10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29 21:11:17 ID:tVHof/V70


レナス「そんなわけが……」

アリューゼ「なあお前もそう思うだろ?」

メルティーナ「デリカシーないわねえアンタ。……でもまあ、確かに汗臭いかもね」

レナス「馬鹿な。私は神族なんだぞ?」

バドラック「まあまあ。俺なんか生きてた頃、風呂は月に1回入りゃ十分だったぜ? しししっ」

レナス「……」 ピクッ

アリューゼ「……」 ジリッ

メルティーナ「……」 ジリッ

バドラック「じょ、冗談に決まってんだろ! 何で無言で俺から遠ざかってくんだよ! おい!!」




17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29 21:20:45 ID:tVHof/V70


バドラック「そもそも戦ってりゃ汗かくなんて日常茶飯だろうが。なんでそんな気にするんだよ?
      アンタだってぶっちゃけ、汗臭そうだぜ?」

アリューゼ「ふざけるな。俺はムレたり臭わないように小まめに身体を洗ったり鎧を手入れしてるんだ」

メルティーナ「見かけによらず意外とマメね」

アリューゼ「お前もヴァルキリーにハッキリ言ってやれよ。くせえヤツと一緒にメシは食えねえ、ってな」

メルティーナ「あっそう。じゃあこの際だから言うわ。今まで黙ってきたけど、けっこう臭うわよ?」

レナス「何だと……」

バドラック「でもまあ、腐れかけのババァ娼婦のクサマン比べりゃ、女神サマの汗の臭いなんてカワイイもんで――」

レナス「ニーベルン・ヴァレスティ!」

ザシュ ザシュ ザザシュ
パコーン パコーン パココーン!!

バドラック「ぶへぇ!?」

メルティーナ(自覚はあったってことよね……)




21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29 21:31:50 ID:tVHof/V70


レナス「はぁ……はぁ……」

バドラック「」 ピクピク

アリューゼ「……ん?」

メルティーナ「どうかしたの?」

アリューゼ「ヴァルキリーの汗臭さが一段と増した気がする」

レナス「まさか! そんなこと――――」

メルティーナ「あ……。ホントだわ」 クンクン


ジェラード「のう。ところでクサマンとは何じゃ?」

ロウファ「……」

ジェラード「何じゃと聞いておろう! 早く答えぬか!」

ロウファ「申し訳ありませんが……この口からご説明することはできません」


ベリナス(クサマンか……。阿沙加もかなりキツかったな……)




22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29 21:40:48 ID:tVHof/V70


カシェル「でもさ、夏でも冬でも四六時中鎧を着込んでるだから、女だってフツーに臭くなるんじゃねえの?」

レナス「……」

エイミ「……」

ジェイル「……」

カシェル「あ、あれ? 俺なんかマズい事言っちゃった?」


アリューゼ「おい、キュア・プラムスかエヴォーク・フェザーの準備しといてやれ。ありゃ5回くらい死……いや、殺されるぞ」

那々美「は、はい!」


蘇芳「いつも返り血を浴びてたせいで体臭など気にしたことはなかったな」

グレイ「俺なんか身体が無いからせいぜい水に濡れてサビ臭くなるだけだ」




24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29 21:53:06 ID:tVHof/V70


ルシオ(汗に蒸れて悩むプラチナか……) ハァハァ

ルシオ(あのプラチナが自分の汗の臭いを気にして恥らう……) ムクムク

ルシオ(……我慢できるわけがないだろう!!) ガサッ


ラウリィ「あ、あれ!? どこに行くんですか!」

ルシオ「あ、ああ。ちょっと用を足しに行くだけだ。すぐに戻る」

ラウリィ「え!? ちょ、その前にヴァルキリーをとめてってくださいよ!」

ルシオ「駄目だ! 俺には今、どうしてもやらなければならないことがある!」 ギンギン

ジェイクリーナス「野暮なことはせずにイかせてやれよラウリィ。ヤツもまだ若いんだ……」

ラウリィ「え? ええ?」




26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29 21:59:34 ID:tVHof/V70


リセリア「話は変わりますが、目が悪い人はそれを補うため聴覚や嗅覚が鋭くなるとかならないとか……」

アリューゼ「そんなもんなのか?」

洵「間違いない。俺の妹……阿衣も嗅覚が優れていたからな」

アリューゼ「そうか。ならその話は本当ってことだな」

洵「それに俺たち倭人はもともと嗅覚がいい」

アリューゼ「倭人で盲目だと、か? ……ってことは」



詩帆「……けほっ、けほっ」

アリューゼ「やっぱこのパーティ、臭いんだな」

洵「だな」




27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29 22:04:43 ID:tVHof/V70


レナス「汗臭いのは私のせいだけではないはずだ。このメンバーの中で臭い者を素直に言ってくれ」

詩帆「しかし……」

レナス「我々は一蓮托生。逆恨みは無しだ」

詩帆「……」

レナス「言ってくれるな?」

詩帆「……はい」


エイミ「何かとんでもないことになってきちゃったねえ」

ジェイル「……」 ピョーンピョーン

エイミ「……何してんのさ」

ジェイル「れ、練習だ……」 ピョーンピョーン

エイミ「……今のうちに鎧の中の空気入れ替えて、少しでも臭いを抑えようって思ってんだろ?」

ジェイル「うっ……」 ギクリ

エイミ(私はいざとなったら龍に変身すれば……あ、でも爬虫類って臭いっけ?)




