いた時、なんでだか発行できなかったんだ!」

ハニー「へぇ……?」

ルーナ「きっと、もちろん、絶対、本当のことが漏らされたら困るから、魔法省が手を回したんだよ。でも、これでハッキリしたからいいんだ。スクリムジョールは吸血鬼!」

ハニー「えぇ、ふふっ。そうかもしれないわ。一体私達の周り、どのくらい吸血鬼がいるのかしら」

ルーナ「えーっとね。パパの取材によると――」

ハニー「っと……ルーナ、着いたわ……その話は今度聞かせてね? ここ、スラグホーンの部屋よ」

ガヤガヤガヤガヤガヤ
 ハハハハハハハハハ! 
ザワザワザワザワ

ハニー「大勢集まっているみたい。ルーナ、今更だけど――つき合わせて悪いわね。退屈しなければいいのだけれど」

ルーナ「いいよ。あんたのおかげで探し物もあっと言う間もなく返してもらえたし。それに――あんまり退屈だったら、中で吸血鬼を数えてようよ」

ハニー「――ふふっ。それは、やり甲斐がありそうね。さぁ……入りましょうか」




346: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/17(土) 22:20:57.49 ID:I9UqYgo40


スラグホーンの部屋

ガヤガヤガヤガヤガヤガヤ

ハニー「魔法で広げたのかしら、それとも元からこうなのかしら……他の先生達の部屋より、随分と広いわね」

ルーナ「天井とか壁、襞飾りで覆われてて、テントみたい――人の熱気でちょっと熱いとことかも」

ハニー「そうね……見て?あのランプ、中に光る妖精が入れられてるわ」

ルーナ「スノーカックを探すのに便利かもね」

ハニー「……結局どんな生き物なのかしら、スノーカックって」

ルーナ「あのね――」


スラグホーン「いやぁハハハハハ!会えてなにより――やぁ、やぁ!ハニー!これはこれは、よく来てくれた!」

ハニー「ハァイ、先生。お招きいただき、どうもありがとう」

スラグホーン「なぁに、なに。君は今宵の主役と言っていい!そうとも!こちらは――あぁ、ゼノフィリウスの!」

ルーナ「こんばんは、先生」

スラグホーン「ハニーのお相手かね?そうか、そうか!君のおかげで気まぐれなお姫様がようやく顔を見せてくれたのだ、歓迎しよう!さぁハニー、こちらへ。君に引き合わせたい人が大勢いる!」

ハニー「えぇ、そうしてさしあげるわ。ルーナ、一緒に?」

ルーナ「うん、行くよ――あ!」

ハニー「どうしたの?」

ルーナ「――吸血鬼!」

ハニー「え? スネイプでもいたの?それとも――」

スラグホーン「おっと、鋭いねお嬢さん!ハニー、こちらは『血兄弟――吸血鬼たちの日々』の著者エルドレド・ウォープル!君と話があるそうでね!そしてもちろん友人のサングィニ……正真正銘、吸血鬼だ!」

ハニー「あら……これが」

サングィニ「……テメェの血は何色dイダッ!!!」

ウォープル「こら!サングィニ!挨拶が先だろう! ハッハ、すみませんねどうも!人ごみになれていなくって、我らが兄弟は!」

ハニー「あー、兄弟と言う割にはなんだかかなりきつめに、頭を叩いていたけれど」

ウォーブル「男同士のコミュニケーションというやつですよ!さあ、サングィニ?」

サングィニ「……サングィニ。好みの血管は窮鼠部の静脈、ヨロシク」

ハニー「……ハァイ。えぇっと、言動以外は普通の人と変わらないのね」

ルーナ「変てこ!」

ハニー「えぇ、そうね。これならあの人が吸血鬼も、割と本当かもしれないわ……変てこだもの」




349: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/17(土) 22:41:38.68 ID:I9UqYgo40


ウォーブル「いやはや、お会いできて光栄な限りですよ!ご紹介にあずかりました、エルドレドです!ハニー・ポッター!」

ハニー「えぇ、どうも。ごめんなさいね、あなたのお書きになった本というのは……ルーナ、あなたは?」

ルーナ「読んだよ。なんだか胡散臭かったな」

ウォーブル「ハハハハハ!これは手厳しい!スラグホーン先生、しばらく彼女を借りても?」

スラグホーン「いいとも、エルドレド!存分に語り合いたまえ! しかし、ハニーは多忙だからね!独り占めしないで頼むよ?それではハニー、またすぐあとで!」

ハニー「それって――」

ウォーブル「どうも、先生! ああハニー、先日スラグホーン先生とお話したばかりですよ、えぇ!『我々全てが待ち望んでいる、ハニー・ポッターの伝記は一体どこにあるんでしょうか?』とねぇ!」

ハニー「……そんなものは、私を慕う人たちの間で口頭で受け継がれるもので十分だと思うけれど」

ウォーブル「――ハッハッハッハッハ!!!これは、これは!聞いていた通りの大物ですね!ですがね、ハニー。まじめな話――」

ハニー「……なぁに?」

ウォーブル「わたくし自身が!喜んで書かせていただきますよ?えぇ、皆が君の事を知りたいと、渇望しているのです!ハニー!渇望ですよ、渇望!なに、二、三回インタビューをさせてもらえればそれで十分です!あとはものの数ヶ月で本になりましょう!あなたの方は全くなにもしなくて大丈夫!どうです?うまい話でしょう?」

ハニー「……なんだかその食いつき方誰かに似ていていやだわ。別に――」

ウォーブル「うますぎる話だとお思いですか?それならそっちのサングィニに聞いてごらんなさい――サングィニ!!!」

 ルーナ「血を吸うのってどういう感じなの?」

 サングィニ「そうだな小娘、俺も久しく飲んでいないので忘れてしまった――思いださせろ、テメェの血は何いrイタイッ!!!」

ウォーブル「肉入りパイを食べなさい!!いいな!!山ほどだ!!」

ハニー「ルーナ! 平気?何もされていないかしら」

ルーナ「? 大丈夫だよ。牙をちょびっと見せてもらって、触っただけ。そしたら、目が血走って」

ハニー「そう――それじゃ、ウォーブルさん。オトモダチが大変みたいだし、これで……」

ウォーブル「あぁ、待って!待って!君、どんなにいい金になるか考えてみれば――」

ハニー「興味ないわ、全くね。次回作はきっと読んでさしあげるから送って頂戴、『吸血鬼に近寄るな!』とかかしら」

ルーナ「あと、変てこな呪文は解いてあげたほうがいいもン」

ウォーブル「あぁ!そんな……チッ、これだからガキは」




350: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/17(土) 22:55:45.81 ID:I9UqYgo40


ハニー「リータ・スキーターといい、あの人といい。記者って、あぁいう人しかいないのかしら」

ルーナ「うーん。パパに記事をくれる人には、ああいうのはいないかな。でも、大概趣味でやってくれてる人だけど」

ハニー「あぁ、あなたのお父様の雑誌はいいのよ。えぇ、そのままでいて……ゴシップや、おかしな流行り物なんかに流されないで」

ルーナ「ラックスパートは大流行のだけど」

ハニー「えぇ、そうなんでしょうね……流されるといえば、感情に流された人があっちに行くのが見えるわ。ねぇ、ルーナ。少し離れない?」

ルーナ「ん、いいよ。どっち?」

ハニー「あっち、あの……あぁ、『妖女シスターズ』のメンバーがいるわね。あとでヒンヒン言わせなきゃ。彼らの向こう……」

ルーナ「あぁ、ほんとだ。なんだかグシャグシャの――こんばんは、ハーマイオニー」

ハーマイオニー「はーーっ、はーーーっ、っ!? あ、あぁ、あなたたち……こ、こんばんはルーナ。ハァイ、ハニー。えっと、二人とも、はーっ、ステキね?」

ハニー「……あなたも随分と『素敵』な姿ね。まるで『悪魔の罠豚』と遊んできたみたいに」

ハーマイオニー「あ、あれと遊ぶって表現できるのはあなただけでしょうけど……似たようなものね。今、マクラーゲンから逃げてきたところなの。あー……つまり、ヤドリギの下から」

ハニー「……」

ハーマイオニー「! 待って、違う!違うわ!!肩をつかまれて、迫られた時点で逃げ出したもの!大丈夫!それに――」



  マクラーゲン「~~~~っ!!!~~~~~~っ!!!んんんんんんんっ!!!」

  スラグホーン「コーマーーーーク!?ど、どうしたねそんなロマンチックな場所でロマンの欠片もない部分を押さえてのた打ち回るとは!」



ハーマイオニー「蹴り上げてきたわ!!!」

ハニー「……?お腹とか?えぇ、きっと物凄い痛みでしょうね」




354: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/17(土) 23:10:45.04 ID:I9UqYgo40