28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29 22:10:28 ID:tVHof/V70


レナス「では、この中で臭い者トップ3を発表してくれ」

詩帆「分かりました……。ではまず3位の方から……」

レナス「ああ。誰なんだ?」


詩帆「その……。バドラックさんと……レナスさん……です」

レナス「……! 馬鹿な! そんなはずは――――」

詩帆「すごくすっぱい……果実が腐ったような……臭いがします」

レナス「」 ガクッ


アリューゼ「アイツと同着ってことはやっぱ相当臭いんだな」

メルティーナ「もしかしたらワキガの気でもあるんじゃないの? スソの方もさぁ」




30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29 22:13:47 ID:tVHof/V70


レナス「……」 ズーン

アリューゼ「おいヴァルキリー。まだ終わってねえだろ。さっさと進めてくれよ」

レナス「私があの薄汚いオヤジと同着……そんな……そんなはず……」 ブツブツ

アリューゼ「……駄目だなこりゃ。とりあえず2位を発表してくれ」

詩帆「はい。2位の方は……」



詩帆「ロレンタさん、です」

ロレンタ「!?」

詩帆「ご年配の方から漂う独特の香りが予想以上に……」

メルティーナ「あー。加齢臭とそれを誤魔化そうとキツくしたメイクが混じったあの臭いね。私なら分かるわ」




31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29 22:17:25 ID:hnF9k6OO0


若いまま死んだからって好き勝手言いすぎだろメルティーナ




32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29 22:17:36 ID:tVHof/V70


ロレンタ「どうせ私はババァ……そうよ……うふ、うふふ……」

アリューゼ「錯乱してるぞ。慰めてやったらどうなんだ」

メルティーナ「イヤよ。そんな義理はないわ」

アリューゼ「かつての恩師じゃないのか?」

メルティーナ「お礼参り我慢してるだけってくらい嫌いよ」

アリューゼ「薄情なヤツだな」


詩帆「あの……」

アリューゼ「話の腰折って悪かったな。1位を発表してくれ」




34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29 22:22:41 ID:tVHof/V70


詩帆「それでは……1位の発表です……」 ドキドキ

ジェイル(どうか私ではありませんように……どうか私ではありませんように……!)

エイミ(もし選ばれたら一生ドラゴンの姿のままでいよう……)


詩帆「その人の名前は――――」

メルティーナ(ま、もうなんとなく予想はついてるけどね)

アリューゼ(ああ。この中でまだ名前を呼ばれてない、臭そうなヤツがいるからな) チラッ

メルティーナ(マグロ……じゃないけど、唯一魚介系のあの娘がね) チラッ




35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29 22:27:41 ID:tVHof/V70


詩帆「夢瑠さん……です」

夢瑠「……」

アリューゼ(まあ妥当なところか)

メルティーナ(あの娘、変身するたび生臭くて同じパーティ組みたくないのよ。おろしショウガでも浴びせてやりたいくらいだわ)

レナス「やはりお前が悪臭の原因だったのか夢瑠」 ニヤニヤ

ロレンタ「漂ってくる磯の香りは耐え難いものね」 ニタニタ

夢瑠「そんな言い方……! ひどい……ひどいよ……」 ポロポロ



アリューゼ(おい、泣き出しちまったぞ)

メルティーナ(仕方ないでしょ事実なんだし自業自得よ)

アリューゼ(アイツ、半分は魚なんだから仕方ねえだろ)

メルティーナ(事の発端はアンタが汗臭いとかメシ食えないとか言い出したからでしょ)

アリューゼ(ったく……)




37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29 22:32:31 ID:tVHof/V70


アリューゼ「なあ、じいさん」

ガノッサ「……何用だ」

アリューゼ「アンタ、生前は大軍率いてたんだろ?」

ガノッサ「確かに。それがどうかしたか」

アリューゼ「なら、何か妙案を授けてくれよ。大勢で行軍するとき毎日風呂は入れないだろ? そんなとき、臭いはどうしてたんだ?」

ガノッサ「……そんなことも分からんのかお前らは」

アリューゼ「わからねえから聞いてんだ。頼む」

ガノッサ「ふん……。仕方ない。ならばワシが最良の解決策を授けてやる」

アリューゼ「おい! じいさんがこの一件を預かってくれるそうだ! もう臭いの話はここまでにしろ!」




39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29 22:38:59 ID:tVHof/V70


ガノッサ「要はな、臭いを気にしなければいいだけのこと」

アリューゼ「は? 気にするなって……それは精神論か? アンタらしくねえ答えだな」

ガノッサ「違う。ワシが言ってるのはそういうことではない」

アリューゼ「なら何だってんだ」

ガノッサ「いくら悪臭でも5分嗅ぎ続けてれば臭いが分からなくなる。鼻が馬鹿になるからな」

アリューゼ「……要点が見えねえな。具体的にどうしろってんだよ?」

ガノッサ「皆、同じくらい臭くなればいいだけの話だ。自分の臭いと相手の臭いがイコールならば、臭いなど気にならなくなる」

アリューゼ「……」

ガノッサ「どうだ? これこそが大陸一の頭脳を持つワシがはじき出した妙案」

アリューゼ「どうやらこのじいさん、ボケが始まったらしい」



アリューゼ「……ってワケで、とりあえず今から風呂行こうぜ、お前ら」






おわり




45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29 22:54:49 ID:lNuKASPVO


フレイの浄化してあげるわって、そういうことか……




47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29 23:06:01 ID:tVHof/V70


エフェクトイメージだけで言うなら
ペトロディスラプションってすんごい口臭攻撃だよね







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