ハニー「そこまで必死になるはめになったのも、あの人ときた罰よ」

ハーマイオニー「だって、ロンが一番嫌がると思って……ザガリアス・スミスあたりも考えたんだけど」

ハニー「……信じられないわ」

ハーマイオニー「ええ、即刻却下だったわね、流石に」

ルーナ「変てこな解説だったもン」

ハーマイオニー「そこじゃなくて……でも、あぁ、こんなことなら不参加を決め込めばよかったわ!それか、グロウプとでも一緒に来ればよかった!ハグリッドが、この前テーブルマナーを完璧に覚えたと言っていたでしょう?」

ハニー「えぇ、そうね。よっぽど紳士的に違いないわ」

ルーナ「? あ。マクラーゲン、起き上がってる」

ハーマイオニー「えっ??あぁ、見つかったら面倒だわ。ねえ、隅に行きましょう?あなたたちといていい?お願い」

ハニー「それはいいけれど、もう……こっちに」

ハーマイオニー「えぇ、遠ざけられればどこだって――あぁ、待って、待って!でも、そっちは……!」

ハニー「えっ?……あー」

ルーナ「――こんばんは、トレローニー先生」


トレローニー「――――あら、こんばんは。ヒック、ミス・ラァーブグッド?」


ハニー「……また、安いシェリー酒の瓶を持ってるわ」

ハーマイオニー「……パーバティ曰く、瓶倒し占いとかしだしたらしいわね」

ハニー「ラベンダーもでしょ?」

ハーマイオニー「あの女の話はしないで」


トレローニー「なんだか最近、あたくしの授業でおみかけしませんわねぇ――?あなたには他とは違う、未来の波動を読み取る雰囲気を感じましたのに」

ルーナ「はい。今年は、フィレンツェです」

トレローニー「あぁ――あの駄馬さんですか」

ハーマイオニー「……トレローニーに同意するのはなんだか嫌だけれど、これはホントよね」

ハニー「……ルーナ、フィレンツェに何かされていない?」

ルーナ「? 別に。あぁ、でもいっつも『僕の背中においでよ』って――」

ハニー「もういいわ。休み明けにあの駄馬、また調教が必要のようね。まったくもう」




357: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/17(土) 23:24:45.99 ID:I9UqYgo40


トレローニー「あたくしが学校にもどったのならば、ダンブルドアはあんな駄馬は追い出してしまう!そう思っていませんでしたこと?ヒック!第一、あたくしは――!」

ハニー「……トレローニーは、ルーナに話すのが忙しくて私に気づいてないみたい」

ハーマイオニー「目の焦点が合わないんじゃないかしら。どれだけ飲んでるんでしょうね……」

ハニー「いいタイミングだわ……ねぇ、まさかマクラーゲンに、あのキーパーの選抜の時のことまで話したんじゃ――」

ハーマイオニー「私、そこまで鬼ーじゃないわ!言うわけないじゃない、あんなこと!」

ハニー「けれど、マクラーゲンを誘うまでの事ができるなら……」

ハーマイオニー「それとこれとは別よ!あのことはマクラーゲンにも、それに、ロンにだって直接言うつもりはないわ!」

ハニー「……それなら、いいのよ。ロンがまたボロボロになって、クィディッチに――」

ハーマイオニー「クィディッチの話ももうたくさん!マクラーゲン監修『コーマックのすばらしいセーブ百選』を聞かされたばkりよ!とにかく――あぁ、こっちに来たわ!それじゃ!」

ハニー「ちょっと――ハーマイオニーったら、まるで『姿くらまし』をもう身につけたみたいにいなくなっちゃったわ」

マクラーゲン「っはぁ、あぁ、っと。こ、こんばんはハニー。このあたりに、ハーマイオニーを見なかった?」

ハニー「いいえ、全然」

マクラーゲン「そ、そうか。見かけたら伝えてくれ。僕が間違ってた。目覚めたんだ!男がグイグイいく時代は終わった!おにゃのこに蹴られるこtうわぁああああああああああああ!!ぼ、ぼくの前髪が燃え上がったぁあああああああああ!?!?」

バタバタバタバタバタッ!サッ!

ハニー「……どこかの影からハーマイオニーがやったのね。一瞬、あの駄馬の面影が見えた気がするわ、マクラーゲンに」

トレローニー「なんです、今の騒ぎ。あぁ、うつしよの空気とはこう――まぁ、まぁー!ハニー・ポッター!」

ハニー「あぁ……ハァイ、トレローニー先生。お久しぶり」




361: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/17(土) 23:39:33.62 ID:I9UqYgo40


トレローニー「あぁ、えぇ――あの噂!あの、話――!」

ハニー「……どの話かしら、先生。声をかすれさせすぎて、聞こえにくいわ。えーっと、私が完璧すぎるという噂?真実だけれど」

トレローニー「『選ばれし者!』のことですわ!」

ハニー「あぁ……それね」

ルーナ「あたしは『傷ある者』の方がカッコイイと思うな」

ハニー「そういう問題かしら」

トレローニー「ええ、あたくしは前々から分かっていたことです――そう!ずっとずっと前から!」

ハニー「……でしょうね、あなただもの」

トレローニー「水晶玉、タロット、紅茶、瓶、全てにおいて予兆――えっ!?あ、あぇ、えぇ!あたくしですもの、えーぇ!オッホホ!」

ハニー「正確にはあなたじゃないのかしら……面倒なところね、あの変貌は」

トレローニー「変貌?なんの――あぁ、変化といいましたら。どうして『占い学』をおとりにならなかったのかしら?あなたにこそ、ほかの誰よりもこの科目が――」

スラグホーン「あぁ、シビル!我々はみーんな、自分の科目こそ最重要と思うものさ!やぁハニー、探したよ!楽しんでおるかね?」

ハニー「あー、えぇ。まぁ」

ルーナ「退屈はしないね」

スラグホーン「それはよかった!それで、授業の話だがねぇ。しかしハニーはやはり『魔法薬学』でこそ輝くだろう!こんなに天分のある生徒は、ほかに思い当たらないねぇ!……あぁ、一人以外は」

ハニー「そうね、えぇ。この私だもの……その愛おしげな目はちょっとそらしてもらえるとありがたいわ、心が痛むから」

スラグホーン「はっはっは、照れずともよろしい!いやいやまったく、これほどの才能の持ち主は数えることしか教えたことがないのだよ。シビル。あぁ、例えば、よっ、っと!」

ハニー「え? 人の肩越しに腕を突っ込んでなに……っ!?」

スラグホーン「捕まえた!ハッハッハ、セブルス!こそこそ隠れずに共に語ろうじゃぁないか?え?」

スネイプ「――その突然出てきた害虫を見たかのような顔をやめたまえ、ポッター。十点減点」




364: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/17(土) 23:54:59.50 ID:I9UqYgo40


スラグホーン「硬いことを言うなセブルス!たった今、ハニーがどれだけ『魔法薬』に優れているか話したところだ――もっとも、そうだな!この功績は君のおかげでもある。なにしろこの天才を五年間教えたのだから!」

スネイプ「ほう……?それは、それは。おかしいですな?我輩が受け持っていた時のポッターの腕前は、寧ろ災いの方の天災と呼んでいいほど悲惨なものでしたが?」

ハニー「……」

スラグホーン「ほっほう!なるほどそれでは――ハッハッハ!ハニーが目覚めたのは私のおかげということだなぁ!」

ハニー「えぇ、先生。その通りよ、先生の授業『は』!とっても楽しいもの、いつかと違って」

スネイプ「その目で睨むな五点減点」

スラグホーン「まぁまぁ。それで、ハニー。君は他にどんな科目を取っているね?うん?」

ハニー「『闇の魔術に対する防衛術』、『呪文学』、『変身術』、『薬草学』、『魔法生物飼育学』……」

スネイプ「――つまり、分相応にも『闇払い』になるのに必要な全ての科目、ですな?」

ハニー「あら、別にそこまで積極的な夢でもないわ、それは。知ったような口をきかないでいただける?」

スラグホーン「いやいや、ハニー!是非目指すべきだと思うがねぇ!君こそきっと、偉大な『闇払い』になれるだろう!なにせ、うん、あの眼鏡の遺伝子が入っているわけだ――」

ルーナ「あたしはあんまり、あんたがそれに向いてるとは思わないな」

ハニー「……えっ?」

スラグホーン「ほっほう!ハニーのご友人、そりゃどうして――」

ルーナ「先生くらいなら知ってると思ってた。闇払いって、ロットファングの陰謀の一つだよ。魔法省を内部から崩すために、闇の魔術と歯槽膿漏とかを掛け合わせて!色々研究してるんだもン!!」

スラグホーン「――――あー、っと……?」

スネイプ「…………」

ハニー「……っふふ。ルーナ、あなたってほんと、最高だわ」

ルーナ「? どういたしまして――あれ?あの人も呼ばれてたのかな」

ハニー「えっ?」



マルフォイ「はなせ!!はなせよこの使用人以下の分際で!!この!!僕を捕マえルフォイしてどうなるか分からせてやるぞ!」

フィルチ「黙れ! スラグホーン先生! こいつが上の階でチョロチョロしとりまして、このパーティに参加するところだと言うんですがねぇ?」

スラグホーン「うん……?あぁ、あー……君は、ドラッキー?だったかな?君を呼んだ、覚えはないが……?」

マルフォイ「~~~~~っ!ドラコですが!!!」


ハニー「あぁ……っ、まったく、予想よりもずっと、愉快なパーティだわ。本当」




366: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/18(日) 00:06:14.76 ID:/8ViRyls0


クスクスクス
 ヒソヒソヒソ

マルフォイ「~~~~っ!!そう、そうさ!!!招かれていないけど押しかけようとしたんだ!これで満足か!?」

フィルチ「満足なものか!お前は大変なことになるぞ、いいか!校長先生がおっしゃっただろう、許可なく夜に出歩くなと!お前は――」

スラグホーン「まぁ、まぁフィルチ。かまわんよ、かまわん。私の主催したパーティに来たいというのはとても光栄だ。ドラコ、今回だけ罰するのは免除しよう。ここにいてよろしい!」

フィルチ「~~~~っ!!!」


ハニー「……フィルチ、もの凄く怒った顔ね。それに、失望の顔。百面相だわ」

ルーナ「うん。でも、フィルチだけじゃないよ。顔がおもしロンなの」

ハニー「それはまってるの?……え?」


マルフォイ「な……なん、で、クソッ……」


ハニー「……どうしてマルフォイまで、残念な表情に……それに」


スネイプ「…………」


ハニー「……スネイプの、顔……マルフォイを見て、怒ってるのもあるけれど……あれ、って」

ルーナ「恐れてる?って言うかもね、うん。変てこ」

ハニー「今に始まったことじゃないわ……でも、ことさらよね。それに……マルフォイをこれだけ近くで見るのは久しぶりだけれど」


マルフォイ「チッ――せ、先生、感謝します!本当に!あの、僕、祖父のことを是非に先生に伺いたくって!『父』ではなく!『祖父』の!!」

スラグホーン「あぁ――そう、その話はいいだろう!そう、アブラクサスはなぁ――」


ハニー「ただでさえ青白かった気がするけれど……今はもう、病的だわ。眼の下の隈も。あと……えぇっと」

ルーナ「髪の毛がチリチリ」

ハニー「それは夕食の時のせいでしょうけれど。なんというか――一杯一杯な、雰囲気だわ」

ルーナ「いつもそうな気がするよ、この人って」




367: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/18(日) 00:18:09.54 ID:/8ViRyls0


スネイプ「――ドラコ、話がある。来い」


ハニー「!」


スラグホーン「まぁまぁ、セブルス。この台詞は今宵何度目かねぇ。折角のいい宵だ。そんなに厳しくせずとも」

スネイプ「生憎と我輩は寮監でね。どの程度厳しくするかは……」

スラグホーン「おやおやセブルス。君が若かりし折にそこかしこでやらかした事を大目にみてやったのは、どこの教授かね?ん?」

スネイプ「…………」


ハニー「……間違いなくダンブルドアの同期だわ」


スラグホーン「……ハッハッハ!意地悪を言った、すまんすまん。そう、君は私とは違うのだ、教師として正しいと思うことをしなさい。よいね?」

スネイプ「……どうも。ドラコ、こっちへ」

マルフォイ「……自分で歩ける。腕を掴むな――掴まないで下さい、『先生』」

ツカッツカッツカッツカッ

ハニー「……」

スラグホーン「あれも難儀な性格だなぁ相変わらず……さてさて、ハニー!もうすぐ『妖女シスターズ』の演奏だ!おっと、君の飛び入りは今回は勘弁してほしいそうだよ?いいね、ハニー?いけないよ?うん?」

ハニー「……そうね、えぇ。ここで大人しくしておいてあげるわ」

スラグホーン「うん?あぁ……あれ?ま、まぁとにかく楽しもうじゃないか! 私は飲み物を取ってこよう、喉が渇くだろうからね!」

ルーナ「――トイレに行った、って言っておくよ?」

ハニー「……ありがとう、助かるわ。すぐ、すぐ戻るから!」

ハニー「……『透明マント』を持ってきて、大正解ね。ほんと」




374: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/18(日) 00:31:34.59 ID:/8ViRyls0


地下空き教室

ハニー「……(二人がそんなに遠くまで行ってなくて、よかったわ)」

ハニー「……(もしもスネイプの自室や、それともスリザリンの談話室まで行っていたら……見つけられないところだったもの)」

ハニー「……」


スネイプ「――ミスは許されないのだぞ、ドラコ。分かっているのか?あんなお粗末な計画を――」

マルフォイ「いいか、僕はあのベルの奴には関わってない!分かったか!」


ハニー「……(ケイティ……今、関わってないって……?)」


スネイプ「既に君に嫌疑がかかっているのだ。君のその言葉が、我輩に真実を話しておるのならよいのだがな――」

マルフォイ「――っ!その眼で僕を見るな!知ってるぞ!お前が今なにをしようかくらい!馬鹿じゃないんだ!それに、僕はお前のそれを阻止できるんだ!」

スネイプ「――あぁ、なるほど。ベラトリックス伯母さんに『閉心術』を教えてもらったのかね?君の母上と彼女は仲がよろしいようでしたからな」


ハニー「……(呪文を唱えていないとは言っても、スネイプの『開心術』から……悔しいわ、もう)」


スネイプ「それで、ドラコ。君はいったい主君に対して! どんな考えを隠そうというのだね?」

ドラコ「あの人に対して何も隠そうとしちゃいない!それに、僕の主君はおまえでもない!おまえがしゃしゃり出てくるのが嫌なんだ!」


ハニー「……(学期始めから思っていたけれど……今まであんなにスネイプへおべんちゃらだったマルフォイの、この態度の変化……)」


スネイプ「なるほど、そういった理由で今学期我輩を避けてきたというわけか?何度も、我輩の部屋に来いというのを無視してまで――」

マルフォイ「何を飲まされるかされるかもわからないのにノコノコ入る奴がいるか!?僕は馬鹿じゃないぞ!!」

スネイプ「聞け! 我輩は君を助けようとしているのだ。いいか、ドラコ。我輩は君の母上と『破れぬ誓い』をたてたのだぞ!」

マルフォイ「!」


ハニー「……(破れぬ、誓い……?)」




376: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/18(日) 00:44:38.07 ID:/8ViRyls0


スネイプ「意味は分かるな?我輩は約束したのだ、君を護ると。君を助けると。そして、君の任務がもしも上手くいかないときは――」

マルフォイ「っ、じゃぁ、母上はその約束を結び損だな!なにしろ僕は、お前なんかの保護はいらない!ベラおばちゃ、おフォん!ベラトリックスの言う通りだ!お前を頼るなんて、母上は何をお考えなのか!」


ハニー「……(今何か聞こえたわ……いいえ、聞こえてないわね、えぇ)」


マルフォイ「僕の仕事だ。あの人が僕に与えたんだ!僕がやる。計略があるし、上手く、ただ、ちょっと時間がかかってるだけで……」

スネイプ「どんな計略だ?」

マルフォイ「それはお前の知ったことじゃない!余計なお世話だ!!」

スネイプ「だが、どのようなものか分かれば我輩が助け――」

マルフォイ「うるさい!!うるさい!!!うるさい!!!!ダンブルドアの犬だ!!!お前なんか頼るもんか!!!!全部僕がやるんだ!!!!やらなきゃいけないんだ!!!!!うるさい!!!!」

バシッ!

スネイプ「っ……」

マルフォイ「フーッ、フーーッ……それに、僕には、僕にはもう十分人手がある。僕一人で大事なことはやってるが、見張りや手助けはそいつらで十分だ。お前なんか必要な、もんか」

スネイプ「だが、その見張りとやらは今夜は引き連れていないようだな? そういった初歩的なミスが、お前の――」

マルフォイ「黙れ!お前が――お前がクラッブとゴイルに罰則を課さなければ、見張りを頼めたんだ!!!」


ハニー「……(アッサリばらしたわね。そうだろうとは、思っていたけれど)」


スネイプ「当たり前だ!!今年こそOWLに通らずどうするというのだ!特に『闇の魔術に対する防衛術』を!!」

マルフォイ「と……トロール並み・Tはあいつらにとっては褒め言葉だからいいんだ!!!!」

ハニー「……(やっぱりね)」




380: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/18(日) 00:59:50.68 ID:/8ViRyls0


マルフォイ「大体、ハッ!『闇の魔術に対する防衛術』!?あんなのの何が大事だって言うんだ!?僕達――我々がどうして、闇の魔術から身を守る必要がある!?向けるならまだしも!」

スネイプ「そういう演技が大事だと言っておるのだ!成功のための不可欠な芝居だ、分からないのか!」


ハニー「……(あなたの場合、パパ達にバレバレだったみたいだけれどね)」


スネイプ「よく聞け!君は慎重さを欠いて捕まったのだ。あの二人をまだ頼りにするというのか?我輩が――」

マルフォイ「あいつらだけじゃない!もっと上等なのがついてる、お前なんかよりずっと!お前が何を狙ってるかしってるぞ!僕から栄光を奪い去りたいんだ!そうは、いくか!!!」

スネイプ「……まるで子供のようなことを。いいか、父上が逮捕され収監されたことで動揺しているのはわかるが――」

マルフォイ「お前なんかに!!!!!分かってたまるか!!!!!!」

バーーーーン!!!

バタンッ!!!!

タッタッタッタッタッタッタッタ……


ハニー「……(行ってしまったわ)」



スネイプ「……フォイにならないところを見ると、よほど追い詰められているようだ」


ハニー「……(知らないわようるさいわね。さて、私もそーっと、戻らないと)」

ハニー「……(幸い、マルフォイが勢いよく閉めたせいで反動で少しだけ扉に隙間が出来てるわ……あそこから)」

ハニー「……(スネイプが、考え事をしてる、うちに……)」

グニッ

ハニー「……(えっ)」

ハニー「……きゃぁっ!?」

スネイプ「っ!誰だ!!!」

ハニー「!(ど、どうしてこんな、ところに!小鳥の、死骸!!!なん……あぁ!それどころじゃ!)」

ツカッツカッツカッツカッ!

ハニー「(どう、どうしましょう、マントを被れば……でも、スネイプはこのマントのこと知って……あぁ!)」

バーーーンッ!

ハニー「っ!」




スネイプ「……そこで何をしておる」



スネイプ「ラブグッド」

ハニー「……」

ルーナ「? 夜に、トイレにも行ってはだめなんて聞いてないもン。先生」




384: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/18(日) 01:13:19.96 ID:/8ViRyls0


スネイプ「……なるほど、君はあのパーティにいたな……ポッターは、大人しくしていたか?」

ルーナ「どうだろう。うーん、なんだかバンドの演奏が始まったから、歌ってたりするのかな」

スネイプ「……声だけ聞けば……よしっ。 ラブグッド、フラフラと寄り道しないように。よいですな?」

ルーナ「はい、先生。この小鳥って、先生の趣味?何か呼ぶの?」

スネイプ「……あぁ、そうだろう。『何か』を呼ぶのかもしれんな……ふむ」

ツカッツカッツカッツカ……

ルーナ「――行ったよ?」

ハニー「……っはーーぁ。あぁ、ルーナ……あなた、どうして私がここで、躓いているって」

ルーナ「ラックスパートが、あんたの周りたくさん飛んでたから」

ハニー「……あぁ、そう。ふふっ、理屈を聞いた私が間違ってたわ……とにかく、助かったわルーナ」

ルーナ「ううん、いいよ。それで――スネイプは」

ハニー「えぇ……色々聞けて――」

ルーナ「マルフォイを吸血鬼にしちゃったの?」

ハニー「……そうね、ええ。似たようなものかしら……断られていたけれど」

ルーナ「ふぅん。 マルフォイも何か、あるんだ。顔真っ白だったもンね」

ハニー「そう……確信したわ。絶対に、何かある……そうよ」


ハニー「絶対絶対、暴いてみせるわ。マルフォイの企み」



上巻・完




ルーナ「――おもしロンとハーマイオニーをどうやれば仲直りさせられるか、も?」

ハニー「あぁ……えぇ、ある意味そっちの方が、もっともっと難しいわ……どうすればいいのかしら……シリウス」

ルーナ「――『ワンワン!』」

ハニー「……ふふっ。ありがとう」


今度こそ、完




386: ◆GPcj7MxBSM 2013/08/18(日) 01:15:02.88 ID:/8ViRyls0


上巻はここまで!前半で時間食ってすまんの!
下巻開始はちょっと未定や!すまん!なるべく早く再開する!
どんだけかかっても完結まではやるで!
ラドクリフお大事に
じゃあの!





 ハリー・ポッターシリーズ

 一巻~七巻

 世界的大ヒット発売中!

 2014年後半、USJにて

 ハリポタアトラクション建設決定!!





388: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/18(日) 01:16:11.56 ID:xmTcnIKL0


乙ヒン!
声だけってそれでいいのかスニベルス・・・




392: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/18(日) 01:21:56.36 ID:cElROT9Zo


乙ここはあえてワンワンで





ハニー・ポッター「どうして、スネイプなんかを……」 【前編】に続く












別作品
ハリー「頭が割れる…先生、これは…」ダンブルドア「群発頭痛じゃ」
ロン「僕とハーマイオニーが落っこちそうだとするよ?」ハリー「…うん?」 
ハリー「イメチェンしたいんだ」ロン「…うん?」ハーマイオニー「え?」 
ハーマイオニー「ハリーが女の子になってしまったわ」ロン「」 
ハリー「もてたいんだ」ロン「……その喧嘩、1シックルで足りるかい?」 
ハーマイオニー「すき……よ、ハリー」ハリー「あぁ、僕も……」ロン「」
ハリー「安価でホグワーツの女の子と付き合おう」
ハリー「宿題で潰れる休日」ロン「全く、ホグワーツってステキだよな」
ハーマイオニー「ハリーと喧嘩?」ロン「キャノンズ優勝まで顔も見たくないね」
シリウス「ハリーとの将来のためにマグル社会の勉強をしよう」 
シリウス「ハリーのために、私達ができることはなんだ?」
ドラコ「『ポッターにチョコを渡してこマらせルフォイ大作戦』だ!」



関連作品

第一巻『ハリー・ポッターと賢者の石』相当
ハニー・ポッター「私が、魔法使い?」 
ハニー・ポッター「賢者の石、ですって?」
ハニー・ポッター「賢者の石は、どうなったのかしら」

第二巻
ハリー・ポッターと秘密の部屋』相当
ハニー・ポッター「秘密の部屋?なぁに、それ」 
ハニー・ポッター「スリザリンの継承者?なんなの、それ」

第三巻『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』相当
ハニー・ポッター「脱獄囚の、シリウス・ブラック?」
ハニー・ポッター「『エクスペクト・パトローナム!』」
ハニー・ポッター「『守護霊よ、来たれ!』」

第四巻『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』相当
ハニー・ポッター「勝つのは私、そうでしょ?」
ハニー・ポッター「何がこようと、受けて立つわ」 
ハニー・ポッター「いつか必ず、来るものは来るのよ」 
ハニー・ポッター「来るものは来る、来た時に受けてたてばいいのよ。勝つのは、私よ」 

第五巻ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』相当
ハニー・ポッター「騎士団、いいえ。私の豚団ね、そうでしょ?」  【前編】【後編
ハニー・ポッター「『私は、嘘をついてはいけない』……?」  【前編】【後編
ハニー・ポッター「誰一人だって、欠けさせないわ」  【前編】【後編
ハニー・ポッター「進まなきゃ、前に。そうでしょ?」  【前編】【後編

第六巻『ハリー・ポッターと謎のプリンス』相当
ハニー・ポッター「プリンス、だなんて。なんなのかしら」
ハニー・ポッター「暴いてみせるわ、マルフォイの企み」
ハニー・ポッター「どうして、スネイプなんかを……」 【前編】【後編

ハニー・ポッター「アルバス・ダンブルドアと、わたし」


第七巻『ハリー・ポッターと死の秘宝』相当
ハニー・ポッター「分霊箱を、探す旅」 【前編】【後編
ハニー・ポッター「死の、秘宝……?」
ハニー・ポッター「最後(いやはて)の、敵なる死だって……越えてみせる!」【完結】







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